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2023/12/06

EVかハイブリッドか

アメリカでEVの販売の伸びが鈍化、ハイブリッド車が盛り返してきたというニュース。

需要鈍化のEV、伸びるHV テスラ対トヨタに注目集まる NewSphere 23/12/2

お値段や不便さを気にしない、アーリーアダプター層には行き渡ってしまったからではないかという分析です。

これ、すごく気になっている問題なんですよね。

僕はもともと地球温暖化はやばいと思っています。このブログでもずっと書いてますね。

ただSDGsという言葉が出てきた辺りから、ファッション化して思考停止してるなあと、100%同意できなくなりました。欧州のEV全振りはその典型と思っていたのです。

普及させるのはもっと性能上がってからだと考えてた。

例えば、ニュースを追っているうちに「エネルギー密度」という数字を見かけて、想定してた感じよりさらに革新がいるなという感想なのです。同じ重量でどれぐらいエネルギーを詰め込めるかという数字。バッテリーはガソリンに対して二桁差で負けています。さらに充電回りもいろいろ力不足。

そしてですね、僕がよく見ている番組がディスカバリーチャンネルの『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』なのですが、リセールバリューも問題あるよなあと思うのです。

日本の中古車販売台数を調べてみると、新車に対して6割ぐらい。欧州はほぼ同じ、アメリカは中古車販売台数の方が多くて、2倍以上になります。発展途上国では言わずもがな。世界的には中古車需要の方が大きい。

番組を見てると、エンジン車の場合、50年ぐらい経っていても、ちゃんと整備すれば車はなんなく走ります。壊れていて部品交換が高くつくという場合もあるんですけれど、基本的に絶対にやらなきゃいけないことは、消耗部品を交換すること。エンジン回りで言えば、オイルを入れ替えること、オイルシールとかガスケットとかプラグを替えたりとか。

それに対してEVは、バッテリーの交換が問題になります。50年経ったクラシックカーとしてではなくて、そこまで古くない普段使いの安い車としての中古車と考えても、バッテリーはもう弱っていて、性能は落ちてる。もうちょっと経ったら積み替えが必要になる。エンジン車のバッテリーとはお値段が違います。大出費です。

アメリカの中古車需要が大きいのは、格差の大きい社会で安い車を求める層が分厚いからで、EVではそこのゾーンの消費者の需要は満たせない。それが出始めちゃってるニュースじゃないのかなと思います。

途上国なんて、さらにですよね。

さて、そうなると、温暖化対策的には。

僕の最近の一押しは前にも書きましたが、バイオ燃料。植物は育つ時に二酸化炭素を吸収しているので、そこから作る燃料はカーボンニュートラル。コスト面はまだ問題ですが、使う分にはまったく問題ありません。

飛行機の方が重量の条件がシビアなので、電動飛行機として研究されているものは個人使用のクアッドコプターのようなものが多く、旅客機に関しては燃料をSAFに切り替えることで対応する流れになっています。SAFというのは「持続可能な航空燃料」のこと。現在は使用済み食用油から作るバイオ燃料がメインです。

ここに藻を使って生産した油も混ぜていってるのが、日本のユーグレナ。量産用の工場を建設、商業化を進めています。

量産効果でコストが下がってくれば、車の方もこちらに切り替わる可能性もあります。エンジン周りは日本が高い技術を持っていて、競争力のあるところなので、日本的にはむしろそちらの方に進んでくれた方がありがたいのではないかという気がします。

欧州も最初はEV全振り政策だったものが、合成燃料を使ったエンジン車はOKとちょっと方向修正してきました。この問題がどの辺に落ち着くのか。大注目なのです。

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