ピアノをきかせて
ピアノをきかせて (小俣麦穂・著)を読みました!
小学五年生の土屋響音(つちや・ひびね)は、いい音楽を聴いて思わずその風景を風景を想像してしまう女の子。響音にはピアノを習っている姉の千弦(ちづる)がいる。ある日学校行事で伴奏する千弦の音に、以前のようなきらめきがないことに気づいて響音は戸惑う。さらにコンテストに出るという姉にひさびさ聞いてと頼まれた時、姉がメンタル的に追い込まれている様子も見てしまう。
そのコンテスト厳しい評価を受けた千弦はピアノを弾かなくなってしまった。ちょうどその頃、叔母の手伝いで町のイベントの音楽劇に出ることになっていた響音は、その題材の『雪の女王』から、カイを助けたゲルダのように、音楽でお姉ちゃんの凍った心を融かそうと決意して……。
電子書籍がないから、リンクが貼れない。ハードカバーの児童書なんてもう、よほど大きな書店じゃないと棚がないだろうから、むしろ積極的に電子化した方がいいような気がするけれど、したらしたで読者の子供は減っているから結局あまり売れないということなのだろうか。児童書はもう図書館用専売商品なのだろうか。
爽やかな読後感でいい気持ちになって、ブログで紹介しようと意気込んだら、本の未来に暗い気持ちになってしまったのですが。
お話はとてもよかったです。楽しそうな響音の様子でスタートして、明るい話と思わせて、そこにポツン、ポツンと黒い雫が垂れて滲んでいくように、先々の不安を駆り立てる。
響音と姉の千弦は仲がよく、姉にかかりきりの母も響音を邪険にしているわけではない。だけどどこか、この家族は歪んでいる。そんな感覚が、千弦がコンテスト用の曲を響音に聞かせるところで最高潮になります。はらはらします。
そこから友達や先輩と共に、音楽劇でお姉ちゃんの凍ってしまった心を融かそうとがんばるのですが。
じわじわと解けていくところが、非常によかったです。
音楽がテーマのお話で、実際にある曲が出てきます。その中でも『戦場のメリークリスマス』が印象的に使われています。読みながら頭の中で何度もかかってた。いい曲ですよね。
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