カタールW杯その9 真っ向勝負か現実か
さあ、リアルタイムはいよいよ決勝戦! メッシvsエムバペというベテランと若手のスーパースター対決でもありますね! どっちが勝つかなあ。
そんな中で感想はようやく決勝トーナメントに突入。一回戦です。
オランダ3-1アメリカ。
アメリカの方がいい感じで入ったように見えたのですが、点を取るのはオランダ。10分、先制点。つないでいってガクポ選手が右へ。ダンフリース選手がダイレクトで折り返し、遅れてゴール前に入ってきたデパイ選手がシュートを決めました。
その後もアメリカがいい攻撃を続けて同点を目指すのですが、前半終了間際アディショナルタイム、オランダ追加点。スローインからつないでダンフリース選手がペナルティーエリア脇を取り、マイナスの折り返しを左から走り込んできたブリント選手がダイレクトで蹴り込みました。
後半に入るところもいい形で攻めてきたのはアメリカ。ようやくそれが実ったのが76分。右CKをクリアされるも、アメリカが拾って右のプリシッチ選手へ。ペナルティーエリア内へ侵入、速いパスを送ると、ライト選手がニアに走り込んで足を振ります。多分そのままニアを狙ったと思われるのですが、シュートはうまく当たらず。けれど、うまい具合にファーに飛んでいってゴールイン。
2-0は危険なスコア、1点返されたらわからないとは、サッカーでよく使われる経験則。しかし80分、オランダがとどめ。つないで左へ展開しブリント選手がクロス。つないでいる間にファーにダンフリース選手が遅れて入ってきていて、スライドしていたアメリカDFラインは気付いておらず、完全などフリーで難なく合わせました。
欧州南米のサッカー先進国に対して他地域もがんばっているというのが、グループステージ突破の結果に出ていると思うのですが、ただそこから先の勝負強さは、やはりこういう決定力の差なのかなあと思いました。
アルゼンチン2-1オーストラリア。
アジア勢一番乗りで決勝トーナメントに進出したオーストラリア。決勝トーナメント1回戦もアジア勢で最初です。相手は強豪アルゼンチン。
35分、アルゼンチン先制。右サイドからのFK。メッシ選手が蹴るとこぼれを拾ってもう一度メッシ選手へ。中央マク・アリステル選手へパスが入り、ペナルティエリア内へ楔。オタメンディ選手のコントロールが少し大きくなったところ、メッシ選手がシュートを決めました。
57分、アルゼンチン追加点。前からプレスに行き、デ・パウル選手がGKまで行くと、タッチが大きくなったところをアルバレス選手がかっさらってゴール。
77分にオーストラリアは左サイドからのクロス。跳ね返されたボールをグッドウィン選手がダイレクトミドル。相手に当たってコースが変わってゴールイン。一矢報います。
しかし試合はこのまま終了。特にアルゼンチンの2点目の、ここはプレスに行くぞという阿吽の呼吸に、強豪国のしたたかさを感じました。
フランス3-1ポーランド。
ポーランドにも惜しいシュートシーンがけっこうある中で、けれどやはりフランスが先制。そして得点を重ねていきます。
44分、左インサイドでボールを受けたエムバペ選手がスルーパス、抜け出したジルー選手が逆サイドに打ち込みました。ジルー選手は歴代フランス代表単独トップとなる52得点目。ティエリ・アンリを越えました。
歴史と伝統を感じさせるベテランの得点のあとは、若きエースが大活躍。74分、カウンターからボールを受けたエムバペ選手。スピードを警戒して対面の選手が寄せられないところ、余裕を持ってシュートを打ち込みます。91分にはエムバペ選手から大外のテュラム選手へ。ペナルティエリアに入ったエムバペ選手に戻したところ、コースを作ってファーへ巻くシュート。もう止められない。
さて、ポーランドの完封負けかなというところで得点機が。左からのクロスがブロックに行ったフランスCBウパメカノ選手の腕に当たってPKへ。レバンドフスキ選手のキックをフランスGKロリス選手が止めますが、PKに行く時のレバンドフスキ選手のステップでのフェイントにペナルティエリア外のフランスの選手が引っかかってしまって、蹴る前に侵入していてやり直し。そして今度はレバンドフスキ選手がしっかり決めました。
そしてこれがラストプレーで、試合終了。
イングランド3-0セネガル。
前半からセネガルもビッグチャンスを作っていました。
しかし、イングランドはその嫌な時間帯にしっかり得点を取ります。38分、後方から繋いでいって、ケイン選手が左サイドでスルーパス。ベリンガム選手が抜け出してマイナスの折り返し。これをヘンダーソン選手が決めました。さらに前半アディショナルタイム、イングランドゴール前からのカウンター。ベリンガム選手がドリブルで運び、左前方のフォーデン選手へ。右に折り返してケイン選手が決めました。
後半にも得点、57分。こぼれを拾ったフォーデン選手が左サイドを突破して、股抜きの折り返し。ニアへ走り込んだサカ選手が決めました。
気がつけばイングランドの完勝です。絶好調ですね。
そして日本1-1PK1-3クロアチア。
勝ちたかったなあ……。
ブラジル4-1韓国。
アジア勢のトリを務めるのは韓国。オーストラリア、日本とベスト16で散っているので、勝ち抜けたいところですが、相手は超強豪のブラジルです。そしてあっという間に点差が開きます。
開始早々7分、ファーでボールを受けたヴィニシウス選手、韓国守備陣3人と、GKのスンギュさんが飛び込んでくるのを、落ち着いて見極めゴールへ蹴り込みます。13分、韓国のチョン・ウヨン選手がクリアしようとしたところ、後方の死角からリシャルリソン選手が前に入り込んで、足を蹴られてPK獲得。ネイマール選手が決めました。
29分、この辺りになると、すでにブラジルの選手は余裕綽々。クリアボールをリシャルリソン選手がヘディングリフティングでキープ。そこから周りの選手と華麗な連携でゴール前に走り込み、あっさりと決めます。36分、ブラジルがカウンターを左に展開していって、ヴィニシウス選手。DFと対峙すると、ひょいと浮かすようなクロスをマイナスに上げ、走り込んだパケタ選手がダイレクトシュートを決めます。
前半で完全に勝負を決めたブラジルは、ムキになって攻め続けることなく、サボりはしないのですかギアを一段落した感じに。
76分には韓国が、ペク・スンホ選手の思い切ったミドルシュートで一矢報いますが、試合はそのまま終了。
正直、力の差がありすぎたという印象です。真っ向勝負では勝ち目なし。同じラウンド16敗退でも日本とはだいぶ毛色が違う試合となりました。
人によって、真っ向勝負で玉砕した韓国と、現実を見て守備的戦術を取ったのに、それでも負けた日本と、評価が分かれるとは思うのですが。
日本も真っ向勝負をしたら、こうなっていたのかなと思うと、やはり森保監督がカウンター戦術に舵を切り勝負に徹した姿勢は、僕にとっては好印象でした。いつか真っ向勝負できたらいいけど、そのためにはもっと育成のレベルを上げて、中盤とゴール前を支配できる人材を育てないと。
モロッコ0-0PK3-0スペイン。
グループステージ3戦目でのモロッコは、けっこうひいこら言いながら何とか勝った、という印象だったのですが、この試合は別チームになったかのよう。やはり決勝トーナメント。気合の入り方が一段上です。
引き気味だけどしっかりとブロックを作り、スペインのパス侵入を遮断。いい守備からカウンターを仕掛けます。前半はポゼッションはスペインだけれど、チャンスの数はモロッコの方が多くありました。
後半途中から少し疲れが出てきて、スペインが押し込み続ける展開に。モロッコの選手がどんどんと足を攣って交代。でも死力を尽くして守り続けます。アブラバト選手の守備がすごい。
そして試合は延長へ。傾向は変わらず、必死に守るモロッコ。キャプテンのCBサイス選手がクリアしようとボールを蹴った途端に腿裏を痛めたけれど、テーピングでぐるぐる巻きにしてピッチに立ち続けるド根性。スペインの猛攻をしのぎ切りました。
そして運命のPK戦。スペインが1本目をポストに当て、そこから2本立て続けにモロッコGKボノ選手にセーブされます。それに対してモロッコは2番手ツィエク選手と4番手ハキミ選手がキーパーが飛ぶことを予測してど真ん中に蹴るクソ度胸。すごい。
モロッコが劇的な勝ち上がりです。
ポルトガル6-1スイス。
ブラジルvs韓国をも上回る、思わぬ大差がついた試合。ここで活躍したのはゴンサロ・ラモス選手。大エース、クリスティアーノ・ロナウド選手に代わっての先発で、放送席でも驚きをもって迎えられていました。ところがこの大舞台で自分の力を証明するという、劇的な展開。
17分、左サイドでのスローインを受けて、フェリックス選手がカットインからパス。ペナルティエリアにちょっと入った左角辺りで受けたラモス選手、前を向いて縦に行き、ほとんどコースがないと思えたのに、ゴールニア上をぶち抜くスーパーシュート。これが先制点。
そして後半に入って51分。左からのクロスのこぼれを拾って、ダロト選手が縦突破して折り返し。ニアに走り込んだラモス選手は左足先で合わせてGKの股抜きゴールを決めます。
ゴールだけではなくアシストもします。55分、フェリックス選手が中央のラモス選手へ。ラモス選手は強引に行こうとすれば行けたでしょうが、周りがよく見えていて左に走り込んできたゲレイロ選手へ。ゲレイロ選手はスピードを殺さぬいいコントロールで前に行きシュートを決めました。
さらに67分、GKからのロングキックを競って、そのこぼれを拾ったシウバ選手が前のフェリックス選手へ。ためて右へはたくと、受けたラモス選手がGKとの一対一でちょんと浮かせてゴールを決めます。なんと今大会初のハットトリック。
顔はひげ面のおっさんですが、実は21才と若いラモス選手。C・ロナウド選手の後継者として十分な力があることを、W杯決勝トーナメント、そしてハットトリックと、これ以上ない形で実証してみせました。すごい。
この他にもドカドカと点が入って、ポルトガル大勝です。
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