日記・コラム・つぶやき

2023/09/28

読みづらい読書

このあいだ、仕事の参考図書を読んでいると、興味のない題材でも読ませる筆力の高い作品に出会って勉強になる、ということを書きましたが。

今週は逆の例に出会いました。

興味がないうえに文章に入りづらくて、何度も何度もトライして、結局20pちょいで諦めた。一回手に取るごとに数ページしか我慢できなかったということ。正確にはちょこっと飛ばし読みして先を確認しているのですが、多分最短記録です。

先に断っておきますと、下手だったということではないのです。

舞台が地方で、方言をふんだんに使ってたんですね。人称は全部方言、名詞もかなりの割合で方言。脇に一応ルビが振ってあって意味が分かるようにはなっている。

方言を使うとその土地の雰囲気は出ます。しかしその土地の人ではない僕には、慣れていないのでひたすら読みづらいのです。セリフだけじゃなくて地の文も方言語りだから、ルビに目を凝らさなくちゃいけなくて、本文とルビで二度読みになる。全然世界に入っていけない。ということで、ちょっと読んで閉じて他のことをやり、また読んでは閉じての繰り返し。そして仕事の参考図書なのでここまでに読まなければいけないという締め切りがあって、時間切れして脱落。

舞台になった地方と時代設定、そして題材が、このジャンル界隈では評価が高いやつなので、土地の雰囲気出す方に全振りしたんだろうなあと思うのですが。

この辺は難しい問題ですよね。

方言がっちり使い、地元の風習なんかの描写も濃厚。リアリティはすごく出ているので、この土地の話ということでポイントつける読者であれば高評価になるはず。

しかし、僕はそこに興味がないので、方言で雰囲気出されてもただ読みづらく、日常がいつまでたっても終わらず事件が起きないことで、まったくドライブされることがなく終わってしまった。日常風景ばかりでも読めた作品もあるのですが、あれは表現に工夫が凝らされていて、文章自体の読み心地がすごくよかったんですよね。でもそういうんじゃなくて、しっかり調べましたという感じだった。リアリティ押し。

先々まで行ったら興味持てる話になるのかなと、つまみ食い的に後ろを覗いて見ましたが、イベント的にも文体はこうするべきだなあと感じました。ふわふわの文で読み心地よくしたらいけない。その策も取れない。

ただこれがSFだったら、リアリティ押しされたらウキウキして読んでるんですよ、きっと。ルビで違う読み方させるのも、SF用語だったら大好きですし。僕の読者としての立ち位置が、大きく関係しているということなのです。

例えば、歴史ものなんかでも、こういう事態は発生しますよね。言い回しにどこまでリアリティを求めるか。それにより読者層が変わる。

リアリティを追及すると濃い読者が釣れて、リーダビリティを高めると入り口が広くなり幅広い読者が網にかかる。濃い読者の方が反応がいいので、絞り込むのは一つの手。

リアリティと読みやすさの間で、作品をどの辺りに設定するかで同じ筋立てでも守備範囲が変わってくるという、戦略の問題について考えさせられたのでした。

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2023/09/27

ペンギン全滅

1か月ほど前のものですが、南極のコウテイペンギンのコロニーで、繁殖失敗したみたいだというニュース。

皇帝ペンギンひな、大量死か 南極の氷解ける―英研究

【ニューヨーク時事】南極の氷が解け、皇帝ペンギンのひなが2022年、大量死した可能性がある。英研究者らが24日、論文を科学誌ネイチャー(電子版)に掲載した。繁殖地の氷が消え、ひなが泳げるようになる前に冷たい海に落ちてしまったとみられる。南極の氷は近年、温暖化の影響で減少している。

論文を執筆した極地研究機関「英南極調査所(BAS)」のピーター・フレットウェル博士は英BBC放送に対し「温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出を減らさなければ、この美しい鳥たちを絶滅の淵に追い込んでしまう」と警告した。

分析は、南極大陸西部につながった海氷にある五つの繁殖地を対象に、衛星画像を用いて行った。この結果、22年10月末から12月初めにかけて四つの繁殖地が氷の消失で放棄されたことを確認した。皇帝ペンギンのひなが巣立つのは12月から1月ごろで、それまでは防水性のある大人の毛に生え替わっていないことから、多くが生き延びられなかった恐れがある。

それぞれの繁殖地には630~3500ほどのつがいがいると推計されていた。別の研究では、今世紀末までに90%を超える皇帝ペンギンの繁殖地がほぼ失われると予測され、絶滅の危機にさらされている。

南極の氷の面積は16年以降、減少していると言われてきた。温暖化の影響が指摘されている。

JIJI.COM 23/8/25

五つのうち四つで、雛が全滅したかもしれないとのこと。温暖化が進んだ結果、海氷が溶けてしまったのではという記事です。

僕が以前見た科学番組では、雪ではなく雨が降ってきて営巣地が水びたしになり、まだ撥水機能のない雛が凍えているシーンがありました。

南極に限ったことではなく、温暖化は地球全体で進んでいます。北極では海氷が減って狩りができなくなったシロクマが、沿岸の町に上陸してきて、ゴミをあさったり家に入ってきたりしています。別の科学番組で、侵入しようとしたシロクマに遭遇して大怪我を負ったシーンを見ました。

動物も大変ですけれど、人もその影響から逃れられません。気候の極端化が各地で進み、気象災害が頻発。日本でも。

この間、ニュースを見ていたら、台風13号で浸水被害が出た地域の話題が。止水板を設置して被害をまぬがれたという話。台風だけではなく雨の降り方も激しくなっていますし、標準装備になっていったりするんですかねえ。

海外ではリビアで大洪水がありました。台風並みに発達した低気圧が襲い、対岸のギリシャでは年間降水量の1.5倍の雨が降ったとのこと。枯れ川に雨水が押し寄せ大濁流となり、なんとマンションの3階まで浸水、街並みがすべて押し流される大惨事となっています。

アフリカでは政情不安の国も多く、欧州へと渡る難民が増加、人権重視のEU内でも受け入れ拒否が出て混乱中。ここに気象災害が頻発するとますますひどくなりそう。

温暖化は止めないといけないんだけど、対策にも問題があって、どうなるのかなあと注目しています。ペンギン全滅からいろいろ考えさせられたのでした。

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2023/09/21

お仕事読書

仕事の都合で参考資料として小説を読まないといけないのです。ブログに感想を書いているのは、そのうち素直に面白いと思えたもの。それ以外にもかなりの量を読んでいます。

さて、面白いと感じるのはどういう状態か。これは長年のテーマなんですけれども。

現在の認識としては、面白さの物差しは一つではなく、たくさんあると考えていて、どの物差しを持っているかは読者の個性である、というもの。

その物差しにより測る方向が違うので、その作品が面白いかどうかは、方向性と絶対値という二つの要素がある。なので、作品のクオリティが高くても響かないことがある。逆に世間の評価がそれほど高くなくても、本人にはとても響いている時もある。さらに、方向が少しずれていても、力技で面白いと感じさせることもある。

さて、普段の僕がお楽しみで読む小説は、SFだったりライトノベルだったり、エンタメ方面です。参考図書群のベクトルとは違っています。ただ、少年漫画好きでもあるので、熱血スポーツ小説になっていると好感度は高い。

今まで読んだ中での一押しは『パラ・スター』でしょうか。特に下巻、宝良編の大会の盛り上がり方が最高でした。

パラ・スター <Side 百花>パラ・スター <Side 宝良>

でも残念ながら、参考図書で熱血スポーツものに当たる確率はあまり高くありません。たいてい自分の好みとは方向性が違います。

ここからが本日の主題。そういう完全に方向違いのものを読んでいると、むしろ違うからこそ勉強になるのです。

好みによるドライブがまったくかかっていない状態なので、読んでいる僕のテンションは上がっていません。僕は感情移入派読者なので「やばい、誰一人感情移入できない」という状態になると、ますますテンション低空飛行です。

そんな状態でも、次のページをめくらせるお話が存在する。

「こういう話、好きじゃないんだよなあ……」と、ぶつくさ言いながら、読み終わっていたりする。

ただひたすら、文章がうまいからです。

例えば文章のテンポ。例えば漂う緊張感。無駄のない、それでいて豊かに彩られた描写。

そういうものが、興味のない題材でも、次のページへとめくらせる。

こういうふうに書けるようになりたいなあと思いつつ、今日もせっせと読んでいます。

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2023/09/20

立ち尽くす読書

仕事先に電車で向かう、乗換駅でのこと。

ホームの柱のそばに、セーラー服の少女が一人、立ち尽くしていて。

ハードカバーの本を両手で持って、一心不乱に読んでいました。

ここは終点の降車ホームで、乗る人は反対側から。ということはこの女の子は読むのが止まらなくなって、ずっと立ち読書しているということ?

まだまだ残暑厳しく気温は30℃超え。しかもここはビルの中にホームがある構造で風が通らず、電車のモーターからの排熱がこもる。

そんな環境をものともせず、少女は背中を丸めて食い入るように本を読み続けています。いったいどんなお話が、そこまで彼女を引き込んでいるのか。青い絵の表紙のタイトルは見えない。

さすがにここでおっさんが下から覗き込んだらびっくりさせてしまうのでそれはせず(当たり前)、僕はそのそばを通り過ぎたのでした。

あんなにのめり込んで読んでもらえたら幸せだろうなあ。僕もそんなお話が書きたい。

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2023/09/13

出版の多様性

HON.jp設立10周年記念カンファレンスの中のセッションの一つ『セッション2-1:個人出版「セルフパブリッシングが出版の多様性を守る」』に登壇させていただきまして。

その準備で先に提示されていたお題について考えていると、これは自分の創作人生に深く関わるテーマだと思った、という話をこの間書いたのですが。

そういえば、それがHON.jpへの参加理由だった、という話を本番でしそびれたので、それも含めて、ちょいとここに書いてみようと思います。

ちなみにカンファレンスのアーカイブ動画視聴チケットは9月いっぱいご購入いただけますので、ご興味おありでしたらぜひどうぞ。こちらから。

さて本日のお題に参りましょう。僕はもともとは漫画家です。子供の頃から漫画家になると言っていました。ひたすらプロデビュー、そして連載を目指してがんばっていたのです。

大人になり、本格的に漫画家修行に入ります。なかなか結果が出ません。最初のうちはいいのです。単純に下手だからです。

特に僕は、渡辺宙明先生のところでアシスタントをして、ネームも見てもらっていたので、具体的な指摘を受けて、そういう自分の至らなさはわかっていました。西川秀明先生もご近所だったので、よく見てもらっていました。プロの先生に見てもらうと本当に勉強になります。「ここをそうしたいなら、ここをこうしてこっちをこうして……」と、具体的な指摘があり、時には実際に描いて見せてもらえたりするのです。

すると勉強になりつつ、「自分はまだまだなんだな」ということも実感できます。そんな感じで最初の頃は、ただひたすらがんばっていたのですが。

だんだん「あれ? ただ下手なだけではない問題があるな」と気づいてきました。

打ち合わせでのネーム直しの注文が違ってきた。

技術的に上がってきて、大きな穴はなくなってきたので、そういう指摘はされなくなってきた。

なのに通らない。

担当さんに「かわせくんのネームは、すいすい読めるんだけどねえ」と言われる。

「まずここを削って……」と指摘されるシーンが、自分が一番楽しく描けたところだったりする。

僕のが売れる形になってないと指摘されているのです。ストレートに「こういうの描けばいいんですよ」と、打ち合わせスペースの壁に貼ってあったアニメ化作品のポスターを指して言われたこともあります。

そしてこれは、編集さんの言ってることが正しいんですよね。

特に漫画の場合、ずっとアンケートを取っているので、どういうものが売れるのか、データがしっかり蓄積されています。押さえるべきところがあるのは当然です。僕の感性の方がポピュラーなところからずれているのです。

しかし、自分が一番楽しいと思っているところが削られるのが問題です。たいてい何てことないささやかなシーンなんですが、そこでキャラが一番うまく出せたと感じている。そこを削られるということは、自分的にはキャラクターの心臓部をえぐられた形になっていて、極端な言い方をすれば残りカスの形を整えて商品に仕上げなくてはいけない。

しかもライバルはその形のものを心底面白いと感じていて、ノリノリで魂込めて描いている天才だったりするのです。それに対して魂が入れられない状態で職人的なテクニックだけで対抗するとなると、ものすごい技術レベルが要求される。最初はそれでもがんばってうまくなれば何とかなると自分に言い聞かせていましたが、これはぶっちゃけ無理ゲーなのではないか、そんな絶望を感じる時期がやってきました。

さてある日、担当さんにはこの出来なら会議は通るだろうからもう描き始めていいよと言われたネームが編集会議でボツを喰らった時のこと。絶望に打ちひしがれていると、ある思いが頭をもたげてきました。ボツになったので描くのを禁止された気分になっているけれど、描きたいなら描けばいいではないか。僕の描く自由が奪われたわけではないのです。

しかも売れそうな形じゃないということでボツだとしても、人間というのは千差万別で十人十色。読者にはいろいろな人がいます。好みは人によって違う。例えば打ち切り漫画にだって、楽しみに読んでいた人がいるのです。「需要が少ない」のと「需要がない」のは違う。これには採算ラインの問題が含まれている。だからあえて需要の少ないところに行くのは自由。やるかどうかは自分の思い入れと覚悟次第。

そう考えられた時、困難な状況は変わっていないのですが、それが追い込まれた結果の絶望ではなく、自分が主体的に選べることなんだと、気持ちが楽になったのでした。

そして考え方を変えました。企画のカードをたくさん用意して、最初から形がはまっていそうなものを商業出版に持っていけばいい。はまっていない時には固執せず、すぐ切り替える。なかなかカチッとはまらないんですけどね。

そう考えていたところに、KDPが日本上陸。セルフパブリッシングの波がやってきたのです。

商業誌と同人誌でぱっくり分かれていた土俵が、オリジナル作品の電子書籍なら、同じ売り場で扱われるようになった。関わる人を減らして、究極には自分一人で、採算ラインの方を下げて回すことができる可能性が出てきたのです。僕の商業出版には持っていけないなあと思ったカードも、日の目を見るかもしれません。

ちょうどその時ネットで見かけたのが、日本独立作家同盟。セルフパブリッシャー支援をうたっていました。HON.jpの前身です。これだー! と思って参加。イベントにも行き、気付けばイベントを開催する側になっていたということなのでした。

こんな体験を思い返していたら、これこそ「セルフパブリッシングが出版の多様性を守る」という話の別角度視点だと思ったんですよね。このテーマは僕の創作人生とつながってる。

「採算ラインの問題」が重要なのです。人の好みは千差万別ですけれども、それが重なり合って、濃いところと薄いところができます。より売れやすいところがあるわけです。採算ラインが高ければ、そういうところに行くしかない。でも下げられれば、もっと変わった企画が通りやすくなる。

読み手の側からすると、多様性が高いほど、自分の好みにドンピシャな本が出版される可能性が高まる。ドンピシャな本がたくさんあればその人は読書にのめり込んでいき、売り手側にとってありがたいお客さんになる。win-winの関係ができて、みんな満足。

そして前述の通り、その究極がセルフパブリッシングです。

さてそうしてセルフパブリッシングの可能性が開けて早や10年、というのが今回の設立10周年ということなのですが。

あの時考えていたwin-winの世界を実現するには、まだ課題があるなあと。

もともと需要の薄いところに行くとします。僕で言えば前述の出版社に持っていかないカードです。あと中小出版社はわりとそういうテーマのものを扱っている印象です。ここが成り立つのが、まさに出版の多様性。

ただ、マイナーだけれど名前が付いているジャンルであれば、関心のある人達がそのキーワードのもとに集まっているので、ちゃんと読者と出会えるのですが、そうじゃないとき。

それを好む読者の人口密度は低く、薄く世の中に広がっている状態なので、出会うためには情報の方も世の中に広めないといけない。読者を魚に例えると、一本釣りでは狙えず、底引き網で大量に獲って、ようやく中に何匹かいるというイメージ。バスりづらいものをバズらせて、それでようやく希少な好みの読者さんと出会えるという、すごいジレンマがあるわけですよ。

最近漫画はSNSで広める手法が確立してますけど、小説だと本当に難しいですね。短い文章を載せたとしても、ぱっと見には向いてないですからね。

ここで何かいい手がないかなー、というのが最近ずっと考えていることなのでした。

ちなみにそこで、HON.jpが以前発行していた月刊群雛の「群れて目立つ」というコンセプトはいいなと思っていて。

だから休刊になった時に『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』を立ち上げて、みんなで続けているのですけれども。

群れただけでまだ十分目立ててないよなあ、というのが問題。さあ、どうしましょうかねえ。

途中から入るのはハードル高いかもしれないと、連載第1話目を集めた『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSEスターターパック』を作ってみました。ご興味おありでしたら、こちらもぜひどうぞ。

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2023/09/12

今度は打ち上げ成功

色々と失敗が続いていた日本の宇宙開発。今度は打ち上げ成功です! よかった(^^)/

H2A打ち上げ成功、年末ごろ月に探査機到達 観測衛星も搭載

[東京 7日 ロイター] - 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(7011.T)が開発したH2Aロケット47号機が7日午前、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、月探査機と観測衛星を予定通り分離した。探査機は年末ごろ月の周回軌道に到達する。着陸は年明けを見込み、成功すれば8月のインドに続き5カ国目となる。

国産ロケットの打ち上げは、3月の次世代大型ロケット「H3」初号機の失敗後初めて。

無人月探査機「SLIM(スリム)」は打ち上げから3─4カ月後に月の周回軌道に到達、4─6カ月後に月面に着陸する。目標地点に誤差100メートル以内で着陸することを目指し、狙った地点に降りる技術を実証する。月の岩石なども調べる。これまでの着陸機は数キロから十数キロの範囲に降りていた。

スリムの取得データは宇宙飛行士の月着陸を目指す米国主導の国際プロジェクト「アルテミス計画」にも活用される。

X線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」は、X線で宇宙を観測する。星や銀河の構造などを探る。

<競争激化する月探査>

月探査は世界的に競争が激化している。8月23日にはインドの無人月探査機が月面に着陸した。米国、旧ソ連、中国に次ぐ4カ国目の成功で、世界で初めて南極付近に着陸した。JAXAは来年度以降、インドと別の無人探査機を打ち上げ、月の南極に着陸させて水資源を調査する計画も進めている。

日本はこれまでも月面着陸に挑んできたが、22年11月にJAXAの無人探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」が着陸を断念。今年4月には民間企業ispace (9348.T)が着陸に失敗した。

REUTERS Maki Shiraki、Nobuhiro Kubo 23/9/7

昨年10月にイプシロン6号機、今年3月にはH3ロケット1号機が失敗、さらにイプシロンSという後継機の2段目エンジンが今年7月の燃焼試験中に爆発。日本のロケットは災難続きだったのですが、ようやく一つ成功して、その流れを断ち切りました。ほっとした。

さて記事中にありますように、こちらのクロケットには月探査衛星が積まれていまして、僕はこちらに大注目なのです。SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)。高精度の月着陸を目指した実験機です。

今までの月着陸では目標から1km以上ずれることも珍しくなかったのですが、これを100m以内に収めようというプロジェクトです。ピンポイントで着陸できれば、調べたい所に探査車を送るのも楽チン。

そして大注目の理由は、その探査車。タカラトミーが開発協力したリアル変形ロボットSORA-Q。民間のispace社が作った月着陸機HAKUTO-Rに積まれており、うきうきで見守っていたのですが、HAKUTO-Rが着陸時に高度計の不具合から燃料切れを起こして墜落。その後の上空からの観測で墜落地点近辺に4つほど影があるということなので、多分バラバラになってしまったんですけれども。

こちらの探査機にも、SORA-Qが搭載されているのです!

今度こそ着陸に成功して宇宙変形を実現してほしい!

子供の頃からアニメで見ていた変形ロボが実現するなんて、とてもわくわくします。

さてSLIMの今後なんですけれども。こちらも多分、HAKUTO-Rと同じような弾道捕捉軌道と呼ばれる、ブレーキ用の燃料を節約できる省エネ軌道で月に向かっている模様。

アポロ宇宙船は3日で月に着きましたが、ああやって真っ直ぐ飛んでいくと、月の周りの周回軌道に入るためにブレーキ用の燃料がたくさんいるのです。そこで宇宙の不思議なところですが、思いっ切り遠回りする軌道を取るとじわじわと月に近づいていくことができて、燃料を節約できる。

年末頃の月到着だそうです。今度はぜひ着陸成功して、宇宙変形を実現してほしいです!

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2023/09/04

10周年記念カンファレンスでした

先週末はいろいろと大忙しでした。9/1(金)9/2(土)はHON.jp設立10周年記念カンファレンス。二日連続の大イベントでした。

僕はその中のセッションの一つ、9/2(土)の『セッション2-1:個人出版「セルフパブリッシングが出版の多様性を守る」』に、登壇者の一人として参加させていただきました。HON.jpの個人出版支援部会というグループに所属しているので、その関連ですね。

事前にこんなテーマで行きますというお題は伝えられていたので、どんなことを話そうかと考えていたところ、セッションタイトルの「出版の多様性」が、まさに自分の創作人生に深く関わっていることに気づきました。なのでがんばってしゃべらせていただきましたよ。

他の登壇者の皆さんのお話もとても興味深く、特に最近の肌感覚を聞くことができたのはとても参考になりました。

さて、こちらのカンファレンスはオフラインオンライン取り混ぜての開催。アーカイブ動画が撮られていました。視聴チケットは9月いっぱいご購入可能ですので、ご興味おありでしたら、ぜひどうぞ。

出版の多様性と僕の創作人生については、もうちょっと掘り下げて書こうと思うので、また後日。

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2023/08/29

大忙し期間終了と今後の予定

夏のお仕事大忙し期間が終了しましたー。

今回はきつかった。スケジュールの問題ではなく、僕の体調的な面で。

何か病気になった、ということではないのです。悲しい話をすると、年だなあと。眠りも浅くなったし、回復力がね……。

さて、大忙し期間は終わったのですが、それでもうのんびりしていいのかというと、僕にはこのあと大イベントが控えていまして。

まずは土曜日、HON.jp設立10周年記念カンファレンスに登壇します。

カンファレンスはなんと2日がかりの大イベントです。まずは9/1(金)18:00からのリアルイベント。そして翌日2日(土)はオンラインイベントが10:00から続いて、僕が出るのは13:00からの『セッション2-1:個人出版「セルフパブリッシングが出版の多様性を守る」』です。偉そうに人様に話せるような結果はさっぱり残してないんですけど、何喋ればいいんでしょうかねえ。今からはらはらしています。

そして日曜日にはCOMITIA145。23/9/3(日)11:00~16:00東京ビッグサイト東4・5・6ホール『E68a かってに応援団』です。

コピー誌をまた作ろうとしていたのですが、並行して編集していたガンズ新刊に思ったより時間を取られてしまって、終わりそうにない。なので、ガンズを新刊として持っていって、それの無料おまけ漫画を宣伝チラシとして配ろうかなあと考えています。

どちらのイベントも、ぜひお立ち寄りください!

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2023/08/21

峠を越える

大忙し期間後半のピークとなる日を何とかこなしました。

あと何日か踏ん張れば、仕事のスケジュール的には楽になっていきます。

ただですね、忙しさのため、やりたかったこと全部はこなせていないので。

夏休みの宿題が残っちゃっているような、心休まらない感覚が。

一番でかいのは、長編小説書き上げるつもりだったのに、いまだプロットで詰まっていることでしょうか。しかも恐ろしいことに、この小説は年初に企画を立て、当初の目論見では夏前に書き上がっているつもりだったものなのです。本気で詰まってるんですよ……。近年最悪じゃないの、これ……。

さすがにプロットは終わらせたいなあ。がんばらないと。

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2023/08/17

後半始まる

夏の大忙し期間後半が始まりました。

後半は前半よりもスケジュール的にはきつくないのですが。

休みの間に生活リズムが狂って、初日からうまく寝れずに寝不足で、行く前からぼろぼろ。

休みの間に終わらせておきたかった作業でトラブルが発生しており、まだ終わっていない。

などなど、不安材料を抱えてスタートしました。

前半終了後、コロナ感染から逃げ切れたと書きましたが、仕事場行ったら収まってなかった。中国式なかったことにするゼロコロナ政策を日本社会も採用している感じなので、市中感染収まるはずないしな。行くとこまで行くのかなあ。これも不安材料。

あと、暑いですね。前期より若干最高気温は下がっているようなのですが、引きこもっていたので、出かけるだけで暑さがこたえます。

さあ、いろいろ不安がありまして、はたして無事乗り切れるでしょうか。

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