外れ続く
仕事の参考図書を大量に読まなくてはいけない、という話をこのあいだ書きました。
『給食アンサンブル』は面白くて、幸先いい出だし。次の『花舞う里』もなかなかよかった。
しかしそのあと、外れが二冊続いています。
この場合の「外れ」には「僕にとっての」が前につきます。なので、名指しで断定するのよくないなと、当たりだった時だけ感想書いているのですが。
「外れ」からも学ぶことはあるのです。
僕は作品の面白さにはいくつかベクトルがあると思っています。大まかに二つに分けると、「題材」と「質」。
例えば人とのおしゃべりで、同じ趣味の人とそれについて話すのは楽しい。ただ、その人が例えばおっさんで、夫婦の愚痴を延々と聞かされたら楽しくない。これが「題材」。しかし、しゃべってる人がただのおっさんではなく落語家だった場合、夫婦の愚痴はその話芸によりマクラへと昇華して楽しく聞ける。これが「質」。
元々興味のある題材かどうかで、読者の読むモチベーションはだいぶ違う。今回の場合そこの部分で、僕のモチベーションはマイナスからスタートなので、語り口に瑕疵があると途端に読む気力がなくなるのです。逆にモチベーションがマイナススタートなのに読めちゃう場合は、次のシーンがどうなるのか、巧みな語り口で引っ張れている。とてもうまいということで、そこの差がわかれば自分の執筆にプラスになる。
さらに、キャラの立て方とか展開のさせ方とか描写とか、うまく引っ張れてないなこれと思うものなのに、参考図書として読まなければいけない本になっているということは、主題やエピソードで選んでいる題材が、それだけ高い評価を世間で得ているということ。題材選びの重要性というところでは、見習わなくてはいけない。
ということで、「外れ」と思いながらも勉強する視点でがんばって読んでいます。
ただ、これだけの量を追い立てられて読んでいるので、外れが続くとつらい。次は当たりだといいなあ。
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