J2観戦記 田中君その1 ベストヤングプレーヤー!
さて先日の水戸・落合君の記事に続きまして、本日は長崎に武者修行に行っております田中君です。
2024J1第1節、藤枝0-0長崎。
藤枝は中川創君が右CBで先発出場。 思えばこの武者修行の観戦記を始めたのが、中川君の相模原修行でした。その後、中川君は磐田、琉球を経て、昨年途中から藤枝。
その中川君と田中君は、ポジションがCB同士なので、マッチアップすることはほぼありません。ですが、間接的に対決する場面がありました。
15分。中川君がバックラインから縦パス1本、FWの矢村選手へ。抜け出されそうになった田中君、足を引っ掛けて倒してしまい、ファール。ウチのアカデミー育ちのCBの選手たちは、本当にボール扱いに長けており、パスがめっちゃ正確です。先輩がまず一つ見せたシーンでした。
田中君も正確で安定したパス回しを見せていたのですが、さらにここでもう一人、アカデミーの先輩が登場します。
今季の長崎は開幕前からトラブルが報じられていました。契約更新したはずのカリーレ監督の二重契約が発覚し、監督不在に。FIFAに提訴する事態になりました。結局ヘッドコーチが監督に昇格することになったのですが、そのヘッドコーチとは昨年は大分を率いていた下平監督です。ちょうど今季加入となっていました。
そして長崎には2019年から秋野君が所属していたのですが、近年怪我が多くあまり試合に出て出られておらず、契約更新がありませんでした。しかしそこに下さんが加入で、一度退団がリリースされた後に契約の結び直し。そしてアンカーで先発しているのです。
そこで生まれたアカデミー先輩後輩のコンビ。アンカー秋野&左CB田中のボール回しがめっちゃ安定しています。お互いがいい距離でサポートしながらボールを交換。いいタイミングで前方の選手へズバリとつけています。
あと久々に秋野君のプレーをじっくり見たのですが、守備がめっちゃ上手くなっていてびっくりしました。どちらかといえばパス回しに特徴があるタイプで、守備はあまり強くない印象だったのですが、読みが格段に鋭くなっており、するするっと寄せていっては相手のボールコントロールのタイミングを狙って体をねじ込み、どんどんボールを奪っていきます。成長してるなあ。
こうしてアカデミー卒の選手のプレーを堪能していました。試合の方は結局スコアレスドローで終わりました。
第2節、長崎1-2仙台。
試合は仙台が2点先制。終了間際、長崎が1点返しましたが、追いつけず終了。
田中君は何本もいいパスを通していました。特に追う試合展開で最後にリスクを取って攻勢をかける中、CBの田中君もどんどん敵陣に上がっていってボールに触ります。距離感ドンピシャのロビングのパスをいくつも出していました。
あと左利きのCBは、左サイドへのパスを出す時に身体が外向きになり、そのスタンスの分だけ外側でボールを持てるので、きわどいところによく通るなあという印象。武器ですねえ。
ルヴァン杯1回戦、愛媛3-4長崎。
週中の試合で、けっこうメンバー変更があったのですが、田中君はフル出場。
今年からルヴァン杯は形式が変わって、下位カテゴリーのチームも出場する勝ち抜けトーナメントになりました。その結果、試合に決着をつけねばいけないので90分での引き分けがなくなり、この試合は壮絶な延長戦となりました。
田中君は攻撃ではいつも通りいいパスを通していました。しかしCB なので、この武者修行で守備力も向上させたいところ。そこで33分。愛媛FWベン・ダンカン選手に縦パスが入り、そこについていく田中君。切り返しにも対応し、シュートもブロック。
さらに大きいプレーだったのは、延長に入った 94分です。長崎は試合終了ぎりぎりのアディショナルタイムに3対3の同点に持ち込んで延長戦に持ち込んでいました。そこで愛媛・藤原選手から船橋選手にスルーパスが通ります。抜け出した船橋選手に田中君は振り切られそうになりますが追走。GKをかわす間にゴールカバーに入り、シュートをブロックして失点を防ぎました!
この延長戦後半で決勝点を叩き込んで勝ち抜けを決めたので、このプレーはチームを救うめっちゃ大きなプレーでした。
第3節、長崎4-1清水。
まずは13分。清水のサイドから入ったパスに乾選手が後ろにボールを流す形でターン。しかしマークについていた田中君はそれを読んでいて、体を入れてボールを奪い、ファールをもらいました。いいプレイです。
昇格候補筆頭の清水に対して快勝となったこの試合、田中君のプレーが得点に繋がるシーンがありました。30分の2点目。乾選手と北川選手が連携で中央突破を狙ったところに、立ちふさがった田中君が弾き返します。これを加藤選手が拾ってカウンター。エジカル・ジュニオ選手が抜け出し、一度GKにクリアされますが、増山選手が拾ってボールコントロールが一瞬長くなって失いかけるも粘って折り返し。エジガル・ジュニオ選手がボレーシュートを決めました。田中君が得点の起点となった、いい守備でした。
第4節、山口0-1長崎。
前半32分にこの試合唯一の得点、マテウス・ジェズス選手の強烈なシュートが決まります。
けれど全体的には山口が優勢。特に後半になるとかなり攻め込まれたのですが、田中君はその中でしっかりと相手の攻撃をはじき返していました。
特に65分。山口が左サイドへ展開、新保選手がグラウンダーの速いクロス。これを戻りながら滑り込んだ田中君が、池上選手の目前でギリギリのクリア。ナイスプレーでした。
第5節、愛媛1-2長崎。ルヴァン杯の死闘の後、リーグ戦で再戦です。
先制点は長崎で27分。マテウス・ジェズス選手のすごいオーバーヘッドシュートが決まります。
後半に入り、愛媛が追いつこうとどんどん攻勢を強めます。特に65分あたりから、愛媛の波状攻撃。ここで田中君がバンバンと跳ね返す大活躍をしました。
2本ほどヘディングでのクリアが続いた後の68分。深澤選手のミドルシュートを、コースに入ってヘディングで跳ね返します。
そして69分。ペナルティエリア内の愛媛FW松田選手に縦パスが通り、シュートに行くところで、田中君がスライディングしてブロック。
この後お互いに点が1点ずつ入った試合終盤88分。さらに田中君のビッグプレー。松田選手が横にはたいて深澤選手がミドルシュート。これに対してペナルティエリア内に引いて守っていた田中君が思い切って飛び出していき、体を投げ出してブロックしました! これで長崎が逃げ切りに成功したので、めっちゃ大きいプレーでした。
この後3月にあと2試合あって田中君はフル出場を続け、先日発表された2・3月期のJ2ベストヤングプレーヤー賞を受賞しています。選考委員の皆さんのお褒めの言葉がこちら。
足立 修委員長「この年齢で、全試合フル出場は素晴らしい」
佐藤 寿人委員「左利きのCBという希少性のあるプレーヤー。移籍してチームにフィットし、数字も出せている」
寺嶋 朋也委員「開幕から7試合連続フル出場。最終ラインでビルドアップのキーマンとなっている。左足から繰り出される柔らかく正確なフィードは一見の価値あり」
うん。あのパス能力は必見ですよね! このままどんどん活躍してほしいです!
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