お仕事読書
仕事の都合で参考資料として小説を読まないといけないのです。ブログに感想を書いているのは、そのうち素直に面白いと思えたもの。それ以外にもかなりの量を読んでいます。
さて、面白いと感じるのはどういう状態か。これは長年のテーマなんですけれども。
現在の認識としては、面白さの物差しは一つではなく、たくさんあると考えていて、どの物差しを持っているかは読者の個性である、というもの。
その物差しにより測る方向が違うので、その作品が面白いかどうかは、方向性と絶対値という二つの要素がある。なので、作品のクオリティが高くても響かないことがある。逆に世間の評価がそれほど高くなくても、本人にはとても響いている時もある。さらに、方向が少しずれていても、力技で面白いと感じさせることもある。
さて、普段の僕がお楽しみで読む小説は、SFだったりライトノベルだったり、エンタメ方面です。参考図書群のベクトルとは違っています。ただ、少年漫画好きでもあるので、熱血スポーツ小説になっていると好感度は高い。
今まで読んだ中での一押しは『パラ・スター』でしょうか。特に下巻、宝良編の大会の盛り上がり方が最高でした。
でも残念ながら、参考図書で熱血スポーツものに当たる確率はあまり高くありません。たいてい自分の好みとは方向性が違います。
ここからが本日の主題。そういう完全に方向違いのものを読んでいると、むしろ違うからこそ勉強になるのです。
好みによるドライブがまったくかかっていない状態なので、読んでいる僕のテンションは上がっていません。僕は感情移入派読者なので「やばい、誰一人感情移入できない」という状態になると、ますますテンション低空飛行です。
そんな状態でも、次のページをめくらせるお話が存在する。
「こういう話、好きじゃないんだよなあ……」と、ぶつくさ言いながら、読み終わっていたりする。
ただひたすら、文章がうまいからです。
例えば文章のテンポ。例えば漂う緊張感。無駄のない、それでいて豊かに彩られた描写。
そういうものが、興味のない題材でも、次のページへとめくらせる。
こういうふうに書けるようになりたいなあと思いつつ、今日もせっせと読んでいます。
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