黄昏飛行
黄昏飛行 (光原百合・著)を読みました!
コミュニティFMのFM潮ノ道でパーソナリティーを務める永瀬真尋(ながせ・まひろ)。就活で放送局を片っ端から落ちて、父の知り合いのつてで故郷の放送局に仕事を得た。『黄昏飛行』という自分の番組も持たせてもらい、いろいろ失敗もあるけれど、持ち前の前向きな性格でがんばっている。
そんな『黄昏飛行』にリスナーの女性から1枚のはがきが届く。故郷に戻ってきた自分の近況を伝えたそのはがきに、音信不通の知り合いではないかと男性が訪ねてきた。ただ、はがきには今の名前も住所も書かれておらず……。
こちらはアンソロジーに収録された短編。まず、キャラクターがよかった。主人公の真尋だけでなく、それこそ番組に来たゲストまで、キャラクターが個性豊かで読んでいて楽しい。
その真尋の性格が出ていて素晴らしかったシーン。ゲストの住職さんが遅刻しそうになってぎりぎりになり、事前の確認ができなかったため、住職さんの持参したCDを確認できておらず、コーナーのラストにいざかけるぞとなったら違う曲。そこでとっさに自分で歌い出す。すごく楽しいシーンでした。
そしてお話的には、謎かけ要素がよかった。最初のはがきに今の名前がないんだけれど、実は気づいてほしいなというヒントが仕込まれている。伝わってほしいなあとほんわかしました。
ちなみにこちらの設定で、さらに2本ほど続編があり、そちらも面白かったです。
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