文学フリマでした
5/19日曜日は文学フリマ東京38でした。
今回から入場無料ではなく入場料1000円となったので、お客さんの入りはどうなのかなと思っていたのですが、かなり入っていて盛況となりました。もうちょっと影響出るかと思ってた。こういう創作界隈のみんなの熱量は、本当にすごいなと思います。(追記:前回の文学フリマ東京37が来場者数12,890人、 今回は12,283人だったそうです。)
その熱を体験していて、ふと興味深いと感じるのは、商業出版の趨勢との間に乖離が起きている点です。
この間ブログでも触れました、昨年の出版データ。HON.jpに載ってた過去動向も合わせた記事のグラフによると、書籍の売り上げはずっと落ち込み続けています。
僕は、リアル書店の場合は、売上の二本柱だった雑誌と漫画が紙の出版物ではなくなってきていて、そのままの業態で生き残るのは難しいと思っているので、本屋さんが厳しい状況なのは理解できるのですが、書籍の出版についてはちょっと首をひねることがあるのです。
HON.jpの記事のグラフを見ると、漫画に関しては電子化が進んでおり、紙と電子、二つ合わせた 売り上げでは、むしろ 過去に比べて大きく伸びていることがわかります。それに対して、書籍の電子化は進んでおらず、合わせた売り上げは ズルズルと下がっている。
そこで首をひねるのは、なぜ売れなくなっちゃっているのか、というところ。こんなに文学フリマは隆盛なのに。
それは即売会に来るような人は極一部だからだと言われるかもしれない。ですが、もともと書籍を読む人というのは一部の人でしかないのです。
文化庁の2018年度「国語に関する世論調査」では、「1カ月に大体何冊くらい本を読んでいるか(雑誌や漫画をのぞく)」という質問に対して、「本を一冊も読まない」と答えた人が、全体の47.3%。「1、2冊」と答えた人が37.6%。「3、4冊」が8.6%。「5、6冊」が3.2%。「7冊以上」が3.2%という結果だったそう。
この傾向は実は過去からずっと続いており、もともと本屋さんの書籍部門を支えているのは一部の読者だった。
そして文学フリマに来るような人は、さらに濃い本好きの人だと思われますが、それでもこの書籍を買って支えてきた人たちと、けっこう被っているはず。
だったら、文学フリマがどんどんと拡大傾向にある状態と、書籍の売り上げは、もっと連動していていいのではないか。商業出版の書籍の売り上げも拡大しているべきだとまでは言いませんが、こんなに急激に下がっていく状態はおかしいんじゃないのか。
潜在的な需要をきちんと掬えていないのではないか、と思うんですよね。
その辺りに、自分自身にとっても、何か今後のヒントがあるような気がします。
文学フリマの方に話を戻しますと、次回は東京ビッグサイト開催となります。この調子だとこちらは順調に拡大していきそう。乗りたい、このビッグウェーブに。
さて、そんな創作熱のこもった会場で、いつもですと熱に当てられ原稿が進むという現象が起きるのですが。
今回は起きず。
なかなか前進しませんねえ。
この日合わせでコピー本を作ろうと、SF掌編を書いたのですが、何か久々にグイグイと話が進んでいったので、書いていてとても気持ちよかったのです。この勢いで詰まっている原稿も進めばいいのになあ。
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