夕焼けぱくぱく
ある日の夕方、仕事に向かおうと家を出た時のこと。
向こうから、小さい女の子とお母さん。
「〇〇ちゃん、あんまり先に行かないで」
女の子が先行しているのに、お母さんが声をかけると。
「だって、夕日がきれいだったから」
西に沈む夕日。橙から赤へと色を変えていく空。
女の子、顔の前でぱたぱたと手をあおぐ動作。
「お母さん、夕焼け食べたー!」
「何味だった?」
「いちご味! お母さんも食べなよ」
「もぐもぐ。お母さんはみかん味だった」
作ったんじゃないですよ。本当にこういう会話だったんですよ。
まるで絵本で書かれるような、まるで童話で書かれるような、そんな会話が本当にあるんだと、めっちゃ萌えてしまったのでした。
きっと幸せって、こういう家に来るんだと思う。
それに対してこの時の僕はわりと薄汚れたことを考えていて、うん、ウチには来ないな、と思ったというオチ。
| 固定リンク
コメント