漫画も頭打ち
こちらの記事を読みました。
電子コミック市場崩壊の危機 パピレス 天谷 幹夫 日本電子出版協会 25/8/1
特に気になったのはここ。
それは、毎年報告されているインプレス総研の『電子書籍ビジネス調査報告書』の電子書籍の利用率調査に見られます。この利用率調査は、モバイルインターネットユーザ約10,000人に電子書籍の利用有無、および課金、無課金をアンケートにより毎年集計したものです。この結果、有料の利用率は2017年の17.6%から2021年まで徐々に伸びて20.5%を達成しましたが、それ以降3年連続して低下し、2024年は18.7%になってしまいました。これに対して、無料の電子書籍のみを利用するユーザの利用率は、2017年の22.8%が徐々に増加し、2021年で24.8%になり、その後も増加し2024年には、28.8%になりました。各社が無料施策や販促施策を行ってきたのは、それによって電子コミックの認知度を高めユーザを増やし、最終的には課金ユーザの増加に繋がると考えてきたからです。しかし現実には、過当競争により無料のユーザは増やすことはできたが、今まで有料で読んでいたユーザも無料で読むようになったということです。
このため、電子コミック市場の見かけの流通総額は増えているが、実質売上は減少しているため、実利を得ているところも少ないと推定されます。これが紙コミックの出版販売であれば、1冊の本に紙代・印刷代・製本代・流通費の対価が大きくかかりますが、電子コミックの場合はその原価の割合が低いため、容易に70%還元や1冊無料が出来てしまう訳です。また、電子書籍業界では、海賊版対策が大きな問題になっていますが、2020年時点の海賊版サイトに掲載されたコミックや雑誌の冊数は27,000冊(総務省調査)となっていますが、まるごと無料を前面に出している販促重視の電子書店などは、無料冊数が約50,000冊と海賊版サイトをはるかに上回る冊数で、読者に提供している訳です。海賊版以上に無料の読者を増やしていると言えます。
漫画の売り上げが上がっているようなデータが出ているけれど、中身を見てみると無料で読んでいる読者が多く、有料読者はむしろ減っているのではないか。
これは難題ですよね。
読むきっかけ作りは、ネットにおいて非常に難しいなと思うのです。自分自身を顧みてみると、僕がここに定期的に感想を書いているのは、週刊少年ジャンプ、サンデー、マガジンの三誌に、漫画サイトでジャンプ+とマガポケなのですが、定期購読していても、意識しないと新連載を読まなかったりします。紙の雑誌だと目当ての漫画を探してページをめくっているうちに、なんとなく目に入って気になるというケースがあったのですが、電子書籍やネット掲載だとそれがまったくないからです。
感想を書くと決めているから、読む量を維持しようと新連載を読むという部分があり、それがなかったら無理して読んでいないんじゃないかと思います。
この最初のハードルを乗り越えようとすると、紙の本の時代より広告に力を入れる必要があるし、そしてとりあえず読んでもらうにはただより安い物はないわけで。
一時的にでもサイトに流入する読者を増やせるメリットを、すぐに諦められるかと言うと難しそう。
かといってきちんと対価をもらわないと、先細って維持できなくなっちゃいますしねえ。なかなか大変な問題ではないかと思います。
これについては個人でも、どうやって知ってもらうか、そしてそこからどうやってお金を払ってもらうかというのは大きな問題なので、注目しています。うまいバランスを模索中。
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