一人出版社と文学フリマ
ここでの記事で出版不況というふうに簡単に言われるけれども、ジャンルによって様相がだいぶ違うということを書いています。なので解決策も場所によって違うと思うのです。
そういう中での一つの解決策だなあと思うのがこちらです。
出版不況なのに続々参入!なぜ「ひとり出版社」が増えているのか? @DIME 2025.03.09
一人出版社の経営についての記事。規模と目標をダウンサイジングして生き残るという方法です。
ただ、「生き残る」という言葉には、手段を選ばずがむしゃらなイメージがついてきますけれども、むしろめっちゃ手段を選んでいる。
こちらも何度も書いていますけれども、これまでの出版というのは漫画と雑誌によって支えられていた部分が大きい。それがデジタルシフトによって失われてしまっているというのが今の状況です。
なので、その他のジャンルは当然、元々の需要のサイズまで落ち込んでいくことになる。そうなると書店の維持は難しいですし、流通もそうです。
ただ、その過程で考え方を変えれば、別の豊かな生態系が見えてくると思うのです。
ぼろく儲けたいのであれば、今ちょっと問題になってますけれども、生成AIを使った中身すっかすかの電子書籍を大量に作るというような方向に向かうでしょう。
しかしそういう「ぼろく儲けなければ」というしがらみから離れれば。
もしかしたらそれは副業の一つという形になってしまうのかもしれませんが、こうして丁寧に内容を吟味したものが作れる。
そしてその販路の一つとして、文学フリマが挙げられているのも興味深いところです。
もともと電子書籍が誕生し個人出版ができるようになって考えていたのは、今までテーブルマウンテンみたいな形でプロとアマチュアの間に高い断崖があったものが、崩れていってなだらかにつながるようになるのかなというイメージでした。ビジネスと趣味の間になだらかなグラデーションができる。
そういう部分では、文学フリマはもともとアマチュアのイベントと限ってはいません。そこがこれからますます重要になるのでは。
もともとこっち方面の本は、情報源として新鮮さが重要な雑誌や、漫画家の非人間的な働き方によって維持されてきた漫画と違い、毎週大量に消費するものではありません。であれば、何か月に一度のイベントで読みたい本を探して買い込むという購入パターンもあり。常設の売り場でなくてもいいと思うんですよね。
この流れがどう膨らんでいくのか、楽しみだなと思います。
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