webtoonと漫画
僕は昨日、毎週恒例の、Xに上げた漫画の感想をまとめて、さらに感想を追記した記事を書きました。あちらのシリーズの方針は「基本、褒めポイントを書く」なので、本日のこの話題は別口でお送りすることにした、というのが本日のお題。
webtoonと漫画は別物だよなと再確認したというお話です。
ジャンプ+に連載されていた『怪獣8号』が、先日最終回を迎えました。そして今週、それをwebtoon化、つまり縦読み化したものが載っていたのです。『ジャンプTOONお試し2話無料』とあるので、そっちに誘導したいのかな。
webtoonに関しては、ここでも何度か触れていますが、僕は「得意な表現が違うので、ほぼ別物じゃないか」という意見。
そしてそれが、この作品にはよく表れているなと思ったのです。
『怪獣8号』には軽快な語り口と読みやすさがあって、それも魅力の一つじゃないかなと僕は考えてるのですが。
なくなってる。
間延び感がある。
原因ははっきりしていて、コマ割りです。
もともとの原稿をバラしてコマを再配置しているのですが、その時webtoonの慣例に従い、スマホ一画面一コマに並べている。そして横長のコマとかもあるので、コマとコマの間にすごい余白がある。
コマの間の余白を大きく取るというのは、漫画においては時間経過を表す技法です。そういう意図ではないと理屈ではわかっていても、どうしても読んだ感じでは遅く感じるのです。
作者の意図より遅く感じてしまう問題が、この作品では顕著になるのが、最初のシーン。怪獣が出てきて、ナレーションが入り、そして報道の音声がかぶる。その時、ライブ感を出すために、アナウンサーのセリフが画面に対して一拍遅れている。映像を見ながらしゃべっている感じを出しています。
そしてそれは「一拍」じゃないと、臨場感が出ない。
それが縦読みになると、前述のような配置のため一拍以上の遅れになってしまい、ただ単に画面とセリフがかみ合っていない感じになっている。
この次の主人公初登場のシーンもそうで、漫画の場合コマの大小で目に留まっている時間が違うのを利用して、特にコミカルなシーンではたたみかけるテンポを作るのですが、それがなくなっている。
これを意図通りにするには、コマの中にいれる情報量を増やして、もうちょっとコマ内時間を圧縮するとか、いくつかのコマに分けているのをやめて間のコマをひとまとめにして、インパクトのあるシーンがどんどん目に入るようにするとか、別の工夫がいると思うんですよ。
今webtoonは、「漫画の進化系」という扱いで記事が出ていたりします。なので、ジャンプブランドでも縦スクロールコミックを、ということになっているんだろうなと思うのですが。
僕は本質的にはもっと離れていて、漫画に対して絵本とか紙芝居ぐらいの距離があるんじゃないかと感じています。
例えば水木しげる先生は戦争から復員したあと、最初は紙芝居画家で、そこから貸本漫画家への転身じゃないですか。絵で物語を表現ということでは共通の技術があるので、作家が両方やることは可能。絵本もそうで、やなせたかし先生はもともとは漫画家です。でも、表現形式が違うから、絵の描き方、お話の進め方は違ってくるのです。
僕はwebtoonにあまりはまっていないんですけど、印象として上記のようなネガティブな間延び感があるからなんですよね。
でもそれはきっと描き方次第なので、もっとwebtoonは独自のものだと考えて、出版社も漫画に寄っかかることはせず、表現を突き詰めていった方がいいんじゃないのかなと思うのでした。
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