選挙と感染対策
選挙でした。
自民党、公明党が大きく議席を減らし、与党過半数を維持できなかったという結果となりました。
しかし今回は、個人的にはそれよりも重大な問題があったのでした。
まあだいたい、自分がいつも考えていることと100%一致する候補なんかいないので、こっちの方がマシかなと考えながら投票するのですが。今回はその「まし」のレベルが低すぎた。
まず「自民党には入れられない」が大前提でした。石破総理はない。総裁就任後、ポロポロと手のひら返しをしてあっという間に支持率急落していますけれども、元々そういう人間じゃんか。総裁選で投票した議員は人となりを知れるぐらいそばにいただろうに、何を見てたんだ。
ということで、では他はどうかなと思った時に、僕が今一番気になっているのは、五類格下げ以降まったく顧みられることのなくなった感染対策なのですが。
これが本当に全然論点になっていない。
それどころか、立憲民主党の原口議員が陰謀論にどっぷりはまった反ワクチンで、とうとう製薬会社の明治ファルマからデマを撒き散らしたと提訴されたのに、党はこれを不問とする姿勢を示しました。
そして主要マスコミはこれを全然報じていません。絶対に有権者が知らないといけない判断材料のはずなのに。
選挙に影響を及ぼすことを気にしたのか、それとも大したことじゃないと判断したのか。日本はマスコミも科学でに疎くて、ワクチンに関しては過去デマを流して大量殺人に加担した側なので、後者があり得るのが絶望的です。
すっかり無視されている新型コロナ感染対策ですが、5類格下げ以降の新型コロナ死亡者が、3万2000人という記事がひっそりと出ていました。
コロナ死者、年間3万2千人 5類移行後、インフルの15倍
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類となった2023年5月~24年4月の1年間で、死者数が計3万2576人に上ったことが24日、厚生労働省の人口動態統計で分かった。季節性インフルエンザの約15倍と格段に多く、大部分を高齢者が占める。政府は重症化リスクの低下を理由に新型コロナの類型を引き下げ、日常生活の制約はほぼなくなったが、今も多くの人が脅威にさらされている。
例年冬にかけて感染者が増える傾向にある。東北大の押谷仁教授(感染症疫学)は「高齢化社会の日本で被害を減らすために何ができるのかを一人一人が考えないといけない」と訴えている。
人口動態統計のうち、確定数(23年5~12月)と、確定前の概数(24年1~4月)に計上された新型コロナの死者数を集計。その結果、3万2576人となり、65歳以上が約97%だった。同時期のインフルエンザの死者数は2244人。新型コロナは、ウイルスが次々と変異して高い感染力を持つ上、病原性はあまり低下せず、基礎疾患のある高齢者が感染して亡くなっているとみられる。
共同通信 24/10/24
「ひっそり」と書いたのは、ここに引用しようとNHKのサイトに行っても見つからなかったからです。東日本大震災の1.5倍の人が亡くなっててもニュースじゃないんだって。ちなみにこのまま行くと毎年なのにね。すげえなほんと。
ちなみにこれを見て「亡くなったのはほとんど高齢者だから、寿命で死んだだけだ」的なことをうそぶく人がいて、気づいてないんだ、やばいなあと思っています。
オミクロン株になって以降、確かに致死率は下がっています。なので自分や身の回りでかかっても、死ぬ人はそんなにいない。そこで上にあるように、「基礎疾患のある高齢者が感染して亡くなっているとみられる。」という認識になる。
けれども、感染したけれど死ななかった人は無傷なわけではないのです。後遺症の研究が進んでいます。かかった人は、例え無症状でも後遺症になる場合があります。後遺症の原因は、どうやらこのウイルスは初期症状こそ呼吸器疾患ですが、そののち全身の細胞に感染していくための模様。
特に問題になるのが、まず一つ目として細胞内のエネルギー発生器官、ミトコンドリアがやられること。そうすると立ち上がれないほどの倦怠感に悩まされる人が出る。そして、血管の細胞もやられます。心臓や循環器の病気のリスクが上がる。さらに脳への関門もやられるようで、ウイルスの侵入を許し脳細胞もやられる。脳が委縮し、IQも下がる。ブレインフォグと呼ばれる、記憶力、理解力、集中力の低下が発生します。
これがけっこう高確率です。かかって、後遺症を発症して、この辺の症状を引いて働けなくなる確率が、致死率よりずっと高い。死者が3万2千人なら、確率的に考えて、この数倍、下手すると数十倍の人が、やられている可能性がある。
そして、なかなか完治しません。後遺症の話が出始めたころ、「一年後に症状が残っている人は」という表現だったものが、「二年後」「三年後」と伸びている。2019年にパンデミックが起き、後遺症の研究が始まり、そのデータをまとめて論文にしてと、発表までにかかる時間を考えると、これは後遺症がずっと治っていないという表現です。
要旨:コロナウイルス長期障害リハビリ施設から退院した患者を追跡調査
— Angama (@Angama_Market) October 17, 2024
発見:90.2%が感染3年後も重大な障害。退院後に悪化する患者もおり、再発と変動が特徴。感染前の状態に戻った患者は9.8%。疲労・認知障害などが多い。症状の負担は糖尿病、心不全、多発性硬化症等以上https://t.co/CBMBLqsKYw
感染前の状態に戻った人が、10人に1人だぞ。
要旨:ノルウェーでコロナウイルス感染した15737人の長期障害を追跡調査。平均46歳、75%が基礎疾患なし
— Angama (@Angama_Market) October 17, 2024
発見:記憶と集中力障害が最も顕著。疲労等が徐々に改善した一方、認知症状は調査した22か月間残存・悪化。急性期症状より感染自体が原因。他の感染症より後遺症が多いhttps://t.co/TgckEVafAk
ダメージを負ったまま、残りの人生を過ごす可能性がかなりある。若いので死なないから大丈夫なのではなく、若いので死ななかった代わりに 後遺症で一生苦しむ。
外国では経済にダメージを与えているという研究も出ています。
<ネイチャー誌の掲載の新たな研究によると、Long COVIDの世界経済への影響は年間1兆ドルに達したという>
— Offside🌻 (@yfuruse) October 21, 2024
いま手をうてば、日本はまだ損失を抑えることができるのに、経済界も政治家も暢気すぎる。 https://t.co/sRh62q2AFB
これは絶対数年後に大問題になると思うんだけど、コロナ禍初期に野党が「コロナはさておいて」とやってたくせに後になってわあわあ言い始めたあの茶番を、また見せられるのかなあ。
絶望的な選挙で、やはりこの件に関しては国はまったく頼れず、自衛するしかない、という思いを強くしたのでした。
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