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2023/01/14

ただの風邪論と感染力

こちらのニュースを見ました。

新型コロナ5類引き下げ「賛成」56%「反対」30% JNN世論調査

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げることについて「賛成」と考える人が56%、「反対」と考える人が30%であることが最新のJNNの世論調査で分かりました。

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけをめぐっては現在、結核並みの隔離措置が必要な「2類相当」に分類されていますが、政府は今年春にも季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる検討に入っています。

また、新型コロナウイルスの感染防止に向けた政府のこれまでの対応については「評価する」が59%「評価しない」が30%でした。

【調査方法】固定・携帯電話による聞き取り(RDD方式)
全国18歳以上の男女2465人〔固定1044人,携帯1421人〕
有効回答1225人(49.7%)〔固定614人,携帯611人〕(58.8%)(43.0%)

TBS NEWS DIG 23/1/8

新型コロナの感染病分類を現在のSARS、MARSと同等の2類から、インフルエンザと同等の5類に下げることに、多くの人が賛成しているという調査。

ぞっとしますね、これ。

賛成している人たちが、ニュースをきちんと深くまで掘ってて、その結果自分と家族のリスクを吟味したうえで判断しているのか、疑問なので。

現状のコロナ対策に文句を言ってる人の理由を見ると、たいてい「ただの風邪なのに」なんですよね。リスクが全然違うのに。

ということで、その辺りに対するニュースについて集めてみたのが本日の記事。引用が多く、とても長くなっています。ご容赦ください。

まず、ただの風邪としては感染力が違いすぎます。ここに何度か書きましたが、感染した時の死亡率は、確かに変異後下がっています。その点ではインフルエンザと大差ない。ただ、感染する人が増えているので、平時から死亡する確率としては上がっている。こんなふうに。

新型コロナ 全国の累計死者数が6万人超え これまでより速いペース 約1か月で1万人以上増加

新型コロナウイルスについて、全国の累計の死者数が6万人を超えました。1か月あまりで1万人以上増加しています。

厚生労働省によりますと、きょう全国では新たに9万5308人の感染が報告されました。死者は336人で、累計死者数は6万人を超えました。

5万人を超えた去年12月2日から1か月あまりで、1万人以上増加しています。

これまで、国内の死者は去年2月に累計2万人を超えた後、12月初めまで、およそ3か月に1万人のペースで増加していました。現在、入院中の重症者は648人となっています。

きょう新たに報告された東京都の感染者は8199人でした。先週の月曜日から662人増加しています。重症者は55人で、新たに28人の死亡が報告されています。

TBS NEWS DIG 23/1/9

新型コロナ 全国の死者数489人 一日の発表としては過去最多

厚生労働省によりますと、12日に発表した国内の新たな感染者数は、空港の検疫などを含め18万5472人となっています。

また、新型コロナウイルスによる全国の死者数は489人で、今月7日の463人を上回り、一日の発表としてはこれまでで最も多くなりました。

(中略)

また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器やECMOをつけたり集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、12日時点で697人となっています。

重症者の数は、11日と比べて32人増えました。

NHK NEWS WEB 23/1/12

データとしては明らかにやばい。

感染後の死亡率が下がった結果、高熱が出ても結局回復する例をたくさん見聞きするので、死ぬということに現実味がなくなり、油断を誘っているフシもありますね。人間の認知の隙を突くウイルスとして、着々と進化している感じがします。

実際、現在も夏と同じように病院はパンク寸前のようなのですが、ニュースとしての新鮮味がなくなったので、報道が減ってる気がします。これも影響しているのかも。実態はこう。

“コロナ病床 ほぼ満床” 現場の医師に危機感 神奈川 川崎

新型コロナウイルスの患者を受け入れている神奈川県川崎市の病院では、コロナの患者用のベッドがほぼ満床の状況が続いています。現場の医師は「適切な治療のタイミングが遅れてしまう人も出てきかねない」と危機感を募らせています。

神奈川県の病床の使用率は、先月下旬の時点で全国で最も高い81%で、中等症のコロナ患者用に32床を確保している川崎市の新百合ヶ丘総合病院では、先月半ば以降、新型コロナに感染して基礎疾患が悪化した高齢者などでほぼ満床の状態が続いています。

病院によると、コロナの患者が県内のほかの病院に転院する際も病床の調整が難しくなっていて、中には、通常は使用していない救急外来の簡易ベッドで患者が1日ほど待機することもあるということです。

一方、休日は地域の診療所が休んでいるため、救急外来を訪れる患者がいつもの倍以上に増え、中には発熱後にコロナやインフルエンザの検査に訪れる人もいて、9日は50代のがん患者の男性がコロナの検査で陽性と診断されていました。

また、冬のこの時期は脳卒中などの病気や転倒によるけがなどで救急車で運ばれる患者も増えますが、新型コロナの患者に病床を確保している分、一般の病床が少なくなっているため、9日は骨折で治療が必要な患者の受け入れを断らざるをえないケースもありました。

新百合ヶ丘総合病院の伊藤敏孝救急センター長は「高齢者で基礎疾患のある人が悪化して亡くなっている人が多いが、ベッドがひっ迫しているので全員を入院させられずに、高齢者でもなるべく自宅や施設で診てもらっている状態だ。このまま感染が収まらなければ、適切な治療のタイミングが遅れてしまう人も出てくきかねない」と訴えていました。

NHK NEWS WEB 23/1/9

友人の家族がコロナとは別の理由で救急車のお世話になったそうなのですが、搬送先が全然決まらなくて困ったと言っていました。そういう理由で助かる人が助からないケースも出ているはず。これも普通の風邪の流行では起きない。

さて、コロナ対策していても日本はこうなっているのですが、では「コロナはただの風邪」を実践している国ではどうなっているのでしょうか。

“感染ピーク”の上海…日本人医師がみた「病院」と「日常」のギャップ 春節で感染拡大懸念「上海で起きていることが地方で…」

中国政府が厳格に運用してきたゼロコロナ政策が2022年12月7日に突然緩和されたあと、各地で爆発的に新型コロナの感染が広がった。首都北京市では「約8割の市民が感染した」と言われるほど広がり、一時、北京の中心部であっても街から人がほとんど消えた。

2022年12月29日、中国の感染症対策を担う中国疾病予防センターの専門家は「新型コロナの感染拡大は北京市や天津市などではピークを越えたが、上海市や重慶市、安徽省、湖北省、湖南省では深刻な状況になっている」と述べた。

今、中国のSNSには上海市の病院で患者が溢れかえる映像だけでなく、葬儀場や火葬場で人が行列を作る映像までもが大量に流れている。

日本人が最も多く暮らす上海(2022年10月1日時点で3万6614人・外務省「海外在留邦人数調査統計」)で、一体何が起きているのか。

上海の国際病院「パークウェイ医療」に7年間勤務する友成暁子医師は、「1月上旬から中旬頃が上海の新型コロナ感染がピークではないか」と指摘する。

集中治療室は「ほぼ満床」

――現在の上海の感染状況は?

上海は去年12月の中旬くらいから新規感染者が一気に増えました。当院でも一時期、病院のスタッフの8割くらいが感染して出勤できないことがありました。私が勤務しているフロアには20人の看護師がいるのですが、19人が出勤不可能となり、1人しか残っていないということが1日ありました。また、医師も出勤できず違う医師がカバーしたり、医師が本来やらない仕事もするような日もあるくらい人出不足になりました。

病院の状況は年明けから非常に忙しくなっていて、患者も中等症から重症の方が増えている印象があります。1月の上旬から中旬頃にかけてが、上海の感染状況のピークなのではないかと思っています。

これは夜間救急の話ですが、感染者がここまで増える前は患者が発熱外来に来て2時間くらいで診られていたのが、1月2日には待ち時間が8時間になったケースもあったと聞いています。

また、上海の病院では集中治療室の病棟が年末くらいまでは余裕があったのですが、現在はほぼ満床で一般病床にも患者が溢れ出ているような状況です。皮膚科などで、普段は呼吸器を使わないような医師が呼吸器を使って患者を診るような状況になっています。

医療現場は「前代未聞」の状況…街は通常の人出

――新型コロナの流行が始まってから一番大変な状況か?

病院で患者の行き場がない、行っても数時間待たされる。医療資源が足りなくなりそうになり、そして医療従事者が疲弊しているという、こんなことは前代未聞です。

2020年にコロナの感染が出始めてから、病院がここまでになることはなかったです。今は本当に目の前のことをこなしているというのが現状です。先のことは考えられない。1分1秒、目の前のことをやって1日が終わっていくという状況です。

一方で今、上海の街を歩いている分には全く何も起きていないような通常の人出に戻っています。上海の観光名所には多くの人が集まっています。しかし病院の敷地に入ると患者が溢れていますし、病院の中はごった返しています。病院と日常のギャップがすごいです。

――来院する患者の年齢層は?

当院に関して、発熱外来には赤ちゃんから高齢者まで広い範囲で患者が来ています。若い人たちであれば点滴をして、解熱剤などの薬を処方して終わるのですが、高齢者の場合は容態が急変して入院になるケースが多いです。

――患者の症状について?

中国で今、流行している新型コロナウイルスは比較的症状が弱いとされているオミクロン株なんですが、他の国のオミクロン株は症状が弱いとか、ただの風邪と言われていますが、中国のオミクロン株は全く侮ってはいけないと思います。他の国とは比較にはならないくらい、中等症患者、重症患者がいるのではないかと思います。ただ、中国では感染者の正式な数字が発表されないので、本当に同僚の口コミや体感的な話になるのですが、今後は中等症や重症の患者がどうなっていくのかがポイントになると思います。

延べ20億人以上が移動…「春節」の医療リスク

――中国人が一度に大移動する春節によって感染者は増える?

まさに増えると思います。春節で地方などの実家に帰る方も多いですし、今、すでに電車の中でスーツケースを持っている人もいるので、春節の2週間前くらいから人の移動は始まると思います。

上海や北京で感染が広がった中で、都市部にいた若者が感染を地方に持って帰り、そういう状態で家族にコロナが感染してしまった場合、家族が入院できる病院がどれくらいあるのか、地方都市では今、上海で起きていることがこれから起きる可能性もあります。

また、今後心配な点は、コロナ自体の感染者が増え、中等症患者、重症患者が増えてくることはもちろんですが、そちらに医師の手が取られてしまって、このタイミングで心筋梗塞、脳梗塞になってしまった患者がいた場合、救急外来などがコロナの患者で埋まっていて、待たされることで重症者になってしまうという2次被害が懸念されます。

FNNプライムオンライン 23/1/9

中国はこれまで、対策でむしろ犠牲者が出るほどの厳しいゼロコロナ政策を取って来たのですが、昨年12月に突然緩和。今度はびっくりするぐらいゆるゆるになりました。コロナ対策に反対するデモが反政府運動になりそうだったからとか、対策のお金がなくなったとか、いろいろ推測されているのですが、真相はやぶの中。

ですが表向きの発表としては「オミクロン株の毒性はそんなに強くないから」で、まさに「ただの風邪」論です。そしてずっと言われていたように、やはり中国産ワクチンの効きはよくないようで、こういう点でもワクチンも嫌っている「ただの風邪」論の格好のモデルケースとなっています。

この政策変更を失政と非難されないためにか、中国政府は徹底して対応しています。コロナ感染者の統計を取ることを止めました。コロナ感染による死亡基準もものすごく厳格にして、合併症をすべて排除。この結果、公式にはコロナはまったく広まっておらず、死者もほとんどいなくなりました。

感染流行初期にイギリスやスウェーデンは自然感染による集団免疫を目指しましたが、想像以上の悲惨さに音を上げました。しかし中国はその路線で行けそうです。

ただ、そこにさらに重大な問題があるんですよね。

米でオミクロン株の1つ「XBB.1.5」急速に拡大 感染力強いか

アメリカでは新型コロナウイルスのオミクロン株の1つ「XBB.1.5」がこの1か月で急速に拡大しています。

ほかの変異ウイルスと比べ感染を広げる力はより強いとみられ、ワクチン接種など対策を続けるよう呼びかけられています。

CDC=アメリカ疾病対策センターはこのほど、今月7日までの1週間に新型コロナに新たに感染した人のうち推計で27.6%が「XBB.1.5」に感染したと発表しました。

ほかの変異ウイルスが先月下旬からいずれも減少する中、「XBB.1.5」は先月3日の時点の推計2.3%からこのひと月で急速に広がり、中でも東部のニューヨーク州を含む地域では全体の7割を超えています。

バイデン政権で新型コロナウイルス対策調整官をつとめるアシシュ・ジャー氏は今月4日、自身のツイッターで「XBB.1.5」はほかの変異ウイルスと比べ感染を広げる力はより強いとみられるとして、ワクチン接種など基本的な対策を続けるよう呼びかけました。

アメリカの新型コロナの感染状況は、今月4日の時点で新たに入院する患者の数が1日平均およそ6500人と、ひと月前と比べ3割ほど増えていますが、死者の数は1日平均およそ390人と去年10月中旬以降おおむね400人を下回る状態が続いています。

NHK NEWS WEB 23/1/7

さらに上がる感染力。免疫逃避も起きている。

つまり野放しにしちゃうと、何度も何度も感染し、そのたびに何万、何十万という死者が出ることになるのです。

日本の対策も、中国には遠く及ばないけれど、どこか「見なかったことにしよう」という雰囲気が感じられるようになっています。最初の分類引き下げも、そういう流れ。

この先のリスクを本当にわかっているのか、心配ですねえ。

この先のリスクには、さらにいつも気にして書いている後遺症の問題があるのですが、そちらは明日。

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