ストグレ!
ストグレ! (小川智子・著)を読みました!
空手少女の西島光希(にしじま・みつき)は、引っ越しで東京都中野区から稲城市へとやってきた。新しい道場をどこにしようかと考えているところ。いろいろ道場を見学して回ったが、スポーツ系のところが多く、元々通っていた所と同じ武道系のフルコンタクトの道場はなかった。
どうしようかなと困っているところ、公園で自分より年下の男の子と女の子が空手の練習をしているところに出会う。聞けば大濱道場に通っているという。そこは空手をやっているおじいちゃんが教えてくれなかったところ。実はそれには理由があり、道場に行くと先生はだらしないジャージ姿、練習もさっぱり行われていないようで……。
めっちゃ真っ直ぐで、時には周りから浮いてしまうぐらいの主人公。習っている空手の精神にばっちり心酔していて、武道家への道をまっしぐら なのですが、新しい道場はそれと真逆。先生のやる気はないし、通ってくる子供たちもあまり熱心ではないし。
そういうところからスタートして、どんどん盛り上がっていくのですが。
絵で表現できる漫画であれば、空手の試合の駆け引きや動きで盛り上げることができますが、小説の場合はそうは行きません。そこで、みんなにとっての空手とは、というところをしっかりと書くことで、それをクリアしています。いろいろとみんなが抱えている問題が、うまくストーリーに絡んでいるところがお見事です。
特にやる気なくだらしない道場主の大濱先生が、何でそんなことになっているかという話が出てくると、これがめっちゃ燃える設定。かっこいい。
しっかりとまとまったいいお話でした。面白かった。
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