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2025/02/15

絵本専門店と教育熱

こちらの記事を読みました。

本屋さんが減っている今、15000冊の絵本専門店が開店 なぜ?異業種に挑戦した「わかさ生活」に聞いた 太田浩子 まいどなニュース 25/2/6

健康食品の通販会社『わかさ生活』が、愛知県名古屋市に1万5000点の品揃えで絵本専門店を開いたというニュース。

ただの書店ではなく、絵本というのがなかなかの目の付け所だと思いました。

記事の中で出版不況について触れられていますが、実は子供向けのジャンルは漫画と並び、不況と言われる中でも成長しているジャンルです。

子供向けが成長しているというのは、少子化が続いていることを考えると少し不思議ですが、僕は教育熱の高まりと連動してるんじゃないかと見ています。

子供の数は減っていますが、逆に子供のいる家庭での教育熱はかなり高まっているようで、例えば一例として、中学受験者数は2023年度に過去最高となりました。半数以上の子供が私立中学に進学する小学校もあるほどです。中学受験の低年齢化は進んでいて、小3、小4で始めるのも普通ですから、子供が強い意志を持って受験に踏み込んだとは思えない。親の意向がほとんどでしょう。

これはあくまで一例で、中学受験するから読書好きにするために本を読み聞かせる、という因果関係のはっきりした一対一の関係が需要の伸びの原因すべてだとは思いません。ただ熱の高まりにより、子供にいい教育をしてあげなくちゃ、そしたら読み聞かせもしなくちゃ、ぐらいの影響はあるような気がします。

実際、「よい教育」の中に読書は入っていて、小中学校では朝の読書運動が取り入れられています。よく若者の読書離れが語られますが、それは実態にそぐわない言葉で、小中学生の読書量は以前より多いのです。そういうふうに子供には読書が働きかけられているので、子供向けのジャンルが少子化にもかかわらず伸び続けているのだと思います。

これは個人的には非常にありがたい話です。なにしろ僕は児童向けSFで小説家デビューした人間です。自分のフィールドが賑わっているのはとてもめでたい。

わかさ生活さんのこの取り組みも、ぜひともうまくいってほしいです。

ただそれと同時に、ではそのように入り口は整備されているのに、なぜそれが後ろに繋がっていないのかという問題が生まれます。出版不況のうち、雑誌はともかく文字ものの衰退はおかしいということになる。こちらについても思うことはあるけれど、それはいずれ機会があれば。

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