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2024/01/06

バイオディーゼル本丸へ

年末にこちらのニュースを見ました。

マツダの次世代バイオ燃料車、欧州「解禁」へ 日本への投入視野

マツダは次世代バイオ燃料で走るディーゼルエンジン(DE)車を2024年にも欧州に導入する。現地の公道や日本のサーキットで走らせてエンジンに支障がないか検証を重ねており、品質を保証して「解禁」する。日本への投入も視野に入れ、脱炭素社会に向けた車の選択肢を広げる。

(後略)

中國新聞デジタル 23/12/31

自動車の先行きがどうなるのか、注目しています。

SDGs的にはEVで決まり。日本ではさっぱり普及していないので、日本社会は遅れてる、日本の自動車会社はもうだめだ的な記事をよく見かけるのですが。

僕はこの分野に昔から興味がありました。昔はどちらかというと燃料電池車の方が水素社会の実現と合わせて未来のビジョンで、その時僕はむしろEVではないのかと思っていました。水素インフラを作るよりも送電網がもう存在するEVの方が、移行が簡単でいいんじゃないのかと思ったからです。

しかし興味を持って調べていくと、だんだんとその困難さが見えてきました。特にバッテリー。エネルギー密度が低いので、どうしても巨大で重くなる。航続距離は何とかなりそうになってきたけれど、リサイクルの問題が立ち上がっています。また夜中に家で充電する分には構わないのですが、日中では急速充電が必要。やはりインフラ整備が大変。

そう思い始めた頃に、バイオ燃料が行けるのではないかという記事を見て、宗旨替えとなったのです。

しかし前述のように世間では、もうイデオロギー的にEVで決まりなので、ここのところがどうなるのかなというのが気になっていて。

そんな時に、地道に実証実験を繰り返していたマツダが、バイオディーゼル対応車をそのEVイデオロギーが一番強い欧州に投入というニュース。これはもう注目するしかありません。

欧州では昔、クリーンディーゼルという環境に配慮したディーゼル車をぶち上げて、その規制をどんどんと厳しくしていったら、自国メーカーが対応しきれなくなり、テストモード走行の時だけ燃焼条件を変えて排気をクリーンにするというインチキマシンを作り、大問題になりました。この時、マツダは地道な研究を続け、真っ向勝負で技術的にクリアしていたのです。

内燃機関を残せるかどうかは、そういう技術開発に長けた日本の優位を残せるかということにも繋がるのかな、と思っています。

EVは構造が簡単なので、中国ではどんどん新規メーカーが参入。このあいだはスマホメーカーのシャオミも参戦表明していました。EV開発が盛んなこともあって、2023年に日本を抑えて世界一の自動車輸出国となる見通しです。

これに対してバイオディーゼル車が勝ち残るとなれば、日本メーカー有利となります。エンジン作るのが大変なんですよね。

今回の参入は1車種だけなのですが、マツダは多くの車種にディーゼルエンジンのラインナップを持っており、こちらも順次バイオ燃料対応にしていく模様。

現在想定されているバイオ燃料は、使用済み食用油と油脂から作るもので、欧州では店頭価格が軽油の1割増しぐらいなのだそうです。それぐらいだったら行けそうな気がする。

日本では藻に油を作らせる研究も進んでいます。こちらのコストダウンに成功し、お値段が見合うものになれば、車を作るだけではなく産油国にもなれるわけで、エネルギー安全保障的にもいいのではないかと思っているのです。

あと、超個人的な話をするとですね。ディスカバリーチャンネルの『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』が好きなんですよね。ガソリン車が全面禁止になると、番組終わっちゃう。僕の癒し的にも内燃機関に生き残ってほしいのです。

さあどうなるのでしょう。今年も注目です。

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