« なでしこvsザンビア 快勝発進!!!! | トップページ | 中指の魔法 »

2023/07/25

木工少女

木工少女 (濱野京子・著)を読みました!

木工少女

小学六年生の立石美楽(たていし・みらく)は、教師の父と山深い峯川村で暮らしている。子供を自然と触れさせたい父に強引に連れてこられ、しかも父の任期が一年限りということもあって、新しいクラスに馴染む気もさらさらないまま過ごしていた。

そんな時、美楽は木工職人の明野伝造(あけの・でんぞう)、通称デンさんと出会う。木の持つ魅力に何となく惹かれた美楽は、デンさんの工房に通うようになり、どんどん深みにはまって自分でも作るようになって……。

出来事的には、田舎暮らしに最初反発していた少女が、クラスメイトとの軋轢なんかを経て、段々その土地と別れ難くなっていくという、このジャンル定番の流れですが。

このお話は、美楽のキャラクターがとにかくすばらしかったのです。

児童書によくある一人称文体ですが、一人称ということは当然主人公の語りになる。すると主人公の性格が文章に大きく影響する。美楽はかなりずけずけ物を言う物怖じしないタイプの子ですが、あらすじのところに書いたように、どうせ一年限りだからと馴染もうとせず、おとなしく猫を被っている。

すると地の文に、言わなかったツッコミがどんどんあふれてきます。さらに性格も影響していて、バシバシと言い切るすごくテンポのいい文章になっているのです。1ページ目を読んだ時点で「あ、これ、面白いやつだ」とわかるほど。これはなかなかない、すごいことです。

さらに、木工とクラスメイトとの交流と美楽の成長と名残惜しさと等々、いろいろなテーマをベンチで象徴させたラストシーンなど、印象的な場面もたくさんありました。本当によかったです。

|

« なでしこvsザンビア 快勝発進!!!! | トップページ | 中指の魔法 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« なでしこvsザンビア 快勝発進!!!! | トップページ | 中指の魔法 »