中指の魔法
中指の魔法 (片島麦子・著)を読みました!
緑(ろく)が「おおばあ」と呼ぶ祖母は、いつも黒革の長手袋をはめ、そして不思議な力を持っている、らしい。らしい、というのは、緑がその力を直接見たことがないから。おおばあの古い一軒家には、ちょくちょく暗い顔をした人が訪ねてきて、緑が入ってはいけないと言われた奥の部屋で、おおばあは何やらいろいろしているらしい。
そしてその力は、どうやら緑に受け継がれているようだった。ある日、緑は病院で意識を戻さず眠り続けている少女の夢の世界へと入り込んで……。
うまいなあと思ったのは、伏線の張り方でした。上のあらすじ紹介のように、お話の主軸は祖母から孫へと伝わった不思議な力についてなのですが。
母子家庭でお父さんはいない、という設定になっていて、それについて早い段階で、何かあるなと気になるようなフリがしてあった。
その亡きお父さんが、重要なところで、本筋にスッと絡んできたのです。
ここで絡んでくるのかという驚きと共に、さらにおおばあの力の片鱗が見えるような登場の仕方。奥の部屋でおおばあがやっていたのは、こういうことなのかなというような。
そこでぐぐっとお話に深みが出た。本当にいいシーンでした。
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