日記・コラム・つぶやき

2024/10/15

電子書籍は恐ろしい

こちらのポストが流れてきたのです。

漫画家の友人たちから、以前の作品の電子書籍の売上がけっこうある、という話は聞いていたのですけれども。

文字ものでも上がり始めたのかなと思わせるお話。

いろいろ公表されているデータを見ると、漫画のデジタルシフトはちゃんと進んでいるのに対して、文章ものは遅れに遅れています。

それどころか逆に、書店がピンチだからと紙の本を擁護するような動きが政治的に出ていて、売り上げ減の原因を考えればデジタルシフトは不可避なのに時代に逆行するようなことにお金を使うなんて、どうせ直接のプレイヤーじゃないところでちゅうちゅう吸いたいだけだろ、と本当に嫌な気分になっていたのですが。(ちなみにコンテンツ省もそういう臭いがするから嫌)

だんだん文字ものも電子書籍で売れるようになっているのであれば、期待が持てますね。

紙の本は絶滅はしないと思います。今でもアナログレコードを買う人がいるように、コレクターズアイテムとして、物体としての本を愛好する人は残ると思います。ただそれが今の出版業界の生態系を支えるのは無理でしょう。

そこでそれに合わせて、いろいろと各プレイヤーが考えていかなきゃいけない。それが本来の姿勢だと思います。

では、自分を顧みて、書き手はどうかと考えると。

電子書籍の場合、いつでもどこでも買える、古くなっても買える、というのは大きな利点。さらに言うと、まとめ買いに対する抵抗が少ないというのが、読者にとってはうっかり出費してしまう罠なのですが、作者にとっては非常にありがたい。

それに対して問題点としては、どうやって出会うのかということがあります。それは確かに実店舗の書店の方が強い。

利点を生かすためには、欲しい人とどうやって結びつくのか、それを工夫しないといけない。

時間が限られてるので大変ですが、がんばろう。そう決意を新たにするのでした。

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2024/10/13

失われる修行の場

こちらの記事を読みました。

漫画家アシスタント不足問題ーーアナログ画だけでなくデジタルでも「リモートでは教育が難しい」代替案は? Real Sound 24/10/04

漫画制作のデジタルシフトで、アシスタントもリモートで作業するようになり仕事場に集まらなくなった結果、技術の継承ができていないのではないか、という記事です。

僕がアシスタントに入り始めた頃には、基本アナログ作業で仕事場に集まって缶詰が普通でした。渡辺道明先生のところで2週間ぶっ続け泊まり込み、というような時期もありました。夏の終わりぐらいに仕事に入って、そのまま他の先生の仕事もはしごして、久しぶりに家に帰れるとなった時にはすっかり気候が涼しくなっていて半袖だと寒い、という事態になったこともあります。懐かしいですね。

そしてそういう中で、至らないところを辛抱して使ってもらって技術を身につけていったわけです。まあ僕はそんなに腕が立つわけでもないのですが、でもだからこそ、きちんと手取り足取り教えてもらわなければできないということがよくわかります。

さらによく仕事場で、僕や他のアシスタントがやっていたのが、背後霊。渡辺先生の後ろに立って、手元をじっと眺めるのです。気づいた渡辺先生が、無言で後ろに立つのやめてと悲鳴をあげたこともありました。そういうところで、色々盗んでいく。それはリモートではどうにもならないですよねえ。 

ちなみに、この記事中で紹介されているXの峰倉和也先生のアナログアシスタント募集のポストは、僕のタイムラインにも流れてきました。あの画質で作業についていけるアナログアシスタントとなると、もうなかなかいないんじゃないかなあ。

記事には触れられていない部分で、これの遠因ではないかという僕の私見を書きますと。

この人材不足は、長らく続いた業界の慣習的利益再分配の結果だ、と思います。

漫画家の仕事は単行本が出てなんぼ、ということは昔から言われていました。原稿料はアシスタント人件費とか仕事場の維持費に消えるからです。そして単行本の印税が1割。

しかし、これは適正な比率だったのか。立場が弱いので、搾取されていたのではないか。

例えば書店に飾られるポップ等の宣伝素材は漫画家のタダ働きであるケースが多い。宣伝すればその分売れるからいいでしょ、という理屈です。でもその分売れて儲かるのは、出版社も同じなのです。ということは編集者が休日返上で無給で書店営業しまくっている場合じゃないと公平ではない。

単行本の表紙を描いても原稿料出ないという漫画家さんの嘆きも、このあいだXで流れてきました。これも上記と同じ理屈ですね。ちなみに当然ですけど、装丁に関わるデザイナーさんにはお金が出ています。漫画家だけ無給です。出てるところもあるという話も流れてきましたが、出すところは偉いという話ではないのです。他の仕事であれば自分のところで売る商品の材料を仕入れる時に、気分次第で払ってやるよ、という態度が通用するわけないですよね。

さて、そういう状態なので、一部ヒット作家の華やかな話でごまかされているだけで、漫画家は原稿料も印税もギリギリのラインに抑えられている。ということは、その余波を食ってアシスタントに払うお金もギリギリです。こういう現場にお金が落ちてこない構造は、アニメ業界なんかでも言われていますね。

ちなみに、アシスタント募集の文言に漫画家を目指している人という条件が入っていることが多いのは、そういう人の方が修行だからとがんばることが期待できる他に、仕事として考えたら条件悪いから、修行として夢を搾取しないと成り立たないからだと思うんですよね。

昔、時給を計算して、ダメだこれは考えちゃいけないと思ったこともありました。別に格別安くこき使われていたという話ではないです。相場通りでも格安時給になってしまうのです。会計的には雇用ではなく請負ということにして、最低時給適用外になってる。

佐藤秀峰先生が以前その点について、実態は雇用なんだからちゃんとしないとと問題提起していましたね。大御所の先生のチーフアシスタントでしっかりとしたお給料をもらっている人の話を聞いたこともあります。ただ、全体としてはそうなっていなかった。

そうなると、一部のすごい背景を描ける人は引く手あまただからプロアシスタントとして続けられるけど、ほどほどの人だと漫画家になる夢が破れた時点で「まともな」仕事につかなきゃとなってしまう。必要な技量は職人だけど、仕事としては底辺、下手すればそれ以下だから。こうして描ける人が不足する。アナログを経験しているベテランでフリーの人は、そういないと思います。

さらにデジタルアシスタントでリモートだと、形としてもフリーランス同士の請負になります。さてそうなった時に底辺職のままでは、わざわざそんな仕事に就こうという人はいないので、修行する場もないし、修行する動機もありません。そうするとデジタルアシスタントでも、この傾向は加速するんじゃないでしょうか。

記事中にAIを使ったアシスタントが出てきましたけど、むしろ作家が直接使って人手不足をなんとかするのが普通の時代になるかもしれないですね。今でも写真トレスの代わりの機能はあるし、3Dモデルを作ってそこから背景や小物を出力するのもできますし、そういう機能を使って効率化を図っている人はいます。

AIモデリングはまだ精度が低いみたいですが、そのうち一度設定のラフスケッチ描いたら3Dモデルに起こしてくれるようになるかもしれない。そういう技術の進歩に期待するしかないのかも。

さて、技術の継承という観点で、僕自身の体験談からもう一つ問題だなあと思っていることがあります。

それはお話作りについてです。上の記事では画面作りの話しかしていませんが、みんなが集まった共同生活の状態で、実は一番力がつくのは話作りについてなのではないかと思うのです。

ただ、これは先生によってだいぶ変わってくる話です。運よく漫画の話をするのが大好きなタイプの先生のところに行くと、自分の持ってるノウハウとか考え方を惜しみなく話してくれます。他の人とも意見交換ができる。僕は朝から晩までそんな感じで育ちました。あれはめっちゃ大きかった。

さらには仕事が終わった時に、自分の描いているネームを見せて感想をもらうこともできます。これもめっちゃ大きい。持ち込みに行って担当さんと話していても得られないものがあるのです。相手が実際に高いレベルで描ける人だからです。

どこをどうすればどういう印象が与えられるか、という細部がしっかりわかっている。よく、読んで批評してもらっている時に、だんだん口で説明するのが難しくなった先生が、その場で描き直してくれるということがありました。渡辺道明先生だけではなく、当時は近所に西川秀明先生もいて見ていただく機会も多く、やはり描き直してくれたことがあります。そうすると目の前で、見る間に『ハーメルンのバイオリン弾き』風とか、『Z-MAN』風に直っていくのです。

そのままだと周りから浮いてしまうので、自分風に直さないといけないのですが、でもそうやって具体例を見せてくれるので、何が問題なのか 見比べてすぐにわかる。

現在、コミカライズ作品等で、原作と作画以外に構成の人がクレジットされていることがありますが、これがネームを描いている人。お話をネームの形に起こすというのは実は特殊技能なので、それに長けた専門家を入れなければいけないケースがあるということなのです。ここの部分は独学で学ぶのはとても大変なうえ、描いた経験のない人が教えるのも非常に難しいと思うので、現場での修行がなくなった今、なかなか手薄になってるんじゃないのかな。

そうすると、最初から感覚的につかめている天才じゃなければならないということになる。世に発表する手段は多様になり、そこのハードルは下がっていますが、面白いとみんなに認めてもらえるものを書くというハードルは、ある意味助走なしになってきつくなってるのかなあと思います。

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2024/10/11

疲れた

サッカーがこの後始まるので、それを見てから記事書いて寝ようかと思ってんですけど。

もう駄目だ、疲れた眠い。

今週は出かける仕事の方が忙しくて大変でした。

スタメン発表された。関根君がベンチ外だ。もう寝よう。

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2024/10/09

第二の月

地球には月が1つというのは常識だと思うのですが。

なんと現在、地球には2つの月があるのです!

9月末から、地球の月が2つになります(ただし2カ月間だけ)GIZMODO 24/9/18

小惑星2024PT5が地球の引力に捕まって、衛星として地球を回っています。ただし一周したらまた飛んでいってしまうのですが。

2つの月というフレーズはワクワクしますね。SFっぽい。

ただ、月よりもだいぶ遠く、さらに直径10mほどとめっちゃちっちゃいので、肉眼では見えないのが残念。かなり大きな望遠鏡が必要。

このように地球の周りには実は小さな小惑星があって、たまに 引力で捕まえられて、2つ目の月が発生していることがあるのだそうです。最近は2022年6月11日から7月3日の間、2022NX1という小惑星が捕まっていました。

さて、こういう小惑星の近づく角度が少し変わると、地球に落ちてきてしまう可能性があります。今回ぐらいのサイズでも、地上に落ちれば街が吹っ飛ぶレベルになります。そういう危険な小惑星を早めにキャッチしようという活動があり、この小惑星もそれによって見つかりました。ぞっとする話ですが、これまたちょっとSFな感じがして、わくわくしなくもない……

……とか考えていたら、短編思いついた。どこかで書こう。

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2024/10/08

仕事は明けたが

週末で一仕事明け、通常モードになったのですが。

今週は、その通常モードの仕事が、けっこう忙しくなると思われる週。つまり明けたけれども明けてないのです。

一番の問題は睡眠時間です。一見そこまで厳しいスケジュールではないのですが、年を取ったせいか眠りが浅くなっており、寝てる途中で目が覚めてしまいます。すっきりさせるためには、思い切り二度寝三度寝をして、眠さを追い払うしかない。しかしそうすると、通常お仕事日は時間が逼迫してしまうのです。

色々試して若干改善しているのですが、昔のように気絶するように寝入って、次に気づいたら8時間すっきりというのは望めない。今日も最後会議の途中、ふうっと意識が遠のきました。寝不足。

年を取るのは嫌ですねえ。

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2024/10/07

仕事大詰め

絶賛お仕事中です。

仕事のBGM代わりに、録り溜めておいたアニメを流したりするのですが。

本当に溜めてあっただけで初見のものがあり、見てみたらダメだったという悲しいパターン。

面白さの元にはテンポの取り方、間の取り方があると思うのですが、そういう細かいところがダメだと話の筋が同じでも面白くない。

原作漫画は好きなんですけどね。残念だなあ。

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2024/10/03

生成AI補足

この間、HON-CF2024を見て、生成AIについての記事を書きました。

その中で僕は、生成AIは原理としては統計的に学習しているので、精度が上がれば上がるほどそつなくなっていき、創作に必要なオリジナリティが出せないのではないかと書きました。今日はこれについて、もうちょっと補足。

もうちょっと詳しく書こうと思ったきっかけは、通勤途中によく見かけている広告です。そのそばを通る時、ああ、これが具体例だなと思ったのです。

それは昔の少女漫画風の広告で、パロディーになっているやつです。『エースをねらえ!』風のやつ。よくありますよね、縦ロールの、まつげバチバチのお嬢様が出てくるの。これ以外にも例えば『巨人の星』のパロディなんかもありますよね。

あれがパロディとして成立するのは、過去にものすごい流行ったからです。そしてそれが時代が流れて、本来の意味が風化して、面白いものとして扱われてしまっている。

でもあれがリアルタイムに流行っていた時期には、あの絵はとても素敵なものでした。ああいう絵が表しているキラキラ感とか熱さに、みんな心を動かされていたのです。

このように「流行り」というものは定まったものではなく、環境条件に影響される、極めて感覚的なものだというのがポイントです。あの昔の少女漫画に特徴的な、まつげバチバチで瞳の中に星が大量にキラキラと描かれているあの画風は、それ以前の文脈があって、それをより強化して強化してたどり着いたもの。それがある程度行くと、一転別方向に進むようになって、絵柄の流行りが変わる。

この別方向に進むということがAIでは難しいんじゃないかな、というのが先の記事に書いた意見なのです。以前のケースからの学習からは出てこないものだからです。それ以前のものから変えて流行から外そうという意思がいる。それはAI自体にはないものです。

さて、そうした時。結局AIは道具なので、使っている人には意思があります。その人の使い方次第では違うものができる。

ただですね、これも以前書いたのですが、そもそもAIを使って創作しようと思う人はどういう人なのか。

創作には苦しみが伴います。いろいろな試行錯誤の果てに、ようやくたどり着く境地がある。ところがそうやって一生懸命がんばって書いても、全然評価してもらえなかったり、さらにちょっと時間が経って落ち着いてから自分で見たら「やばい。全然下手だ」と自覚してしまったりしてがっかりする、というようなことが起きます。

それでも筆を折らない人は、一生懸命がんばってうまくできたと思った時のささやかな喜びに囚われた人です。後で下手だと自覚して肩を落とすことになったとしても、出来上がった時の喜びが何よりも代えがたい。そういう人なのです。

ではAIを使う人はどうでしょう。中には、テクノロジーを使いこなすことに喜びを感じている人はいるでしょう。そういう人はちょっと似ている。

でも、懸念される事態、AIにより人間の作った作品が駆逐されるという場合には、大量にAI作品が供給されているはずです。そこに登場する使い手は、物を作るささやかな喜びよりも、手軽に評価が欲しい人ではないか。もっと言うと、簡単にぼろく儲けたいと思っている人ではないか。

そうなるとですね。前述の通り、道具としてAIを使いこなして尖ったものを作ることは可能だとは思うんです。大量に試行錯誤して出力させれば、その中にはいい表現があるかもしれない。

しかしそのために使う時間。さらに言うと、判断できる人になるためにも膨大な時間が必要です。もう受けるとわかっているものがあるのに、わざわざ時間をかけてうまくいくかどうかわからないその試行錯誤をする、その試行錯誤を判断する力をつける修行をする、そんなインセンティブがあるでしょうか。

そう考えていくと、人が生き残る余地は、その辺りには必ず残るのではないか。創作する人間が極めなきゃいけないものは、そういうところにあるはず。

ただこれは、なかなかリターンがないところにあえて行くということでもあります。その覚悟と作りたい個人的な動機を大切にしながら、進まなければいけないなと思います。

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2024/10/02

スマホ執筆

週末に『ダークエルフのお姉さんといちゃこらダンジョン生活』第三話をカクヨムにアップしまして。

苦戦している現代劇に戻ります。

仕事がある日は通勤電車でスマホ執筆。あんまり進まないんですけど、毎日ちょっとずつでも触っておくのが大切。

間に別の原稿を挟むと、頭が切り替わっていて、客観的に見れますね。頭から読み直し。

苦しんだかいあって、ここまではうまくいってるように見えるのですが。

とにかく書き終わらないと、評価もないので。

こつこつがんばろう。

 

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2024/10/01

2024秋冬ワクチン

さてそろそろ、秋冬の新型コロナウイルスワクチン接種についての情報を集めなければいけないな、という時期になってまいりました。

高齢者等は助成付きなのですが、僕はその条件には引っ掛かっておらず自費になるのでお値段高いんですけど、でも打ちますよ。

と言うかですね、情報を追っていると打つ一択なんですよね。

新型コロナ感染症Covid-19は、5類降格に伴い世間ではすっかりもう大したことなくなったのだというふうに扱われていますが、それはぶっちゃけ情報不足から来るもの。対策にもうお金を使いたくなかった政府がミスリードを誘い、マスコミも一緒に加担しているために、ちゃんと情報が出回っていないのです。

まず全然コロナ禍は収まっていません。昨年春に5類にしたところ対策が緩み、感染者は増加。確かに変異により、上気道炎が主な症状になったので、かかった時の死亡率は下がりましたが、感染力が上がったため、「健康なところからかかって死ぬ率」はむしろ上がりました。

新型コロナ死者、累計10万人超に…男性5万7222人・女性4万8728人

新型コロナウイルス感染症による死者数が累計で10万人を超えたことが、厚生労働省が発表した人口動態統計で分かった。2023年の死者数(概数)は3万8080人で、20~22年の死者数(確定数)と合わせると、計10万5950人となった。

新型コロナの流行が始まった20年の死者数は3466人だった。重症化しやすい変異株「デルタ株」が流行した21年には1万6766人に増加した。22年は、致死率が低下した「オミクロン株」が主流になったが、感染者数が急増したことに伴い、死者数も4万7638人に上った。

男女別では、男性5万7222人、女性4万8728人だった。

厚労省は新型コロナ死者数を毎日公表していたが、5類移行に伴って終了し、対象月の約5か月後にまとめる人口動態統計により、月単位で公表している。

読売新聞オンライン 24/06/06

昨年は年に3万8080人。そして直接コロナ感染で死亡するだけでなく、持病の悪化や衰弱も誘うので、それによる関連死がさらに何万人もいます。全然収まってない。

そしてもっと問題にならなければいけないのは、後遺症だと思います。研究が進み、その情報も見かけるのですが、見れば見るほどヤバさしか伝わってこない。

ただの風邪とか言っちゃう人がいるように、呼吸器感染症だと思われている新型コロナ感染症。確かに急性期の症状は、咳が出たり、熱が出たり、ひどいと肺炎になったり。

しかしですね。その後の後遺症と言われているところの方が、むしろ本体なのではないかと最近感じてるんですよ。増殖したウイルスは拡散して、体中の細胞に潜り込んでいきます。そしてその中で色々悪さをする。

特にミトコンドリアという細胞内のエネルギー器官を弱らせることがわかってきました。後遺症として、立ち上がれないほどの強い倦怠感が生じることが知られていますが、それはどうもこれが原因。

他にもいろいろなところの細胞をダメにしていくので、ものすごい種類の後遺症が観測されているのです。そしてそれがかなりやばい。

その中の一つが脳に対する影響で、僕がめっちゃ恐れているやつです。実際に脳細胞がやられて脳が縮んでしまっているという現象も見られています。かかるたび、認知機能が下がっていくという研究結果が出ています。

新型コロナウイルスに感染するとIQが下がる可能性が11万人以上を対象にした研究で示される

新型コロナウイルスに感染すると、思考にモヤがかかる現象「ブレインフォグ」が発生することが知られています。新たに、11万人におよぶ被検者を対象にして研究によって、新型コロナウイルスに感染するとIQが低下する可能性が示されました。

Cognition and Memory after Covid-19 in a Large Community Sample | NEJM
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2311330

Mounting research shows that COVID-19 leaves its mark on the brain, including with significant drops in IQ scores
https://theconversation.com/mounting-research-shows-that-covid-19-leaves-its-mark-on-the-brain-including-with-significant-drops-in-iq-scores-224216

新型コロナウイルスによる脳への影響はパンデミック初期から研究されており、2020年7月には「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は軽症でも脳に影響を及ぼす」という研究結果が報告されたほか、2020年12月には「新型コロナウイルスは脳に侵入する」という研究結果も報告されています。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って「COVID-19が発症すると、熱が下がった後も脳にモヤがかかったような『ブレインフォグ』が続く」という事例が数多く報告されるようになりました。

その後、2022年5月には「COVID-19の重症患者はIQ10ポイント減に相当する認知能力の低下を経験する」という研究結果が発表されました。ただし、この研究は被検者が46人しかいなかったほか、被検者の種類も「COVID-19の重症患者」に限られていました。

そんな中、「新型コロナウイルスの非感染者」「軽度のCOVID-19を患って回復した患者」「COVID-19の症状が長続きしている患者」「COVID-19の重症患者」を含む11万2964人の被検者を対象に認知能力のテストを実施し、新型コロナウイルスの感染者と非感染者の認知能力の差を分析した研究結果が2024年2月29日に発表されました。

研究報告によると、新型コロナウイルスの非感染者と比べて「軽度のCOVID-19を患って回復した患者」はIQ3ポイント、「COVID-19の症状が長続きしている患者」はIQ6ポイント、「COVID-19の重症患者」はIQ9ポイントに相当する認知能力の低下が確認されました。また、COVID-19から回復した後に新型コロナウイルスに再感染した患者では、再感染しなかった患者と比べてさらにIQ2ポイント相当の認知能力低下が低下されました。

また、新型コロナウイルスワクチンを2回以上摂取した患者では認知能力の低下がわずかに抑えられることも明らかになっています。

研究に参加していない疫学者のズィヤード・アル・アリー氏は、研究結果を受けて「新型コロナウイルスは脳に重大な影響を与えるウイルスであると認識する必要があります。ブレインフォグを含め、新型コロナウイルスに起因する認知障害の原因を突き止めるには、世界中の研究者の数年にわたる協力が必要です」とコメントしています。

Gigazine 24/3/14

これ今、日本の文部科学省が完全にやらかしていて、学校での奪マスクを推進してしまっています。何度もかかってしまった子供はすでに、脳に影響が出ているかもしれないのです。しかもかわいそうなのが、本来もっと認知能力が高くなれたはずなのに、人知れず能力が抑えられてしまっているかもしれないこと。成長途中なので、本来がどれぐらいなのかがわかりません。

かかるたびに認知能力が下がっていくとしたら、若年認知症のような状態になってしまう人がけっこう出るかもなあ。

さらに脳だけではなく、他の臓器もやられる。特に、血管、心臓が弱るととてもやばい。こちらもいろいろ研究が出ています。免疫もやられるという研究も出ていますね。

そして後遺症が長引くのは、実際にウイルスが完全に退治できておらず、長く体内に居座っているからだということもわかってきました。そうするとそこに何度も感染して追いウイルスという状態になってしまうと、症状がどんどん悪化。後遺症が出る確率も上がります。

海外だと、後遺症で働けなくなった人による経済的損失が問題になってきています。日本はガン無視だけど。

こんな時に反ワク総理になるんだもんな。最悪だ。

とにかく絶対かかりたくない。ワクチン、いつ頃打とうかな。

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2024/09/25

生成AI時代の書き手の生存戦略

生成AIの進歩がここ最近ずっと話題になっています。ということで、9/6より開催していたHON-CF2024のオープニングセッションがその話題でした。本日はその話題です。

ただ、イベント全体のオープニングということで、最初のライター・エッセイストの佐藤友美さんの基調講演「人間の書いた文章なのか? と問われる時代に」は、AIについてだったのですが、その後のパネルディスカッション、司会にNPO法人HON.jp理事長・鷹野さんが入り、佐藤さんに文筆家・記者の猪谷千香さん、ライターの碇雪恵さんが加わった「生成AI時代の書き手の生存戦略」は、どちらかというとAIの話よりも、これから始まる各セッションに関連するような総括的な内容となっていました。

それはそれでめっちゃ興味深い話があり、特に現在、ライターや著者の養成講座がとても流行っていて大勢の人が来ているという話は、ゴールドラッシュで儲けたのは金鉱掘りではなく、そのための道具を売る人たちだった、という話を思い起こさせました。

こちらはまだチケット購入でアーカイブ視聴可能です。チケット販売は10月末までです。

さてしかし、一番興味があったのは、やはり最初の基調講演で話していた生成AIについてなのです。

最近、録ってあったけれど見ていなかったAIについての科学番組や、読んでなかった科学雑誌のAIについての記事などを、まとめて消化したのですが、そこで説明していた生成AIの仕組みで考えたことがありました。

生成AIで大ヒット作を作るの、これだと原理的に無理なんじゃないかな。

だいぶ大雑把な説明ですが、生成AIがまるでちゃんと考えたかのような文章を出力する仕組みは、言葉の間の関連性を学習しているからということなのだそうです。ある単語とある単語が、どれぐらい強い結びつきを持っているか。「りんご」と「赤」が結びついているというような感じですね。こういう関連性を膨大な量で学習した結果、関連の強さに従って単語を並べていくと文章が出来上がる。

では、なぜその仕組みを知り、大ヒット作は無理なのではないかと思ったのかと言いますと。

大ヒット作品を生むためには、他の作品にはない個性が必要だからです。

漫画の方が絵的にわかりやすいと思うので、ちょっとそちらで例えますけれど。

例えば現在、少年漫画の題材として、妖怪、鬼、悪魔などを退治するファンタジーが流行っています。流行りのジャンルとなると当然骨格の部分は似てくる。そこをみんな独自の解釈や用語を使い、差別化を図ろうとするわけです。

そんな時、こういう作品があったらどうでしょう。人を殺す鬼が敵。それを倒す鬼狩りの話。鬼を倒すためには剣を使って、少年漫画らしく技名を叫びながら戦います。すごい大技を出せる理由は呼吸を練ったからです。『○○の呼吸』という感じで……。

さてここまで書けば、お気づきでしょう。これは『鬼滅の刃』です。

こうやって大枠の要素を並べてみると、実は他の作品と大差ない。しかし『鬼滅の刃』はご存知の通り、圧倒的な人気を誇りました。僕も好きで連載開始当初からからずっと読んでいました。その人気の理由として、振れ幅の大きさがあるんじゃないかなと思っています。

例えば、鬼側の事情の描き方。それまで酷いことをしていた鬼の、死に際の回想を読んでみると、ちょっとかわいそうと思ってしまう。そう思わせるのは演出自体にためらいがなく、完全に振り切っているからです。酷い時にはとことん酷く、かわいそうな時にはとことんかわいそうに描いてある。

これはキャラクターの描写にも出ています。善逸や伊之助のキャラクターの描き方。思い切って極端なところに振り切っている。煉獄さんも、最初は目の焦点が合っていない話の通じない人ですが、最後は涙なしでは読めません。

ある意味では、前と後ろでつながりが切れてしまっている。それぐらいの振れ幅。それがものすごいエネルギーを生んでいる。しかも関連性をバラバラにすればいいというわけではありません。それではただの気違いです。ぎりぎりのところを攻めて、これならありだと思わせるところで成立させる。そういう「普通ではない」部分に個性が現れる。

でも、そういう点で言うと、生成AIの根本的な仕組み、関連性を学習して一番来そうな単語を並べていくという方法では、そういう個性は出てこない。なぜなら、わざと関連性が低いところに、思い切って突っ込んでいく意志と感性が必要だから。生成AIはこの仕組みのままであれば、精度はどんどん上がるけど、どんどん「そつなく」なっていくんじゃないかと思います。

世に数ある作品の中には2番煎じ、3番煎じのような書き方をしてるものもあるので、そういうものはAIに追いつかれてしまうかもしれませんし、逆に作者の方がもう下書きはAIに任せてしまえという展開もありえると思いますが、一つ突き抜けたものを作るということは、やはり人の領分なのでは。

そう考えるとAI時代の作家というのは、流行りがどうたらというようなことばかり考えていてはだめで、自分自身を突き詰めて、他の人だったらこうつなげないのに、というような表現やストーリー展開を極めていかなきゃいけないのかなと、そう思っている次第です。がんばろう。

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