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2023/02/06

文字物電子書籍の停滞

先日、子供のスマホデビューが早まっているという記事に対して、それで電子書籍がどんどん広まってほしい、ということを書いたのですが。

それに対して今回は、ちょっと悲しい記事。

2022年紙+電子出版市場は1兆6305億円で前年比2.6%減、コロナ前の2019年比では5.7%増 ~ 出版科学研究所調べ 鷹野凌 HON.jp News Blog 23/1/25

2022年の出版状況について。紙の出版物はがっくり落ち込んでいます。前年比6.5%減の1兆1292億円。うち、書籍が同4.5%減の6497億円、雑誌が9.1%減の4795億円。好調だった文芸書、児童書、学参、資格試験などの売れ行きが鈍化とのこと。ここが悲しいポイント1号です。児童書が鈍化……。コロナ禍の巣ごもり特需も、もうそろそろなくなってしまってますからね……。

さらにコロナ禍前の2019年比では、紙全体は8.6%減、書籍は3.4%減、雑誌は14.9%減。コロナ禍前からの流れ継続。

紙の本に関しては、まあ減るよなあと思っています。

僕は紙本が絶滅するとは思っていません。なにしろアナログレコードが生き残って、むしろ生産をちょっと増やしているという話があるぐらいです。モノとしての手触りを求める人はいるでしょう。

ですが、出版は薄利多売のビジネスモデルになっています。紙の本の文化を守るというような話をする人は、この辺に触れないで語っている事が多い。紙本の流通網を支えていたのは、大量に売れていた漫画雑誌と週刊誌、ファッション誌などです。ところがその辺の情報流路が変わってしまい、雑誌がどんどん部数を減らしています。そこが崩れている以上、本屋の経営はこのままでは成り立たない。違うビジネスモデルにチャレンジしているところは生き残るかもしれないけど、普通にやっていたら厳しい。

ただ、書き手の側からすると、届けたいのは紙の束ではなくお話の中身なので。僕自身はコレクター気質があり紙本を買っていますが、自分の書くお話は形が変わっても読者に届くならOK。

そこで悲しみポイント2号。電子書籍の話。そちらのデータについても触れられていました。

電子出版市場は前年比7.5%増の5013億円で、出版市場全体における市場占有率は30.7%。うち、電子コミックが8.9%増の4479億円、電子書籍(文字もの)が0.7%減の446億円、電子雑誌が11.1%減の88億円。電子出版市場における電子コミックの市場占有率は89.3%とのこと。

対応できてるの、漫画だけじゃないか……。

情報流路が変わっているのだから、当然ビジネス環境が変わり、それに対応する手を考えていかなければいけない。でも、そういう動きは、文字物の出版の方からはあまり見えてこない。

全然時代の流れに乗れていないのです。まずいんじゃないかな、これ。

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