明日の朝、観覧車で
明日の朝、観覧車で (片川優子・著)を読みました!
運動は苦手、イベントごとには弱いと自覚のある高校生の塚本みちる。叔父のけんちゃんに誘われ、無理矢理参加することになった『三河湾チャリティー100km歩け歩け大会』。なのにけんちゃんはドタキャン、一人で歩くことになってみちるは困惑していた。
茶化してくる弟に何となく意地になって歩き続けていたけれど、30kmも行かないうちに足は痛くなるしむくんでくるしで、とても完歩できそうにない。でもそこから、いろいろな出会いがあり、みちるの気持ちも変わってきて……。
こちらは作者の体験談がベースになっているのだそうです。実際に参加されたのだとか。100km歩くってすごいよなあ。年末深夜で電車がなくなりタクシーも捕まらなくて家まで歩いたことがあるけれど、10kmぐらいでもめっちゃつらかったもんな。
このお話の見どころは、いろいろな人との出会いでみちるがだんだん変わっていくところ。元々あまり前向きなタイプではないのですが、そのうえ現在母親が入院していて、さらに気分が落ち込みがち。それが少しずつ変わっていく。
特に大きく変わる、60kmのチェックポイントと62kmのコンビニのシーン。マッサージのおじさんの言葉がぐっとくるし、みちるが決意を固めるところ燃える。
お話自体は読みやすくすいすい進んで、それでぱちっと見せ場がある。とてもよかったです。
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