ハーメルンのバイオリン弾き 総括
というわけで、ハーメル回顧録のまとめ。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録でどうぞ。
このシリーズを書こうと思ったのは、ブログを立ち上げてみたら、結構ハーメルで検索してたどり着くお客様が多かった事がきっかけです。
連載終わってもう何年も立っていて、まさか今でも好きな人がこれだけいるなんて。関わった者としては、非常に嬉しい事態でした。
そこで、そういうお客様にちょっとした裏話を伝え、違う視点でまたハーメルを楽しんでもらえたら、と考えました。上手く行ったでしょうか?
全体として眺めてみると、「ハーメルンのバイオリン弾き」という作品は、知る人ぞ知る、という世間の評価で。アニメが上手く行かなかったこともあり、ミリオンセラー級メガヒット、というわけには行きませんでした。
さらに言えば、ナベ先生のスタイル、ギャグとシリアスを極端に混ぜている事が、評価を真っ二つに。弟子の僕が言うのもなんですが、ナベ先生は正直、アーティストのタイプじゃないし、テクニシャンの系統でもない。突っ込もう、揚げ足取ろうと思ったら、隙だらけです。
お話としても、途中、中だるみが起きている感は否めません。
でもね。近くで見ていたからというだけではなく。この作品には、そんな弱点を補って余りある物が込められていると思うのです。
どれだけ、漫画に対して純粋でいられるか。
どれだけ、自分の作品を愛して、誠実に向き合えるか。
それは好きな人にとってはかけがえの無い物となり、その作品をその人にとって、唯一無二の物にすると思うのです。
テクニックは確かに大切だけど、それだけじゃない。込められた魂が重要だ。魂と魂が惹かれあったとき、作品と読者との間に、固い絆が生まれるんだ。
そういう事を感じさせてくれる作品でした。
そんな作品に深く関わることができ、そんな姿勢を間近で学ぶことが出来たという事は、僕にとってもかけがえのないことだったと思います。
それだけに気がついたら絶版になってたのは、ちょっとショック(笑)。(関連記事)
さて、昨年10月より続いたこの「こっそり週刊連載企画」も、これでお終いです。
ハーメルが最終回を迎えた時には、なんとも言えない心にぽっかり穴が空いたような、哀惜の念を感じたものですが。今回記事を書くにあたり、作品を丁寧に読み込み、当時の出来事を思い出していたら、また同じような気持ちになりました。まさか二回、最終回気分を味わうことになるとは(笑)。
約10ヶ月にわたる長い間、ご拝読ありがとうございました。
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