小説投稿サイトのいま
9/6から9/8までの三日間、僕も参加しているNPO法人HON.JPが、HON-CF2024というイベントを開催していました。
僕はCFという略語を見るとセンターフォワードCentreForwardと当ててしまうサッカー脳。次点がカフェCafeですね。どちらも外れです。
正解は出版をめぐる色々な話題についてのカンファレンスConference。現地参加もありオンライン参加もありで3日間という、大規模イベントです。
僕は週末ちょっとバタバタしていて、リアル参加どころかオンラインでも見れていなかったのですけれども。
ただこのイベント、アーカイブ視聴であれば10月末までチケットを買って見ることができるようになっております。素晴らしい!
ということで、本日は数々のイベントの中でも一番気になっていたこちらについて見てみましたよ、という記事。『小説投稿サイトのいま』。
パネリストは「小説家になろう」運営の株式会社ヒナプロジェクト代表取締役社長・青山侑矢氏、「カクヨム」株式会社KADOKAWAデジタル戦略局局長 / 株式会社ブックウォーカー代表取締役社長・森田岳氏、「エブリスタ」株式会社エブリスタブランディングプロデューサー・西山沙輝氏。司会はNPO法人HON․jp理事長・鷹野さんです。各サイトでの取り組みなどを、司会の鷹野さんが質問していく形でした。
この紹介された投稿サイト。日常的に使っているのはカクヨムですが、他も一応使ってみたことがあったり、アカウントがあったりします。そういう点でも、いろいろ気になります。
さて鷹野さんの質問は進み、サイトの現状とかいろいろと行っている施策とかについての興味深い話が続きまして。
特に気になったのがこちらの質問に対する答え。「クラシックなファンタジーとかシリアスな戦争もののような、Web小説とはカテゴリーエラーを起こしているのはないかと懸念される小説に対して、どういう取り組みをしているのか」です。
こちらは本当に気になります。なぜかと言うと、僕が常にそういうカテゴリーエラーを起こし続けてきた人間だからです。若い頃の漫画の持ち込み時代からずっと、今考えてみればそれが原因で苦戦している部分がありました。
パッと見て売れそうな、今流行っている要素を、きちっと揃えられない。なので自分が一番面白いと思って描いたところを「ここはいらないよね」と打ち合わせで一番最初に削られる。自分の感覚的には残骸から売れるものを作れという形になるので、ほとんどうまくいかない。その繰り返しでした。そこで何とか世間と重なるところはないだろうかと、いろいろ試行錯誤しているのです。
そういう状態なので、キャッチ―なセンスのよさでさくっと読者を集められるとは思えず、大量の作品の中に埋もれやすい投稿サイトの中で戦うのはとても辛い。
ということで、この話には並々ならぬ興味が湧いて、じっくり視聴。
「小説家になろう」は「なろう小説」という言い方が生まれるぐらい、投稿サイトにおけるジャンルやスタイルの集中の象徴のようなサイトですが、そういうランキングハックのような対策で小説が作られるばかりというのにはやはり懸念があるもよう。基準非公開の注目度ランキングというのを新設したそうです。お題を定めた公式企画も同様の狙いがあるとのこと。
「エブリスタ」はマイナー系も特集を組んで定期的にピックアップ。コンテストや応援キャンペーンなどでも、そういうジャンルを取り上げているとのこと。
「カクヨム」は、最近カクヨムネクストというプロ作家を起用した定期購読プログラムを始めていますが、そこで新ジャンルの開拓もしたいという狙いがあるそうです。
カクヨムネクストは、小説投稿サイトというポジションを超えて、雑誌連載のような形になっています。漫画の場合はもともと雑誌連載が主で、それが次々と新しいヒット作を生み出す原動力になっていて、ネット上に移行してもうまく回っています。小説でもその仕組みが機能していくのかどうか、ここも注目ですね。
やはりどこも、新規開拓という部分は意識しているんだなあと思いました。
さて、そうして新しい流れができたとしても、自分が書いていなければ乗っかれない。ちょうど今、カクヨムで書いているお話の続きについてアイディアがまとまりそうな感じなので、僕もがんばって書こう、と気合を新たにしたところで本日は締め。
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