書籍・雑誌

2009/11/07

空ノ鐘の響く惑星で 9

締め切りに余裕のある今月、とかのんびりしてたら、来月が余裕なかった。

ヤバイ、前倒ししなきゃ(+_+)

とりあえず今週は、けっこう本を読み進めることができました。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 9 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

タートムの侵攻を食い止めたアルセイフ。フォルナム神殿での輝石の産出停止という問題はあるにせよ、穏やかな日々を取り戻していた。そんな王宮で目下の話題は、第四王子フェリオの嫁取り。神姫の妹ウルクか戦姫リセリナか、はたまた他の貴族の娘が取り入る隙があるのか。

しかしその頃王都には、すでにラトロアからの刺客が潜入していた。シズヤたち暗殺者を束ねる、赤い髪の仮面の男メビウスの狙いは……。

前巻で一段落して、新章スタート。大陸制覇を目論むラトロアとの戦いが動き出しました。

ベタベタの悪人、元神殿騎士団副団長のリカルド再登場。帰ってくるとは思っていたけど、見事な落ちぶれっぷり。メビウスに拾われ、また暴れる予感。

大きく広げた世界の謎が収束に向かう気配も出てきて、先行きとても楽しみです。

そしてもう一つのお楽しみ、フェリオ、ウルク、リセリナの三角関係もじわじわ進んでいます。酔った勢いでウルクが一歩前進。

周りのカップルは幸せな所に落ち着いてきてるのですが、さあ主人公達はどうなるのか。

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2009/10/28

空ノ鐘の響く惑星で 8

こちらはめっきり寒いです。

去年はこの気温差にやられて何度か風邪ひいたので、警戒中。暖かくして仕事しております。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 8 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

タートムのアルセイフ侵攻が始まった。記憶消去処置の後遺症で自我を失ってしまったウルクを心配するフェリオだったが、王族の務めとして前線へと向かう。

国境の戦線では、開戦当初はアルセイフ側の時間稼ぎの策が功を奏していたが、タートムに仕える暗殺者シズヤ達の玄鳥による空中からの攻撃により戦況は一変、タートム軍の侵攻を抑えきれずにいた。王都まで攻め込まれる危険が増していた、その時……。

という事でこの巻で一エピソード一区切り。ウルクの失われた記憶も元に戻り、めでたしめでたし。

しかしその間にキャラクター達の思いをたっぷり積み上げているので、ここから先どうなるのか。ウルク、リセリナどちらもけなげないい子なので、落とし所が読めません。出た順で言うと、ウルクが先だから正ヒロインと断定できなくもないけれど、あれは子供の時の話で、一巻はほとんどリセリナの話だったし……。さてはて。

落とし所と言えば、この巻辺りから、リセリナを追ってきた来訪者イリスの立ち位置が変わっています。冷たく、リセリナ憎しで動いていたけれど、その奥底にはこんな事情があって、こういう弱い所があって、と。

敵役には、完璧なヒールの場合と、実はかわいそうな事情がある場合があります。分かりやすい勧善懲悪の物語だと前者ですが、ちょっと複雑なドラマになると後者が出てきます。

「もし立場が違えばお前とは分かり合えたかもしれない」とか、ちょっとかっこよかったり切なかったりなシーンに持ち込めるので、わりと人気なのですが、動かすのはけっこう難しい。何だかんだで悪事は働いているわけで、中途半端な御都合主義に陥りやすく。

上手く立ち位置を変えるのに成功した例としては、「未来少年コナン」のモンスリーが挙げられます。

最初出てきたときは完璧に悪役、コナンに対しても本気で殺すつもりで散々やってるし。あれはコナンが銃弾でも平気で避けられる無敵キャラだからいいけど、普通は死んでる。

だけど、途中レプカに反抗しコナンを助けるところで、見事に禊(みそぎ)をすませて味方に。あそこの演出は見事です。展開、演技、タイミング、細かいこと一つ欠けてもだめだと思う。前半の部下を叱責する「バカね」と最後のダイスにつぶやく「バカね」が、同一人物のものとは思えないぐらいで、ホントにすごい。

さて、イリスもモンスリーばりに、これまでまったくいい所がなかった。リセリナ憎しだけなら養父を殺されたという事情があるからいいとして、ウルクの記憶は奪うし、そのために部下の小さな女の子シアが罪悪感に押し潰されそうになっても知らん顔だし、実際の行動やセリフも実は根っこはいい子だなんて間違っても言えない悪人のパターン。

この印象を払拭して立ち位置変えるのか、それとも運命に翻弄された可哀想な人として散るのか、こちらもさてはて。

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2009/10/27

空ノ鐘の響く惑星で 7

イラストの仕事をするために、まず小説を読みます。たいてい他の仕事の合間に読み進めておいて、その仕事が終わったら、すぐ絵の作業に取り掛かれるようにしておくのです。

という事で今週も。挿絵候補のシーンに印をつけやすいので、プリントアウト。

何気なくこんなもんかなと目分量でプリンターに放り込んだ紙が、ちょうどぴったり。1ページも過不足なくプリント終了。なんか感動。

さて、お楽しみの読書も進んでますよ。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 7 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

御柱(ピラー)から現れた、ラトロアのクローン兵団。意思を持たないがゆえ恐怖を知らず、次々と送り込まれて尽きる様子のない大軍を抑え込もうと、フォルナムの神殿騎士団とアルセイフの王宮騎士団は共同戦線を張る。

神殿中が混乱に陥る中、ウルクを助け出そうとしたリセリナだったが、イリス達に見つかり、捕らわれる。失ったはずの記憶の欠片に気付いたウルクがイリスを問い詰めると、イリスの態度は一変して……。

この前の巻辺りから、読むモチベーションが増大しているのです。

ここまでずっと、大きな設定を少しずつ小出しにして、キャラクター達の想いも少しずつ積み重ねていく手法で構成されているのですが。

少しずつ積んできた物があちこちでつながり始めて、どんどん目が離せなくなってきています。小説のシリーズ物は、1巻1エピソードで区切れていることが多いけれど、この作品は続き物。

続き物かくあるべしという感じで、盛り上がってるから次が気になって。ストーリー漫画だとむしろこういう形式の方が普通ですけど、やっぱり火が点くのは、こういう風に敵の全貌が見えてくるぐらいの所。すごい楽しみ。

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2009/10/22

空ノ鐘の響く惑星で 6

昨日「ケッタ・ゴール!」を仕上げた後のこと。どんぴしゃでナベ先生から電話が来て、次の仕事に突入。ホントにどんぴしゃ、5分とあかずに。

見張られてる?(笑)

○ 空ノ鐘の響く惑星で 6 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

アルセイフと敵対する国タートムを支援するため、フォルナム神殿を制圧したジラーハ。ジラーハとその中枢のウィータ神殿はタートムを支援し、その向こうの大国ラトロアへの防波堤にしようとしていた。フェリオは神殿に留まり、何とか交渉で解決しようとする。

しかし、その時、事態はすでにラトロアで進み始めていたのだった。ある夜、フォルナム神殿の中心にすえられた「御柱(ピラー)」が輝き始め……。

メインのストーリーは上記の通り。これにいろんな人達の思いが絡み合っているのです。

リセリナ憎しで動く、異世界からの追跡者イリス。イリスの命令によって記憶を消されたウルクは、心の奥底に消されたはずのフェリオへの思いを残していました。

そんなウルクを今すぐ助けたいけれど、王族としてまず国の事を考えなければいけないフェリオ。そんなフェリオにいつしか恋心を抱いてしまったリセリナ。

キャラクターの描写が丁寧で、かつ優しい視線を感じます。作家によってキャラクターの扱い方は違ってきて、それが個性や作風の手触り感を生むのですが、この優しい感じが好みです。

メインキャラクターに優しい分、悪役を書く時には切り替わっていて、べたべたな悪人です。分かっていても腹立ちますね(^^;;)

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2009/10/01

空ノ鐘の響く惑星で 5

今読んでいる本は仕事で必要な歴史の資料本なのですが。

元々仕事で読んでるからテンション低いんだけど、またこの本が知識ひけらかし型で要点抑えてなくて、だらだらだらだら同じ事例が繰り返されているという……。

はあー、早く読み終わって、楽しい本が読みたい。

これの続きも。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 5 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

フェリオのためにフォルナム神殿に戻り、カシナート司教の動向を探っていたウルク。ある日、たまたまカシナート司教と来訪者のイリスが話している所を立ち聞きし、捕らえられてしまう。

ウルク失踪の知らせを受けたフェリオは、フォルナム神殿に駆けつける。到着してみるとウルクは発見されていたが、来訪者の技術によって記憶を奪われ、フェリオの事をまったく思い出せず……。

本筋だった!

3巻の感想で、ウルクの恋心をサイドストーリーと書いたけど、本筋に絡んできたよ!

気持ちの種をまき、それを行動につなげる書き方をされると、そのキャラクターの行く末がとても気になって、読むモチベーションがググッとアップ。

この作品はそういう所がとてもしっかりしています。他にもたぶん後々絡んでくるであろう気持ちの種がまかれていて、楽しみ。

とにかくウルクが気になるよー!

立て続けに読めるよう、もう準備万端なのですよ。早くあの資料本を読み終わらなくては。

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2009/09/17

別冊図書館戦争Ⅱ

終わったと思ったら、すぐに次(+_+)

しかも次、けっこう大変。

いつもなら、チョコチョコと本を読み進めるのが気分転換なんだけど、そのひまあるだろか。

こちら↓は気分転換には十二分、読後ほっこり気分。

○ 別冊図書館戦争 Ⅱ (有川浩 アスキー・メディアワークス)

関東図書隊の華として、一番人気の柴崎。しかし美人であることはいいことばかりではなく、思い上がった利用者からのストーカー被害に遭う。手塚の協力も借りて、何とか事態を収束させられたのも束の間。

今度は顔の見えない相手から、別件の嫌がらせが。正体のつかめない犯人に、さすがの柴崎も疲弊して行き……。柴崎と手塚の恋の行方を書いた中編と、他読み切り二編。

という事で、図書館戦争シリーズを読破。面白かった!!

あとがきによると、柴崎&手塚の中編は、初稿ではもちっとあっさり終わってたところ、読んだ旦那さんがエンディング増やしてと希望されたのだそうです。

旦那さん、グッジョブ!! ストーカー被害についてねっちりみっちり書いてあったので、デザートはたっぷりあまあまにしてくれないと。

柴崎がどうなっちゃうのかは、本編の途中からもう気になっていたので、大満足でした。シリーズの最終巻でもあるので、これでもかという幸せ満載なエンディングが、とてもよかったです。

シリーズ通して読んでみて。

一番良かったのはキャラクターの立ち方。性格がはっきりと出ていて、生きている人間としての臨場感があって。作り物感がなく、話の都合で動いている所を微塵も感じさせなくて、物語の世界に引っ張り込まれました。

そして先行きどうなるか分からない波乱の筋立て。巧みな設計。作者の手のひらの上で転がされるのが心地よい、すばらしいエンターテインメントでした。

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2009/09/09

空ノ鐘の響く惑星で 4

ナベ先生の仕事はそろそろ終了。次はイラスト仕事。

そして入浴中とかに企画の構想を練る。お話のキモが見えてきました。そして以前一度ネームにしたときに、そこで失敗しています。今回は何とかカチッと収めないと。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 4 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

ウィータ神殿はアルセイフより隣国タートムを支持する。この陰謀の背後にうごめく政治の暗闘を知り、驚くフェリオ。ウルクはそんなフェリオのためにフォルナム神殿に戻り、ウィータ神殿から使わされたカシナート司教の動向を探ることにする。

フェリオとラシアン・ロームは戦力を整え、王都へと進撃した。国内を疲弊させないためにも、この内乱は短期決戦でなければならない。リセリナの力を借りて序盤優勢に進めるフェリオ勢。しかしレージクに仕える軍務卿クラウス・サンクレットは、戦略に長けた策士で……。

"私は、今――英雄が誕生する瞬間に立ち会っているのか――?"

内乱が収まった後の国政のことも考えて、フェリオを反乱軍の頭に据えたローム卿。フェリオが活躍すれば、陰の薄かったこの王子の立場が強化されると踏んで担いだんだけど、想像以上の働きに、思わず感じたセリフ。

主人公の秘めた能力が開花していく瞬間は、心高ぶるポイントですね。

アルセイフの内乱には決着がつきますが、事態はさらに大きくなっていく模様。次を読まねば。

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2009/09/02

空ノ鐘の響く惑星で 3

下の本の前巻の感想記事に、ちょっと走り始めたら体重落ちたと書いていますが、その後仕事をはさんだりで、案の定停滞気味。というより、ちょっと戻った……?

今週からまた仕事ウィークで、そんな不規則な生活の中に、どうやって規則正しい運動習慣を挟みこむかが課題。難しい……。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 3 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

レージクの策略により、追われる身となったフェリオ。同様に追われた外務卿ラシアン・ロームと共に王都を脱し、その領地へ逃げたと思われていた。しかしフェリオはその逆を突いて、少数の仲間と共に王都に潜伏。囚われた人達の救出を謀り、密かに王宮へと忍び込む。

けれどそれさえもレージクの策略のうちだった。幽閉されていた正妃を探り当てたものの、そこに忍び寄る暗殺者の影……。

小説でも漫画でも、僕が物語を読む時に、その物語を面白いと感じるかどうかの要素の一つに、キャラクターの扱い方があります。しっかりと丁寧に描写されている方が好み。あと、キャラに優しい手触り感。

フェリオと行動を共にしているウルクは、ウィータ神殿の司祭で、子供の頃の一時期フェリオと過ごした幼馴染。十年ぶりの再会、なんとフェリオは男の子だと思っていましたが、美しい女性へ成長しました。

懐かしいなと思っていただけのはずだったのに、再会して以来ウルクは、フェリオにどんどん心惹かれ、恋心を抱いていきます。しかし、この手のお話の常として、主人公のフェリオは、その辺にバッチリ疎い。気付く気配がまったくありません。

物語の本筋も盛り上がっているのですが、こういうサイドストーリーも気になるところ。どうなっちゃうのかなー。

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2009/08/17

女神の花嫁 中編

仕事中。昨日の引き分けが尾を引いています……。

○ 流血女神伝 女神の花嫁 中編 (須賀しのぶ コバルト文庫)

ザカールの村を抜け出したラクリゼとサルベーン。深い森の中、ホルホーゼ傭兵団を目指して旅する二人だったが、些細なことから仲たがいし、別れてしまう。

その後ラクリゼは森に住む優しい猟師の一家に救われ、そこの世話になる。そして3年。美しい乙女へと成長したラクリゼは再びサルベーンと出会う。彼もまた外見は美しく成長していたが、心の内は暗いこの世への怨嗟に喰われ、闇騎士とあだ名されていた……。

須賀先生、残酷な話書くなあ。読み終わった後、おなかの中をぐるぐると、なんとも言えないいやな感触が。

一瞬幸せになりそうだったのに、女神の力に翻弄され、二人はいったいどうなってしまうのか。

エディアルドの名前が出てきました。本編ではすっかりかすんでますけど、彼もどうなっちゃうんでしょう。

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2009/08/13

NO.6 #7

イラスト仕事中ー。

○ NO.6 #7 (あさのあつこ YA!ENTERTAINMENT)

ネズミが指示しイヌカシと力河が手配した策略により、地下洞窟につながる扉が開き、ネズミと紫苑は矯正施設の建物の中に侵入した。

時に扮装し、時には一戦交え、二人は上へ上へと上っていく。沙布が捕らわれているとしたら、最上階、最深部の特別セクション。何があるのかほんの一握りの人しか知らない、秘密の場所……。

すごいいい所で引いた!!

しかもこの展開はヤバイ!! 予想が当たっちゃう!!

先々をハラハラさせる物語を作る手法としては、一つは突発的なアクシデントが起きて、それまでの流れをご破算にする手と。

もう一つはこっそりこっそり伏線を張って、どこかで、あれ? このまま行くと……と、予感を抱かせる手があります。このお話はこちら。

5巻辺りから、「この展開だったら、自分ならこうするな。でも、そんなつらい展開、見たくないな……」という感覚がひしひしと。そしてそのとおり来て、この巻最後のシーン。

予想通りなら次巻の冒頭はあれだ。急いで次を読まなければー!! と思ったところでちょうど8巻発売。大急ぎで購入。

予想、外れてー!!

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2009/08/12

空ノ鐘の響く惑星で 2

走れる身体を取り戻すべく、一時間ほどコンスタントに運動するよう心がけたら、体重落ちてきましたよ。

運動と言っても身体慣らしからなのでほとんど歩きで、走ってるのは1.5kmぐらい。たいしたことしてないのに、こんな簡単に下がり始めるのは、逆に言うと、ここ最近いかに運動不足だったかという事ですけれど(^^;;)

あとは仕事で出かけている時に、いかにリバウンドさせないか。疲労でストレス食いが発生しやすいので、何か対策を考えなくては。

○ 空ノ鐘の響く惑星で 2 (渡瀬草一郎 電撃文庫)

フォルナム神殿の御柱から現れた”来訪者(ビジター)”と呼ばれる異世界の存在達に、国王と皇太子を殺され混乱するアルセイフ王国。事情を知っているはずのもう一人の来訪者リセリナも姿をくらまし、行方は杳として知れない。

神殿に親善特使として滞在していた第四王子フェリオは、事情を説明するために王都へと戻った。王都では後継者争いが勃発。フェリオは跡目争いからはとうに脱落しているのだが、激しさを増す政争に巻き込まれ……。

盛り上がったところで引いた! 続き読まなければ!

面白いです。

面白く感じるかどうかには、作品の出来不出来の他に、キャラクターに感情移入できるかという要素があって。登場人物に好感が持てると、その行く末が気になってくるのです。

特に自分はその傾向が強いよね、という自覚が。その点この作品は、つくりがしっかりしている上に。

王宮騎士団を従え城門を力ずくで突破しようとした時。弓に射られた馬を捨て、その場に留まり皆を逃がそうとする団員を、フェリオは気遣います。ちょっとしたシーンだけど好感度大。

お国の動乱にすっかり巻き込まれてしまったフェリオ。護りたい幼馴染、気になる来訪者の女の子、救い出さなきゃいけない子供の頃から世話になっている人……。さあ、どうなるのでしょう。

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2009/08/05

NO.6 #6

今日はだらだらごろごろする日です。

疲労で頭がぽわーんとしてて、感想文書くのも一苦労。

○ NO.6 #6 (あさのあつこ YA!ENTERTAINMENT)

矯正施設の地下深く、図面にも載っていなかった洞窟を行くネズミと紫苑。行き着いた先の広間には、大勢の人達が住んでいた。その中で「老」と呼ばれる男に、紫苑は子供の頃には聞かされていなかったNO.6の成り立ちを聞く。

その頃西ブロックに残ったイヌカシと力河は、ネズミに託された指示通り、矯正施設の職員に渡りをつけていた。これより侵入作戦、本番……。

謎だらけだったネズミの生い立ちや、NO.6の成り立ちが語られました。

理想を語っていたNO.6の裏にあった、人々の犠牲。それを生んだ思いあがりと傲慢。そして今、それは極大に達して、新たな犠牲を生もうとしています。

というか、沙布が明らかにまずいことになってる気配なんですよ! それだけはやめてー!

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2009/08/03

NO.6 #5

仕事佳境でまだ見てないので、神戸戦の感想は後日。

○ NO.6 #5 (あさのあつこYA!ENTERTAINMENT)

あえて「人狩り」に捕まり、矯正施設への侵入に成功した紫苑とネズミ。しかしそこは、紫苑が想像も出来なかった地獄だった。

人がバタバタと死んでいく地獄絵図の中で、歯を食いしばり、時に心が折れそうになりながらも、必死にネズミについていく紫苑。そして二人がたどり着いた先は……。

理想郷をユートピアと言いますが、その逆の世界をディストピアと言うのだそうです。理想郷NO.6は、一皮むいたら見事にこのディストピア。しかもかなりえぐい。

読んでいたら、話の展開で、いやな予感がしてきました。すごくつらい展開を思いついたけど、まさか、そっちには行かないよね……。

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2009/08/02

ぜふぁがるど

体力の貯水率低下、危険水域ー。

体力の貯蓄には適度な運動と休息が必要だけれど、最近そのひまがなかったから。

あと何日かだ、ごまかそう。

ナベ先生が、この仕事が終わった後、川遊びをしようと言っています。楽しそう。天気はどうかな。

○ ぜふぁがるど (柴村仁 電撃文庫)

ちょっとばかり足が速いぐらいで他はいたって普通な高校生、菅沼宙(すがぬま・ひろ)には、幼馴染で一個年上の世話焼きなお姉さん、安芸野鳴(あきの・めい)がいた。

いたって普通、とヒロ本人は思っていたのだが、ある日何がどうなったかよく分からないうちに、丸々として羽の生えたトカゲのような謎の知的生物ネ・プルギス・ヤーに特殊な力を与えられ、牙臣ゼファガルドとなってしまう。ぶっちゃけて言えば変身ヒーロー。

何でこんなことにと聞いてみれば、なんとメイはネプの世界のお姫様「竜の澪漂(りゅうのみおつくし)」で、敵に狙われているのだとか。かくしてヒロはメイを守るべく、次々と襲い来る敵と闘い続ける羽目になり……。

コメディータッチのアクション物。軽妙な文体とテンポのいい会話がかみあって、楽しく読めました。

「我が家のお稲荷さま。」もそうでしたが、おかしな事が起きた時、こういう話だからこれはこの世界ではアリとあっさり進めることなく、リアクションをたっぷりしっかり書いてあるので、入りやすいです。

あとがきでシリーズ物三作目と書いてあるんだけど、柴村先生、全部続けるつもりなのかな。

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2009/07/29

E.a.G

締め切りが早くなるお盆進行により、現在大忙し。

体力低空飛行だけど、あと一週間ほどがんばらねば。

○ E.a.G (柴村仁 電撃文庫)

ゴドーは、ダウンタウンで用心棒やその他もろもろの、ヤバ目の仕事をしている日系の青年。そんなゴドーに懐いて足繁く通っているのは、高級住宅街の お嬢様学校に通う、この街には場違いな少女キアラ。そんなキアラをゴドーは憎からず思っていたが、ある日、ダウンタウンで力を振るう組織のボスから直々の 危険な仕事を依頼され、ここが潮時とキアラにもう来ないよう告げる。

それを聞いた直後、キアラは意識を失い倒れた。慌てて駆け寄るゴドーが目にしたのは、異世界からやって来た存在「D」に憑依され、まったくの別人となってしまったキアラ。「D」はどうやら同じく異世界からやって来た存在を狩るためにやってきたのだが……。

「我が家のお稲荷さま。」の柴村先生の作品。「我が家のお稲荷さま。」とはうって変わって、ハードボイルドなサスペンス。さらにゴドーや、組織のボス、ヒサカの複雑な生い立ちが絡み合って、謎が謎を呼ぶ展開。

柴村先生の特徴は、テンポのいい会話だと思います。Dとその相棒カラスのスモールの、たたみかけるような掛け合いが楽しい。

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2009/07/17

砂の覇王9&女神の花嫁前編

仕事中。

もちっとがんばると、休みの日が作れるかもしれないという瀬戸際。

休めるのか、次につながってしまうのか。

そしてこれが感想文最後のストック。はー、本読みながらごろごろしたいー。

○ 流血女神伝 砂の覇王 9 (須賀しのぶ コバルト文庫)

バルアンの野望達成の手助けとなるべく、バルアンの兄シャイハンの招きに応じヨギナにやって来たカリエ。手助けとはすなわち、このシャイハンを殺すこと。

しかし、ロゴナ宮で出会った時の、バルアンを敵視しカリエの素性を暴こうとした第一印象とは違い、普段のシャイハンは優しく思慮深い、むしろ名君だった。自分の行いが正しいことなのか悩むカリエは……。

ということで「砂の覇王」完結。カリエはバルアンと結ばれ、めでたしめでたし。

というわけには行かないんだよな、という事を思い起こさせるのが、その次のシリーズであるこちらです。↓

○ 流血女神伝 女神の花嫁 前編 (須賀しのぶ コバルト文庫)

ザカールの長老(クナム)と、ザカルエフィ(女神の娘)の子として生まれたラクリゼ。女神ザカリアの血を色濃く受け継ぐ代々のクナムと比べても、その素質は目を見張るばかり。誰もが立派な次代のクナムになると信じて疑わなかった。

しかし、ラクリゼには誰にも知られてはいけない秘密があった。女神の加護を受けた代々のクナムは、必ず男児。なのに、999代目として生まれたラクリゼは女で……。

ラクリゼが主人公の外伝。作中ずっと謎として出てきている、ザカール人とザカリア女神の関係について書かれています。

ザカール人以外から選ばれる女神の娘ザカルエフィがカリエなわけですが、同じくザカルエフィとして嫁いできたラクリゼの母は気が触れてしまっています。女神の力を宿すザカルエフィは、その力の強大さに自我が耐え切れなくなるのだそうです。

カリエの行く末には、過酷な運命が待っているわけで。どうなるのかな。

ラクリゼも、この巻ではサルベーンと仲がよいのですが、今ではすっかりこじれています。何があったのかなー。

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2009/07/14

空の鐘の響く惑星で

ここ何日かのノルマは非常に厳しい。

でも厳しくなっちゃった分、週末休めるかもしれない。

ごろごろして、ゲームして、本読みたいー。

これの続きをもう借りてあるのです。

○ 空の鐘の響く惑星で (渡瀬草一郎 電撃文庫)

この世界には、御柱(ピラー)と呼ばれる巨大な柱が存在していた。直径百メートルもの巨大な黒い円柱。その下端は地面に接せず宙に浮き、なぜそのような物が存在するのか、人々は誰も知らない。ただ、その柱を神聖な物として神殿を作り、祀っていた。

アルセイフの第四王子フェリオは、親善特使としてフォルナム神殿に滞在していた。神殿では妙な噂が広まっていた。夜な夜な御柱に、若い女性の姿が浮かび上がるという。

その姿を見てしまったとおびえるお付きの神官とともに真偽を確かめるべく御柱へと向かったフェリオは、突如として御柱から出てきた謎の少女と出会い……。

大体概要が見えてきたころ、多分SF的設定であろうと当たりをつけたのですが。

このペースでそれこなせるのかなという疑問と、借りる時に全12巻というのは知ってたんだけど、世界の謎を解いちゃったあと、どうやって12巻も引っ張るんだろうという疑問。

答えは。普通に引いてた。

小説はシリーズ物でも話は一冊で一区切りしている事が多いので、それを前提に考えてたけど、やっぱりそうだよね。引っ張る話だよね。

そしてオチが気になる病が発症している僕は、続きを読まねばと。わくわく。

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2009/07/08

別冊図書館戦争 1

梅雨の晴れ間でさわやかな朝。

隣でナベ先生がキャンピングカーで仕事をすればいいのだと言っています。アウトドアと仕事を両立させる作戦だそうです。

これだけ自然に恵まれているのに、まだ足りないんですか?(笑)

○ 別冊図書館戦争 1 (有川浩 アスキー・メディアワークス)

負傷した堂上を見舞うため、あししげく病院に通う郁。告白する前は周りの人間がやきもきするぐらいのじれったさだったけれど、いまはラブラブ。

ただ女子力低い郁は、リンゴの皮一つむくのにも大さわぎ。恋愛経験にも乏しく、ちょっとしたこと一つ一つに右往左往で……。

本編では最後年月が飛んでのその後が書かれていましたが、こちらはその道中の恋愛話。

キャラクターが一度しっかり立っていると、ちょっとした事件でもよく動いてくれるのです。よい番外編。

有川先生が、ベタ甘仕様の恋愛話なことをかなり気にしたあとがきを書いていますが、僕は楽しく読めました。キャラクターに思い入れ出来てたら、ベタ甘の方がいいよね。

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2009/07/07

NO.6 #4

いろいろ作業に追われているうちに、一コマ漫画のストックが切れ、補充する余裕もなく。

そういえば確か去年のこの時期も、「Nano-matic」に追われてネタ切れ状態だったなー。それで作業中の絵を上げてたんだ。仕事以外になんかすると、やっぱりきつくなりますね。

あー、ごろごろしたいー、と切実な嘆き。そんなこと去年も思ってたなーとブログながめていたら。

ちょうど去年の今頃、滑った推理物の企画を書き直したいと書いている。これがめぐりめぐって「アンナ・アップルトンの冒険」に。おお、一年がかりだったんだ。

さて、一コマ漫画がないので最近読書感想文多めなのですが、こちらのストックもそろそろ切れそう。

○ NO.6 #4 (あさのあつこ YA! ENTERTAINMENT)

西ブロックに密かに出てきては快楽を買うNO.6の高官を策にはめ、情報を聞き出すために捕らえた紫苑一行。彼が語った話によれば、市長直轄の極秘のプロジェクトで、矯正施設に謎の設備ができたという。

沙布の行方は依然分からず、矯正施設に入り込むしかない。しかし矯正施設のセキュリティは磐石で、紫苑やネズミがゲートをくぐることさえ難しい。可能性があるとしたらただ一つ、「清掃作業」。西ブロックの住人が呼ぶところの「人狩り」……。

だんだん緊張感が増してきましたよー。

西ブロックの住民達は、その劣悪な生活環境のため、他人を思いやる優しさなんかすっかり忘れてしまっているのですが。

そんな人達が純粋な紫苑に触れて、だんだんと揺れ動いていく様が書かれています。

前回あとがきに書いていたのはこういう事だと思うので、これが事件が大きくはじけたときに、どちらに転がっていくのかが楽しみです。

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2009/06/26

今週の雑感記 あだち力&NO.6 #2 #3

今年の手賀沼花火大会、不況でスポンサーが集まらなくて中止だそうですね。

実家が手賀沼のすぐそばで、二階の窓から見える、とても馴染みの花火大会なんですが。

景気は底を打ったと政府発表がありましたが、さっぱり実感ないですね……。

仕事中コンビニに行く時よく買うのが、新発売の飲料。作業ばっかりで代わり映えしない日常にちょっとした変化を。

今週はペプシしそ味。コーラカテキン入りとどちらがましか(笑)。

○ 出版不況は日本だけ?

日経ビジネスONLINEの「大日本印刷がブックオフに出資した理由」という記事を読んでいたら。

外国では出版不況どころか、ちゃんと成長しているというデータが出てました。びっくり。

新聞の不況のニュースは聞いていたから、書籍も同様なんだろうと思ってたんですが。

日本は2002年から2007年で一割減だけど、米独英は5%~15%増だったようで。

出版不況の原因には、まず第一にネットの発達によるライフスタイルの変化があって、それは時代の流れだから避けようがないと思ってたんだけど、そうでもないってこと?

仕方ないとか言ってちゃいけないんだ。がんばらないと。

○ あだち力

単につまらないから売れてないのかもしれない、となると、がんばらなきゃいけないのはこういう所ではないかと思うのです。

このあいだの仕事中、漫画の話をしていて出てきたキーワード。

あだち充先生の漫画はすんなり読みやすい。ついつい読んでしまう。そういう読みやすさを生み出すネームの力を指して言った言葉。

ちなみに漫画家なら誰でも知ってる業界用語、というわけではないです。その場で作った造語だから。

漫画はネタや演出の派手さや凝り具合を競う方向へ走っているけれど、大勢の人に読んでもらいたいなら、すんなり読めることも重要だよね、という話をしていたのでした。

漫画を読む気マンマンの人だけが読者ではなく。軽い興味で手に取った人は、読みづらくて読むのに努力が必要だと、めんどくさいから本を置いてしまう。山場にすごいシーンを用意していても、途中で投げられちゃったら無力なわけで。

あまりこの力が表立って問われることはないけれども、実は大切なことだと思います。

自分もそういう力がほしいです。

○ NO.6 #2 #3 (あさのあつこ YA!ENTERTAINMENT)

NO.6を追われ、西ブロックに逃げてきた紫苑は、ネズミの家に居候していた。完全に管理された都市NO.6に暮らしていた紫苑にとって、西ブロックの喧騒と無秩序は驚くべきものだった。

母から渡されたメモを元に、紫苑は昔母の知り合いだった男の元をたずねる。元記者だったというその男から、母の昔の話を少し聞く。そしてそこにあった一枚の写真に写る男。NO.6に漂う、陰謀の臭い……。

短いよ!

版形はでかいのに、ジュブナイルだから、字もでかい。すいすい読んで、すぐ終わっちゃう。

しかも気になるところでto be continuedですよ。

いや、すいすい読めるのも、終わっちゃってえーっとなるのも、面白いからなんですけどね。くそう、続きを読まねば。

そう言えば、上記のあだち力、漫画ではなく小説だけど、この本にもがっちり備わっていると思います。すいすい頭に入ってくる読みやすさ。もしかしたら絵でカバーできない分、小説の方がそういう力が重要なのかもしれません。

ということで3巻。

紫苑を慕う幼馴染の少女沙布(さふ)が何者かの手によってさらわれたという、紫苑の母火藍(からん)からのメモを、ネズミは紫苑に見せていなかった。ただ、黙ったまま無視することもできず、ネズミは沙布が連れて行かれたと思われる矯正施設の情報を集めていた。

一方、何も知らされずに西ブロックの日々の暮らしに慣れようと努力していた紫苑は、ふとしたことから見覚えのあるコートを見つける。それは矯正施設からの流出品。沙布が祖母からの贈り物だと言っていた、ブルーグレーのハーフコート……。

読んでてすぐ終わっちゃうと感じるのは、もう一つ理由があって。

エピソードがあまり進んでいないから。

それについてあさの先生があとがきで触れています。ちょっと長いけど引用。

実は#3に着手する前、編集担当の山影好克さんには、「今度はいよいよ、矯正施設に乗り込みます。アクションです、アクション」なんて豪語しておりました。この時点で、嘘やはったりを言ったわけではないのです。本気でした。文章で心が躍るようなアクションシーンを表現してみたいという野心が、「NO.6」という物語を書こうとした動機の一つでもありましたから。しかし、いざ#3の世界に入り込み、紫苑やネズミの傍らで生きてみると、そう簡単に矯正施設に乗り込んで、派手に動いてお仕舞いというわけには、いかなくなったのです。

なぜ闘うのか、なぜ愛するのか、なぜ憎むのか、なぜ殺すのか……彼らの心に添うて、彼らの心と共に揺れて、考え悩み嘆息を繰り返しているうちに、枚数がつきました。派手な展開も謎解きもなく、季節さえほとんど移ろわず、これからというところで断つように終わってしまいました。わたしは、自他ともに認める言い訳がましい人間ですが、「なんだよ、これ」という読者の方の非難叱責については、今回一言の言い訳もできないと覚悟しています。

けれど、矯正施設に侵入すれば彼らは闘わなければなりません。他人の血を流すことの、あるいは彼らの血が流されることの可能性は極めて高いのです。もし、誰かを殺さねばならないとしたら、もし彼らのうちの一人が殺されたら、紫苑たちは変わらずにはいられないでしょう。外面でなく、その若い魂の内が急激な変容をとげざるをえないはずです。その事実をどう受け止め、どう書くか、私は思いあぐね、その答えを探りながら、#3を書き続けました。

なんで自分がこの人の小説を面白いと思って読んでいるのか、これを読んでその理由の一つが分かりました。

ビジネスとして考えた時、正直言うと、こういう事は短期的な売り上げには貢献しないと思います。特に少年少女向けではそう。瞬発力がない。こういう事より、刺激的な事とか、ドラマティックな事を書いた方が、反応はいいでしょう。

昔はすごい抵抗したんだけど、最近はそれが真実だなと思えるようになりました。でも。

そういう考え方で人の心を打つだろうか。

それの答えは今でもNoです。

カタカナ英語のエンターテインメントは娯楽作品やイベントの意味で、難しいこととかめんどくさいことははしょって受けのいいこと書こうよ、という時に言われちゃうけれど。

entertainはそもそも「もてなす」という意味で、そこから転じてentertainmentが演し物の意味を持つようになった。そう考えたら、おもてなしには真心込めたいじゃないですか。エンターテインメント作品だとしても。

とことんやって娯楽になっちゃう人はそう書けばいいし、とことん考えたら真面目な方に行っちゃう人はそう書けばいい。そうしておけば読者はいろんなタイプの人がいるんだから、自分に合う好きな物を選べば、深くたっぷり楽しめて満腹。それでご飯が食べられれば、それが理想だなと思います。

という事で、あさの先生が一生懸命悩んで書いた結果。

紫苑やネズミが、張り詰めた楽器の弦のようにいつか切れてしまいそうな、どこか危うさを感じさせる繊細な少年像になっていて。女の子向けなとこあるなと思いつつ、この手触りはどこかで読んだなと。

竹宮惠子先生や萩尾望都先生の描くSFだと気付きました。なるほど、好きで買っている。気持ちをしっかり描くことで生まれる情緒感。

さらに、よく出てくる芯のある女の子が好きなんですよね。沙布もそうだ。沙布どうなっちゃうんだろう。

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2009/06/25

狼と香辛料 Ⅴ

今週は自分の仕事を進めるウィーク。しかし、思ったより進んでいません。

なので食事も仕事しながら。プロレスも見てないし、サッカーも見てないし。

朝までに、下書きをあと二枚、できれば三枚進めたい。

のんびり本読む時間ぐらい、ほしいなあ。こちらこの間の仕事明け、のんびり読んでいた一冊。

○ 狼と香辛料 Ⅴ (支倉凍砂 電撃文庫)

テレオの街を無事出発したロレンスとホロは、ホロの伝承が直接残っているという町、レノスへ向かった。毛皮と木材貿易で栄えるレノスだったが、着い てみると様子がおかしい。毎年行われていた北への大遠征が中止となり、それを当て込んだ毛皮産品の需要が激減。現在町では、毛皮をそのまま他の土地の業者 へ流していいものかどうか、検討中なのだった。

ただ流せば市中の毛皮加工業者への打撃となる。町は毛皮の買い付けに制限を設け、現金取引に限るつもりだ。ここで資金を調達して毛皮を買い付け、川 下の町へ流せば、二倍の利益になる。宿であった商人エーブに、一つ噛まないかと持ちかけられたロレンス。ただし資金調達の担保は、貴族の娘に扮したホロ……。

基本的にこのシリーズは、いろいろな商取引に絡めた緊張感ある駆け引きと、ロレンスとホロの駆け引きに満ちたやり取りが中心となって構成されています。

小説の一冊の方が漫画の一冊よりストーリーの分量が多いので、考えてみるとかなり長いこと、特に後者の部分で一見同じようなことを繰り返していると言えるでしょう。

ぶっちゃけて言うと、あんたらお互い好意を持っているくせに、なんで素直になんないの、もう、という展開(笑)。

でも読んでいると。

巻を重ねるごとに、少しずつ関係が深まっていく様が楽しめるわけで。

そうやってちょっとずつ進めて、ぎっちり積んであるからこそ。

関係が変わるターニングポイントで、おう! と驚くわけですよ。

漫画とかドラマとか、最近速い展開の物が多いんだけど、これだけぎっちり人間関係積んだ物語は、やっぱり楽しいですね(^^)/

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2009/06/16

砂の覇王 8

イラスト仕事も終わらせて、本日から次のお仕事。

○ 流血女神伝 砂の覇王 8 (須賀しのぶ コバルト文庫)

皇帝ドミトリアスの改革に貴族たちが抵抗して荒れるロゴナ宮。そこでは今一つの問題が、みなの関心事となっていた。今は無きギウタ皇国の皇女カザリナ姫、すなわちカリエが、ドミトリアスの皇妃となるのか、それとも抵抗勢力の筆頭西公の息子ミューカレウスに輿入れするのか。

悩むカリエはその中で、バルアン王子を慕う自分に気がつき、ルトヴィアを離れる決意をする。しかしそれはルトヴィアの民衆には受け入れられるものではなく……。

「でも、ワイルドな砂漠の王子様はポイント高いよ?」

仕事場で聞いた女性視点のコメント。実はカリエがいきなりバルアン王子にのぼせ上がるのがピンと来なかったのです。こないだまではバルアンを利用してやるぞという意気込みだったのに、恋に落ちるにはイベントが少ないのでは? と思って。

その疑問を口にする僕に、上のお答え。そっか、ゼロからのスタートじゃなかったのか……。少年漫画のラブコメでも、幼馴染の女の子が特に理由も無く主人公好きだったりするしな……。

しかしバルアン王子は自分の野望のためにまい進しているキャラクター。僕としては、国を変えようとがんばっているドミトリアス&グラーシカの方が感情移入できるわけで。

ミューカレウスも今は勢力争いで皇帝に対峙する側に身を置いているけど、元々国を変えなくてはという志はドミトリアスと同じ。ミュカがカリエにつぶやいたセリフ「おまえはいずれ、僕らの敵となるんだな」が、僕の気持ちとも一致してしまいます。

困ったな……。

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2009/06/11

図書館革命

仕事中。

梅雨入りですね。

しっとりした空気とほんのりかすむ緑の木々がいい感じ。

○ 図書館革命 (有川浩 メディアワークス)

茨城県立図書館への出動時、堂上と階級章についているカツミレの花について話した郁。カツミレ(カモミール)はハーブティーもあると聞き、飲んでみたいとの堂上の希望で、今日は休日、二人でお出かけ。デートではないのだと言い聞かせながら、着ていく服を決めるのにも一苦労、舞い上がっている郁。

内心じたばたしながらのカフェでの食事も済んで、さてひまなら映画でも行こうかと誘われ、わーそれじゃ普通にデートみたいと嬉しいやら恥ずかしいやら。

しかしそのとき隊から緊急連絡。原発テロの参考文献として、ある作品が挙がり、その著者の身柄を押さえようと良化特務機関が動いているという……。

という事で全四巻の最終巻。面白かった!

最初の図書館戦争の感想でも書きましたが、とにかくキャラクターが生き生きしててそれに引っ張られて読めるのがまずよくて。

そして、上手い具合に現実を連想させる事件の立て方。

今回は、フィクションの作品が現実の犯罪の原因ではないのかという話。ありますよね、漫画とかゲームが悪いんじゃないのかという論調。

フィクションが犯罪を誘発するというなら、ノンフィクションはもっとだめなはずだから、それを語るマスコミは凶悪事件の報道なんかしちゃだめだと思うんですけどね。

実際は、そういうものが発達していない有史以前の昔から事件は起きているし、今でもアフリカの紛争地のようなゲームも漫画もテレビもあんまりなさそうなところで、目を覆いたくなるような残忍な犯罪が起きているわけで、何もなければ人間は善なのだというのが幻想なんだけど。

ただ楽しませるだけでなく、こういう考えさせる題材を提供しているのも奥深くてよいところ。

主人公の恋愛のドタバタから、テーマに沿った奥深いところまで、みっちり詰まった素晴らしいエンターテインメントでありました。

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2009/05/29

今週の雑感記 アンナ・アップルトン進行中

このお知らせも最終回となりました。

アルファポリス漫画大賞に「Nano-matic」で参加中。

読者投票が反映されるコンテストです。漫画の下にあるバナーをクリックすると投票されます。応援よろしくお願いしますm(_ _)m

月末終了のこの大賞。あとは最後の直線です。

この賞、けっこう長く感じました。

普通の漫画賞の選考期間はもっと長かったりするんですけど、この賞は途中経過がずっと出てるので常に意識させられて、感覚的には逆。ふう。

さて今週は、というか今週も、お忙し仕事週間でありました。

まあどっちにしろ暇があってもなんか描いてるんですけど、タイトな締め切りがあるのとないのとでは、精神的な疲労具合がだいぶ違うのです。

むりやり遊んでリフレッシュしないと。こいつもあるからあと一ヶ月は忙しいので。

○ 進行中

6月末を目標に進む実験企画「アンナ・アップルトンの冒険」。十九世紀末のロンドンを舞台としたミステリー。

幾人かにチェックを受けたところ、まだ直すところはあるけれど、全般的にはいい手ごたえ。

問題は前の仕事がずれ込んで、スケジュールがタイトになっていること。「ケッタ・ゴール!」なんて、コマも割ってセリフも当たりも入ってて、あとはちょこちょこっと絵を入れるだけなのに、進めるひまなくなってるほどで。

とにかくがんばろう。

○ 流血女神伝 砂の覇王 6 7 (須賀しのぶ コバルト文庫)

エティカヤの首都リトラへと向かう海路の途中、海賊に襲われたバルアン一行。その海賊をさらに襲って、一行を奪い取ったのは、海の民なら皆が恐れる エティカヤの大海賊トルハーン。実はバルアンの友人で、少々予定は狂ったが、元々海賊に襲われたふりをして姿をくらます予定だったのだ、とカリエは知らさ れる。

その頃ルトヴィアでは、常々被害にあっていたトルハーンの一族を討伐するための、新艦隊が出航しようとしていた。実質その艦隊を率いるのは、トルハーンの旧友ギアス海佐。切れ者の海佐の策略にはまり、カリエの乗った船も窮地に陥り……。

今度は海賊だ! ホントに次から次へと立場の変わるカリエですが(笑)。

エンターテインメント作品の要所として、相手の立場で作品には都合の悪い部分はあえて描かないことにする、というのがあります。

ぶっちゃけ世の中に完全な悪も完全な善もないわけで。でもそこをディフォルメしてやらないと、ページ内で解決しない。

ちなみにそれを推奨するのは当然作品内だけ。米国みたいに自分達の正義を絶対視して相手を悪と決め付けると、目的のためには手段を選ばずになってどんどん泥沼化。それはさておき。

カリエはいろんな所を巡っているうちに、いろいろな立場の友人知人ができています。このままいくと、凄い板ばさみにあうはず。

ただ単に、人と人との争いは辛く苦しいものなのだ、という展開になるのか、それとももっと大きな解決策が出てくるのか。さてはて。

続いて7巻。

海戦の最中、海に落ちたカリエは、ギアス海佐の載る敵の旗艦に救われる。海戦はルトヴィア側の勝利に終わり、トルハーンは捕らわれ、バルアンは姿をくらました。

表向きには今は亡きギウタ皇国のカザリナ皇女でバルアン王子の正妃であるカリエは、丁重に扱われ、首都タイアークへと招かれる。皇帝ドミトリアスと皇后グラーシカはカリエを優しく迎えてくれるが、ロゴナ宮ではなにやら不穏な動きがあり……。

という事で、さっそく板ばさみにあうカリエです。方々にゆかりのある人たちがいて、みんな好きな人達だけれど、立場が違って相容れないという。

ここまで劇的ではなくても、現実にあることですね。立場が違うから話してもだめだ、となると、ホントに困るんですよね。さあ、カリエはどうするのでしょう。

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2009/05/27

図書館内乱

天気いい日の仕事場の周りは、緑深くてとてものどかで。

はー、日長一日ごろごろしたい。

でも今日終わるかと思われた仕事は伸びて明日へ。

○ 図書館内乱 (有川浩 メディアワークス)

郁と同じ隊の先輩小牧には、彼にひそかに思いを寄せる幼馴染の女の子がいた。小牧の十歳年下のその女の子、中澤毬江(なかざわ・まりえ)は突発性難聴で、中三の時から耳が不自由になっていた。

毬江は、中学生の頃小牧目当てで図書館に通ううちに本好きになった子で、図書館に来て小牧お薦めの本を借りるのをいつも楽しみにしていた。その日毬江に小牧が薦めたのは「レインツリーの国」。難聴のヒロインのお話。しかしそれがあらぬ誤解を生み、メディア良化委員会がそこにつけ込んで……。

上のあらすじ部分がきっかけで、そこから「図書館内乱」のタイトルが示すように、図書館側が一枚岩というわけではなく、派閥やらなんやらいろいろあるんだという話になるのですが。

こういう話は、自分では作れそうにないと思いました。いろんな人が出てきて、いろんな思惑とか想いとかがあって、あっちこっちで絡まってて。

さらに。お話進めるためには、いろんなタイプのキャラクターが欲しいわけですけれども。

郁のような猪突猛進タイプから、柴崎のようなものすごく計算高いタイプまで、これだけ振れ幅広いのはすごいなと思いました。ちょろっと出てくるだけなら定番パターンで動かせるけど、心の中までしっかり書いているじゃないですか。

柴崎の最後の告白に、ぞくっと背すじが冷たくなりましたよ。外面全て計算で、というキャラだったけど、実は秘密があって、じゃあ読者に見せてた分も外面か! と。

ほんと、すごい。面白いです。

続いて図書館危機。

ずっとその後姿を追っていた王子様が、実は上官の堂上だったと知ってしまった郁。乙女心は揺れ動き、動揺しっぱなし。自分の中で美化されてしまっている王子様が好きなのか、それとも堂上が好きなのか。

そんな時、茨城県立図書館に図書特殊部隊が応援出動することになる。県立図書館は郁の地元。戦闘職配置を今だ両親に知らせていない郁は大ピンチ。さらに県立図書館は、その内部組織が、なにやらおかしなことになっていて……。

読み浅かったです。

手塚は受話器を握ったまま目を閉じた。互いに情報をやり取りするようになった、自分の肩にしか背の届かない生意気な女子を思い浮かべる。

必要なら誰とでも寝られる。だから自分は向いている。

傷ついたふうもなくそう嘯いた(うそぶいた)後ろ姿。手塚がサインをもらったハンカチをいかにもどうでもよさそうに振った後ろ姿。決してその時の表情をこちらには見せない。

前巻で、柴崎が情報部候補生だと分かるシーンのそのセリフで、うわおと思っていた僕ですが、もう一個奥があった……。すげえや……。すっかり作者の手のひらの上で転がされています(^^;;)

デビュー作「塩の街」も読んだんですけど、有川先生はヒロイズムを書く人ですね。ラストシーンでほろりとしました。

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2009/05/26

砂の覇王 4 5

今週も仕事大忙し。

電車移動のルートを少し変えたら、まあ、何とものどかで。

これからが仕上げで佳境のはずなのに、すっかりのんびり旅行気分(笑)。

移動中はのんびり読書が恒例。こちらはこの間読んだ分。

○ 流血女神伝 砂の覇王 4 5 (須賀しのぶ コバルト文庫)

女の身でありながら小姓として働くカリエ。宮中では、バルアンに処刑され死んだとされていた。気まぐれな主人バルアンに振り回される日々。

そんな折、ルトヴィアの皇子ドミトリアスとユリ・スカナの王女グラーシカの婚礼、そして戴冠式に出席するバルアンが出席する事になる。それに付き従って首都タイアークに向かう事になったカリエ。旧知の二人の晴れ姿を見られると喜んでいたが、なにやらバルアンには企みがあるようで……。

グラーシカやドミトリアスは定番の型のキャラです。いろいろな作品で見かけます。

ただ僕は、面白さというのはネタとか型とかで決まるものじゃないと思うのです。

よく料理に例えるんですけど。どんなよい素材も、腕がない素人が料理したら台無しで。松坂牛だって、黒こげじゃ美味しくない。物語もよいネタを仕入れるのは当然重要ですが、どう料理するかで面白さがまったく変わってくる。

その点この二人は、中身がしっかりしているので好感。

不義の子かも知れないと悩むグラーシカを叱咤するドミトリアスのシーンが、いいですね。

グラーシカは男言葉でしゃべる男装の麗人。そんじょそこらの男より強いという、人気パターンのキャラですが。母親にコンプレックスがあったりとか、プロポーズに対して自分の気持ちを認められなかったりとか、影にある弱さも書かれていて。

対するドミトリアスは、なぜか出会った当初からグラーシカの尻にひかれ気味だったけれど、元々芯がしっかりした人として書かれていた。

結婚の理由はドミトリアスから申し出た政略結婚なんだけど、いい出会いだったんだなあと。

しかしどうもこの二人の行く手には、いろいろと困難がありそうで。宮廷内も敵だらけだし、隣の国からもちょっかい出されそうな雰囲気だし。

二人の行く末が気になってきました。

続いて5巻。

ドミトリアスとグラーシカに、バルアンの正妃として二人に紹介されたカリエ。行方不明になったアルゼウス皇子が、実は影武者カリエだった事は一握りの人しか知らない。しかも、二人に紹介された名は、カザリナ・ユファトニー。今は亡きギウタ皇国最後の皇女。宮廷は大混乱。

そして戴冠式参列を終え、インダリに帰った一行を待っていたのは旅の一座。その美しくも妖しい舞姫は、生粋のザカール人、ラクリゼ。アルゼウスであったころカリエを救い、さらに過去にはギウタ攻防で名を馳せた殺戮の女神……。

ひたすらサバイバーだったカリエでしたが、素性が表に出てきて、運命が回り始めた感じです。バルアンがいろいろと水面下で仕掛けていたことも表に出てきて、風雲急を告げてます。

サジェが死んじゃったことにびっくりしました。確かにカリエに恨みを持ってる因縁のキャラなんだけど、こんな結末とは。

思いもよらないエピソードが来て、振り回されてます。単に意外なだけだと、僕はわりと醒めちゃうタイプなのですが、それまでで引っ張り込まれているので効果てきめんなのです。

どうなっちゃうんだろう。

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2009/05/08

今週の雑感記 狼と香辛料 Ⅳ

まず今月のお知らせから。

アルファポリス漫画大賞に「Nano-matic」で参加中です。

読者投票が反映されるコンテストです。漫画の下にあるバナーをクリックすると投票されます。応援よろしくお願いしますm(_ _)m

やはり数字に弱いです。ハラハラします(^^;;)

さて。

最近、移動中はひたすら読書なのですが。

面白い本読んでると危ないですね。

こないだは、大宮からの帰り、湘南新宿ラインで池袋に向かっているつもりが、なぜか上野に。

柏vs大宮を見に行こうとした時は、乗換駅の日暮里で降り損ねそうに。

そして今週。

新幹線乗り間違え、しかも全然気が付かないまま新潟県へ!

スケールアップしました。これ以上遠くに行かないように気をつけないと(笑)。

ちなみに上野行きの時、読んでいたのがこちら。

○ 狼と香辛料 Ⅳ (支倉凍砂 電撃文庫)

ホロの故郷ヨイツへ向かう道中、二人は田舎の村テレオへとやって来た。異教の神々の話を集めているという修道士の居場所を、この村の司祭が知っていると聞いたからだ。

教会を尋ねてみると、出てきた司祭は無愛想な少女エルサ。元の司祭は半年ほど前に亡くなったという。修道院の場所を聞いていないかと尋ねると、知らないと答えるが、それは明らかに嘘の様子で……。

去年からライトノベルを読んでいて、なんとなく全体像がつかめてきたころ気付いたことは。

この作品がその中で、頂上を争う一品だという事です。

しかも心の揺れ動きを丁寧に書いてある所がとても好みで、私的評価では一番と言っても差し支えなく。

となると、あっさり消費してしまうのはもったいない。特に仕事中にちょっとずつ読むなんてのは論外。じっくり味わってどっぷり浸れる時に読まないと。

仕事明け、今日は帰ったらもう何もしない、という日に読みました。そしてたっぷり堪能。

ホロとロレンスの関係に新局面の予感。さて、どうなるのかな。

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2009/04/11

今週の雑感記 NO.6

創作の栄養分を食べ過ぎたから吐き出す、と宣言し。

しかし他の仕事の予定はずらせないわけで、休み時間を削る事に。

疲れた身体に鞭打つのはつらい。しかし、ホントに食べ過ぎだったのだろう、精神的には吐き出せてとても爽快。

そういう時には手も速い。ちょっとずつ進めばいいと思ってたのに、その三倍速ぐらいで進む。なんと、今日の昼までに一段落ついた。

さて、精神的に落ち着いたところで、イラスト仕事を仕上げねば。そしたら、今月下旬は本格的にこいつに取り組めるんだ。うきうき。

○ 流血女神伝 砂の覇王 3 (須賀しのぶ コバルト文庫)

サジェに毒を盛ったという身に覚えのない罪を着せられ、再び投獄されたカリエ。このままでは処刑されてしまうと王子バルアンに直訴するが、変わり者の王子バルアンは真相には興味がないと真面目に取り合おうとしない。

追いつめられたカリエは、バルアンが寝込んだ隙に砂漠へと逃げ出す。しかし砂漠は砂嵐が吹き荒れ、人が無事に渡れるような場所ではなかった。とうとうカリエは倒れ、意識を失って……。

カリエ、タフだなあ。

カリエは明らかに何かの神様の加護を受けてる特別な子です。そしてここまでシリーズを通してで5巻。小説は漫画に比べて一冊に詰め込める話の分量が多いので、漫画だと十数巻分の話が進んでいるはず。

少年漫画的発想だと、もう今頃はその特別な資質が表に出ていて、自分の力で敵をばったばったとやっつけているはずですが。

まったくそんなことはなく、運命に翻弄されっぱなし。すごいサバイバル。

でも巻き込まれて悲嘆にくれているのかというと、そんなことは全然なくて、どうにもならない身の上だけど、しっかり立ち向かっている。そのたくましさに好感。

あとがきを読むと、この砂の覇王のエピソードは全3巻の予定だったそうです。それがすっかり伸びていると。

でもそういう時って、アイディアがどんどん沸いてきているということだから。次巻はどうなるのか楽しみ。

○ NO.6 #1 (あさのあつこ YA!ENTERTAINMENT)

完璧に管理された都市NO.6に住む少年紫苑(しおん)は、その才能を認められ、特別な教育を受けているエリート。けれど、12歳の誕生日、台風が荒れ狂う日に、お尋ね者として逃げていた少年ネズミをかくまった事から運命は一変する。

罪に問われる事さえなかったものの、特別待遇を剥奪された紫苑は、今はバイトで学費を稼ぐ苦学生。エリートとして約束されていた未来は、いまや別世界となった。そんな時、バイト先の公園で、変死体が見つかって……。

テレパシー少女蘭、時空ハンターYUKIと来て、次に手を出したのがこの作品。読んでみたら本格的なSFでびっくり。

漫画の場合、どうしても絵柄の向き不向きとかがあって、作風は固まる傾向にあるわけですけど、小説家は文体変えていろんな物書く人いますよね。こちらはかなりシリアスな近未来SF。

でもそれだけ振れ幅あっても、どれも面白いのは、作家としての腕。さすが。

この巻は完全に序章という感じで、謎を振りまいてto be continued。続き読まねば。

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2009/04/04

今週の雑感記 図書館戦争

春眠暁を覚えず。

目覚ましかけないで寝ると、12時間ぐらい爆睡してしまう今週。しかもそれだけ寝ても、作業中机に突っ伏して寝たくなるのです。

もともとごろごろするのが大好きな、ぐーたらなタイプですが、これはひどい。蓄積疲労があるのだろうか。

でも、今月下旬まで、休めないんですよね(+_+)

○ ストレス解消

こんなニュースが。

読書がストレス解消に非常に効果的であることが研究で明らかに

通勤・通学時や休みの時にゆっくり本を読むのが楽しみにしている人もたくさんいますが、読書がストレス解消に効果的であることが研究で明らかになったそうです。また読書のストレス解消効果は音楽・ティータイム・散歩よりも効果的とのこと。

また、短時間の読書でも効果的が出ることもわかり、極めてすぐれたストレス解消方法になるようです。

詳細は以下より。

Reading 'can help reduce stress' - Telegraph

イギリスのサセックスにある大学で、心拍数などから読書・音楽視聴・1杯のコーヒータイム・テレビゲーム・散歩それぞれのストレス解消効果を検証したところ、読書は68%・音楽試聴は61%・コーヒータイムは54%・散歩は42%・テレビゲームは21%ストレス解消効果が現れたそうです。また、静かなところで読書を行えば、わずか6分間で60%以上のストレス解消効果を得られるとのこと。

ただし、本を読むこと自体が重要なのではなく、本を読んでいる時間は現実世界のことを忘れてしまうくらい夢中になる事が重要であり、本の内容に没頭しないと効果が最大限に得られないとのこと。

この記事での研究では、読書が最も効果的という結果がでたようですが、要するに何か夢中で没頭できるものが最もストレス解消効果があると見て取れるため、活字嫌いの人はほかに没頭できるものを行えばいいのかもしれません。

Gigazin09/3/30

逆に言うと、没頭できないつまんない物ではストレス解消にならないということですね。あ、ふつうそんな物、放り出して読まないか。

自分のがそうならないようにしないと(・・;;) ちゃんとストレス解消になるように。

こういう風にね↓

○ 図書館戦争 (有川浩 アスキー・メディアワークス)

公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行されている時代。強化される検閲に対抗すべく、図書館の自由法が成立、メディア良化委員会と図書館の抗争は激化し、武力衝突も起きるようになっていた。

笠原郁(かさはら・いく)は、高校生の時、大好きな本の検閲の場面に立会い、その時本を守ってくれた図書隊員にあこがれ、図書隊に入隊した。訓練期間を終えた郁は女性初の図書特務部隊配属となるが、そこには郁にやたら厳しい上官の堂上がいて……。

アニメにもなったベストセラー。面白い。

まず主人公の郁がいいです。考えるより先に反応してしまう猪突猛進の体力バカとして、スパッとキャラクターが立っていて、お話を引っ張っています。

素直な直情型でお勉強はちょっと……というのも、こういう変わった設定の中で、読者の目線を代弁してくれる親切設計。とても読みやすい。

そして、メディア良化委員会と図書館の抗争という設定も、いい具合です。

ぱっと目を引く変わった設定というのは、お客さんを呼ぶうえで重要なポイント。でも変な設定にすればするほど、分かりづらく入りづらくなるという諸刃の剣。

その点でこの作品はとてもいい具合な所に収めています。ディフォルメ具合がちょうどいい。

ディフォルメというのは絵なんかで、モデルの特徴を誇張して描くこと。話作りにもそれはあると思うのです。わざと大げさに書く手法。

良化特務機関と図書防衛隊が市街地で銃撃戦、という設定は現実にはありえないと思うわけですが。

けれどもその過程で、現実を連想させることが書いてある。

例えば、後期高齢者医療制度の顛末なんて、メディア良化法成立の様子と同じわけですよ。マスコミが問題点に気付かずちゃんと報道してなくて、野党もろくに追及しないまま通っちゃって、施行される段になって大さわぎ。

他にも感情論ばっかな報道とか、青少年の健全な発育という名の正義とか、あるなあこういう事というエピソードがたくさんあって、それを上手く書いていて。

そのため作品に、大げさすぎてありえないと思うけどありそうで怖い、というリアリティが生まれています。

これがある作品は強いです。作り話のはずなのに目が離せなくなります。

キャラクターのよさと舞台設定の上手さ。評判になった時にあらすじだけ聞いて、へー、変わった話が売れてるんだなあと思ってたのですが、なるほど納得な作品でした。

あ、あと、郁の王子様がベタベタな設定だったのも好み。来るぞ来るぞとワクワクしながら読んでました(笑)。

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2009/03/31

砂の覇王

疲れていたのか爆睡して、さらに雑事に時間がかかり、何にもしてないのに終わってしまう感じな本日。あわててノルマをこなそうとしている最中(+_+)

ほんとはサラッとノルマをこなし、半日ぐらい読書dayにするつもりだったのに。読もうとしてたのはこれの続き。

 ○ 流血女神伝 砂の覇王 1 2 (須賀しのぶ コバルト文庫)

身代わりとなっていた皇子アルゼウスの死で、口封じのために命を狙われることになったカリエは、エディアルドと共にルトヴィア帝国を出た。

しかし逃避行の道中、エディアルドが体調を崩した。辺りの村は貧しく、夜盗も多いため、二人を泊めてくれる家がなかなか見つからない。ようやく一軒、受け入れてくれる家が見つかったのだが、それには後ろ暗い訳があり……。

ということで続き読みました。「帝国の娘」前後編の続編。

どこへ転がっていくのか分からない展開。面白い。先が読めずに意外な事が起きるのは、面白さの大きな要素ですね。

ただ、先読みできないだけだと、ふっと読む方の集中が途切れたりしがちです。テンポが下がってたたみかけが弱くなった時に、醒めてしまう。

その点この作品は、キャラクターがしっかり立っていて行く末が気になるのと、背後に出生の秘密やなんかの設定が見え隠れしていて、この子は先々なんかするなという期待感があるので、引っ張られるのです。

最初のページを読んでいた時には、まさか最後こんな事になってるとは思わなかったカリエ。次の巻はどうなる?

続いて2巻。

奴隷としてエティカヤに連れてこられたカリエ。エディアルドを逆恨みする娘サジェと共に、王子への献上品として、後宮に上がることになった。

後宮でのし上がってエディアルドに復讐する、と言ってはばからないサジェの企みを阻止するためには、カリエも負けじと妃妾になるしかない。しかしカリエは第二貴妃ジィキに「禍を運ぶ者」として投獄されてしまい……。

ほんとにどうなるのか分かんない。次読まないと。

僕は下ごしらえをがんばりすぎて、引きの弱い話を作ってしまい、それではねられることがよくあるんだけど。

こういう物語を読むと、なるほどと勉強にもなるのです。

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2009/03/27

今週の雑感記 続きは!?

仕事明け、ずーんと地に潜る勢いで疲れている自分。

こういうときにコタツでだらーっとする幸せ。

このまま半月ぐらいだらだらしたい(笑)。

しかし、ぼちぼち仕事中。

○ はじめてのあく (藤木俊 週刊少年サンデー)

へローンと疲れている時は、この漫画が心地よい。

ジローの師匠ポチ(犬)が素敵。

「あなたは神を信じますか?」

「神はすべての人の中にいる」

かっこいい(笑)。

○ 時空ハンターYUKI 2 (あさのあつこ カラフル文庫)

あたしに力を!

おゆきは祈った。神になのか仏になのか、薫子という実の母になのか、見守り続けると誓った父になのか、わからない。

ただ祈る。

あたしをこの穴に飛び込ませて、あいつを追わせて。

月の光が輝く。周りの木々や岩が急に大きくなる。いや、違う、おゆきの身体が小さくなったのだ。変身する。小さく白い生き物に変わっていく。

自分の身に起こった不思議に驚くひまなどない。おゆきは、地をけり、穴に向かって飛んだ。

つづく

続いてないじゃん!!!!

1巻が05/1発行、2巻が05/9発行なら、当然次の年に続きが出ていていいだろう!

この作品はジャイブ発行の「ヒント!」というアンソロジーに載ってたようなんですが、調べたら9号を最後にwebに移行してるんですよね。どうもそこで切れちゃってるらしく。

えー。だって、あれでしょ? これでおゆきが猫になって、タイムスリップして現代へ来たわけでしょ? で、結祈の金の剣とおゆきの銀の剣がそろって、「闇の蔵人」が倒せるって展開でしょ? しかも、お父さんがあれだったりするかもしれないわけじゃん?

せめてあと1巻、ちゃんと出して終わらせようよ……。

うう。オチが気になる。

あさの先生、いつか続編を書いてください。お願いします。

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2009/03/14

今週の雑感記 クースー!

今月は隙間時間を見つけて「ケッタ・ゴール!」を進めよう、と思ってたんですが。

別の企画も進めなきゃいけないという話が、本日急浮上。

隙間時間自体がほとんどなくて困ってるのに、どうしよう。

○ クースー! ~さくらと秋奈 夢の酒~ (あおきてつお ビジネスジャンプ)

さくらは、蔵元の孫娘でお酒が好き。東京から沖縄・宮木島へ帰ってきた。しかし故郷を離れ15年ぶりの帰郷。祖父祖母の顔もおぼろげで、連絡先も分からない。

蔵元の名前だけを頼りに探す道中、さくらは美人で有名なバーテンダー秋奈に出会う。有能なバーテンダーという評判の秋奈は、実は洋酒が全然ダメで……。

あおき先生の新連載。

扉に「古酒をめぐる人生再生ストーリー!!」とあります。まだ一回目なので出てきてませんが、二人とも何か思うところがある様子。どうなるのかな。

つい先日あおき先生から制作秘話をうかがったので、ここがそうかと絵をながめてしまいます(笑)。

新連載なので、画像は前作「島根の弁護士」。仲間由紀恵主演でドラマにもなりました。

○ 流血女神伝 帝国の娘 (須賀しのぶ コバルト文庫)

前後編の二冊組。

ルトヴィア帝国の国境にほど近い田舎の山村で猟師の娘として育ったカリエは、ある冬の日、狩りの最中にエディアルドという貴族風の男にさらわれる。

気付いてみれば貴族の館。カリエは、ゼカロ公爵の病弱な孫、アルゼウスの影武者として、次期皇帝の選定に備えカデーレ宮に送り込まれるのだという。

大体性別だって違うし無茶だという抗議は聞き入れられず、断ればカリエ自身ばかりか両親の安否も危うくなり、カリエはしぶしぶその役目を引き受ける。

貴族達の身勝手さ、身近な者にさえ影武者としての役割しか望まれていない虚しさを感じながら、役目を全うしていくカリエ。しかし彼女には、大きな出生の秘密があって……。

みんなが持っている面白さの物差しは、それぞれの好みに合わせていろんな方向向いているというのが持論です。

というわけで面白いという事には、好みの方向にぴったり合っているという場合と、向きは違っているので実際の長さより短く測ってしまっているが、作者の力量が高く元の長さがとても長いので面白く感じる、という二つのパターンが考えられ。

こちらは後者でした。

タイプとしては好みの話じゃないんだけど、内面がしっかり書かれ、筋立ての妙もあり、カリエの行く末がとても気になる。面白い。

でもこのシリーズすごく長いみたいなんですよねー。本編だけで、25巻ある。

カリエのオチ、最後まで見ないと分かんないのかな。

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2009/02/28

今週の雑感記 今後

夜、買い出しに出かけたら、夜道を歩く親子連れ。子供が駆け出して親が注意。「危ないよ、転ぶから!」

注意を受けた子供、素直に聞いて、「そうだね、危ないよね、真っ暗だもん」「ここ明かり少なくて、真っ暗だよね」

いや。

ここは東京、煌々と明るい眠らない街。ほんとに暗いのはナベ先生の仕事場ですよ。山の中で、一応街灯あるけど離れてるし。月が出てない時には、舗装されてない道にできた窪みに足取られないよう注意してないと危険。

昔、柏に引っ越してきた頃、実家の周りは森でまだ街灯なくて、手賀沼方面に下りたら、そりゃもう半端なく怖かった。

都会の子は真の闇を知らずに育つのだなあ、と思ったのでした。

○ 仕方ない

コミック・雑誌落ち込み、講談社が過去最大の赤字

出版大手の講談社は23日、08年度(07年12月-08年11月)の決算を発表した。

不況の影響で広告収入が減少したほか、雑誌・コミックの売り上げの落ち込みが響き、売上高は前年比6・4%減の1350億5800万円。当期純損失は76億8600万円と4期ぶりの赤字決算となった。赤字幅は過去最大。

コミックを含めた雑誌部門の収入は前年比93・7%、書籍は92・1%、広告収入は89・8%だった。

読売新聞09/2/23

これではマガジンZが休刊になっても仕方ない。

今後、赤字部門になってる雑誌をさらに減らす、とかあるのでしょうか。

○ また消えた

スクウェア・エニックスが発行している雑誌、ガンガンパワードがなくなるようです。載ったことある雑誌がまた消えた!!

ただ、今回はちょっと事情が複雑で、載っていた連載のうちいくつかを他誌に移し、その後ガンガンJOKERという新雑誌を立ち上げるみたい。ブランディングをもっとはっきりさせようということなのかな?

でも名前なくなるのはやっぱり寂しいですね……。

組んで仕事した先が全滅しましたよ。どう思いますか、佐々木先生?

○ 今後の予定

元々出版不況と言われていたけれど、世界不況も重なったからでしょうか。ここに来てこの加速ぶり。どきどきします。

しかし、最近こういう記事をよく取り上げているので、嘆いてばかりだと、心配かけるかもしれない。特に直接会う頻度の少ない人に。という事で、気持ちは前向きなんだよとアピールすべく、今後の予定を公開。気持ちだけのものも含みます(笑)。

現状は、ナベ先生とか他の先生を手伝いながら、自分ではイラストのお仕事をさせていただいているわけですが、まずこれをがんばることを前提として。

先々の仕掛けのためにしたいこと。

①ケッタ・ゴール!

漫画を描くことを好きであり続けるために、これを描き続ける事は重要。ということで来月の優先順位一番。というか、ここでやらないと、昨年のような寡作になってしまう(・・;;)

それに将来、この漫画でいろいろできると思ってるのです。

今後の可能性 成功するかどうかは分かんないけど、実現は自分のやる気次第。

②漫画

他の漫画はどうかというと。現在は、以前のように一つの雑誌に持ち込んで、一生懸命打ち合わせをするという事をしていません。まあ、今漫画の仕事取っても掛け持ちになっちゃうので、僕のスピードでは終わらないし(^^;;)

さらに遠回り大作戦で。今漫画業界、こういう守りの後退戦じゃないですか。青年誌だと変わった物載せて攻める気見せている所もあるんだけど。

周りの人に「どこに行ったら、こういうの載りそうだと思う?」と聞いても、みんな「うーん……」って考え込んじゃうんですよね。

かといって、無理に合わせても、お客さんはそんなまがい物いらないだろうし。

というわけで、風向き変わるのをのんびり待っている状態です。紙雑誌が主流じゃなくなるかもしれないしね。

今後の可能性 よく分からない(^^;;)

③同人誌

無理に合わせるのはよくないと言っても、ホントに何もしないで待ってたら、風向き変わってもチャンスを逃します。妥協はよくないけど、一致点を探すのは大切。

で、とにかくいろいろ描くのです。プレゼンにもなるし。

次に描くのは「Spring8」だけど、アンドロイドのメイドさんは世間的需要があるのかもしれないという期待感。5ページしか載ってないのに、ちょくちょく検索で引っかかる。あとは自分が上手く描けるか。

今後の可能性 可能性とか言ってる場合じゃなくて、とにかく早急に!!

④他

このままだと世の中はもっとケータイ中心になるのだろうか、という予想から、実験してみたい事がいくつか。

ケータイ漫画専用の描き方というのを模索してみたいし、そもそも漫画の形にこだわらなくてもいいんじゃないの? という気もしていて、その実験もしてみたい。

今後の可能性 今手元にある素材をいじって、できるのではないかと。時間が空いたら。

⑤ジュブナイル

「ケッタ・ゴール!」を描いたら、ああ、自分はこういうのが好きなんだと自覚できたのですが。

主に発行ペースとページ数の問題で、児童漫画だと無理みたいなんですよね……。

ただ、オチまで描いてある読み切りと一話目はすごい反応よかったんですよ。一気にオチまで読ませれば、こういう話もありなんだなと。

ということで、現在少年少女向けの小説、ジュブナイルにとても興味が。一冊で読ませることができるじゃないですか。それもあって、やたら読んでいるのです。

今後の可能性 低い。だって、まず文章上手くならないと(^^;;)。まあ、気長に。

ライトノベルになると、なくはないけど、漫画と同じでずれちゃうかもしれない。

でも読むのは楽しい。と、上手くつないで今週分↓

○ ムーンスペル!! 背中合わせの風景
  ムーンスペル!! あの日と同じ月の下で
 (尼野ゆたか 富士見ファンタジア文庫)

エルリーは千年前に封印され、現代に蘇った最後の闇魔術師。しかし先の事件で自分を封じた宿敵ジョージと会い、思い悩む。一方のクラウスは、先の事件で自分の適性に疑問を抱き、王国詠唱士になるという夢もぐらつき、みんなに顔を会わせられないでいた。

それぞれが悩み、すれ違う二人。その頃王宮内では王に隠れ謀反を企てる一派がうごめいていて……。

前巻で、どうやら悩みと真っ向勝負するようだと思ったらその通りで、この巻は頭からそっちのベクトル全開です。

その悩みは主人公の決意とともに解決するのですが、事件は引いてて次巻へ続く。どうなるんだろう。

続いて5巻、最終巻。

宿敵ジョージに連れ去られたエルリーを助けたいクラウス。準詠唱士として、国王に背く謀反人ウッド討伐に参加する。

ウッドは己の領地に引きこもっており、クラウスはその村へ潜入する。そこではウッド配下のジョージによって、エルリーの力を使った恐ろしい陰謀が進んでいた。果たしてクラウスは、無事エルリーを救い出せるのか……。

典型的なラノベ風の構成要素が並ぶ中、なんか気になるところがあるなと思って読み進めていた本シリーズ。その正体は、主人公の悩みとの真っ向勝負。真っ向勝負は好きなのです。

しかし、そうしてシリアス分が増えた副産物。以前、ラブコメで主人公がモテモテだと真面目に突っ込むと泥沼、と書きましたが、それが発生。というより泥沼にならずに、ヒロイン以外の主人公に好意を持っていた女の子達が自ら身を引き、みんな失恋。

特に幼なじみのイルミラは、失恋する様もたっぷり書かれていて、かわいそう……。

ラストはタイトル通りでいい終わり方でした。

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2009/02/24

時空ハンターYUKI

仕事追われ中なので、書きだめてあった感想文を。

○ 時空ハンターYUKI (あさのあつこ カラフル文庫)

中学一年の魔布結祈(まふ・ゆき)は、地味で大人しい平凡な少女。だがある日、深夜に空が赤く染まるのを見、おかしな声を聞いてから、彼女の運命の歯車が動き出す。

曾祖母のカナエによると、結祈は魔布家の女性に代々伝わる、闇の住人「闇の蔵人」を祓う力を持った「星の娘」なのだという。影を潜めていた闇の蔵人達は、今まさにこの町で人々を喰らおうとしていて……。

テレパシー少女蘭のシリーズに追いついてしまったので、さて何を読もうかと児童書の本棚をながめていたとき目に飛び込んできた本。やっぱりタイトルでチョイス(笑)。

テレパシー少女蘭は掛け合いが楽しい話だったけど、こちらはうってかわってシリアス調。ぐいぐい引き込まれます。

年末に紹介した漫画「群青学舎」の作者、入江あき先生がイラストを描いています。入江先生は上手い。雰囲気があって、いいですね。

テレパシー少女蘭でも思いましたが、あさの先生の作品には、自分が常々描きたいと思っているものが書かれていて。

児童漫画ではページ的に厳しいけど、児童文学ではありみたいです。

ハインラインのジュブナイルも好きだし。

やっぱりそういうのを作りたいですね(^^)/

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2009/02/21

今週の雑感記 シェルとグレートのチェルダーシュ

なんか仕事がずっとつながっていて、先週日曜の時点でさらに10日はぶっ通しの予定でした。

そこでナベ先生の仕事が早く終わって、スキーに行けたのは、とてもラッキー。精神的な疲労がかなりきていたので。

すっかりリフレッシュして、今月中の仕事はあと一つ。さあがんばるぞ。

○ ハーメルンのバイオリン弾き シェルクンチク 第19楽章 シェルとグレートのチェルダーシュ (渡辺道明ヤングガンガン)

やっぱりこのお話は2なので。始めるにあたり、前作との関係をどうしようかと、ナベ先生とよく話していたのです。

水増しや焼き直しにはしたくないナベ先生。でもまるっきり別物では意味がない。

で、前作のヒロイン、フルートのポジションに今回は男の子の主人公を置こうということになり。

ハーメルのポジションはいろいろ紆余曲折があったけど、その息子のグレートが来て。今回は友情の物語なのだと。

なのでシェルは魔族化したグレートをまるでフルートのように受け止め、そのくびきから救ってやり、そして胸をざっくり貫かれるという、オルゴール編のような展開に。

前作を丸々伏線として使えるわけですよ。いいなあ。そういう話が描けるのはうらやましい。

しかしただ焼き直しではないので、今回はさらにそこに別の謎があり。

そして次回はついに……。

第2巻もそろそろ発売です。2/25。

○ 東京ヴァンパイアファイナンス (真藤順丈 電撃文庫)

佐々木少年先生、挿絵のお仕事。

僕も挿絵仕事をしているので、難しいよねと二人で話しておりました。

人様の作品に絵をつけるというのは大変です。しかも漫画と違って、絵一点一点の重要度がかなり増すし。

佐々木先生おつかれ様でした。

僕も今月分をがんばらねば。

○ ムーンスペル!! 霧の向こうに……
  ムーンスペル!! 真夏の迷宮
 (尼野ゆたか 富士見ファンタジア文庫)

以前読んだ本の、シリーズ第2巻。

王国詠唱士を目指すクラウスは、毎年の試験に落ち続け浪人中。子供向け詠唱教室の臨時講師では生活は厳しい。

そんな時、ひょんなことからまとまった臨時収入を得たクラウス。たまたま募集のチラシを見かけた国家詠唱士試験組合、いわば国家詠唱士を目指す予備校に入学する。しかしその頃、国家詠唱士を目指す若者ばかりを狙った通り魔事件が起きていて……。

夢はあるけどなかなかそれに手が届かないとか、連敗続きで自分の才能に自信が持てなくなっててほめられてもその気になれないとか、なんかこう、主人公に感情移入してしまうものが(・_・;;)

続いて3巻。

詠唱教室の夏期合宿のため、ヤルヴァの森を訪れたクラウスと生徒達。なぜかいつものメンバーも同じ宿。クラウスの気がつかないところで女の子達は争奪戦。

合宿には付き物の夜の肝試し。悪ガキ生徒はこっそり抜け出して、近所の怪しい廃屋探検に。ところがそこで少年に出会ったエルリーは、深刻な顔。楽しく騒がしい合宿は急に深刻な事態となり……。

かわいい女の子達が主人公を取り合って、魔法を使ったアクションがあってと、構成要素はわりとオーソドックスなこのシリーズ。しかし何か気になるなと思っていたら。

主人公の悩みと真っ向勝負するみたい。お手軽に解決する気はないようだ。そこに好感。

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2009/02/06

蘭と桜と春爛漫

一コマ漫画を描こうと思っていたけれど、仕事に没頭していて用意できず。

という事で、本日はためこんでいる感想文から。

○ 蘭と桜と春爛漫 (あさのあつこ 青い鳥文庫)

人気作家の集まった短編集、「おもしろい話が読みたい! 白虎編」収録。

留衣と花見に行くことになった蘭。ついてきちゃった翠はオジャマ虫だけど、ウキウキ気分。しかし着いてびっくり花見スポットはぎっしり満員。

仕方なくお弁当を食べるところを探そうと山を下る途中、蘭は誰かが泣いている声を聞く。行ってみると泣いていたのは道祖神。それには、昔恋人の元へ帰ろうとして力尽きた男の魂が宿っていて……。

本編には追いついちゃったけど、読み切りがまだあった。7巻「ゴースト館の謎」の後に書かれた作品。

短いので、特に筋にはヒネリがなく、あっという間に解決するんだけど、この作品の魅力である蘭と翠の掛け合いがちゃんと押さえてあり、山場の演出には一工夫あるので、しっかり読んだ感があります。面白かった。

このシリーズは子供向けで、平易な言葉で書かれ楽しいシーンも満載なので、作者の技量は普段表に出てないんだけど。

こういう短い話は構成力が問われる。さすが上手いなあと。小説、漫画に限らず物語で、やたら凝った表現とか、複雑で入り組んだ筋立てとかがスキルフルとされるけど、ほんとの実用的なスキルはシンプルなところにあるんだと思うのですよ。

これでテレパシー少女蘭のシリーズは一通り読んだわけですが。

つくづく、自分の行きたい所はここなんだなーと思ったのです。

SFが好きだけど、それに限らずファンタジーでも、その他の何かでもいいんだけど、日常の中の非日常、もしくは非日常の中の日常。その舞台でキャラクター達が一生懸命生き生きと生きていて。

そういうわくわくするものと感情移入するものが一緒になっているお話。

さらにこの作品では楽しいシーンがたくさんあるのも好み。

いいなあ。

どうにかしてここにたどり着きたいと思います。

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2009/01/31

今週の雑感記 至近弾

ここに今週の雑記を書こうとしたら、先週と同じような事しか思いつかない。

そんな仕事ばっかりの一週間。

○ マガジンZ休刊

マガジンZが休刊となりました。

僕はあそこで何年ぐらいがんばってたんだっけか……。長くやってたけど、結果になったのは、佐々木君と組んで仕事した「SKY GUNNER」だけ。しかも僕の描いたネームはほとんど改変され、原作という事にもならなかったんですけど。

あの時自分に要求されていたものは、今になるとよく分かる。それをそつなくこなせていたら、違う漫画家人生だったでしょう。

でも結局、今不況の折、仕事なくなってると思いますけどね。同じ路線で描いたら、雑誌が減っていく中で、絵の上手い人に椅子取りゲームで負けるのは必至。違うもの描かないと、やっぱりだめ。

あの時期はすごい悩んだけれど、それが肥やしになっているなと今は思います。

いや、まだそうは言えないな。悩んだ答えを形にして、結果出さないと。

という事で現在進行中の企画をがんばらないとなあ、と思ったのでした。

ちなみにポプラ社の女性誌「ピアニッシモ」も休刊するそうです。

女性誌は明らかに畑違いなので、「ピアニッシモ」に行ったことはありませんが、ポプラ社か……。

身近にドッカンドッカン爆弾が落ちているような恐怖感がありますね。直撃しませんように……。

 

さて現実から脱出して、楽しい読書に逃避。

このパターン多いですね。来週は楽しい話題を探そう。

○ 紅牙のルビーウルフ Tinytales1 クローバーに願いを
   紅牙のルビーウルフ6自由の風が吹く夜明け
   紅牙のルビーウルフ7君に捧げる永遠の花 
(淡路帆希 富士見ファンタジア文庫)

まず「クローバーに願いを」は7編入った短編集。

中でも楽しかったのは、4編目の「恋するうさぎ」。すっかり騙されたまま読んでいて、オチが分かってから読み返すと、ちゃんと伏線張ってある(笑)。

続いて6巻。

ローラーティオーからの帰り道。残党の攻撃を警戒したルビー達は、海路ではなく陸路で北を目指していた。途中、その残党に会い攻撃を受けた一行は、砂漠の中で散り散りになってしまう。

次の目的地に向かえば、そこでみんなと落ち合えるだろうと、ディアノイアの南部を守る大都市エンテンデールに着いたルビー。しかし宿に泊まる路銀もない。

ちょうど開催されていた武芸大会に参加して賞金を得ようとした彼女の目の前に現れたのは、砂漠ではぐれたジェイド。

しかし彼は感情を失い、ルビーのことも分からなくなっていて……。

7巻も一緒に借りて、ちょっと表紙カバーの折り返しを見てみたら、「大団円」の文字。そうか7巻で終わりかー、と思って読み始めると、あれれ、6巻終盤でどんどん加速していく。

この世界の創世の謎も、ルビーとジェイドの恋の行方も、全部片付いてしまいました。7巻、短編集だった。油断してて急に終わっちゃうと、ちょっと寂しい……。

続いて7巻。

僕の思い込みが災いし、急に終わっちゃったような気がして寂しく思っていたら、この短編集は前後に書き下ろしがあって、後日昔を思い出して、という形になっていました。

その書き下ろしのエピローグの部分が、前回の感想文で触れた、5巻の未来の夢のシーン。

素敵なハッピーエンドになっていました。よかった。

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2009/01/25

今週の雑感記 未来はどちらへ

立て続けにナベ先生の仕事に突入。現在在宅で宿題中。

ナベ先生のご近所では、インフルエンザが流行中の模様。

このまま行くと、うつりそうな……。

今年のおみくじ、病の項目があまりよくなかったんだ。気をつけねば。

ナベ先生と連絡とってやり取りする合間に、「Nano-matic」のページを手直し。以前ブログに載せたカットがあったので、それをつなげて展開わかるように。

今回は紙の本にしたけど、作品を発表する方法はいろいろある。さらに言うと、例えばケータイマンガで発表することもできるけど、ケータイの特性考えたら、今までのマンガの形にこだわらない方がいいんじゃないかとか。

考える事はいろいろあって、作業をこなしながら思案中。

こんな10年単位の大問題についても。

○ 未来はどちらへ

角川書店の青年誌、コミックチャージが休刊。創刊から2年足らず。

これ自体は特に何か感想があるわけではないのです。新創刊して上手く行かなくて休刊は、別に不況になる前でもあったことだし。

ただ、ちょうどそのニュースを、手伝い仕事先で知って。

仕事場で、そこから、漫画の未来ってどうなるんだろうね、という話題がしばし続いて。

すごく売れている先生でも、将来不安なわけですよ、今の状態。

たぶん、紙媒体は弱っていく。

ネット上のビジネスに移って行くんだろうけど、ただ、今のところ明確な形は見えていません。

ネット上のコンテンツビジネスって、ちょっと注意してニュース追ってるんだけど、どうもすんなり移行している感じじゃない。伸びてはいるんだけど、減ってる分を埋めきれてないみたい。

特に違法ダウンロードが問題なんですが。

ただ、これに関して思うところがあって。

違法合法って言うけど、法というのは、みんなの総意が土台にあって出来ているもので、別に物理法則のように世界に埋め込まれているものじゃない。みんなが変えようと思えば変わる。

今はこれまでの著作権法なんかに当てはめて、違法なんだと、作り手の側から言ってるわけですが。

もし、ホントに受け手のみんなが、ネット上の情報はただで当然、と思ってたら、それは結局最後には崩れる。

その結果お金が儲からないようになると、作り手はフルタイムプロフェッショナルではいられなくなるから、当然、新作は品質が下がるか数が減るかするけれど。

昔々、ロンドンの街角には、たくさんの牛が飼われていたんだそうです。搾りたての牛乳を売っていたから。でも産業革命時、汽車の発達で、近郊の大農場から朝搾った牛乳が届くようになると、それに負けて二十世紀初頭には、牛はロンドンの街からいなくなってしまったそうな。

僕はこの話を知った時、時代の変化に飲まれて街角から消えた牛さんが、漫画家のように感じてドキッとしたのです。この変化の結果、絶対、牛乳の品質は下がったはず。鮮度は下がるし、水増しされたはずだし。でもお客さんはそれぐらい構わなかった。そういうこともありえるなと。

新作の数が減ることにしても。

例えば交響楽団のコンサートは、昔の作品ばっかりでも、誰も困らない。もし漫画の名作を片っ端から全て読むとしたら、普段そんなに漫画を読まない人であれば、もう一生分のストックが世にあるかもしれません。実際ケータイコミックのサイトには、旧作がズラーッとあるわけだし。

そんなことを考えて、はー、とため息出ちゃうこともあれば。

もし、質が下がるのはよろしくないと、まあまあいい具合のところで総意が形成されて、ネットのビジネスが軌道に乗れば。

さらに技術の発達の恩恵を受け、作者とお客さんが、もっとダイレクトにつながるようになるんじゃないかなと。

そしたらもっと、自由に作れる。作品は、作者が好き勝手はじけてた方が絶対面白い。

好き勝手と書くとお客さんは無視かと取られちゃうかもしれないけど、そうではなくて。面白さには、個性とか新鮮さとかが大切で、そのために好きなように思い切りよくやっちゃった方がいいのです。それをお客さんに伝えるのは腕の問題。

だから、売れ線狙わなきゃビジネス成り立たないという圧力が少なくなればなるほど、作品の多様性は保たれて、世界は豊かになる。

そういうふうになったらいいなあと思ったりもするのです。

未来はどっちに行くんでしょうか。

 

難しいお題のあとは、いつもの感想文。

○ 紅牙のルビーウルフ 4 皓白の反旗
  紅牙のルビーウルフ 5 宝冠に咲く花
 (淡路帆希 富士見ファンタジア文庫)

ルビーウルフがグラディウスの女王に即位してから一周年。その記念式典が催された時。民衆にあいさつしようと王城のテラスに出たルビーウルフの前に、丸い光が現れた。その光から腕が伸び、神具<導きの剣>が奪われる。

隣国トライアンでも同様の事件が起きる。その術を使えるのは、ローラーティオーという島に住む<全知の書>を持つ一族という噂を聞き、ルビーはそこへ向かう決意をする。

外界から閉ざされた島のその一族と出会い、事件の黒幕を探すがなかなか正体は分からない。ようやく見つけたその人物は、みんなのよく知る意外な人で……。

副題は別になっていますが、前後編。図書館で借りて読んでるんですが、たまたま二冊同時に借りていて助かった。あんな所で引かれてしまって、手元に次の巻がなかったら、大慌て。

事件は解決しますが、神具にかんしては新たな展開。どうなるのかな。

さて、僕はよく、ラブコメなシーンがいいと感想文に書いてますが。

このシリーズでもところどころにそういうシーンがあって、今回も。

上の二冊で書かれる事件の筋と平行して、ルビーの心の奥底に眠る思いが流れています。自分では納得して女王に就いたつもりでも、昔の仲間と生き続けたかったという隠れた願望。

途中、そこを敵に突かれて幻覚を見るのですが、ルビーはその幻覚の中で、過去と決別し未来に生きる決意をします。

その未来の夢が、オチはぼかして書いてあるんだけど、読者には想像がつく展開。要するにジェイドとラブラブなんですねという。目覚めたルビーはそれを思い返して大慌て。

好きだなあ、こういうシーン、と思いながら読んでいたのです。

けれども、僕はラブコメなシーンは好きなんだけど、ラブコメ作品はそうでもない。それは以前から感じていて。

何でだろうと考えてみると、ラブコメ作品にはよくあるパターンですが、主人公がモテモテになるのが駄目みたい。

そうしないと事件が起きず話作れないから頻出するのですが、あれだと誰か泣く子が出てくるわけで。

あんまり真面目にその辺突っ込むと泥沼の展開になるし、コメディで済むぐらいの軽い扱いだと可哀想だし、なかなか処理が難しい。

その点、事件が別にある話の中に差し込まれるこういうシーンは、二人だけの関係でいいし、重すぎず軽すぎず、微笑ましく見れるから好きなんだね、と。「微笑ましい」がキーワード。

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2009/01/17

今週の雑感記 宇宙人ヒーン

イラスト仕事を仕上げて送る。練習したからかカラーはわりと順調に何とかなったけど、モノクロで悩んで手間取る。悩めるうちは伸びるのだと自分を慰める。

ということで仕事が押して、フットサル初蹴りに行けず。半日早くできてれば……。寂しく部屋でごろごろ。

今週末から忙しレベルが上がる。そして、その合間をぬって、自分の企画を進めなくてはならぬのだ。がんばろう。

○ 神のみぞ知るセカイ (若木民喜 週刊少年サンデー)

先週、作中の小ネタに引っかかっていた僕ですが、今週も。

新シリーズ開始。今度のヒロインは教育実習生。

「ご指導よろしくオー願いします!! 鳴沢教大4年、長沢純です!! 尊敬する人はジャンボ鶴馬です!!

ジャンボ鶴馬、すなわちジャンボ鶴田の大ファンで、「お」が「オー」になってしまう。昼休みにケータイで見ている動画はジャンボ鶴田のバックドロップ3連発vs三沢光晴。

鶴田さんのバックドロップ、いやさ岩石落としは僕のフェイバリットホールドの一つなのです。この試合のはそりゃもうすんごい一発で……。

そんな小ネタが満載のこの漫画は、三冠……いや3巻が本日発売。

○ 七姫物語 第五章 東和の模様 (高野和 電撃文庫)

三宮ナツメ、五宮クラセ、六宮マキセと七宮カセンの四つの都市による四都同盟締結のため、カラはクラセ、マキセの双子都市に来ていた。平和を願う双子姫に出会い、カラは東和の未来に思いを馳せる。

そのころ一宮シンセンと二宮スズマは、地方の小都市をめぐり争っていた。その戦場に、この地方の者のいでたちではない見慣れぬ一団。山脈の向こう、中原から流れてきた、北の王子とその手勢。

争いは両都市の思惑を超えた。その時、両都市の取った決断は……。

淡々と進んでいた物語が、この巻の終盤に急展開。大きく事態は進みます。どうなるのでしょう。

という事で次が気になるのですが、既刊に追いついてしまいました。次はいつかな。

○ テレパシー少女「蘭」事件ノート 9 宇宙からの訪問者 (あさのあつこ 青い鳥文庫)

M市の観光名所、竜舞岬の突端にある観光ホテル「ラ・カタンホテル」に泊まった奇妙な客。嵐の夜にやってきて、翌朝には姿を消した。

その事件を新聞で読んでいた蘭と翠は、山から押し寄せる謎の波動を感じる。翌日、蘭、翠、留衣、凛の四人はその正体を確かめるべく、発信源と思われるおとど山へと向かうが……。

このシリーズを読んでいて、大らかな雰囲気が好きだなあと思ってたんですけど。

とうとうどんぴしゃなのが来ましたよ!!

大体タイトルの「宇宙からの訪問者」からしてそそられるのに、そして出てくる宇宙人が!! 銀河を越える危険な長旅のために、精神体だけ地球に送り込んできて、そこらの物に憑依するのですが!!

ぬいぐるみに憑依!!

うわー、かわいい。自分が大喜びで描きそうな展開。

ということで描いてみました(笑)。

Hiin

宇宙人ヒーン。ほんとの名前は番号で20110-412。翠にいじめられてヒーン、ヒーンと泣いていたので、ヒーンと呼ぶことに。ちょっとほつれて綿がはみ出ているところがいじらしい。

月刊少年シリウスで漫画が連載されているんですけど、その仕事がマジでうらやましいと思った瞬間でした。

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2009/01/11

今週の雑感記 クロノスの目覚め

もちの食い過ぎです。いっぺんに十個食べた日もありました。

考えてみると、毎年ここで増えた分が着実に身についているような気がします(+_+)

部屋から出ない仕事だからなかなか難しいんだけど、なんとか運動量を増やしたい。

減量すればフットサルで体の切れが戻り、成人病対策にもなり、運動の種類によっては職業病である腰痛肩こり防止も狙えるという一石三鳥。

分かってるんだ。

分かってるんだけどねえ。

とりあえずちまちま運動。

○ はじめてのあく (藤木俊 週刊少年サンデー)

新連載。

この人の漫画の楽しい雰囲気が好き。

とっぴな設定をいいテンポですんなり導入しているし、いい感じ。

楽しみです。

○ 神のみぞ知るセカイ (若木民喜 週刊少年サンデー)

作中で見ているテレビ番組「クロノスの目覚め」。

テレビ東京の経済ドキュメンタリー「ガイアの夜明け」のパロディですね。

僕は好きで毎週見ているので、冒頭の役所浩司さんの一人芝居のとこで笑ってましたが、これ、メインの読者層の少年達には分かるんだろうか(笑)。

○ ゴースト館の謎 テレパシー少女「蘭」事件ノート7
  さらわれた花嫁 テレパシー少女「蘭」事件ノート8 
(あさのあつこ青い鳥文庫)

蘭たちいつもの四人は、地元蔦野市の夏祭りに出かけていた。川沿いの道に出店が出て、なかなかの賑わい。そんなお祭りを楽しむ人ごみの中で、蘭は自殺しようとしている人の心の声を聞く。

あわててその声の主を探すと、その人はまさにビルの上から飛び降りるところ。なんとか自殺を思い止まらせて、わけを尋ねてみると、その人は老舗旅館「能田館」の主。最近旅館に幽霊が出て、お客さんが寄り付かなくなり、倒産しそうなのだという。

ところがその主人、蘭の名前を聞くと態度が急変、能田館を助けてくれと懇願する。なんでも亡くなった父が夢に出て、蔦野市の磯崎蘭に助けてもらえと言ったというのだが……。

シリーズが進むにしたがって、だんだん留衣が活躍するようになってるなと。冷静に状況を見極め、推理する役。

しかも今回、蘭とのシーンで思い切った展開。やるなあ。

続いて8巻。

夕食の買出しに出かけた蘭、翠、凛の三人。その買い物途中のスーパーの中で、蘭と翠は何かが訴えかけてくる声を聞く。しかし、その声の正体を突き止めることは出来なかった。

その買い物のあと、福引きに挑戦すると、何と特賞大当たり。南の島へペアで二組御招待。

その島、蛇の目島は南海の孤島。美しい花の咲く島だった。そしてこの島には、何か秘密があるらしい。島を散策していると、蘭の頭の中にあの声がまた響いて……。

終盤、蘭が意識を失っている時に、翠がここまでに分かった謎の説明を凛にする場面があるのですが。

口では理路整然と説明しながら、心の中で、蘭がいないとボケツッコミも出来ないし、調子でないなあと嘆いています。仲がいいのは普段から分かっていることですが、憎まれ口ばかりの翠の口からそういうセリフが出てきたのが、ちょっと微笑ましいいいシーンでした。

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2008/12/27

今週の雑感記 2008年

今年もそろそろ終わりです。

今年を振り返る前に、まずお友達の告知から。

○ 宇宙の果てで愛ましょう (武田すん 電撃マ)王)

武田君の新連載。

以前載った読み切りを、連載用に再構成。宇宙人の王子に見初められた男の子が、女の子になってしまうお話。

読み切りが載ったのはちょうど一年前。そのころまいていた種から芽が出た、という事ですね。

あとは花咲かせ大きな実をつけるだけ。がんばれー!

 

さてさて今年を振り返ってみると。

今年はライトノベルをすごい読んだなあ。数えてみたらブログの感想文50冊超えてる。感想書いてないのも結構あるのです。となると100冊以上?

今週分もありますよ。

○ 時載りリンネ! 4 とっておきの日々 (清野静 角川スニーカー文庫)

短編集。時載りの力を使って流れ星を止めようと奮闘する「天体観測」、箕作家の司書を勤めるお姉さんGのプライベートを暴こうとする「ジルベルト・ヘイフィッツの優雅な日々」、公園でけんかしていた男の子達の仲裁に入って、なぜかフットサル大会に出ることになる「フィーバー・ピッチ」、月に一度、久高の無口な妹の凪が好きなことしていい日「凪の日」を描いた「凪、凪、夕凪」の四篇。

特に最後の「凪、凪、夕凪」がよかったです。小さい妹連れて映画行って公園でお弁当広げてなんて、恥ずかしくて友達に見られたらどうしようと、ついぶっきらぼうになるお兄ちゃん。でもやっぱり妹に優しい。ほんわかしました。

ライトノベルもたくさん読んでいましたが。

児童書も読んでました。今週分。

○ 髑髏は知っていた テレパシー少女「蘭」事件ノート5
  人面瘡は夜笑うテレパシー少女「蘭」事件ノート6
 (あさのあつこ 青い鳥文庫)

大嵐が通り過ぎたN県白帆町。土砂崩れの調査に山の中に入った町役場の職員赤沢栄一は、その現場で三つ目の頭蓋骨を発見した。後日、現場に戻ろうとした栄一は、何者かによって崖から突き落とされる。

そのころ、蘭、翠、留衣、凛の四人は、凛のクラスメイト菅野麗香の依頼で、行方不明の麗香の叔父、章平を探すべく白帆町へと向かっていた。手がかりは叔父がメールに残した言葉「三つ目のワクワク」……。

蘭はテレパシー以外にもいろいろな超能力を持っているのですが、その中に、テレパシーの変形なのか動物と会話できるという力があります。

今回もその能力を発揮、侵入した庭先で出くわしたドーベルマンと仲良くなります。

「あんたたち、シロ、クロっていうの? いいかげんな名前だね。」

クィーン。クゥクゥクーン。クーン。

「だよね。あんまりかわいがってもらってないんだね。うん……そう、愛情感じられないんだ。えっ、ドーベルマンにしては気が弱くて、ほんとは番犬いやなの。……うんうん、転職したいけど不況だから、この仕事がなくなったらこまる。……そうか、ふたり、いや二匹とも、苦労してるんだ。わかるよ、やっぱ政治がしっかりしないと。」

しまった、ウチで昔飼っていた犬はクロだった! 愛情なかったわけじゃないんだよ?(笑)

こんな調子の楽しいシーンだけれど、今回はここから重要な証言が。蘭と翠の掛け合いもそうですが、硬軟取り混ざっているところがこのシリーズの魅力です。

続いて6巻。

豚肉早食いコンテストで食べ過ぎて、病院に運び込まれた翠。そこに駆けつけた蘭は、肘に人面瘡のある幽霊の少女に出くわす。

彼女に呼ばれるようにたどり着いた病室には、自動車事故にあったという若者の姿。そしてその肘には、人面瘡……。

昔の迷信が引き起こした悲しい姉妹の過去。そこにつけ込む悪者がいてという話。

最後のページの、姉妹二人が桜の木の下で遊んでいる挿絵。かわいいいい絵でそれでいて話を読み終わったあとだと哀しくて、心に残ります。

これだけ本読むのに時間を使ってると、漫画読むのはさすがに減りますね。

そんな中、最近ようやく読んだ話題作。

○ GIANT KILLING (作・橋本将也 画・ツジトモ モーニング)

サッカー詳しい人が描いてるんだなあという安心感。面白い。

柏レイソル取材協力ということで、スタジアムがまんま日立台です。

しっかり描かれているもんだから、サッカーライターのお姉ちゃんが「相変わらず狭いわね」と言ったところで、素でカチンと来てました(笑)。

そうそう、書きそびれていたけど、こちらとか。

○群青学舎 (入江亜季 エンターブレイン)

こちらとか。

○ 地球の生活 (山川直人 エンターブレイン)

今年読んでうならされた漫画。その人にしか描けないしっかりした個性。こういうのが「作品」なんだよなあと。

来年はどんな作品に出会うでしょうか。

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2008/12/20

今週の雑感記 なだらかな山

仕事中、風邪がぶり返しました。今年の風邪はしつこいですね。

夜寝るころにちょっと咳き込むぐらいまで回復していたんだけど、ウイルスはこっそり潜んでいて、仕事が続いて疲れてきた頃に反攻してきた模様。おのれ。

他の人にもうつしてしまったかもしれない。ごめんなさい。

○ webに移籍

週刊少年サンデーで連載していた「呪法解禁!! ハイド&クローサー」と「GOLDEN★AGE」が、本誌からwebに移籍するそうです。

2作品とも、失礼ですが言ってしまうと、大人気で連載安泰という感じではなかったので、多分従来であればどこかで打ち切りだったんだろうなあと思うのですが。

ただ、現行の人気アンケートによる打ち切りシステムには、作品と一緒に少数派とはいえその作品が好きなお客さんをばっさり切り捨ててしまい、多数派の客層に絞り込んでしまうという欠点があるな、と僕は感じていて。

ビジネス的には、品揃えの良さというのは集客の大きなポイントなわけだし。

実際、ネット書店とか大規模書店では、ロングテール商品と呼ばれるちょっとずつ売れる本が、売り上げの中でけっこうな割合を占めているらしいし。

この2作品のように技術的にしっかりしていれば、ばっさばっさ切っちゃうのはもったいないよなと。

それにせっかく追っててオチが見れないんじゃ哀しいし。

そういうふうに考えると、今回のこの試みというのは、いろんな漫画が存在できる可能性を広げ品揃えを良くするという点で、いいことだと思います。他誌にも広がるといいな。

○ なだらかな山

こないだ仕事中にしていた話なのですが。

僕が学生の頃って、今ほど漫画雑誌が多くなくて。

そのために、漫画家になろうとしていた僕みたいな卵達の意識の中には、プロとアマチュアの間にはっきりとした壁があったよねと。

間仕切りというより、絶壁という感じの。アマチュアの住む裾野と、プロの住む天上界。テーブルマウンテンとか、ギアナ高地とか、そんな感じのイメージ。

それが雑誌が増えたり同人誌が盛んになったりネットが発達したりで、だんだん崩れてきた感があって。ここから上記の話題とも絡むのですが。

上の話題は山頂の方から崩した事例。載るか載らないかの二択しかなかったところに、第三の選択肢ができた。こういう事がいろいろ起きていって、さっきの山のイメージで言うと、富士山みたいななだらかな山になるのかなあと思うのです。

不特定の人に読んでもらうということが難しかった昔から、今ではwebで簡単にできるようになった。まずプロの土俵に上がることがとても難しかったのに、web上ではプロもアマも関係なく同じ土俵。

この間書いたように、今は産業革命以来の革命が起きていると思われ、きっといろいろな物が変わっていく時期で。創作の分野で考えると、今まではプロデューサーとか編集者とか、選ぶプロを自認する人達がふるい落としていたけど、直接お客さんの手にゆだねられる方向に行くんじゃないのかなと予想。

ただ、それで楽になるのかというとそうではなく、山のてっぺんは相変わらず高いし、競争相手が増えるってことは、まずふもとの樹海を抜けるのが大変で。

「不特定の人」を「不特定多数の人」にするのは、やっぱり一筋縄ではいかない難しい事なのです。がんばろう。

○ 紅牙のルビーウルフ 2 面影人魚
  紅牙のルビーウルフ 3 西の春嵐
 (淡路帆希富士見ファンタジア文庫)

神国グラディウスの女王となった、元盗賊の狼少女ルビーウルフ。彼女は今、騎士のジェイドと共にとなりの神国トライアンを訪問していた。そこでルビーは、創造神ロゥヴァースの本体と伝えられる古文書<全知の書>が見つかったと知らされる。

神国に散る神具の数々とともに、創造神を復活させると言い伝えられる<全知の書>。しかし、それを持ってきた少女キアラは、明らかに何かを隠しているようで……。

一途な想い、巨大な陰謀。真っ向勝負の冒険活劇は、読んでて心地よいのです。ルビーもまた気持ちいい性格だし。

そして強引にまとめるハッピーエンド。こういう感想をよく書いているような気がするけど、力づくなハッピーエンドはやっぱり好き。

続いて3巻。

開拓の下見にグラディウスの西域エインフェルにやって来た、ルビーと騎士のジェイド。領主ハリスの娘クラリッサは、ジェイドに好意を持ったようで、それがルビーにはどこか面白くない。

ある日、ジェイドとクラリッサは出かけたまま帰ってこなかった。馬だけが屋敷に戻ってきて、そこにはジェイドと共にグラディウスを出るというクラリッサの書き置き。まさか、駆け落ち? 動揺するルビー。しかしそれはルビーをとりまく計略の一環で……。

こちらは総じてハッピーとは行かず、悲哀のまま終わるエピソードもあり。

しかし最後は楽しく。盗賊団に育てられたルビーは色恋沙汰に疎く、真面目なジェイドはこの手のことにはニブチン。

周りにはもろバレなのに本人が自分の気持ちにも気がつかないというラブコメは、読んでて微笑ましくて楽しいですね。

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2008/12/11

時載りリンネ!&文学少女

昨日夜は雨。

仕事部屋は離れで、ぐるっと回らないと母屋に帰れません。山の中で暗いし、足元はぬかるんでいるし、転ばないよう気をつけて戻ると。

ほっとしたところで玄関先のりんごの箱にけつまづく。こんなところに罠が(笑)。

○ 時載りリンネ! 2 時のゆりかご
  時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット
 (清野静角川スニーカー文庫)

「時の旋法」を手に入れて、晴れて「時砕き」となったリンネ。「時砕き」とは、リンネの属する種族「時載り」の中でも、特に強い力を持ち、その上に君臨する集団。しかし、「時砕き」になってもリンネの生活に特に変わったことはなく、いつも通りのマイペース。

けれどもある日、本を寄贈してくれた緒方夫人のところへお礼を言いに行き、「時載り」の作った不思議な家具の鑑定を依頼されたことから、事件が始まって……。

本を読むことでエネルギーを得る「時載り」という種族に生まれながら、本を読むのが大嫌いで、活動的な女の子リンネ。表情豊かで、魅力的。

ライトノベルで女の子が可愛いとなると、「萌え」が連想されるけど、それとはちょっと違う。児童文学を思わせる作風で、読んでてとても微笑ましい感じ。

主人公リンネと語り手である久高の冒険に、引き込まれてしまうのです。

という事で、続けて3巻。

「時砕き」として、「時載り」たちの総本山「バベルの塔」から正式に承認されたリンネ。その時もらったトランクの中に、不思議なドアノブが入っていた。

そのドアノブを扉につけると、バベルの塔に直通の扉になるのだった。その先にはリンネ専用の大きな書斎に書庫に閲覧室。

素晴らしい秘密基地を手に入れたと大喜びのリンネは、さらにバベルの塔を探検中に、一人の少女と出会い、友達になるのだが……。

最後に載ってる、友達になった女の子ネリーの手紙が、とてもよかった。じんと来ました。

○ "文学少女"と死にたがりの道化 (野村美月 ファミ通文庫)

主人公井上心葉(いのうえこのは)は、部員たった二人の文芸部に所属する高校生。部長の天野遠子(あまのとおこ)先輩は、自ら文学少女と名乗る本を食べる妖怪。

食い意地の張った遠子先輩は、恋愛相談ポストを設置して恋の相談者を募集、恋が成就した時のラブラブレポートを頂いちゃうことを目論んだ。心葉がラブレターの代筆をするはめになるのだが、お相手の先輩が実在しないのではないかという話になって……。

本を食べるという事でこちらも。こちらは文字通り、ページを破いてむしゃむしゃ食べてます。文章の出来不出来で味が違うようで、嫌がらせで下手に書いた文章を泣きながら食べてる様が面白かったり。

「このライトノベルがすごい!2009」でこちらのシリーズが一位だったそうです。なるほど、納得。

「本からエネルギーを得る」「本を食べちゃう」という発想は、やっぱり作者も本が好きだからなのかなと。そういう雰囲気が作品の随所に見えるような気がしました。

好きって気持ちは伝わると思うんですよね。特に深読みするコアな読者に。

やっぱり、そういうのを大切にしないとなあと、再確認。

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2008/12/10

七姫物語 第四章

自宅から仕事場に移動すると、机の高さが変わるので、いつも肩こりが発生します。

僕が持ってきた昔のアニメの主題歌集のCDで、開けてはいけない過去のトラウマの扉を開けてしまったナベ先生は、身悶えてました(笑)。

そんな感じで仕事中。わりと順調。

○ 七姫物語 第四章 夏草話 (高野和 電撃文庫)

七宮空澄姫と、三宮常盤姫が会談。ツヅミで起きた一触即発のにらみ合いは、こうして和解、両都市は同盟を結んだ。

しかし、これで全てが解決したわけではなかった。それはむしろ新たな始まり。各都市ともに思惑があり、水面下では駆け引きが続いていた。

そんな時、姫様役に休みをもらったカラは、お傍付き見習いに扮装し、町へと散策に出かける。そして、同じように身分を隠して街に来ていた、一宮シンセンの黒曜姫、クロハと再会し……。

漫画だと、こういう政治劇描くのは、絵に動きがなくセリフばっかりになっちゃうから大変なんですけど。その点、文章だと淡々と進められます。

そうすると登場人物たちの思惑が、ぶつかったりすれ違ったりする様子がしっかり伝わり、さていったいどうなっちゃうのだろうかと、興味シンシン。

どうやら相手の国も一枚岩ではないようで、かといって、こちらの同盟も磐石とは言えず。どう展開するのか、次が楽しみです。

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2008/12/09

狼と香辛料 Ⅲ

仕事が忙しい時期に入り、一コマ漫画を描く時間を失いました。その前の余裕のあった時期には「ケッタ・ゴール!」の続きを描いていたので、描きだめ分もないのです。しかも、そっちも終わってないんだ(嘆)。

風邪っぴきでヘタっていた時、本ばっかり読んでいたので、読書感想文はたまっています。なのでそちらを。まずは。

○ 狼と香辛料 Ⅲ (支倉凍砂 電撃文庫)

旅を続ける行商人ロレンスと狼神ホロ。冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンへ。町へ向かう途中、二人は、若い魚行商人アマーティと出会う。どうやらアマーティはホロに一目ぼれしてしまった様子。

ホロの身の上話(建前上の&誇張気味)を真に受けたアマーティは、ホロに結婚を申し込みロレンスに勝負を挑む。ホロがロレンスを選べばすむ話だったのだが、すれ違いから誤解が誤解を生み、勝負の行方は分からなくなって……。

言ってしまえば要するに痴話喧嘩なわけですが(笑)。

心の動きをみっちり描写していること、お互いがお互いをどう思っているかを読者にしっかり伝えていることで、どうなっちゃうんだろうと手に汗握る展開に。どきどき。ページを繰る手ももどかしく。

今回は商品相場と信用取引が出てきます。金融危機な昨今とてもタイムリー。このあいだバイクにガソリンを115円/Lで入れました。この話が執筆されてたころは、上昇局面だったんですよね。

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2008/11/29

今週の雑感記 ごろごろ読書

いまだ風邪引き中。

ネームでも切るかと思ったけど、ぼへーとしていてだめなので、ごろごろ読書。

○ 闇からのささやき テレパシー少女「蘭」事件ノート2
  私の中に何かがいる テレパシー少女「蘭」事件ノート3
  時を超えるSOSテレパシー少女「蘭」事件ノート4
 (あさのあつこ 青い鳥文庫)

磯崎蘭と名波翠は超能力を持つ中学生の女の子。ある日二人は、夕方でもないのに空が真っ赤に染まり、見たことない山が窓の外に見えるという、怪現象に遭遇した。

それは超能力を持つ二人だけに見えた現象で、何らかのメッセージ。そんな時、蘭の父親に旧知の友人から手紙が来て、疾風村という中国山地の奥の山村にみんなで行くことになる。着いてみるとそこにはあの山があって……。

とにかく二人の掛け合い漫才が楽しい作品。キャラクターがしっかり立ってて、特に翠が秀逸。嫌な子になりそうな二面性のある性格を、笑いを織り交ぜて上手く書いてる。

蘭の兄、凛にベタぼれで、「ああ、めまいが……。凛さん、わたし、もうだめかもしれない。息が苦しくて……人工呼吸をはやく。」とか、おバカでいいなあと(笑)。

続いて3巻。

ある夜の事。仕事に悩む母の声で目覚めた蘭。もう一度寝るかと思ったとき、街中の動物達が騒ぎ出し、すごい揺れと閃光が襲ってきて、蘭は気を失った。

しかし翌日学校に行ってみると、地震を感じたかどうかは、人それぞれ。不思議な事はそれだけでは留まらず、やがて地震を感じた友達の様子がおかしくなって……。

不思議なミステリーが、やがて地球規模のSF話になってびっくり。しかも留衣が意外に熱いやつでまたびっくり。

そして4巻。

日曜日。蘭、翠、留衣の三人はフリマへお出かけ。そこで留衣は古臭い着物姿の女性を見かける。その女性はなんと首から脇にかけて、ばっさりと刀傷があり血まみれだった。その女性の姿を追ったが、見失った留衣は、会場の隅の出品者に怪しい文箱を薦められる。その出品者の言動も、どこかおかしかった。

家に帰った留衣は、自分の部屋で、買わなかったはずのその文箱を見つける。そしてその傍らに公園で見かけた血まみれの女性。「……らんを……助けて……。」気がついた時、留衣がいたのは商家の大きな屋敷。なんと時は江戸時代……。

この巻は最初からびっくり、タイムスリップ。だんだん話が大きくなってきてますね。

僕は子供のころから本を読むのが好きでしたが、自分で喜んで読んでたのはスペースオペラ。まさにこういうびっくり展開のSFでした。いいですねえ。

あさの先生は「バッテリー」を書いた人ですから、リアルに事細かに心の内をみっちりと書けることは実証済み。しかしこのシリーズはだいぶおもむきが違います。

まずもって超能力者が出てきてますし、植物が意思を持っていて強力な思念エネルギーを発してますし、神様出てきてますし、タイムスリップしてますし……。かなり荒唐無稽なお話。

そして、話の進め方もけっこう強引。都合のいいはしょり方もかなりしてる。

でも要所はきちっと押さえてる。

あえて荒唐無稽に書き、それでいて面白さのツボを外さないんだから、やっぱりうまいなあと思います。

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2008/11/23

今週の雑感記 もうちょっと

ナベ先生の仕事は終わったけれど、風邪ひきました。

急に寒くなったからかな。ウチと向こうで気温差あるし。

とりあえず、帰ってきた日は栄養とって温かくしてひたすら寝て。

起きたらだいぶ治まってたんで、ぼちぼち仕事。もうちょっと。

○ ハーメルンのバイオリン弾き シェルクンチク (渡辺道明 ヤングガンガン)

休み明け、第16話です。グレートvsリュート、兄弟対決勃発。

エピソードの山場に入っているんですが、どうも休みがち。これは雑誌にローテーション休みがあるからなのですが。

読んでる方からしたら、作者の都合で休みなのか、雑誌の都合で休みなのか分からない。さぼってると思われたらやだなあ、とナベ先生申しておりました。

休みを有効に使おうという話をしていて、漫画の話だったのに結論は、離れにも風呂場を作ろうと。漫画家なのに、大工仕事(笑)。

○ 七姫物語 第二章 世界のかたち
  七姫物語 第三章 姫影交差
 (高野和 電撃文庫)

三宮と四宮との戦いを制した七宮カセン。四宮ツヅミは琥珀姫を廃位し、カセンの影響下に置かれた。当然それは他の宮都市にとり好ましい事態ではなく、それぞれが己の思惑を抱え、蠢いていた。

カセンでは冬の祭りが催されていた。カラは姫のお傍付き見習いと身分を偽り、人目を忍んで、その祭りを楽しんでいた。その夜、街で騒ぎが起きて……。

カラが素直でかわいくていいなあ、と思ったのですよ。

1巻の感想でも書きましたが、ファンタジーとかSFとかでは、大きな世界を舞台にした物語がよく作られます。架空歴史のようなもの。この手の作品は上手くいくと、スケール感があり、わくわくさせるお話になりますが。

一方よくある失敗として、作者が自分の作った世界に酔っちゃって、読みづらくなる場合があります。

作り手は「オレすごいこと考えた!」と浮かれてるんだけど、読み手は基本、他人の妄想なんてどうでもいいのです。どうでもいい設定をずーっと読まされるのは辛いのです。作り手には怖い話ですね……。自分もSF描いたりするしね……。

ここをどう乗りこえるかが、成否の鍵。その点この物語では、カラスミ姫が活躍。

東和制覇というでっかい夢を追うテンとトエ。その二人に担ぎ出されたカラ。カラは素直でかわいい、好感度高いキャラクターで、かつ、観察者の役割を果たしています。

戦争や謀略といった策謀渦巻く世界の中に、ぽつんと純粋なカラがいる。特に力んだ様子もなく流れに身を任せ周りを眺め、でも諦めて無気力なわけではなく、自分の役割と世界について考える。カラの視点で物語は進み、身の回りに起きる出来事が丁寧に書かれます。

こうしてカラを窓口にして、読者はこの物語の世界の中に、気付けば足を踏み入れているという感じ。キャラクターの妙ですね。

ということで続いて3巻。

ツヅミ国境付近での七宮カセンと三宮ナツメのにらみ合いは続き、それを口実として各都市は影響力拡大を目論む。

緊張が高まる中、カラはツヅミ訪問のため出立する。同時期三宮ナツメの常盤姫も前線の慰問のためにツヅミへ。その動きに応じて、各都市の宮姫も次々と集結して……。

この巻でクローズアップされる、武家出身のナツメの常盤姫もなかなかいいキャラ。凛として、一本芯が通ってます。

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2008/11/08

今週の雑感記 テレパシー少女 蘭

仕事から帰還ー。温泉なしー(嘆)。

スケジュールが詰まっているのです。

さらに先々のスケジュールが、思ってたのと違ってきて、アヤヤ、オヨヨ……。

なかなか安定しません。困った、困った。

考えることがたくさんありますよ。安楽の地はいずこ。

○ ネットと出版

米新聞・出版界 リストラの嵐 名門もネット転換、「広告不況」が追い打ち

28日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、日刊紙から電子新聞、週刊紙へと転じるクリスチャン・サイエンス・モニター紙の業態変更や吹き荒れるリストラの嵐など、インターネットに押される米新聞・出版業界の苦境を伝えた。

同紙の転換宣言と同じ28日、タイム誌などを発行するタイム社も600人の人員削減と組織改革を、米最大部数のUSA TODAY紙を発行するガネット社も社員の10%に当たる最大3000人のレイオフ(一時解雇)を、それぞれ発表した。その前日には、トリビューン社が、傘下に置くロサンゼルス・タイムズ紙の記者を7年前の半分に縮小する編集態勢の縮小方針を明らかにしている。

部数全米15位のニューアーク・スター・レッジャーは社員40%の削減案で休刊を免れ、2週間前には、有力誌「TVガイド」が雑誌自体の定価さえも下回るわずか1ドルで身売りされた。

ニューヨーク・タイムズ紙はこうした激変の背景として、「新聞の90%以上の収益は印刷物から得られている」としたうえで、「たったひとつの新聞広告が数千ドルを超す代価となるのに対して、ネット広告は閲覧者1000人につき20ドル程度にしかならない」と、ネット読者の増加に収益構造が追いついていない現状を解説する。

さらに、短期間で人員削減発表などが相次いだ理由について、「金融危機による第4四半期の悲惨な業績予想も一因だ」とし、印刷メディアの広告収入の3本柱、「自動車、小売り、金融」産業の衰退で広告費が大幅削減されるという危機感が対応策に拍車をかけている可能性を指摘した。

ただ、新聞・出版業界が衰退すれば、ネットで閲覧できる記事の品質悪化も避けられない。同紙は「(情報源として信頼され、読者が頼りにする)ジャーナリズムのブランドが消滅したら、ネットは早期に無益な情報の掃きだめと化すだろう」とする米インターネット検索大手グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)の言葉を引用、事態を憂えている。

産経新聞08/10/31

そうなんですよねえ。

ネットがどんどん発達していくのはいいんですけど、どうもそこでご飯が食べられるようになっていかないんですよねえ。

読む方は紙からネットへどんどん流れていってるのに、ビジネスとしてはそれほど大きくなってなくて。最近web雑誌がいろいろ立ち上がってますけど、収益の頼りはやっぱり紙で出す単行本なんですよね。

結局フルタイム・プロフェッショナルで従事している人がたくさんいるところが、質が一番高くなるわけで。パートタイム・アマチュアでは、心意気は本人次第でがんばれても、使える時間と労力のリソースが足りなくなっちゃう。

だから創作も、ネット上でプロとしてやってけるようになってってほしいんですが。

上手くいけば、ネットはいろんなコストがごそっと省けるだけに、損益分岐点も下がって、もっといろんなものにトライできる、しかもプロとしてやっていければそれを量産できる、文化的にとても豊かな世界がやってくると思うんですけど。

上手く回んないですかねえ。

さてこちらは重い話題でしたが。

前向きな話題はこちら↓

○ ねらわれた街 テレパシー少女「蘭」事件ノート (あさのあつこ 講談社青い鳥文庫)

磯崎蘭(いそざき・らん)はこの春中学生になる女の子。最近ときおり頭の中で謎の声がするんだけど、生来明るくのんきな性格なので、あんまり深く考えていなかった。

ところが同じクラスに名波翠(なは・みどり)という女の子がやってきて、事態は急展開。なんと彼女は超能力者で、蘭の頭に響いていたのは彼女のテレパシー。しかも蘭も同じように超能力を持っているという。

最初は反目していた二人だったけど、次第に仲良くなっていく。そのころ街には謎の怪事件が頻発していて……。

「バッテリー」のあさのあつこ先生の児童向け小説。NHKでアニメ放送中。月刊少年シリウスでは漫画版も。

「バッテリー」は子供向けとは思えないぐらいがっちり書かれた小説でしたが、こちらはほんとに児童向け。キャラクターが生き生きしていていい感じ。二人の掛け合いが楽しい。

ちなみに、なんとなく心ひかれ読んでみたいなと思ったのは、アニメを見たからでも、漫画を読んだからでもなく。

タイトルとかから醸し出される雰囲気が。

「テレパシー少女 蘭」って、なんか昔懐かしいおもむきがありませんか? ストレートで大らかな感じ。

そして読んでみたら、そこは期待通りで。好きなんですよねー、この感じ。雰囲気というか、手触りというか。

自分もこういうところに行きたいなあと思っているのです。ここが求める安楽の地。なんとかしたいですね。

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2008/10/19

今週の雑感記 追いついた

気は急いても筆は進まず。

今回はメカが多いので。

でももうちょっと。

がんばれ。

○ 打ち合わせで

金曜日の打ち合わせ。まだきちっと決まってないんだけど、漫画の仕事じゃないのです。

で、話しているうちに、今紙媒体はどんどん落ち込んでいるから、漫画家もあぶれちゃうし大変だ、というような話がチラッと出て。

そうなんですよねえ。

その変化に対応しなくちゃと思うんですよ。

そこでそのための研究とか実験とか、先々のための企画を進めたいんだけど、人は霞を食べて生きてはいけず、一生懸命働くとそのための時間がなくなっていくという、ああジレンマ。

どこかでまとまった時間がほしいなあ。

ラノベ読みも最初は研究だったんだけど、どうもそっち方面は自分の参考にならない気配です。でも楽しいから読む。

○ 我が家のお稲荷さま。 6 7 (柴村仁 電撃文庫)

ある日、透とクーは、被害妄想満載でとっても気弱な付喪神、岩薙(いわなぎ)と出会う。岩薙は人の姿でケーキ屋さんを営んでいるが、その性格が災いしてか、ケーキは美味しいのにさっぱり売れていないのだという。

そこでコウも呼び寄せて、三人は店を手伝うことにする。クーの妖術とそれにお色気作戦で、お客さんは押し寄せケーキは完売、大成功。

そのころ昇は、三槌家の当主である自分を訪ねてきた謎の人物、木蓮と出会う。少年とも少女ともつかない木蓮は本当に謎の人物で、謎の追っ手に追われていた。一件関係なさそうな二つの事件。しかしこれが……。

前の巻の感想で、佐倉さんがヒロインぽくなってきたと書きましたが。

ライバル宮部さんのほうが一歩前進! どうなる?

さて、真面目な話。この作品はコメディータッチの作品で、キャラクターに濃い目の味付けがなされています。小説の場合、姿形で印象付けるのは漫画より困難で、その分、性格や口調の重要度が増すのですが。

やりすぎると人物が100%作り物になるし、難しいところ。

僕はこの作品のキャラクター造形が、しっとり実在感があっていいなあ、と思っているのですが、その辺のバランス感覚が見事です。

という事で続いて7巻。こちらは短編集。

既刊に追いついてしまった。最近は年一冊ペースみたいだけど、次はそろそろ?

○ 狼と香辛料Ⅱ (支倉凍砂 電撃文庫)

狼神ホロと旅を続けることになった行商人ロレンス。港町パッツィオでの銀貨騒動で儲けて仕入れた上等の胡椒を武器に交換し、北の教会都市リュビンハイゲンで大きな取引を目論む。

しかしその目論見は外れ、逆に負債を背負ってしまった。このままでは破産する。ロレンスは一計を案じて、危ない橋を渡ろうとするのだが……。

この作品の魅力は、細かい駆け引きが書かれていることだと思います。ロレンスが商人相手に仕掛ける、商売上の駆け引きも臨場感があって面白いのですが。

さらにホロとの間の駆け引きが面白い。一筋縄ではいかない賢狼ホロと、それに振り回されながら、なんとか一矢報いようとするロレンス。

お互い好意を持っているくせにと、とても微笑ましく読めるのです。

基本ホロの方が上手なのに、最後のところで判定負けなのが、かわいくていいですね。

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2008/09/27

今週の雑感記 また熱出た

下がったと思った熱がぶり返し。

今度はのどまで痛い。

扁桃腺炎だって。

本日の川崎戦@国立、行く気マンマンだったんだけど。

薬飲んで大人しくしています。しょんぼり……。

○ シュプルのおはなし Granpa's Treasure Box (雨宮諒 電撃文庫)

お母さんが畑仕事に出ている間、幼いシュプルはおじいちゃんの家に預けられている。でもシュプルは寡黙なおじいちゃんがちょっと苦手。おじいちゃんの家では、話しかけられないように、いつも本を読んで過ごしていた。

そんなシュプルはある日、こっそり入った物置で、大きな木箱を見つける。中にはいろんな物が入っていて、それを見たシュプルはひらめいた。分かった、これはおじいちゃんの宝箱だ! 宝箱の中身を手に取って、シュプルは想像の翼をはためかせ、お話を作っておじいちゃんに話し始めるのだった……。

おじいちゃんも孫と仲良くしたいんだけど、どうも口下手で、お互い様子を探りあうようになっちゃう。そんな二人が、宝箱をきっかけにちょっと仲良くなりましたというお話。シュプルの語るお話が、小さい子供にしてはやたら大人びているのはご愛嬌。

お話の中では、いつも主人公がシュプルで、相棒はいつも読んでいる本の登場人物ムルカ。そのため筋は大人びた話でも、どこか児童文学のような雰囲気で、いい感じでした。

○ 七姫物語 (高野和 電撃文庫)

先王が倒れ、群雄割拠となったある大陸。先王の隠し子とされる姫君を擁立した七つの宮都市が、大陸の統一を目指し覇権を争っていた。

しかし、七宮カセンの姫に選ばれたのは実は先王の隠し子などではなく、テン・フオウ将軍と軍師トエル・タウに拾われた孤児、カラスミ。素性を偽る三人が、天下を目指す物語。

ファンタジーでもSFでも、異世界を扱う物語は、その作られた世界観が、好きな人には魅力になりますが、逆にぱっと見、敷居の高さにつながることもある諸刃の剣なのです。

そこをカバーするのがキャラクターの魅力。キャラクターに魅力があれば、それに引っ張られて高い敷居も越えられる。

どこから来たのか素性の知れない、自信家のテンとトエル、その二人に担ぎ出された少女カラスミ、それを守る無口な護衛ヒカゲ。さらに敵役の姫や、ちょい役のはずの姫お付きの人達までいい味出してて、キャラクターに引っ張り込まれる物語でした。

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2008/09/20

今週の雑感記 贅沢な描き方

ウチのパソコン君との相性も悪いのか、IE7では記事も投稿できないという大ピンチ。

Firefoxさんに助けを求めました。

ここの管理画面も見やすくなって、いい感じ。

あまり詳しくないんで、少しずつ勉強して、使いこなそうと思います。

○ 贅沢な描き方

梅木君の次回作のネームに、アドバイスを求められ、言ったセリフ。

「せっかく同人誌でページ制限ないんだから、増やしちゃったら?」

梅木君にオマケ漫画のネームを見せて、アドバイスを求め、言われたセリフ。

「ブログに載せる漫画なんだから、ページ増やせばいいじゃないですか」

どちらもちょこっと直せばいいところに対するアドバイス。とっても簡単。

ところがこれが商業誌に持ち込んでいるネームだと、ページが決まってたりするので。

増やしちゃえば簡単に直せるところが、できなかったりします。

そうするとあっち詰め、こっち詰めで、このコマ動かせないのにどうすべえとか、画面構成は複雑になるし。

仕方ないから何コマか削ると、エピソード箇条書きみたいな感じになって、つまんなくなったりするし。

もう大変です。

そう考えると、「ページ数はネーム次第」で描いていいのは、とても贅沢な描き方だよなあ、と幸せ感じるのです。

直すから、また載せるの先送りになった、という話なんですけどね。(^^;;)

○ キーリ 死者たちは荒野に眠る (壁井ユカコ 電撃文庫)

身寄りもなく、寄宿学校で暮らす14歳の少女キーリ。彼女は死者の霊が見える、霊感の強い少女で、そのために友達もいなかった。

ある日キーリは街角で、不死人のハーヴェイと、ラジオに取り付く亡霊の兵長に出会う。自分と同じように霊が見える二人に興味を持ったキーリは、休みを利用してついていくことにして……。

物語を作る上での注意点として、「ストレートなセリフの使い方」というのがあります。ほんとの気持ちというのは、セリフに出しちゃうと薄っぺらくなってしまうもの。だって、口ではなんだって言えるから。

でも楽なんで、ついストレートなセリフに頼ってしまいがちです。そうじゃないところできちっと演出できるかどうかが、難しいところ。

その点この作品はとてもよかった。口数少なくてちょっと暗い子なキーリ、無愛想なハーヴェイ、そして兵長と、三人の仲がだんだん深まっていく雰囲気が、上手く書かれています。

ポロッと漏れる一言とか、ちょっとしたしぐさとか、そういう部分に気持ちが詰まってて、じんわりしました。

○ 我が家のお稲荷さま。5 (柴村仁 電撃文庫)

クリスマスも近づく頃、鈴ノ瀬町では「灰色の狼人間が夜な夜な人を襲っている」という噂がたっていた。しかもそれは、ただの都市伝説ではなく、実際に昇も、放課後の学校で襲われた。

いったい何が起きているのか、どうやらクーは真相を知っている様子。そんな時、昇は、学校でも噂の美少女、宮部紅葉からクリスマスコンサートに誘われて……。

宮部さんは学園祭の時にちょこっと出てきたキャラクター。そういうとこから仕込んであったのか。この作品は、口ざわりのいい軽い文体で楽しい話なんだけど、骨の部分がしっかりしているのが、好み。

そして。

昇に恋心を抱いているのにさっぱり報われない女の子、佐倉さん。今まで話の本筋とはさっぱり違うところで、彩りを添えているだけでした。

僕も「コメディーの場合、ずっとこの役どころの可能性もありますが…」などと書きましたが。

次回へ続く引きのところで、急展開!!

俄然、ヒロインっぽくなってきた!! 次が楽しみです。

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2008/09/14

今週の雑感記 シロちゃんに涙…

IE7使いづらい。

この記事書いてるココログの管理画面も、微妙に見づらくなった。

どうしよう。

慣れるかなあ。

○ そりゃ潰れる

書店売上高:減少率がさらに拡大--07年度

 取次大手のトーハンが8月に出版した『書店経営の実態』(平成20年度版)によると、2007年度(07年4月~08年3月)の書店の売上高伸長率の平均がマイナス4・4%と、13年連続でマイナスだったことがわかった。前年度はマイナス2・2%で、さらに深刻化したことになる。書店へのアンケートでも、書店経営の先行きについて「下降」すると答えた書店が75・4%と、前年度の65・8%を上回った。

調査対象は、トーハンと取引のある全国の書店(142企業417店舗)で、今年1月から6月の間に実施した。

毎日新聞 08/9/4 東京夕刊

近所の本屋が二軒もたたむぐらいだし、他のニュースを見てても感じるものがあるし、なんか加速してんのかな、と思っていたら、やっぱりそうだった……。

出版不況の記事、ここでよく取り上げてますが。

僕がちゃんと連載してて、安定した人気を取れてれば、まわりどうこうより、そのお客さんとの信頼関係を大切にすることだけ考えてればいいんですけど。

そうじゃないので。

こういうニュースを見ると、考えさせられるのです。これからの作戦。

整理するため、考えをまとめた記事を、そのうち書くと思います。

○ ガトリング・メロディ nerim's noteⅡ
  水晶宮殿 nerim's noteⅢ
 (長谷川昌史電撃文庫)

Ⅲまで読んでびっくり。

引いてる?

でも、続き出てないよ?

打ち切り!?

うそーん……。

漫画で打ち切りは日常だし、だいたい雑誌での様子を見ていれば、そろそろかなと覚悟できるのですが。

小説でもあるのか……。

しょんぼり。

○ 我が家のお稲荷さま。3、4 (柴村仁 電撃文庫)

ある日高上家にクロネコ便が届く。ちなみに本当の黒猫が配達員。あからさまに怪しいうえ、大きな段ボール箱に入っていたのは、なんと白い布でぐるぐる巻きにされた、小柄な少女。

その白い布はどうやら呪布で、彼女は人間ではないようなのだが、正体不明。しかも目覚めてもしゃべらないので、さっぱり事情が分からない。シロちゃんと名付けたこの少女の正体は?

エピソードとしてはオチがついていますが、シロちゃんで次の巻への引きが作られています。すぐ次読まにゃ。

昇に恋心を抱く佐倉さんが、一巻からいっつもすれ違いっぱなしで悲しい思いをしています。コメディーの場合、ずっとこの役どころの可能性もありますが(笑)、彼女の恋が成就するのかも興味シンシン。

という事で次を読んだら、さっそく最初のシーンから佐倉さんはひどい目にあっていた(笑)。

さて、本筋は。

白鬼という鬼の王の証たるシロちゃんが、懐いてしまった透のところへと帰ってくる。鬼達の元から脱走して。

取り戻そうとする鬼達との騒動。その事件の影でいろいろな者達の思惑が錯綜する。そして……。

最後けなげなシロちゃんに涙……。

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2008/08/31

今週の雑感記 エスコート・エンジェル配信中

月曜日にハーメルの単行本が出たら、それ関連でここにいらした方がたくさん。

いらっしゃいませー。

ハーメルファンの人は熱心でありがたいと、ナベ先生談。やる気出ると喜んでました。

そして今週は僕もビッグイベント。

↓じゃじゃーん!

○ プリンセス・プラスティック エスコート・エンジェル (米田淳一 ダイナミックアーク)

Escort_angel2

配信開始しております。

これが表紙カラー。苦戦しました……。あとは中にイラスト4枚。

目の前の僕のパソコン君は、実はこの作品のコミカライズの企画が上がっている時に、カラーを描くために導入されたのでした。パソコン君は本懐を遂げたのです。

しかしあの時パソコンでカラー塗っても、ごまかせなかっただろうな……。今でも課題は山ほどあるのに。

きっとここで仕事する運命だったのでしょう。他にもそう思わせる出来事がありました。

「ケッタ・ゴール!」の時も思ったけれど、ちゃんと進歩の跡が見える仕事をしたいなと思います。がんばります。

○ 我が家のお稲荷さま。 (柴村仁 電撃文庫)

高上昇と透の兄弟は、今は亡き母の実家、三槌家へと向かっていた。実は三槌家は代々水気を祀ってきた由緒ある家柄。その血を濃く継ぐ弟の透が、物の怪に狙われ命が危ないというのだ。

透を守るための手段は一つ。三槌家の守り神、大霊狐の空幻を頼る事。しかしこの空幻、根は善だが気まぐれでいたずら好きな化け狐。そのため祠に封印されていたほどで……。

キャラクターが魅力的。そして、日常の中の非日常を、コメディータッチで上手く書いているのが、まずよかった。

漫画でも小説でも、エンターテインメント作品には、みんなが手掛けている定番ネタが存在して。妖怪とか物の怪なんかはまさにそう。

そうすると作る方も見慣れちゃっているので、作品の中で特に断りもなく、これはあり、ということになってたりするんですが。

実はそこの所が工夫の余地があって、面白かったりします。

現実には存在しないおかしなものを、ちゃんと非日常のおかしなものとして扱ってやることによって、キャラクターのリアクションも引っ張り出せるし、いろいろなハプニングも起きる。

そういうアイディアがとても豊かで、まずそれが面白くて。

そしてきちんとリアクションを取って、非日常を非日常として扱ってやると、その分、作品にリアリティが。

それは真面目な話をする時に好影響。説得力が生まれるのです。

この話にも軸になる真面目な話があるのですが、主人公の兄弟二人が、ちゃんと「普通の人」だったので、ネタにとどまらないちゃんとした気持ちを感じられて。

とても読後感がよかったのでした。楽しく読ませてハラハラさせて、最後はじんわりさせる、とてもよいエンターテインメント。

続けて二巻も読みました。

今度は隣町の土地神といさかいになって、というお話。

一度しっかりキャラクターが立っているので、応用編も安心して楽しめます。

この巻の本筋とあまり関係ないのですが、コウの天然ボケぶりが特に楽しくて好きです。特に、極端にお酒に弱く、酔っ払って身体に宿っていた蛟が出てってしまい、それを「待ってぇえー」と追いかけているところ(笑)。

○ 君のための物語 (水鏡希人 電撃文庫)

小説家を夢見て、しかし日々の暮らしの中その夢も埋没していた「私」は、ある日奇妙で不思議な雰囲気を持つ「彼」レーイと出会う。

「私」の未完の小説の完結を望むレーイは、普通の人間ではなく、人の願いをかなえる力を持ち、見た目どおりの年齢でもないようで……。

つかみ所のない性格のレーイと、それに振り回される主人公の取り合わせが、面白い。いくつかのエピソードに分かれていて、そのエピソードが進むにつれ、レーイの正体がだんだん分かってくる形式のお話。

最初の、画家になりたかった女性のエピソードが、切なく哀しく、特によかったです。

最初は仕事の参考になるように、片っ端から読もうと始めたライトノベル修行でしたが。

だんだん仕事とお楽しみの比率が逆転。

扱う題材は漫画と同ジャンルだったりするんだけど、しっかりオチがつくのが小説のいいところですね。いいオチと出会えるのが楽しみ。

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2008/08/16

今週の雑感記 そろそろ縦掘り

仕事の予定が見事なくらいにどんどんつながっていく。普段はどこかに休みが出来るのに。

忙しいことはいいことなんだけど、今月載せるつもりだった、「ケッタ・ゴール!おまけ漫画」数ページを描くひまもないのが、目下の悩み。あれー?

○ バクマン。 (作・大場つぐみ 画・小畑健 週刊少年ジャンプ)

デスノートコンビによる、大注目の新連載。漫画家を目指す少年が主人公。

しょっぱなから、けっこう手厳しいネタがふってある(笑)。

職業物の定番としては、夢と理想を語って、それに対する厳しい現実を描いて、そこを乗りこえさせて……という形だけど。

大場先生はきれい事ではすまさないんじゃないか、という気もするし、あんまり手厳しくして少年少女の夢を打ち砕くのもどうかと思うし、どうなるのでしょう。

○ ご愁傷さま二ノ宮くん (鈴木大輔 富士見ファンタジア文庫)

ちょっとお堅い真面目少年二ノ宮くん。家族は仕事で飛び回り、普段は大きな洋館に一人暮らし。そんなところに美少女が、居候しにやって来た。その少女月村真由はなんとサキュバス。男性の精気を吸う力を持っていた。

ところが彼女は極端な男性恐怖症。精気を吸わないと生きていけないのに、男の人に触ることもできないのだった。なのに生来のサキュバスとして、男をひきつけてやまない魅力を振りまく彼女。

お目付け役を命ぜられた二ノ宮くんが、湧き上がる煩悩と闘うコメディー。楽しく読めました。

○ シリアスレイジ (白川敏行 電撃文庫)

生物を怪物へと変異させてしまうレトロウイルス、TDHが蔓延し、激変してしまった世界。主人公守屋篤志は、その変異種を採取するレイスハンターを目指す大学生。

レイスハンターの国家資格を取るために、サバイバル講習を受けた時、篤志は事件に巻き込まれる。講習の教官、現職のレイスハンターが、不正の告発を目的として、生徒を人質に立てこもったのだ。

追っ手を逃れた篤志は、事件解決のため単身アジトに乗り込むが……。

緊迫感あふれるアクションサスペンス。事件が始まると、ぐいぐい引っ張られました。

○ ひかりのまち nerim's note (長谷川昌史 電撃文庫)

山間部にあって、外との交流があまりない街パラクタ。この街は今、「日黒期」と呼ばれる、夜だけが続く現象が、一ヶ月もの間続いていた。

主人公のネリムは、六年前「森の神隠し事件」で失踪した兄メストルがまだ生きていることを知る。調べていくうち、大事件が起き、メストルが「日黒期」の謎に大きく関わっていることを知るのだが……。

中世風のファンタジーなのかなーと思って読んでいたら、増殖炉とかメルトダウンとか、科学用語がボンボン出てきてびっくり。SFか?

SF風ファンタジーという感じの、不思議な風合いのお話でした。

キャラクターの心の動きがしっかりしていて、好感。

好感度高かったため、読了後、登場人物たちの行く末が気になって。

ここまでのラノベ読書は、全体像を知りたいと一巻ばっかりたくさん読んで横へ横へと広げていましたが、そろそろ縦に掘ってもいいかなーと思ったのでした。まずはこれの続きと狼と香辛料。

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2008/08/02

今週の雑感記 ミミズクと夜の王

さあ、もう少し。ラストスパート。

○ 潰れた

近所の小さな本屋さんが潰れた。並んでいた本が全て撤去され、がらんとした本棚だけが残るその風景は、とても寂しい。

雑誌とエロに特化するという、いわば最終兵器に頼っていたのに、それでも潰れた。出版不況もここまで来たか。

構造的悪循環は何年も前からで、もう止めようがない。いや、正確には世の中に不可能事はないと思うが、僕の位置からそれに関して出来ることは何もない。

ただ、だからと言っておとなしく、何もせずにいれば、ますます将来不安なのは火を見るより明らかで。だから、がんばる。

自分の打つ手が、本当に解決策なのかは、蓋を開けてみなければ分からない。この道の先がちゃんとゴールに通じているのかは、最後まで行ってみなければ、分からない。

でも、今がんばらなかったら、手遅れになる。

・・・・・・

とまあ、景気悪いから重たい気持ちになることも多いんですけど、本を読んでいる時は、楽しいのですよ。

○ ほうかご百物語 (峰守ひろかず 電撃文庫)

主人公の真一の通う学校は、いろいろなモノが出やすい学校。夜、忘れ物を取りにこっそり忍び込んだ美術室で、真一は美少女に化けたイタチに出会う。

正体を見抜き危うく難を逃れた真一だったが、イタチのあまりの美しさに美術部員の血が騒ぎ、ついモデルになって下さいと口走ってしまう。ところがこのイタチさんは律儀な人で、この約束を果たすため、次の日から美術部員としてやってきて……。

ドタバタしながら妖怪退治をする話。軽妙な語り口の楽しいコメディーでした。

○ ミミズクと夜の王 (紅玉いづき 電撃文庫)

迷い込んだら生きては帰れないと噂される、魔物の巣食う夜の森に、一人さまよう少女ミミズク。手足には鎖、額には焼印のあと。

不幸な生い立ちを背負うとおぼしきミミズクは、けれどもからりと明るくて。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ……?」と、魔物の王に申し出る。

ミミズクと夜の王フクロウの、不思議な心の交流を書いた物語。のーたりんな感じで出てきたミミズクが、辛い生い立ちを背負っているのがだんだんに見えてきて、無口な夜の王が少しずつ心を開いていって。

最後は力尽くな展開で、その真っ直ぐな気持ちがとてもよかった。じんわり心にしみる、いいお話でした。

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2008/07/26

今週の雑感記 狼と香辛料

戦いは今、八合目ぐらい。ナベ先生の仕事を終わらせたら、もう一踏ん張り。

早く通常運行に戻りたい。ふひー。

○ 狼と香辛料 (支倉凍砂 電撃文庫)

行商人のロレンスは、年は25、独り立ちして7年目。馬車に商品を積んで、あっちで仕入れてはこっちで売り、という一人旅。そんな生活を続けていて、最近とても人恋しい。

そんなロレンスが馴染みの村に寄った時。荷馬車に見知らぬ少女が乗っていた。

その娘は姿は少女だったけれど、なんと豊作を司る狼の神様、賢狼ホロ。ホロは生まれ故郷の北の大地に帰るのだと言い、途中まで同行していいかと訊く。こうして奇妙な二人連れの旅が始まった……。

アニメ化もされた人気作。読んだら確かにとても面白い。なるほど納得。

特にキャラクターの立て方が秀逸。最初に出てきた短いページでスパッと立つ。定番バターンのキャラじゃないのに、これだけ無駄なく立つのはすごい。

そしてとても魅力的。特にホロ。見た目は少女だけど実は何百年も生きていて経験豊富、ロレンスを手玉に取ってからかう。それを表現するために、遊女言葉でしゃべらせるというアイディア。すごい。

「剣も魔法も活躍しない」とオビにあるけど、これもいい。

僕は常々、「面白いという事にはいろいろな種類があって、そのうちどれかがきっちりみっちり詰まっていれば、派手なネタじゃなくても面白い。いやむしろ読み終わった時、ああ良かったという読後感を作るためには地味な所をきっちりと描け」と思ってるんですが。

まさにそういう作り。ロレンスの内面がしっかり書かれている上に、視点がロレンスに固定されているので、ホロにからかわれたり本音をちらりと垣間見ちゃったりで、ああもう可愛いなあ、と(笑)。

情報量はみっちり詰まっている。それでいてすじもしっかりしていて、すいすい読めて、ぐいぐい引っ張られて。

ほんと面白かったです。

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2008/07/12

今週の雑感記 氷山の一角

駅に向かう道に、妙にガニマタな謎の足跡。

「ふむ。靴のサイズ、先細りの形からして、女性。それにしては歩幅が大きく、かなり急いでいたと推測される。泥の足跡の始まっている場所はあそこ。となりの敷地が工事中で、雨の降っていた時間帯に泥水が流れ出ていたと思われるので……」

つい推理するオイラ。ホームズの見すぎ(笑)。

ホームズの見すぎといえば、この間滑った企画は推理物で、それを直したくて困っています。

一度滑ったのを直しても、もう受け付けてくれないというのに。

やるとしたら、直してブログに載せちゃう形。またお金にならないことを(笑)。

○ 氷山の一角

ヤングサンデー休刊で、「Dr.コトー診療所」がビッグコミックオリジナルへ移籍するみたい。

実は読んだことがないので、どんななんだろう、という読者としての興味がありつつ。

ほんと大変な時代だなあ、という作り手としての実感も。

電撃大王もリニューアルしたんですよね。ガオが休刊して、そこからの移籍作品が来て。その分、ぶ厚くなったようですが。

これは氷山の一角なのです。

洋上にある氷山が、名の知れた有名連載作家だとすると、海面下には、僕のような、そこを目指す名も知れぬ二軍選手がわんさかいるわけで。仕事を取ろうと、必死に椅子取りゲームを続けてる。

こうして休刊→移籍となると、その二軍選手もドドッと動く。

椅子は減った上に、人は増えて、どんどん過酷なゲームになっていくわけですよ。つらい時代だ。

さらに僕は、この点に関してはかなりの悲観論者で、まだまだ行くと思っていて。

だから、下手にごまかしてちょろっと仕事取っても、競争が激化する中では化けの皮がはがれて続かない、と考え。

遠回りしてもいいから、安定した立ち位置に行きたいと、模索中なのです。

読書もその一環。少しずつ見えてきた。今週も。

○ お留守バンシー (小河正岳 電撃文庫)

19世紀、とある東欧の小国の片田舎。その土地の領主ブラド卿に仕えるメイドのアリアは、家を守る妖精バンシー。

ちょっとおかしな仲間達と共にオルレーユ城に暮らしていたが、そこに法王庁からの討伐者ルイラムがやってきて……。

変態首なし騎士、貞淑な淫魔、ペンギンみたいなガーゴイルなどなど、アリアや仲間達のキャラクターが立っていて、とても楽しく読めました。

○ 世界平和は一家団欒のあとに (橋本和也 電撃文庫)

異世界を救った勇者の父と、その世界の魔法使いの姫君だった母。そんな両親を持つ星弓家の兄弟は、みんな特殊な力を持っていて、世界の危機を人知れず救っている。

しかし、主人公の軋人(きしと)は、その力が原因で、幼いころに妹を失っていた。そして今また、家族に危機が訪れて……。

ぶっ飛んだ設定の不思議な話。壮大なスケールがほったらかしで、身近な所だけが切り取られています。でもその取捨選択が上手いのか、あまり気にならずにすんなり読めました。

イラストとキャラクターの雰囲気が見事にはまっていて、こういうマッチングを考えるのも、編集者の腕の見せ所なんだろうなあと思いました。

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2008/07/06

今週の雑感記 王国神話

やりたいこと&やらなきゃいけないことが重なって、バタバタな一週間。

創作関係でやりたいことがいくつか。でもどれも、すぐにお金にならなそうなアイディアなのが困り物。

身体が五個ぐらいあれば一気に出来るけど、と妄想。でも、そのうちちゃんと仕事しているのは一人になっちゃうから、食費が足りないよなあ。

あ、読書する係もほしいから、六人だ(笑)。

○ 王国神話 空から降る天使の夢 (明日香々一 富士見ファンタジア文庫)

シスルーン国の王子ディオンは、子供のころ、自分の部屋のバルコニーで倒れていた幼い女の子を助ける。その子は記憶を失っていて、自分の名前も家も忘れ、言葉さえ失っていた。

すっかり王子になついたその女の子オルフィナは、子供のいない侯爵家に養女として迎えられ、美しく育った。しかし、なんとオルフィナは、この世界を創った大地の女神だったのだ……というファンタジー。

「第15回ファンタジア長編小説大賞最終選考会で物議をかもした問題作、ついに登場!」と、表紙カバーのアオリ文にあったから、どんなすごい問題作だろうと思って読んでたんですが。ここかと思うところは特にはなくて。

ベタベタ甘々のラブストーリーでした。

そこがよかった。ベタ甘ハッピーエンドを貫いてくれると、読み終わったあと、ほんわかいい気分。

○ 量産型はダテじゃない! (柳実冬貴 富士見ファンタジア文庫)

戦闘用アンドロイド、アルティメット・ドール(UD)同士の激しい戦争が続いている世界。主人公の天才技術者ヘキサは、壊れた味方UDにスペシャルパーツを送り届ける任務中、敵に襲われ、砂漠のど真ん中に撃墜される。

なんとか目的地へと向かう途中、打ち捨てられた研究所を発見。そこにはたくさんのUDが眠っていた。それを起動して、護衛に使おうとしたが、そこにあったUDは十数年前の、低コストと頑丈さがとりえの量産型UD。がっくり来るぐらいのポンコツだった……。

なぜか侍言葉のポンコツUD、ナンブが活躍するお話。普段はコメディーなんだけど、クライマックスは大熱血アクション。

「気合と根性!」を合言葉に、自分より格上の敵に立ち向かうナンブ。ものすごいテンションでした。

○ 黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで (細音啓 富士見ファンタジア文庫)

物の名を歌い上げる事によって呼び出す技術、名詠式。それを教える学校トレミア・アカデミーに転入してきた少年、ネイトは飛び級の13歳。

しかも彼の専攻は、誰も聞いたことがない夜色名詠。名詠式は色で分けられ、赤、青、黄、緑、白の五色しか知られていないのに。そんな謎の少年がやって来た学校で、大事件が発生し……。

この話、あらすじまとめるの難しい。主人公ネイトと書いたけど、主要四人の想いが錯綜する、複雑な構成になっている。

それでもすいっと引き込まれ、すんなり最後まで。みんなの想いが伝わってきて、面白かったです。

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2008/06/14

今週の雑感記 受け継ぐ

すべった企画を人に見せて感想を聞く。良い点と悪い点が分かる。

そして問題発生。進めていた次の作品にも、同様の欠点があると気付く。それをきっかけに、考え始める。

となると、これは置いといて、別のを進めたほうがいいのか。あっちだろうか、こっちだろうか。毎度恒例の揺らぎが発生。

落ち着いて考えて、スケジュールを整理。ふう。

愛機レイド君、定期点検へ。

十数年ものの機体。バイク屋さんの見る目が優しい。

ポンコツになるほど、増す愛着。

水曜フットサル。フットサルコートは一応午前中から開いていることになっているんだけど、だいたい平日の午前中なんかにヒマな人はあまりいないので(笑)、予約はほとんど入らないらしい。いつも、僕らのために開けてくれるのだ。が。

従業員さんが遅刻。お詫びにもう一時間サービスしますと。

しかし、体力の落ちた漫画家には、時間延長はサービスなのか罰ゲームなのか(笑)。

○ 受け継ぐ

先週6日、野田昌弘氏がお亡くなりになりました。享年74歳。

SFファンには宇宙軍大元帥としてお馴染みの野田さん。数々の業績をお持ちですが、僕にとっては特に翻訳家としてお馴染み。

子供のころに、漫画やら小説やらで数々のおもしろい物語に出会い、どっぷりはまって、気がつけばこんな人生なわけですけれど。

そんな本の中の一つが野田さんのお仕事。「キャプテン・フューチャー」。小学生のころにタイトルにワクワクして手に取った。最初に読んだのは、「暗黒星大接近」か「太陽系七つの秘宝」か……。

「銀河辺境シリーズ」も好きだったなあ。

そうして面白い物語の数々に大きな影響を受けて育ち、大人になって作る側に回り。

「ドラえもん」の藤子・F先生が亡くなった時に、強く思ったんですが。

生物というのは、いつか死ぬ。でも子孫を残して、次世代へつなぐ。そうして連綿とDNAを受け継いできた歴史が、生命の歴史。そしてそれは人間も同じ。

さらに人間は、文明や文化というものも、次世代へと受け継いでいくわけで。

ならば、面白いものを読んで育ち、作る側に回った僕は、その受け取った面白さを、今度は自分が表現して伝えなくてはならない。そうして受け継ぐ歴史が、物語の歴史。

野田さんの訃報に接し、その思いを新たにしたのでした。

腕の問題で、なかなか上手く表現しきれていませんが、がんばります。

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2008/06/06

今週の雑感記 下げ圧力

もう梅雨入りだって。早い。わけあって、てるてる坊主を逆さに吊るした成果だろうか。

すべるとやっぱり発生する下げ圧力。そんな中作業しているのは明るい話なので、テンションを維持するのが大変。気力の勝負。

NHKのクローズアップ現代で、出版不況の話。ランキングでしか本が売れないと。全体は下げ止まっておらず、出版点数を増やしてしのぐのも、もう限界。

この構造の外側に出たいんだ。そのための遠回りだ。がんばろう。

さて、キャラクターがきちっとかみ合っていないのが、目下の悩み。どうしよう。

○ 築地魚河岸三代目 21 22 23 (作・九和かずと 画・はしもとみつお 小学館)

新刊出ないなと思ってたら、映画合わせでためておいての連続刊行でした。

出ない間に世界的食糧危機。漫画は変わっていないのに、なぜか話が深刻になったような気がします。

(・・;;)オソロシイ

○ ISON -イソン- (一乃勢まや 富士見ファンタジア文庫)

ウイルス性の病気を治療するため投与された医療用ナノマシンの、思わぬ副作用によって、超人的な知覚力を持つ主人公。その力を生かして、賞金稼ぎとして、凶悪犯を捕まえて生活している。

ある日、なぞの金髪美女によってもたらされた依頼は、プロも二の足踏むような大物狩り。ターゲットは武器商人とテロ組織のボス。けれど、その依頼の裏には、もっと大きな事件が隠れていて……。

テンポのいいアクション物。すいすい読めました。

○ ムーンスペル!! (尼野ゆたか 富士見ファンタジア文庫)

国家詠唱士の試験に五浪している主人公。最近は、もう自分は受からないのではないか、と自信喪失気味。そんな時、雨の中倒れていた少女を助け、その面倒を見ることに。

ところがその少女は、二千年もの間封印されていた、大きな謎を秘めた少女。世界をひっくり返すような力を持つ。それを狙う連中がやってきて……。

掛け合いのテンポがいいラブコメ。こちらもすいすいと。

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2008/05/17

今週の雑感記 SAKURA-ment

土曜日、FC東京戦勝利の勢いを借り、朝まで粘って作業をひと段落。話のアウトラインを作る。がんばった。

しかし、終わった途端、足りない部分に気付いたので、そこから手を入れてかないと。がんばれ。

手伝い仕事に何日か。

バイク通勤だったんだけど、そういう日に限って、五月とは思えない寒い日で。凍えながら走行中、ヘルメットの中で鼻水たれそうになって、大弱り(笑)。

最近ライトノベルの感想を書いているけど、これにどれだけの需要があるのかと、ふと思う。でもまあ、何の感想書いても、流行を素通りする性格だから、需要は疑問符付きか(笑)。

むしろ自分の備忘録として重要なので、今日もメモメモ。

○ トウヤのホムラ (小泉八束 富士見ファンタジア文庫)

古来より神様を奉る一族に生まれた男の子が、なんと二千年前の神様の生まれ変わりだった、というお話。

ところが、その力に恐れをなした大人たちにより、男の子は軟禁状態にして育てられ、すっかりひねてしまった、というのがこの話のミソ。

最初はちょっとさめた感じで書かれている少年の、溜め込んでいた積年の恨みは半端ではなく、神様として覚醒していくにつれ、一族に対する復讐心がどんどんあらわになって行く。

それに対して、一族の次期当主候補として、少年を使う少女。切れ者で感情を表に出すことなく、理詰めで動いているんだけど。

ちらちらと垣間見せる彼女の本音。どうやら昔から、彼の事を想っているらしい。

どっちへ転がっちゃうんだろう、という危うい緊張感が、ピンと張られた糸のように作品を貫いています。

そんな背すじの通ったお話でした。

○ SAKURA-ment ~真夏の桜に約束を~  (和井契 富士見ファンタジア文庫)

よかった。

オカルト研究家の親戚の叔母さんが作ったホムンクルス(人工生命体)の女の子の世話を押し付けられた主人公。その女の子がとにかく主人公になついてる。

実は主人公は、小さいころに悲しい事故で心に傷を負っているんだけど、ヒロインと暮らして心通わせていくうちに、その傷が癒されていく。そして……というお話。

最初小学生、途中で急成長して中学生の容姿になるヒロイン。お兄ちゃんと慕っている従姉妹の双子の女の子達。設定を見ると萌え萌えな展開に流れても不思議じゃないんだけど。

真面目な話と半端になると、良くない。そっちに流れずに、主人公とヒロインの心の交流、お兄ちゃんを心配している双子達と、ひたすら情緒の部分を書き切ろうとがんばっているのに、好感度大。

その情緒に揺り動かされ、読後、心がしっとりする作品でした。

○ αだより (新井素子 コバルト文庫)

「ブラック・キャットⅢ キャスリング後編」に収録された、「星へ行く船」シリーズの番外編。

これが最後のエピソード。最後まで読んだぞ。20年来の宿題を済ませた気分で、充実感(笑)。

新しいのをいろいろ読もうとしているんだけど、他の20年来の宿題を済ますのもいいかも、と思っている今日この頃。

○ 露天掘り

最近、身の回りでもラノベ流行り。

ところが。

みんなは、アニメになったとか、評判を聞いたとか、そういうところから読んでいるんだけど。

これを機会に、今まであまり読んでこなかったこのジャンルの全体を把握しよう、と思った僕は、一つの作品を追っかけるのではなく、まず浅く広く掘る事にまい進中。ある程度広げて、それから深く掘る予定。気分は露天掘り。

こういう所が、流行を素通りする性格。みんなの話題に追いつくのは、まだまだ先になりそうです(笑)。

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2008/05/10

今週の雑感記 ストレート

図書館への道すがら、キャッチボールする親子。小学生の男の子は、カーブの習得にいそしんでいる様子。

昔、僕もがんばったものだ。懐かしい。

水曜フットサル。出かける時、なぜか一度外したタイヤロックをもう一度つけ、バイクにまたがる。

駐車スペースから動かそうとして、それに気付く。通りすがりのおじいさんに笑われた。

(#・・#)ハズカシイ

○ 抗いし者の系譜 逆襲の魔王 (三浦良 富士見ファンタジア文庫)

最初のシーンが、勇者と魔王のラスボス対決。そこで勇者に魔力を奪われてしまった魔王、命からがら部下によって救い出される。

そんな魔王が勇者に復讐すべく、雌伏の時を経て勇者の目前に立つ、という、逆転の発想の物語。

「普通はこれが常識」となっているところに、一つ逆転の発想を入れると、オチが読めなくなる。勇者が魔王を倒すなら普通だけど、そこが逆。勇者も悪い人ではないし、いったいどこに落とすのか。

オチが気になって、一気に最後まで読みました。

○ 戦鬼 ‐イクサオニ‐ (川口士 富士見ファンタジア文庫)

冒頭、村で捕まっていた鬼が、意外なことに主人公。そして敵は、犬、猿、雉の妖を従えた……桃太郎?

という事でこちらも逆転の発想。桃太郎が悪い奴で、それに鬼ヶ島を攻め滅ぼされた鬼が、復讐する話。

日本の神話を絡めて、桃太郎を怪物に仕立て上げてます。以前、僕も桃太郎を題材に漫画描こうとして、いろいろ調べたんだけど、あのネタにこういう使い方があったか、と感心。

○ 紅牙のルビーウルフ (淡路帆希 富士見ファンタジア文庫)

盗賊に拾われ育てられたお姫様が、謀逆の叛臣を討ち取るというお話。

盗賊に育てられたため、すっかりじゃじゃ馬に育ってしまったお姫様が、生き生きしていていい感じ。

けれん味なくまっすぐ直球だったので、とても爽やかに後味よかったのでした。

○ ストレート

先の二つは、最初の発想は逆。最後のは王道。

だけど、どちらもそこから真っ直ぐストレート。主題に対して、真正面に進んでいく感じ。

いろいろ読み進めてきたけれど、やっぱり小説でもそういうのが好きみたいです。

さらに。

漫画でも小説でも、エンターテインメント作品は、美味しい要素てんこ盛りの作り方のほうが優勢。ビジネスモデルとして薄利多売なので、お客さん絞り込むような描き方は危険だから。

そんな中、書きたい主題に真っ直ぐだと、好感度大。爽やかに感じます。

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2008/04/06

今週の雑感記 ゲゲゲの女房

4月。番組改編の季節。

CATVの番組から、ウェザーニュースがなくなった。

天気予報はネットで確認できるから別にいいけど、かかっていた音楽を仕事のBGMとして重宝していたので、ちょっと困る。

流しっぱなしにしていても気に障ることがない番組というのは、なかなかない。小さな音で何か流れてる、ぐらいが一番集中できるんだけど。

新たなスタイルを模索中。

○ ふたつのスピカ 14 (柳沼行 メディアファクトリー)

「いよいよラストスパート! 宇宙学校での生活も残りわずかです!!」

単行本の帯の文。

きちっと構成されて、ちゃんと閉じる話が好きなんだけど。

いざ終わりの気配が見えてくると、やっぱり寂しい。

○ 真月譚月姫 6 (佐々木少年 メディアワークス)

終わりの気配という事ではこちらも。そろそろ閉じる方向へ。

純粋に読者の立場だと、終わりの気配は寂しさを覚えるのですが。

知り合いの場合には苦労を見てるから、とにかくがんばれ、と。

満足の行く終わりが描けるチャンスは、一生のうち、そんなにない。がんばれ。

○ ゲゲゲの女房 (武良布枝 実業之日本社)

「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生の奥さんの自伝。奥さんの視点で、水木先生の仕事ぶりが書かれています。

戦争で片腕を失った水木先生。肩で原稿を押さえ、一心不乱に漫画を描く。

その後姿に吸い寄せられるように、目が離せなくなる奥さん。自然と湧き上がる、尊敬の念。

そんな水木先生が、極貧の売れない貸本漫画家だったころ。徹夜仕事明けの水木先生に代わり、奥さんが原稿を届けに行った時の事を書いた一文。

社長は私の目の前でおもむろに作品をめくり、あろうことか、ブツブツけちをつけはじめました。

「ああ、これじゃ、だめだ」

「……この間のも、売れなかったし……」

「売れるものを書いてもらわないと、金が払えないんだから……」

人が精魂傾けて描いたものを、ぼろくそにいうのです。

なんて失礼な人だろうと思いました。水木は、原稿を渡しに行くたびに、こういうことを我慢しなければならなかったのかしらと、切なくなりました。あれだけ渾身の力を振り絞って描いたものを、こんな風にいわれるのは、たまらないことだろうと、水木がかわいそうになりました。

それでも、こちらの生活がかかっている以上、とにかくお金をもらわないで帰るわけにはいきません。ですから、私はぐっとこぶしを握り締めて、社長のぼやきを聞き続けました。

「じゃ、これね」

ようやく手渡してくれたのは、約束の半分の1万5千円しかありませんでした。これではこの先、暮らしていけません。私は、ものをいうのが苦手なほうですが、勇気をふりしぼっていいました。

「約束は3万円だって、聞いておりますが」

「奥さん、売れないものには払えないのよ」

「でも、これでは半分しか……」

「半分もらえるだけでも、ありがたいと思ってほしいもんですな」

「……でも、これでは食べていくことができません。何とか、もっともらえませんか」

血相をかえて頼み込みました。上乗せをしてくれたことはしてくれたのですが、往復の電車賃分だけでした。

 

電車の座席に、空になった革のバッグをひざに乗せて座り、新宿に向かいました。駅に着くたびに人が乗り降りしていました。でも、私は顔をあげることができません。水木がこれまでどれほどの屈辱に耐えてきたのかを、身をもって知ってしまったからです。これでは、あんなに一生懸命にマンガを描いている水木があまりにもかわいそうです。気がつくと、バッグの上においていた私の手の上に、涙がぽたぽたと落ちていました。

 

ちーくしょ――――!!!!

 

すごい感情移入。いや、こんなきついダメ出しは、食った事はないんですけど。

そうなんですよね。売れれば勝ち、売れなきゃ用なし。努力賞はない。それがプロの厳しさ。

でも水木先生はこの状態でも己を貫いた。自分に合わない仕事を断ったりしてるのです。貫いて、最後には、勝った。尊敬。

そして、そんな水木先生のそばに、こうして泣いてくれる人がいたのは、きっと支えになっていたに違いない、と思いました。

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2008/03/30

今週の雑感記 彼女はキュートな撲殺魔

間をおかずに仕事。疲労感を見て見ないふりな日々。

○ タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔 (六塚光 角川スニーカー文庫)

タイトルが内容を的確に表していました。

魂裸醒(たまらせ)という、幽体を武器に転換する能力を持つヒロイン。その武器が敵を殴り倒すごっつい手甲。そんな彼女が、性格はとてもけなげで可愛らしいという設定。

ライトノベルをあまり読んでこなかったので、いろいろ読んでみるかと、最近集中的に読書中なのですが。

ライトノベルは他のジャンルの小説に比べ、漫画に似てキャラ立ての比重が大きいなと思います。そこで成否が分かれてる感じ。

こちらは成功例。夏月ちゃん可愛い。楽しく読めました。

○ 時載りリンネ! 1はじまりの本 (清野静 角川スニーカー文庫)

時載りという、本を糧に時間を停められる種族の女の子、リンネが主人公。生き生きと描写されています。

出だしで、おっ、と思いました。大きな設定や仕掛けのある話は、割りとそのまま大仰に始まる事が多いのですが。

身近な風景を書いて、ぽんとキャラクターを立ててます。使う言葉の選び方もいい感じ。ちょっと児童文学風。

○ はったり

上の「大きな設定や仕掛けのある話は、割りとそのまま大仰に始まる」に関連して。

要はガツンとはったりかますってことなんですが。

これを「読者の横っ面をひっぱたくような」と、表現した編集さんもいました。

作風的に苦手なんで、いつも苦労するんですよね。

これだけ物語があふれている現状では、とにかく目立って、無理矢理にでも読者を引っ張り込まないと、埋もれてしまいます。

漫画の現場ではかなりその部分に力を入れていますし、多分他のジャンルでもそうだろうなと、見ていて感じます。

ただ、近年、ぶっちゃけた話。

もともとゴリゴリと押しの強い話が特に好きなわけじゃない、という個人的な嗜好もあるんだけど。

出だしやクライマックスの、目立つはったりの所に力を入れ過ぎて、他がなおざり、山場までの道中がガタガタで、途中でけつまずいて見たり読んだりする気をなくす、みたいな物が増えているような気がします。

でかい出だし見ると、逆にハズレじゃないかと身構えるようになっちゃった(笑)。

漫画の不況とか、ハリウッドの不振とかに、この傾向の影響は皆無とは言えないと思うのですよ。

要は全部揃ってないとだめだ、という事なんですよね。僕みたいに、お客さんを引っ張り込む部分が苦手と言っててもだめだし、逆にはったりさえかましときゃいいって雑な作りになってもだめだし。

お客さんを招き入れて、飽きさせずストレスを感じさせず、どんどん先へ読み進ませて、たっぷり満足してもらって送り出す。

人を楽しませようと思ったら、いろいろ出来なくちゃいけないから大変です。

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2008/03/15

今週の雑感記 照準中

フットサルでやってしまった。

爪が死んじゃった。

ぐっと踏み込んだ時に、嫌な痛みがあって、終わって見たら内出血。

これがそのうちペロンとはがれる。シュートの時に、痛いんだよなあ。

そんな目にあったけど、久々のフットサルは気持ちよく。

この日はミドルシュートが低く抑えられて、いい感じでした。運動不足で飛び出せないから、そればっか狙ってた(笑)。

○ 星から来た船 (新井素子 コバルト文庫)

「星へ行く船」のシリーズの番外編。本編以前の、昔の話。

人が面白いと感じるものって、まず何かのエネルギーが詰まっているものだと思うのです。それを技術で伝えてく。文章の技術論は、あんまり語れないんですけれども。

このシリーズを読んでいて、すごいエネルギーは感じます。

作家は、自分の作ったキャラクターに、思い入れてるものですが。その愛情が、半端ない。活躍させてあげよう、という親心がすごいです。

それがキャラクター達のバイタリティーとなって、存在感を生み出しているなあ、と思いました。

○ レゾナンス 1.夕色の墜落 (山原ユキ 角川スニーカー文庫)

上の記事に続き、エネルギー視点。

この物語は「呪い等の怪奇現象は、MPと呼ばれる精神寄生体によって引き起こされるのだ」という設定で、その力を持つ主人公が、奇怪な連続殺人の犯人を追う、という話なんですが。

寄生されてるから、基本的に、主人公も犯人も精神的に病んでる。鬱々とした雰囲気で、とにかく話がめっちゃ暗い。

それを書き切るエネルギーがすごい。

僕は暗い話は基本的にだめで、大概途中で投げ出すんですが、あまりにエネルギーが詰まってて、ものすごいテンションだったので、最後まで引っ張られてしまいました。

欝な気分になりました……。女の子がかわいそうじゃよ……。

○ レンタルマギカ ~魔法使い、貸します! (三田誠 角川スニーカー文庫)

こちらは明るく楽しく、それでいて激しいアクションのあるお話。タイトルどおり、魔法使いや巫女さんが活躍します。やっぱりこういうやつの方が好きだ。

洋の東西問わず、いろんな種類の魔術や神道や陰陽道が一緒に出てくるのが、設定のミソなのですが。

そういうギミックにかけるエネルギーが、面白さを生み出しているなと。後書きからも、その様子がうかがえます。

素材をたっぷり仕入れて、それに腕によりをかけて調理する。そういう手間を惜しまぬ姿勢が、美味しくするのだと思います。

○ 面白いという事

ずっと思ってるんだけど、結局十人十色だと思うんですよね、「面白い」ということ。

若い時は「絶対的に面白い」という物があると思ってて、激論戦わせたりしたけれど、討論で優劣決めても、やっぱり納得いかないもんね。

例えば食べ物や音楽で好みがあるように、個人の感覚は、多数決で正解不正解を決める事は出来ないわけで。漫画も小説も嗜好品なんですよね。だから、いいんですよ。面白いと思って読んでる人がいれば。

「こういう面白さを描いてみました」「そうそう、そういうのが好きです」と、ちゃんと伝わってれば、作品としては成功。

ところがこれに商売絡んでくると、話がややこしくなって。

売り上げMAXを目指すのが、ビジネスというものだから。

決められないはずの面白さに、優劣つけて、あっちの方がよい、こっちの方がよいと、打ち合わせでいろいろ言われて、右往左往してみたり。

その時描き手として困るのは、そのネタやスタイルに、大勢のお客さんがついているのには異論がないけど、自分がそうではないのでそっち方面のセンスが鈍く、ピンぼけの小手先の物しか描ける気がしないケース。

特に「好きな物描いてください」と言われてスタートしたのに、そういう話になってくると、「それはもう好きな物じゃないです……」と、大弱り。

けっこう多いんですよね、そういう事態。自分もあるし、周りでも起きるし。

いかにそこの所すり合わせて、軌道に乗せるかというのが、重要。出来れば最初っから、びしっと狙いを定めて行けると、ベスト。

ちょうど今、そういう所でうなっているのです。どうすっかな。

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2008/03/01

今週の雑感記 魔法のとまり木

散歩中の、すんごいおデブのコーギー君に出会いました。

もともと足が短いのに、おなかが邪魔して真っ直ぐ足が出ず、よちよち歩き。散歩も大変そう。

しかしその時、僕も肩こりと運動不足解消のために、ちょっと離れたとなり町の図書館まで歩いている最中。

つぶらな瞳と、目が合いました。

お互いがんばろう、と心の中でエールを送っておきました。

○ 魔女の宅急便その5 魔法のとまり木 (角野栄子 福音館)

恋するキキもとうとう二十歳に。

揺れる乙女心が繊細につづられます。

この微妙な揺らぎを、これだけみずみずしく書くのは、すごいなあと思います。

そしてとうとうゴールイン。ハッピーエンド。

ほんわか。

代替わりして続きがあるのかな? と思わせるエンディングになってますが、どうなるのでしょう。

○ 犬SF

ずっこけてしまった犬SFの企画。

人に読んでもらったりしていたら、もっと直せるような気がしてきました。技術的な問題。

そう気付いてしまうと、失意はどこかへ飛んでいき、直さなくてはという使命感が、ふつふつと。

とにかく、作家が投げ出さなければ、作品は死なないので。

何かチャンスが来るまで、しぶとく温めておこうと思います。

こうして、いつか描くつもりのボツストックを増やしていくわけですね(笑)。

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2008/02/23

今週の雑感記 フルメタル・パニック!

現在、仕事のスケジュールがどんどん遅れております。せっかくあった余裕が、このまま行くと、なくなります。

うひょー。

しかも用事が重なったり、仕事だったりで、ここ最近フットサルに行けず、ストレスが発散できていません。

うあー。

○ フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール (賀東招二 富士見書房)

「このライトノベルがすごい!2008」作品部門ランキング1位となったこのシリーズ。アニメは見たことあるんだけど、小説は未見だったので、読んでみました。

なるほど。上手い。

すごい読みやすい。

読みやすいって、あまり世間では評価ポイントとしては高くないけど、僕はすごく大切だと思っているのです。

だって、どんなすごい事思いついてても、読んでもらえなかったら意味ないし。伝わらなかったら書いてないのと同じだし。

しかも、読みやすいという事は、単に平易に書くという事ではなく、話の要点しっかりつかんで、過不足なく表現できているという事で。

流すところは流し、印象に残したいところは目立つように。そうすると、お客さんはストレスなく、するすると読み進んでいく。そういう技術。

だから漫画でも小説でも、読みやすいことは、とても大切なはず。そう思っているので、これだけすいすい読みやすいのは、すごいなあ、と。

もちろん読みやすいだけではなく、いろいろと面白い要素が散りばめられていて、それがお客さんを引っ張っていきます。メカ出てくると血が騒ぐのは、幼少のころからの刷り込みだ(笑)。

それが両輪となっての、いい相乗効果。なるほどー、と感心した一品でした。

○ 好きなものを描け~その後~

絶賛混乱中だった今週。

「好きなもの描いて、それに合った場所に持っていくのだ」という、基本戦略はいいとして。

そこから先に考える事がたくさんあって、ぐるぐるぐるぐる……。

好きなものは一つだけではなく、だから持ちネタも一つだけではなく、書こうと思えば書ける物が、五、六個手元にあって。

となると、どれから攻めるべきか。それによって場所も変わるし。

ぐるぐるぐるぐる……。

こういう時は、さらに前に戻って。

何でそんな戦略を立てたか、というところまで立ち戻り、検討。

判断基準を明確にすれば、一長一短で同じように見えた選択肢にも、差が出てくるわけで。

悩むのは経験豊富なので(笑)、きっかけ掴むと立ち直るのは早い。

「途中精神的に辛そうだけど、作品としては作りやすそうなもの」を選びました。

というわけで、春ごろにすごい嘆いたり愚痴ったりするかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。>周囲の皆様。

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2008/02/16

今週の雑感記 続々好きなものを描け

出してた企画、犬SFが滑り、しょんぼりな今週。

なるべく揺らがないようにしようと思うんだけど、どうしても揺らぐ。やっぱりボツは辛いよなあ……。

でも、それでも、切り替え、切り替え。闘い続けるためには、それが大切。それを2006年シーズン、レイソルに学んだのだ。

そんな中、刺激を得るための本読みは加速中。

○ 通りすがりのレイディ
  カレンダー・ガール
  逆恨みのネメシス
  そして、星へ行く船
 (新井素子 集英社)

続けて読んでました、「星へ行く船」の続編。

後書きによれば、二冊目の「通りすがりのレイディ」を書いてる時点で、全五巻の構成が出来上がっていたようです。

四、五巻が前後編になってるんですけど、そこでいきなり話がでっかくなるんで、びっくりしました。二、三巻が完結読み切りのように見せておいて、伏線に使われています。

そういう構想が実現できるのは、小説のいいところですね。漫画の今のシステムだと、かなり難しい。

それにしても、すごいエネルギーですよ、この本。

けっこう展開とか論旨の部分で、強引なところあるんですが。それに対して僕は、ネガティブな意見ではないのです。

だって、「強引」と「荒唐無稽」は、漫画のおはこだし。自分だってさんざんやって、むしろいかに強引にやるかが腕だね、と考えてるぐらいで。

こういうのって、細かい整合性とか、辻褄合わせよりも、エネルギーが大切だと思うんですよね。

いかに作者の言いたいことを出しきるか。どれだけの想いを込められるか。

隙がない作品を作るより、そっちが大切。それがエネルギーとして読者に伝わるので。細かいところを直すのは、熱伝導をよくするのが目的であるべきだ、と。

そんなこと考えてる僕が、この本を読んで。

すっげえ、エネルギーだな、と感じた次第。

登場人物に注ぐ愛情。

テーマをストレートに、余すところなく書き切ろうとする情熱。

そういうものが、文章からあふれ出してる。

実際それが伝わって、当時の中高生の読者に支持されて、人気だったんだろう、と思います。

ほんと、エネルギーこめないと。そのためには、揺らいでフラフラしてちゃ、だめだ。

そんな刺激を受けました。

○ 星虫 (岩本隆雄 ソノラマ文庫)

出だし、「宇宙飛行士になる夢を子供の時から追っているんだけど、みんなに笑われるのが嫌なので、それをおくびにも出さず、優等生を演じている主人公」を、僕は上手くつかめず、ちょっと入り込めなかったんですが、主人公の地が出てきたあたりから乗ってきて、そこから一気に読めました。

この作品も大きなテーマがあって、それを書き切るぞ、というエネルギーで動いています。人類の成長。種としての新たなステージへの脱皮。

しかし、僕が読み進めていたエネルギーは、「主人公の女の子と、最初嫌な奴だと思っていた男の子の恋の行方」でした。

美人の女性科学者とのただならぬ様子(実は姉弟)に、自分では自覚してないんだけど嫉妬して、むくれたりしてるんですよ。わくわく。

○ 続々 好きなものを描け

先週、「万難を排して好きなものを描け」とか書いてたら、ボツの知らせ。

ホントに万難がやって来た。タイムリー過ぎ(嘆)。まるで計ったかのよう。

まだ他にも審査中のがあるんだけど、「心の平穏のため、次弾装填をますます急がなければ。何書こう」と考えていたところ。

「面白くするためにどうするか」じゃなくて、「通すためにどうするか」を考えている自分に気付きました。

いかんいかん、揺らいでいる。切り替わってないよ、引きずってるよ。

これが万難のうちの一つ。己の弱さとの戦い。

そりゃ、通したいしね。通したら、受けたいしね。

でも、それに覆われてしまったら、それは媚び。好きでもないのに媚びて書いたら、エネルギーが足りなくて、ダメな物が出来てしまう。

好きなものが一個しかないって事はないんだから、好きなものの手持ちのカードを上手く組み合わせて、通り抜けなきゃ。

手持ちカードは、ちょっとほのぼのしたりとか、可愛かったりとか、楽しそうだったりとか。

あるいは切なかったりとか、ロマンだったりとか、ファイティングスピリットとか、あとは……。

どういう組み合わせだろう、と考え中。まず、どっちへ一歩、踏み出すか、だよな……。

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2008/02/03

今週の雑感記 星へ行く船

企画の月曜提出は余裕、と思っていたら。

読み返して直すところをいくつも見つけ、結局慌てる。出したのは、火曜。

バイク点検。部品交換してもらって、見違えるように元気に。

大事に乗らにゃあ。

中国製冷凍餃子。

「残留」とはもはや呼べないほどの濃度の農薬が検出されたと聞き、「もしや反日テロか!?」と怖くなり、冷凍庫をチェック。

だいじょうぶ。この肉シュウマイは、国産品。ホッ。

漫画を二本上げたのを機会に、研究所をチョコチョコといじる。連絡先をつけたり、目次の使い勝手をよくしたり。

でも一番はコンテンツの充実。がんばろう。

○ ハーメル回顧録

続編の新連載が始まったのに関連してご紹介に預かり、どどっとアクセスが。

紹介してくださったサイトの皆様、ありがとうございます。お越しいただいた皆様、いらっしゃいませー。

やっぱり話題になるなあ、ハーメル。何十万部も出てた漫画だからなあ。ナベ先生、そばで見てると全然偉そうじゃないけど(笑)、立派な先生なんだよな。

と感心したと同時に。

作家としては、師匠に負けないように、もっとがんばらないと、と、気合を入れなおしました。

○ 星へ行く船 (新井素子 集英社)

子供心を取り戻す旅を続けているわけですが。

ちょいと年齢上の方にも広げてみようかな、と思い立ち。で、まず取っ掛かりとして、昔読んだ本を図書館で借りてみる。

この本は、たぶん実家を掘り返すと、今もどこかにあると思うんですが、自分がタイトルと表紙の絵(竹宮惠子)に魅かれて買ってきたのか、それとも妹が買ってきたのか、すでに遠い記憶。

それぐらい記憶があいまいだと、ちょうどいい感じでオチが思い出せず、楽しく読めました(笑)。

この本は表題作「星へ行く船」と、その続編「雨の降る星 遠い夢」の二本立て。このままでは平凡な人生を迎えてしまう、と一念発起して家を飛び出し宇宙へ向かった、19歳の女の子、森村あゆみ嬢が、さまざまな事件に巻き込まれるお話です。

表紙にロマンチックSFとあおりが入っていて、そうだよなあ、と。あの当時はSF流行りで、これぐらいの軽いSFも多かった。

でもいつしか、SFと言ったら、もっと硬くて、本格的な物というイメージに。漫画で言うと、「プラネテス」とか「MOONLIGHT MILE」とか、細かくがっちりリアルに描きこんだもの。

読むのは好きだけど、描くとそっち方向に行かないのは、本質的にはこっちの人間だからなんだろうなあ、と思いました。

続編あったよな、と思って調べてみると、全五冊で、番外編も。二冊目までしか読んでない。という事で、全部読んでみることに。

○ 好きなものを描け

たまたま似たような話題が、別々の人との間であって。

方向性で悩んでるとか、ネーム詰まったとか、直さなきゃいけないけど、どうしようとか。

結論としては、結局、好きなもの描くのが一番いい、と思うんですよね。

こういうこと書くと、甘いとか、描きたい物と描ける物は違うとか、言われそうですけれども。

「好きに描く」のとは、ちょっと違って。

人に見せようと思って描いているんだから、伝えるための努力とか工夫は、当然、しなきゃいけなくて。

もっと、根っこの部分。

題材とか、テーマとか、メッセージとか、何を描くかの部分は、好きなものを描いた方がいい、と思うのです。

好きなものなら、もともと詳しいし、感度いいし、モチベーション高いし、執着心あるし。特に無理してがんばらなくても、かってに掘り下がっていくわけですよ。

それに。

お話作るとき、やろうと思えば、いろんな所に、どんどん面白そうな要素を付け足して膨らませる事ができますが。そんな事すると、詰め込むことになって、全体的にエピソードのさわりだけサラッと触れた、散漫なものになりがち。

このエピソードはいらない、このエピソードはむしろもっと膨らませた方がいい、と取捨選択が大事です。

その基準になる芯の部分が好きなものなら、ぶれづらい。

ただ、世の中とは、ままならないもので。

好きなものを描いていったら、担当さんに直しを出され、でもそれは一見大した直しじゃないように見えて、好きな部分が削られてるから、どうしていいやら分からない、という具体例もあるわけで。

僕もよくなるやつですね(共感)。

けれどそれでも、がんばって好きなものを押し通した方がいい、と思うのです。

現在は出版不況と言われます。そんな時、わざわざ買ってもらうには。

世の流れとしては、より目立ってお客さんを呼び込めるように、企画とかネタとか宣伝とか、いろいろ工夫してますが。

ライバルも多いからなかなか大変だし、大仕掛けになると一人じゃできないし。

そんな時、作家ができる一番シンプルなことは、作者と読者の間に、好きなものの共感関係を作ること。これは自分の好きないいものだから、そろえなきゃ、という、買うモチベーションが一段高い状態。

好きなものを突き詰めて描いて、それを好きなお客さんと心が通じ合って。

そういう作品を作りたいですねー。

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2007/12/22

今週の雑感記 星空から来た犬

フットサルで、体力の低下を実感。

運動不足。最近フットサル以外、ほとんど動いてないから。

もともと、テクニックよりも運動量のタイプなのに。これでは何も残らない(嘆)。

運動しよう。

○ 星空から来た犬 (ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 早川書房)

著者のジョーンズさんは、「ハウルの動く城」の原作「魔法使いハウルと火の悪魔」を書いた人です。

しかし、僕はそうと知らずに、タイトルで手に取りました。

だって、星空に、犬ですよ!(笑)

そして大当たり。

最初タイトルを見た時には、僕も犬型宇宙人の話を書いたので、同じことを考えた人がいたんだな、と思ったのですが。

この話はSFというよりファンタジー。星人と呼ばれる存在が出てきますが、宇宙人というよりは、星に宿る神様みたいな感じ。それぞれの星に宿ってて、いろんな仕事をしています。

主人公は大犬座のシリウスに宿る星人だったのですが、謀略に巻き込まれ、星人仲間の間で有罪とされ、その罰として、地球の生まれたての子犬の中に宿らされてしまうのです。

生まれたての子犬が、雑種だから売れないと、ひどいブリーダーの手によって殺されそうになり、なんとか助かって、心優しい女の子に救われ、だんだんと本来の自分を取り戻して……というお話。

犬の世界が丁寧に面白く書かれていて、それに大きな謎も絡んで目の離せない展開。引き込まれた僕は、一気に読み終えました。ホント面白かった。

さて、今年、児童書をよく読むようになって。

そこで思うのが、良い児童文学というのは、語り口は平易でも、けっこう難しいテーマを、ぽんと子供に投げかけるよなあ、という事。

この物語では、当時のイギリスの社会情勢が、織り込まれていました。

主人公を助けて飼い主となる少女のキャサリーンは、アイルランド人。お父さんがアイルランド独立活動に関わっていて、捕まっており、親戚の家に預けられています。

で、親戚がイギリス人で、ここの母親とか兄弟とかが、この子をすごいいじめている。近所の子も。理由はアイルランド人だから。

イギリスは長くアイルランドを支配下においていて、今でも北部はイギリスです。

そしてイギリス人の中には、そういう歴史のため、アイルランド人に対して優越感を抱いていて、バカにしている人がいるのです。

昔々、僕がクウェイトに住んでいた頃。

せっかく外国に暮らしているんだから、子供達に英語ぐらい身につけさせよう、と思ったウチの親は、イギリス人の家庭教師を雇いました。

ミス・ウェンディという若い女の先生は、英語さっぱりだった僕らに、色々な教材を用意して教えてくれていたのですが。

ある日。

その教材の中に、ちょっとしたジョーク集みたいなものがあり、その一文が。

どんなジョークだったかは忘れてしまいましたが、オチが「だってアイルランド人だからさ!」「はっはっは!」みたいなオチ。

何でおかしいのかさっぱり分からずにきょとんとしている僕を見て、ミス・ウェンディは悲しそうに、恥ずかしい事だけど、イギリス人にはアイルランド人を馬鹿にして笑う人がいるんだ、と教えてくれました。

わざわざヒロインをそういう設定にしたのは、作者にも思うところがあったのかなあと、あの時のウェンディ先生の顔を思い出して読んでました。

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2007/12/15

今週の雑感記 運命の息子

師も走ると書いて師走。

そのとおり、ナベ先生が大忙しで。

手伝う僕も大忙し。

今月に入って自分の企画が進んでないけど、もう諦めて来月か?

○ BLADE CHORD

作業しながら音楽チャンネルをつけていたら、abingdon boys schoolのPVがかかってて。

ふと見ると、やたらごついお侍さんが。どこかで見た顔と体つき。そしてドロップキックに対して、胸を開いた見事な受け。

これはと思って調べたら、やはり、大日本プロレスの関本大介選手でした。すんごいぶっこ抜きジャーマンを使う、パワーファイター。

ドロップキックは誰だろう?

PV自体も熱があって、かっこいい。

○ 同級生ダディ (フクダ地蔵 週刊ヤングサンデー)

これで三回目。

三話目ともなると、キャラもこなれてきた感じ。

このままがんばれ~。

○ ダレン・シャンⅩⅠ 闇の帝王 

  ダレン・シャンⅩⅡ 運命の息子 (ダレン・シャン 小学館)

二冊一気に読みました。おかげで寝そびれた(笑)。

バンパニーズ大王と決着をつけ、ダレンが闇の帝王として世界を滅ぼしてしまうという未来にも、決着をつけ。

一巻冒頭から振ってあった伏線を、きっちり使い切って見事に終了。

面白かったです。

読み始めたのが今年三月。仕事の合間を縫って読んでたから、これだけかかったけど、たぶん小学生の時の自分だったら、一気に読んでいたでしょう。

最後まで、意外性の煙幕を張り続け、先を読ませず驚きの展開。それでいて、冒頭に伏線が張ってあるという事は、オチは狙い通りで。

これだけ長い話で、そういう風に書き切ったのは、ホントにお見事。

このお話は結構激辛な描写が多く、僕だともう少し甘口の味付けになると思うのですが、こういうふうに読者を転がし続けて、狙ったところへドーンと落ちる話は、作りたいなあと思います。

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2007/12/01

今週の雑感記 大悪党

大忙し中。

○ ロンドン 悪の系譜 スコットランド・ヤード (益子政史 北星堂書店)

資料読みは続いています。

その中で感銘を受けた部分。

  1. 人には公平に処すべし。ただしその公平とは、己に利益をもたらすために犠牲となる機会を与えてやる場合に限ってのことだ。
  2. 人を信じない。敵を断固許さない。復讐は手間ひまかけて根こそぎ行う。
  3. 人には尊厳をもって対処し、顔は友愛の微笑を絶やさず、心は憎悪で固め牙を研ぐ。
  4. 人間の本性は欲望の底なし沼の如し。この沼にひきずり込めば勝つ。
  5. すべての美徳は宝石と同じく贋造は易い。だが本物同様に身に纏うのがコツ。真贋を見分ける者はロンドン中に一人か二人いればよいくらい希だから。
  6. 無頼の道は極めてこそ意義深い。中途半端では後世に名が残らないばかりか、物笑いの種になるだけ。極道の意義付けくらい容易なことはないのだから。つまり社会善、困った人を助けることこそ、この道の奥義だ。ただしそれは表向きの理屈である。
  7. 真に求めるものは富と権勢だけである。

十八世紀、ロンドンを牛耳っていた悪の大ボス、ジョナサン・ワイルドの座右の銘。

素晴らしい。まさに大悪党。

今回調べているのは十九世紀で、時代は違うんだけど、こんな悪い奴を相手にお話作ったら、さぞ盛り上がるだろうなあ、とウキウキしました。

最近では敵の親玉は、心が病んでいる人というパターンが多いけど、やっぱりこういう性根から腐っている豪傑の方が、タフで手強そうでいいなあ。

現実世界では、いてほしくないですが(笑)。

○ ダレン・シャンⅩ 精霊の湖 (ダレン・シャン 小学館)

この物語はずっと、現代を舞台にしたファンタジーでしたが。

この巻は、異世界に飛ばされて、ハーキャット・マルズの正体を探るというお話。舞台から出てくる物から、どファンタジー。

前回で一つ大きなエピソードを消化して、仕切り直しなので、思い切って雰囲気変えてみた、という作戦かな、と思いつつ。

どファンタジーだと思って読んでいたら、最後がSFでびっくり。

物語は「面白い」という事だけが重要で、ジャンルとか型とか、知らず知らずのうちにはめ込まれている枠なんて、壊しちゃっていいんだよね、と共感。

○ 枠

知らず知らずのうちの枠、というのは、そこら中に溢れていると思います。身の回りでもよく見かけます。

ただ、「面白い」という事はどういう状態だろうと考えた時、その中には「意外性」が含まれていると考えられて。

枠にはまっちゃってると、そいつがなかなか出てこない。

気持ちが枠に囚われている中で、無理に意外性を出そうとすると、たいていの場合「突拍子もない(風に見える)展開」という手法に落ち着いて、やっぱり似た感じになってしまいます。

僕なんかはベタな展開好きだし、作風も派手さに欠けるので、「意外性のある感じ」とは、もともと遠いのですが。

枠に囚われた心を解き放って、最初のひらめきを大切にしていけば。

狙う終着点が独自のものになり、自然と、一見ベタなのに普通ではない表現、普通ではない展開になっていくんじゃないかなあ、と思っているのです。

それができる環境をどう作るかが、課題です。

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2007/11/10

今週の雑感記 真夜中の同志

現在大忙し中。

戦いは、まだ終わらない……。

○ダレン・シャンⅧ 真夜中の同志

 ダレンシャンⅨ 夜明けの覇者 (ダレン・シャン 小学館)

資料読みが膨大で、ストップしていたダレン・シャン。一段落してきたので、再開。

9巻の訳者あとがきで、このシリーズの魅力を「先が見えないストーリー」「予想外の展開」「手に汗握る、ハラハラドキドキの連続」と挙げていますが。

作り手の視点からすると、これには二通りあって。

作者も分かんない展開と、作者は知っている展開。

前者は、とにかく予想を裏切る事を重視していて、前のエピソードを受けて、そこから捻って次の展開へ行く。作者が知らないんだから、読者が分かるはずもなく、当然ハラハラドキドキ。

後者は、作者に、オチはこうしよう、という目論見があって、ただ、すんなり行くとバレバレで面白くないから、わざと回り道して、煙幕を張って、先が読めないようにする。

僕は後者の方が好みで、嬉しいことに、この本の展開も、そうだったんですが。

素晴らしいですね。

「バンパニーズ大王」という単語が出てきた時点で、このオチは予想していたのです。というか、自分なら、絶対そうする、と思った。

ただ、回り道の仕方、煙幕の張り方があまりにも見事で、あれっ? 違うのかな? と思わされ。

そして想像以上の展開で、正体が明かされて。

そう。これが一番、燃える展開。でも、それを悟らせないのが、作者の腕。

ホントに素晴らしいですよ!

この運命にどうけりが付くのか、すごく楽しみです。

○ COMITIA82

梅木君がまた本を出します。

11/18東京ビックサイト東1ホール。会場内の配置場所は「ね-09b」の「雲形発着場」です。ちなみにお隣「すいか工務店」も、お知り合いのやんむらさんです。

あのあと、次のネームを切った梅木君。僕とおんなじ病気持ちで(笑)、ばっちり長かったわけですが。

その後さらに別のネームを切って、今回はまずそちらを本に。同じシリーズの、短めのコメディー。

今回も手伝いに行こうと思っているのですが、ちと忙しくて、心配。

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2007/10/19

今週の雑感記 揺らぐ自分

バッティングセンターに行き、かなり久々にボールを打ったら、勘がつかめなくて。

悔しくてむきになってかなりの数を打ち込んだら、勘を取り戻した代わりに、足に血豆が出来ました。(←ばか?)

○ 下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史 (戸矢理衣奈 講談社)

先週の雑感記で、「ブルマー誕生秘話」と面白おかしく取り上げた、あの本。

その後、意外な展開。

資料本を読む時は、小説を読む時と違って、一度ざっと速読して、重要そうな所を中心に拾い読み、という感じなんですが。

速読の時点では、直接今書いている作品に使いそうではない内容で、バックボーンを強化するために読んどくか、ぐらいの気持ち。

ところがちゃんと読んだら、キャラクターを立てるのに、ものすごく役立つ事が書いてあったのです!

この時代背景を踏まえると、違うエピソードが作れる。これのあるなしで、だいぶ違う。冒頭書き直し決定。

やはり色々素材を仕入れとくもんだなあ、と改めて思ったのでした。

○ 揺らぐ自分

最近揺らいでいるなあ、と思うんですよ。

長いスパンで物考えた結果、自ら遠回りしてるんだけど。

でも、あがいていても、なかなか結果が出ない。

そうすると、あの時は、このまま進んでも行き止まりになるな、と思ったんだけど、遠回りしても、結局行き止まりなんじゃないのか、とか。

遠回りなんかしないで、あのままあの場所で、状況に適応しちゃった方がよかったんじゃないか、とか。

色々不安が湧いて来るわけで。

気が付くと、どこか揺らいでいる自分がいます。

周りの人のアドバイスに対して、素直に乗れない自分。

別に悪い勧めじゃないのに、なぜか及び腰で、自分でも後で思い返してみると、受け答えが支離滅裂。

ああ、自信を失っているんだな、と思ったのです。

ふと、そういうふうに客観視できたので。

ここに書いて、そっちには倒れないよ! と、揺らぐ自分にくさびを打ってるわけですよ。

口ではいいこと言ってて、やってることは目先の妥協の連続では、迷走するに決まってんだから。

そういう時に、上記のように、一見遠回りだった行為が思いかけずに役立ったりすると、ささやかながら、やってることは間違ってないなと感じられて、嬉しいですね。

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2007/08/31

今週の雑感記 黄昏のハンター

資料読み、疲れてきちゃった……。

しかも、まだまだ不足感があるんですよ……。

準備モードに入ってそろそろ二ヶ月。「お話作りたい病」がむくむくと頭をもたげてきているのに、準備不足のジレンマ。

資料読みはこつこつ続けるとして、準備が要らないSFの簡単な話を、別に作ろうか。

それとも、とりあえず作り始めて、何が足りないのか見えてきたところで、資料を補充する作戦に切り替えるか……。

何かしなくちゃ、という気持ちだけが先行して、焦りが出てくるのは、夏もそろそろ終わるからでしょうか。

○ ダレン・シャンⅦ 黄昏のハンター (ダレン・シャン 小学館)

ようやく続きを借りる。ずーっと貸し出し中だったのです。人気あるなあ。面白いもんな。

買っちゃえばいいんだけど、ここまで図書館で借りてたら、最後まで借り切らないと、と意地でも(笑)。

とうとうバンパニーズ大王が登場。

いい感じで伏線張られてて、それが一つずつ形になっていき、期待感を膨らませていく。物語として理想の姿。

一つ、ずっと前から思っている予想があるんだけど、当るかな?

○ 梅木泰祐次回作

先週コミティアで。

梅木君の漫画が完売したのは、非常に嬉しいできごとでした。

初参加だから、全然部数出してないし、非常にささやかな成功なんですけど、それでも。

彼の描く漫画はちょっと独特のものがあり、新人賞の評者の賛否がバッキリ真っ二つに割れた、という過去を持っています。こういうタイプの人は、商業誌では苦労するのです。編集会議がなかなか通らない。多数決になってしまうと、厳しい。

長い付き合いで、そういう苦労をずっと見ていて。

でも、梅木君の描く漫画の雰囲気が好きな人は、きっといる、というのが、周囲の人間の共通する意見。

どんなに小さくても、それが形になったのが、すごく嬉しいのです。

それに、梅木君と僕の漫画には、共通点もあって。

二人とも同じ病、「ほっとくと長くなる病」を持っています。動機付けとか、気持ちのニュアンスとかをしっかりていねいに描きたくて、短いページにまとまらない。はしょってまとめると、つまらなくなるような気がする。

それも商業誌では苦労するところなのですが。そんな病を気にせず丸出しにして漫画描いていい場所が、この世にあるのだという事を実感できたのも、嬉しかったのですよ。

今週遊びに来た梅木君。さっそく次作のネームを切っていて、見せてくれました。いいね、やる気だね!

そして、そのネームは、ばっちり長かったです(笑)。

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2007/08/18

今週の雑感記 コミティア

暑い。

暑いですね(嘆)。

溶けそうだった今週。

これが温暖化のせいで、これから毎年こうだったら、どうしよう。

○ ロンドン ある都市の伝記 (クリストファー・ヒバート 朝日新聞社)

これも当たりの資料本。

各年代のロンドンの様子が詳しく書かれている本。相変わらず必要な所しか読んでないんですけど(笑)。

読んでて、色々なエピソードが思い浮かんできます。そういう断片がたくさん集まると、物語が生まれてくるわけで。この調子。

それにしても、産業革命後のロンドンの様子を読みながら、当然それよりはましなはずだけど、現代が重なって見えたのは、少し恐ろしい。

一部富裕層に富が集中、搾取、格差、長時間労働、生きていくのが精一杯の底辺層……。

世界は一体、どこへ行く。

○ コミティア

来週26日日曜、COMITIA81に参加します。僕は描いてないんですけど、売り子の手伝いで。

サークル名は「雲形発着場」です。忙しくて、場所とか細かい事、確認してませんが、一応告知。確認したら、また載せます。

本を出すウメ氏には、いつも「ケッタ・ゴール!」をチェックしてもらっていて、逆にこの本は僕がチェックしていたという、持ちつ持たれつの関係なのです。

……いや、持たれつの方が、少し多目かも知れない(笑)。

という事で、この漫画の読み応えには太鼓判を押します。

もし当日会場にいらっしゃいましたら、ぜひお立ち寄り下さい。

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2007/08/11

今週の雑感記 アンドロイド

エンサイン14を更新。

今週前半はちょいとゆとりがあったので、ケッタ・ゴール!の次のプロットを切る。

しかし、そこから大忙し。来週も。

サッカーの記事更新が間に合うだろうか?

水曜にも試合があるため、スカウティングだけでも一苦労(笑)。

○ Fly Away

作業中、BGMとして、CATVの音楽チャンネルをつけてたりするんですが。

最近つい手が止まってしまうのが、SEAMOの「Fly Away」。

PVに新日本プロレスの選手が出ていて、試合を繰り広げているので。普段の中継では見れない超接近映像もあり、おお、かっこいい、と。

曲はテンポのいいノリのいい曲。こういう曲は好き。

そして会場が千葉BLUE FIELDなのに、考えさせられ。

プロレスよく知らない人にも説明しますと、会場は常設会場を持っているKAIENTAI DOJOという団体の物なんですよ。リングとか入場ゲートとか、設営の手間が省けるから。でも選手は、テレビ中継のあるメジャー団体の有名選手。

プロなら悔しいと思わなきゃ、嘘だよな。がんばれ。

そんな背景にも、思いを寄せてしまうのです。プロレスファンの性(笑)。

○ ロンドン 食の歴史物語 (アネット・ホープ 白水社)

これは当り。ネタの宝庫。

こういうの読むと、だんだんイメージが湧いてくる。キャラクターが街の中で動くようになってきた。

もしこの企画が採用されて、仕事が続くようになった時には、購入して常備しよう。

○ アンドロイド

このブログのアクセス解析を見ていると、ときおり画像検索で来られているお客さんがいて。

何の画像を見に来たのかな、と見ると、「アンドロイド」のケースが多く。

需要あるんだな、アンドロイド。外国からも来ますからね。

僕はあんまりネタで語るの、好きじゃないのです。面白いかどうかは、転がし方が重要だと思っているから。

料理に例えると、プロの凄腕の料理人なら、その辺のスーパーの特売品からでも、美味しい料理ができるけど。

僕みたいなのに任せたら、例え最高級の和牛の一番美味しい部位も、「……とりあえず、焼く?」みたいなことになって、下ごしらえも焼き加減も塩加減もすごい適当に、「一応食べられるけど……」レベルの物にしかなりませんよ、という事で。

要は処理の仕方とノウハウの蓄積、料理人の腕が重要だろう、と。

でもやっぱり、素材の吸引力ってのはありますよね。自分もスポーツ漫画とか、必ず一度目を通すジャンルがあるし。

素材によって、期待できるものっていうのがあるんだと思います。

スポーツ漫画を自分が読むのは、あの勝負に賭ける必死なところが好きだからで。必死さをより引き立たせるために、色々な困難を印象付けてくれるのは大歓迎。

そこで、いろんなウンチク使ったり、アクシデントがあったり。

でも、そのネタに引っぱられて、必死なところを描き切ってくれなかったりすると、トーンダウン。ウンチクにウンチクで対抗して、苦労せずに勝っちゃうとか。

そういう読書体験から、腕が肝要、と思ってるんですけれども。

実際、例えに使う料理の世界でも、美味しさというのは、素材と腕の相乗効果なわけで。

素材の良さを腕で生かす、という状態にできるのが、一番いい。

今ちびちびと書き進めている「Sprig8」がアンドロイドの話ですが、ちょこっとだけ載っている「遙か彼方の……」もそうで。そこにけっこう検索で引っかかってる。これだけ需要があるなら、あれもそのうち完成原稿にしようかな、と思ったんですが。

あれは読み切りではなくて、連載のボツネタなので、続きがある。打ち合わせ時にはうまく処理できなくて、ボツの憂き目にあったんですけど、どうせやるなら、うまくやりたい。

僕にとっては、「アンドロイド=けなげロボ」なので、その辺描き切れたらいいなあ、と上記のように素材と腕の関係について、考えたのです。

しかし……。何年がかりなんだろう?(笑)

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2007/07/21

今週の雑感記 vsU-17

本日の練習試合@野球場、vsU-17日本代表は0-0のドロー。

うちも若手主体のチーム。土壇場落選を経験した、ヤナギの奮起に期待している今日この頃。惜しいチャンスもあった模様。

公式HPの試合ダイジェストはレイソル視点。ですがU-17がどうだったのかも気になります。山崎君はお休みで、比嘉君が途中出場したみたい。

U-17W杯は来月。放送あるのかな。

○ 海底牧場 (アーサー・C・クラーク 早川書房)

なつかしの「海底パトロール」は子供向けの本でしたが、新装版の文庫で読んでみました。

おぼろげな記憶によると、主人公は少年だったような気がするんだけど……。三十過ぎのオッサンだ。

子供向けの本だったから、ちょっと変えてあったのか、何か別のものの記憶と混じっているのか。もう四半世紀前のことだからなあ(笑)。

クラーク氏は、昔々静止衛星のアイディアを出して、アメリカの議会で意見陳述した、という有名なエピソードを持つ人で。科学的知見に基づいた描写の確かさと、その先見性には定評があります。

この本も五十年も前に書かれたのに、すんなり読める。増え続ける人類の胃袋を満たすには、養殖漁業しかない、という設定で、カウボーイならぬホエールボーイが活躍するお話。

実際に最近水産資源は激減していて、養殖の必要性が高まっています。鯨はもう感情的な反対論があって、さすがに無理そうですが。

逆にそういう感情的な保護論もお話に絡めてあって、さすがな感じ。

そういう世界観の話だけではなく、深海での冒険も満載で。

海底地震で海底山脈が崩れるところ、ここが子供心にインパクトがあって、よく覚えてた。

子供の心に大きな影響を与え、大人になって読んでも楽しめる、さすがの逸品でした。

○ スタートレック宇宙大作戦 NHKBS-2

本日土曜深夜(日曜日)1時15分より放送。見なくちゃ。

もう何度も見てるんですけど、手塚先生も、好きなディズニー映画を丸暗記するまで見たって言うし。

スタートレックと最初に出会ったのは、TVではなくてハヤカワ文庫のノベライズでした。

昔々、SFにはまった小学生の僕は、自分のお小遣いで本を買うことを決意し、新星堂の漫画コーナーの向かいにあったSF文庫の棚へと向かったのです。そこで。

「宇宙の戦士」とか「キャプテン・フューチャー」とか「宇宙大作戦」とかを買い……。全部タイトル買いだ! ホント分かりやすい子供だなあ。レンズマンのときにも書きましたが、心躍る単語に惹かれて、手に取っています。

その点「宇宙大作戦」という邦題は素晴らしいですね。もし原題の「スタートレック」のままだったら、「トレックってなんだろう?」と、小学生の僕は素通りした可能性大(笑)。

「宇宙」で「大作戦」なんて、どんな楽しい冒険物だろ、という僕の期待とは、ちょっと違っていたわけですが、それでもすっかりはまって。

そこから映画見てTV見て続編も見て、現代に至るのです。

おやっ? 全29回ってなってるけど、全部やらないの?

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2007/07/07

今週の雑感記 レンズマン

本日七夕です。織姫と彦星の年に一回の逢瀬の日です。

いつも七夕梅雨時で、何でこんな日と思ってたけど、本来は旧暦。今年だと8月19日。

旧暦は太陰暦で、月の満ち欠けで日にちが決まるから、7日はいつも上弦の月。それを天の川を渡る船に見立てたりもするそうです。そのほうがロマンチック。

ちなみに七夕の日に降る雨は、年に一度の出会いがかなわなかった二人の涙だそう。という事は太陽暦になってからは、泣いてばかり?

○ 船乗りクプクプの冒険 (北杜夫 金の星社)

次何読もうかな、と図書館内をぶらついていたら、この本のタイトルが目に飛び込んできて。

クプクプ。

いい響きだ……(笑)。

タイトルは聞いたことあったけど、この本読んだ事ないな、と思って借りてきました。おもしろかったです。

北杜夫さんは躁鬱が激しかった事で有名な人ですが。

この作品にもその跡がうかがえます。非常にユーモラスでノーテンキな話なんですが、どきりとするようなフレーズが、不意に、ぽん、と出てきます。

そんな時たま、すっとさす陰が、作品に奥行きを与えます。99%はノーテンキなんですけど(笑)。でも1%のスパイスが、隠し味として効いてる感じ。

児童書って、どこかに背伸びさせる表現があった方が面白いな、と最近色々読んでて思います。

○ 銀河パトロール隊 (E・E・スミス 創元SF文庫)

同じく図書館内を巡っていて、手に取ったこの本。久々にまた読んでみるかと思って。

この本は、僕の子供心を呼び覚ます旅に、欠かせない一冊なのです。

それははるか昔、小学生の頃のこと。国道16号線をえっちらおっちら自転車こいで、図書館目指して一生懸命通った記憶。

それまで僕のお好みはもっぱら推理小説で。怪人二十面相とか、シャーロック・ホームズとか。でも学校の図書室にあったのは全部読んでしまったので、図書館まで出かけてみることにしたのです。

子供心にはけっこう大冒険で、ドキドキ。また柏の図書館が、表通りから外れて、ちょっと奥にあったり。ちっちゃい看板あっただけで。小さな僕は、あそこで、この辺のはずなのに、とおろおろ(笑)。

そんな思いで辿り着いた柏図書館。当時の図書館は、入ってすぐ右手に子供の本のコーナーがあり、その一番奥の棚に。

揃ってたんですよ、SFが。

こりゃおもしろい! とひろし少年はたちまち引き込まれ、片っ端から読み漁ったのです。奥まった隅っこのところに丸く並んだソファーがあって、あそこにでれーっと寝そべって読んでたなあ。久しく行ってないけど、まだあるのかな。

その僕を引き込んだSFのうちの一冊が、こちらの「銀河パトロール隊」。もう一つ印象に残っているのが、クラークの「海底牧場」。子供向けタイトルは「海底パトロール」。

……分かりやすい子だ。「パトロール」というタイトルに惹かれたのが丸分かり。ちなみにこの後、「宇宙の戦士」と「宇宙大作戦」に行くんですよ、「宇宙」に惹かれて(笑)。

という事は、「宇宙パトロール」という話を作ればいいのか!(←違います)

この作品は、「レンズマン」の方が通りがいいですね。昔アニメにもなりました。劇場版の主題歌はTHE ALFEEの「STARSHIP 光を求めて」。あの歌も好きだったなー。

さて、そんな「銀河パトロール隊」。今読んでみると、物語の構造がよく分かります。子供心を煽る仕掛けがいっぱいです。

難しい単語で飾られてますけど、ぶっちゃけた話、すっげーでかかったり、すっげー強かったりするんですよ。

すごい優秀な主人公が、これでもかとばかりに持ち上げられて書かれていて、それに対するは、これまた想像を絶するすごい敵。そこで奮起した主人公が、特訓してさらにすごくなるという……。

少年漫画がエスカレートしていく構図と同じ。もう一度宇宙の大賢者アリシア人の所に行って特訓受ける時、友人のレンズマン、ウォーゼルの方が現時点では優秀だけど、お前にはまだ隠された潜在能力が……という話になる所なんか、まさにそう。

最初に出てくる超兵器「Q砲」の、のるかそるかの一発勝負な所もハラハラするし。(相手のシールドが貫けなかった場合、反動で自分の船が吹っ飛ぶ)

後々大活躍のヒロイン、クラリッサ・マクドゥガル嬢との出会いがケンカばっかで最悪なのに、2度目の出会いで惚れられる(しかも本人は気づいていない)定番のモテモテ構図にもウキウキ。

そういう楽しい仕掛けがいっぱいです。いいなあ、こういう話。味付け変えれば、今でも作れるかな?

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2007/06/30

今週の雑感記 バッテリーⅢ

提出してあった企画が、とりあえず一歩前進。

乗り越えなきゃいけない壁はあと二つ。

しかし、もう自分の手を離れているので、念を送るのみ。

が~ん~ば~れ~~

○ バッテリーⅢ (あさのあつこ 角川書店)

相変わらず、これを読んでしまうと文章に力がありすぎて、今やっている話がこっち方面に引っ張られそうになって、四苦八苦です(笑)。

おもしろいですねー。

ばっちり堪能して一息ついて、そのときふと思ったんですが。

天才主人公が転校してきて、運動部に入り、周りの人間が反発。

トラブルが起きて学校に知れ、校長先生の大人な対応(子供にとっては理不尽)により事件が処理され、廃部の危機。

そこで一発逆転を狙った奇策を使って、この試合に勝つかどうかで部がどうなるかが左右される……。

この展開って、よく考えてみたら、少年漫画なんかだともう、擦り切れるほど使い込まれた、王道パターンなんですよね。

でも、だからもう見飽きてんだよね、と言いたいのではなくて、その逆。

料理に例えるなら、牛も豚も鶏も、もう食べ飽きたから変わった肉じゃないとおいしく食べられない、という事はなくて、料理人の創意工夫と腕により、いくらでも「こんなの食べたことない!」というおいしい一品は作れるよね、という感想。

実際、自分の作品が引っ張られて負けちゃいそうになるぐらい、がっちり堪能して、楽しんでいる。読んでる最中に、これ王道パターンだな、なんて、微塵も感じなかったし。夢中だったから。

さらに考えたら、決めぜりふも、これ黄金パターンだよな、というのがあったりするんだけど。

でもそれがいいのです。例えば海音寺キャプテン。地元の有力選手を勝負に引っ張り出して。

「いいか、門脇にな、百四十キロ以上の生きたボールと勝負してみんかて言うたんじゃ。門脇、半分、いやほとんど信じてなかったみたいじゃけど。さすがに食いついてきた。どうだ、けっこういけてるだろう。けど、冗談言うたつもりは、ないからな」

月影先生の「マヤ、あの子は天才よ」と同じパターン。天才主人公を引き立たせるセリフ。すごい才能があるんだけど、まだ天下には知られていなくて、分かる人だけ分かっている。

かっこいい……。

大きく分類したらベタなパターン。でもそんな感じは全然しない。

単に受けそうなネタとして羅列されたわけじゃなく、作者によって作品が磨きこまれ作りこまれた結果だから。

その作品の中でそうであるべきものとして、そうなっているから。

それが、作品に命を吹き込むという事なんだと思います。めっちゃ燃える展開。

そういうのが好き。

これ読んだあと忙しくなったので、今週はこれ一本。

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2007/06/22

今週の雑感記 職業プロサッカー選手

バイク点検に出したんですが。

最近若干不調なところがあって、どうも経年劣化があるような。これ以上不調になるようなら、本格的な部品交換が必要になりそう。

だいぶ長く乗っているから、そろそろ買い替え時期なのかもしれないけど、僕、物に強く愛着持つ性質なので、その考えが脳裏をよぎったら、何か不憫に思えてきた。

頑張れ、レイドくん。

○ ミス・ビアンカシリーズ6 南極の冒険 (マージェリー・シャープ 岩波書店)

ショック!!

年取ってる!!

飼い主の大使館の坊やは年取った風ではなく、確かにネズミの寿命は短いしね、とは思ったんですけど。

そんなところでリアルじゃなくても、ねえ。この作品はネズミが喋る話だからという事で、全体的に良い意味でいい加減というか、現実離れした感じだったので、油断してましたよ(笑)。

良い意味でいい加減というのは、この巻で言うと。

皇帝ペンギンが、ストレートに皇帝だったところとか。ヒネリなし。しかもすごい偉そう。こういう感覚が凄く好き。さらに途中から、歪んだ人生観がにじみ出てきた専制君主っぷりも、ぐー。いい悪党だ(笑)。

○ ミス・ビアンカシリーズ7 さいごの冒険 (マージェリー・シャープ 岩波書店)

最終巻。

最後は大きな話ではなく、大使館の中での話。まあ、前回地球の果て南極に行っちゃってるから、これ以上エスカレートさせると、あとは宇宙に行くしかない(笑)。

これで七巻全部読んだわけですが、非常に楽しく読めました。児童書特有の大らかさがいいですね。

また、とても勉強になりました。

お話、と一口に言っても、考え方、書き方にかなり幅がある。そこのスイッチをきっちり切り替えるという点で、参考に。

○ フラガール

特に前段、セリフでサラッと触れただけで流れている要素があって、それはちゃんと絵で見せた方がいいのではないか、各シーンちょっと短めなんではないか、と思ったんですが。

そういうテンポでも受けてる物はたくさんあるから、その点は単に好みなのかもしれない。

そんな細かい所が気になる気分も、最後の踊りのシーンが、長回しで大迫力でがっちり撮ってあって、それ見たら吹っ飛んだ。

終わり良ければ全て良し、というのはこういう事だよね、という見応え十分のクライマックスがとても良かった、良作。

○ 明日をつかめ~平成若者仕事図鑑 NHK教育

世の中にある色々な職業を、そこで頑張っている若手の人を追っかけて紹介する番組。今回は。

「プロサッカー選手」大分トリニータ・金崎夢生選手。「むう」と読むんですよ。

開幕からいきなり活躍した高卒ルーキーという事で、注目された金崎選手。そこで白羽の矢が立ったのでしょうか。サッカー界若者代表。

そして開幕から試合に出ているという事で、U-20代表にも選ばれるシーンが……。あれで入れ替わるようにヤナギが落選したんだ……。クヤシイ……。やはり試合に出てナンボなのか……。

いやいや、そういう思いで見る番組ではありません(笑)。

結局U-20W杯は、金崎君もケガの影響で残れず、逆にケガによる入れ替えで、ウチの桐畑君が滑り込み選出。うーむ、人生のドラマは一筋縄ではいかないな。

ちなみに、今回たまたまサッカー選手が取り上げられていたから見てみたというわけではなく、毎週見てるんです。頑張ってる人のドキュメンタリーが好きなのです。

NHKの地味目の企画に、いいのが多いですね。

DVD売ってた! その中から二つ貼ってみました。警察官と声優さん。この回よく覚えてる。

特に声優さんが、業態的に似たとこあるから、身につまされてなあ……。

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2007/06/09

今週の雑感記 バッテリーⅡ

サッカーの試合がたくさんあったため、2週間ぶりの雑感記。

という事で、ちょっと多め。

○ ダレン・シャンⅤ バンパイアの試練 & ダレン・シャンⅥ バンパイアの運命 (ダレン・シャン 小学館)

その後ちゃんと借りられました。よかった、よかった。

それにしても、ずいぶんきつい描写がてんこ盛りな二冊でした。闘うところリアルに書いてるから。

これ、日本だと、子供向けで書かせてくれるだろうか? 僕の漫画は血を見るような展開は無かったから、言われた事ないけど、やっぱり控えるように言われるケースもあるのです。

こういうのの判断が難しいのは、結局何のために書くのか、という部分が絡んでくるから。この話の場合には、あそこまで書かないと伝えたい事が伝わらない。説得力のない、きれい事になってしまう。

その直前まで単純な勧善懲悪のように書いておいて、戦いが始まった時に暴力とはこういうものだと突きつける展開は、見事だと思いました。

○ ミス・ビアンカシリーズ5 オリエントの冒険 (マージェリー・シャープ 岩波書店)

こちらは逆ベクトル。

オリエントの国の王妃様がすごい暴君で、ちょっとでも自分の気に入らないと、周りの人間をバンバン処刑。

しかもその処刑の方法が、生きたまま象に踏み潰させるという、なんとも残酷なもの。

しかし、そのシーンを直接描写する事はなく、巧みに回避。

そりゃ、そうです。小さなネズミが頑張るかわいい話で、そんなショッキングシーン書いてしまったら、作品の雰囲気が吹っ飛んでしまいます。回復不可能。

その辺の調理の仕方で、味付け変えるのが、作家の腕の見せ所。

そうなんだ。今書いてる犬SF、一つそういうシーンがあるんだ。どこまで書こう……。

そろそろ追い込みかけて、今月中には形にしたいです。

○ バッテリーⅡ (あさのあつこ 角川文庫)

6巻まで一気に読もうと思ってたけど、方針変更、ちびちび読んでます。

なぜかというと。

文章に力がありすぎるので。

なんか引っ張られて、作風変わりそう。

やっぱりおもしろい物には、それだけ影響力があるわけで。ネタパクリとかはしないにしても、頭の中がそれ色に染まってしまうと、雰囲気がそっち寄りになってしまったり。

気をつけないと、今やってる話が、当初の狙いからずれた方向に引っ張られちゃう。

とくにこの巻は、いじめの問題やら、管理教育の問題やら、シリアスな話が張り詰めた緊張感と共に書かれていて。

ずしりと心に残るから、なおのこと。

○ ラブコメ・ミステリー

次回作の準備、と思って考えてて、はたと気づく。

これきっと、宙に浮く……。

男の子視点でも女の子視点でもない、中性的な書き方になってて、売り先がはっきりしない。

探偵小説にかぶれた英国貴族のわがままお嬢様と、その子に拾われた厩番の男の子が仲良くなって、数々の難事件を腕力で解決、それじゃミステリーじゃないよ!(笑) という楽しい話を考えていたんですが……。

たぶんいつもの調子で楽しくは書けるんだけど、ジャンルも宙ぶらりんだし、このままだと採用されない予感。何かを変えないと。

○ 出来ない事

単行本作業中の佐々木先生のお宅にお邪魔。手伝うわけでもなく、ほんとうにお邪魔(笑)。

色々と漫画の話をしました。その中で最近僕の心を占めているテーマに関連した話題としては、プロとアマチュアのボーダーがあいまいになってきていることとか、それでも表に名前が出ることの大きさとか。

ボーダーがあいまいに、というのは、商業誌の数が増え、中にはネットで展開する雑誌も出ていること、それに対して個人もネットを使えば、作品の発表が低コストで出来るようになった事。

それに対し、発表するのは簡単になったけど、表舞台に広まるようにするのはまだまだ大変で、そして表舞台に上がった時の効果は、やはり絶大だという事。

そうなんですよねえ。

個人じゃないと出来ない事、表舞台に立たないと出来ない事。

色々考えますね。

○ ガンガン7月号

12日(火)、ガンガン7月号発売です。師匠渡辺道明先生の新作読み切り「サスケ剣風録」掲載です。

ネームは見たけど、原稿見てないんですよね。どんな仕上がり具合なんだろう。

実は「カスタードくん」のときは、ナベ先生の仕事場にお邪魔して「ケッタ・ゴール!」を描いていたのです。だってナベ先生んちの方が広いし、コピー機とか揃ってて便利だし(笑)。

一見、ナベ先生がアシスタント達をそろえて仕事しているように見えて、手元を見ると違う原稿という、おかしな仕事場でした。

というわけで、今までは原稿の段階でいつも見ていたのですが。雑誌に載ったのを見るのが初めて、というのは、なんとナベ先生を紹介されてアシスタントに入るとき、どんな漫画だろうとハーメルを買って読んだ以来の十数年ぶり(笑)。