コロナ禍が終わる時
新型コロナが感染症5類に引き下げられまして、1か月ほど経ちました。
コロナ禍が「終わった」と表現しているメディアがたくさんあって、とても気になっています。
ウイルスの性質は別に変ってないんだから、終わってないよ。
人々の不満とか、影響受ける業界とか、治療に関わる公的な扶助とか、政府が社会的な負担に耐えられなくなったから、代わりに人を犠牲にすることにしただけだよ。
何度も書いてますけど、確かに致死率は下がっています。肺で増殖して肺炎になっていたものが、変異して上気道で増殖するようになり、肺炎にはなりづらくなったからです。また、重症の判定基準が肺炎になるかどうかなので、重症判定も出づらくなっています。
ただ、感染力が上がっているため、致死率が下がってもそれを打ち消し、むしろ上回ってしまっています。第8波の死者数は過去最大。2万人を超えています。さらに超過死亡が多く出ている問題で、医療関係者や介護関係者が、コロナで入院して直接そこで死ななくても、持病が悪化したり退院しても衰弱していたりで結局亡くなってしまうケースが多い、という話をしているのを見かけました。健康な状態からかかって死ぬ可能性は過去最大になっているということです。
この状態で、みんなが「終わった、終わった」と油断して対策を緩めているんだから、第9波は史上最悪になるんだろうなあと思って見ていたら。
全数把握を辞めたので少しわかりづらくなっていますが、どの推定値を見ても、もりもりと増えてきています。やっぱりなあ。
「コロナ禍が終わった」という表現をどこでよく聞くかというと、僕の場合サッカー中継でした。ノーマスク声出し応援解禁になっているので。
スタジアムの構造にもよりますが、基本屋外で風通しはいいはずだから、大丈夫かな? と思っていたところ、大丈夫じゃなかった事例が発生。5/28の千葉戦で仙台ゴール裏にクラスターが発生した模様。コアサポーターグループから声明が出ていて、30名以上発症しているのだそうです。
FC東京サポーターの間でもクラスター発生の話題が。やっぱり密集していて声を出し続けていたら野外でも駄目か。せめてマスクがいるなあ。
ちなみにこの状態でさらにまずいなと思うのが、お隣の中国で第2波が発生していることです。
中国は昨年、ゼロコロナ政策をいきなり放棄。大流行を発生させました。しかも困ったことにゼロコロナ政策を止めただけではなく、共産党政権の失政と指摘させないため、言わばゼロコロナ政策ver2.0「新型コロナ感染流行なんてなかった、いいね」政策に転向したので、実態がまったくわかりません。6月末に週6500万人感染するピークが来るのではという予測があるそうですが、公式発表が当てにならない。
実態がわからないので中国人は完全に油断していて、街中でノーマスクで大声で話している中国人観光客をたくさん見かけます。追加輸入もすんのかよ。岸田は腰抜けだから波風立つ対策は取らないだろうしな。嫌だなあ。
さて、こちらも何度も書いていますが、僕が新型コロナ感染をこれほど嫌がっているのは、後遺症を恐れているからです。
最近見た後遺症の記事はこちら。【患者体験談】新型コロナ後遺症 抜け落ちる記憶 NHK健康ch 23/6/1
コロナ後遺症で記憶障害が出た人の記事。2文字しか覚えられないとか、改善されてようやく7文字とか、自分がそんな状態になったらもう創作どころじゃない。改善されるだけじゃダメなんだ。プロサッカー選手が大怪我して、「日常生活には戻れますよ」と言われたって絶望でしかないじゃないですか。トップパフォーマンスが戻らないと意味ない。作家が頭やられたら終わりだ。
僕の作家でありたいという事情は特殊ですけど、他の人でも後遺症で仕事に支障が出てるケースが多くあります。
研究によって結果が少し違うのですが、後遺症の出る率、長く残ってしまう率、倦怠感、記憶障害、集中力の低下など仕事に影響ありそうな症状が出る率と考えていくと、だいたい1%ぐらいのケタ感で、後遺症のせいで仕事ができなくなるんじゃないかと思われます。実際、人口約3億3千万人のアメリカで300万人ぐらいが後遺症で失職しているという推計があるので、そんなに的外れの数字じゃない。
コロナ後遺症で最大400万人が働けず 米調査結果 CNN.co.jp 22/8/26
後遺症治療をずっと続けていて問題を積極的に発信している平畑先生は、「後遺症外来にかかるレベルの後遺症は、1割が失職」と言っていますね。
「1回コロナになったけど大丈夫だったから、次にかかっても大丈夫。自分は後遺症にはならない」などと思っている人もいると思いますが、2回目、3回目で重い後遺症になる人もいるので注意してください。
— 平畑光一(Koichi Hirahata) (@k_hirahata) June 1, 2023
後遺症外来にかかるレベルの後遺症は、1割が失職します。 pic.twitter.com/r3d2pSrhVk
そしてみんながわりと見落としているような気がするのが、再感染の問題です。このウイルスは変異が早く、そしてインフルエンザと違って季節性が弱くて、年に2度3度と流行が来ている。感染力も強い。と言うことは、生涯何度もかかるだろうということです。
1%が失職するほど重いとします。99%の人は失職しない。ですが、それが10回繰り返された時、かかっても大丈夫な人は0.99の10乗で90%ほど。1割が仕事ができなくなる。人生そこで狂うのです。生涯10回ぐらい、対策緩かったら余裕でかかりそうじゃないですか? インフルエンザだってそれぐらいかかってるんだから。
子供がこうなっちゃったら、もっとひどいことになりますよね。その後の人生ずっと長いんだし。
ただ、怖い話ばかりではなくて、上の記事にもありましたけど、少しずつ治療法も見つかってきています。治療薬の治験も始まったそうです。
薬飲んだら感染症も後遺症もスパッと治る時が、僕のコロナ禍が終わる時だ。そこまでは仕事以外引き籠ろう。(それはもともと)
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