SLIM復活
日本初の月面着陸を達成したSLIM。目標だった精密着陸に成功し、ミッションクリアしました。その後、着陸した場所が夜になり、太陽電池が発電できなくなって停止。
さて宇宙での夜は、地球上の夜とはちょっと様子が違います。冷え込むどころではない。空気がない場所では、日向と日陰での温度がまったく違ってきます。月の夜はマイナス170℃にもなるのです。
こうなると温度差による物質の膨張収縮が問題になります。主に電子部品が壊れてしまうことが多いそうです。そしてその夜がまた長い。
月の自転は公転と同期してしまっています。潮汐ロックという現象です。月と地球はお互いを引力で引っ張り合っているために、形が歪んでいます。地球側でそれが一番わかりやすいのは、潮の満ち引き。海面が月に引っ張られて起きる現象です。ちなみに液体に対して個体の方があまり変形しないので、普段気が付かずに過ごしていますが、実は地面も歪んでいるのです。
この月に引っ張られる場所が、自転によりどんどん移動していくために、変形によって内部で摩擦が発生。自転にブレーキがかかります。地球は 現在23時間56分で1回自転していますが、太古の昔はもっと速く、地球ができた頃は5時間ぐらいだったと言われています。地球の引力の方が大きいので、月はもっと強くブレーキがかかっており、とうとう同じ面を地球に向けた状態で固定されてしまったというわけです。
ということで、月の夜はめっちゃ寒くなる上に、2週間も続く。
過酷な状況なので、SLIMはもともと越夜の計画は立ててなかったそうです。ところがSLIM君はがんばって、また日が当たったところで再起動。けなげにがんばっている感が出てくると、僕はどんどん感情移入してしまうたちです。がんばれー!
3/1に日が当たらなくなってSLIM君は休眠に入った模様です。3月下旬にまた日が当たるのですが、起きられるかな。
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