バイオ燃料進行中
僕はわりと環境問題に関心がある方で、こちらのブログにもそういう記事をちょこちょこ書いていますが。
最近の世の中の流れにはちょっと疑問を持っています。まるでファッショントレンドに飛びついているような感じで、技術的な問題点から目を背けているのではないか。
その一つが電気自動車です。
バッテリーに関して色々とまだ問題があり技術的なブレイクスルーが必要なのではないかと思われるのですが、そこら辺が無視された状態で、欧州などではガソリン車の新車販売をやめようみたいな話になっている。先走り過ぎではないかと思っているのです。
さて、そういう時に、こちらの方面が発展していってもいいんじゃないかなと思ってニュースを追っているのが、バイオ燃料です。
石油、石炭、天然ガスといった化石燃料が問題視されるのは、過去に地中に取り込まれていた炭素を掘り返して大気中に放つ構図になっているからです。それに対して光合成を利用して育つ植物由来の燃料であれば、大気中の二酸化炭素が循環している形になるので増やすことはない。カーボンニュートラルという考え方です。
昔一時ブームになった時には、穀物からつくるバイオエタノールだったので、食糧価格が上がってしまうという問題がありました。それに対して最近研究されているのは、微生物に油を作らせる方法です。これなら食糧とはバッティングしません。
先行しているところで有名なのは株式会社ユーグレナ。ミドリムシを使った栄養食品から手を広げていき、サステオというブランド名でバイオ燃料の開発もしています。
飛行機ではバッテリーには重さのわりにエネルギーを貯めこめないというエネルギー密度の問題があって電動化が難しく、それよりも燃料をカーボンニュートラルのものに変えようという動きが盛んです。そちらへの供給を進めていて。
自動車でも自動車メーカーと共同研究をして実用化に向けて進んでいる様子。ミドリムシ原料100%でもノープロブレム!! いすゞが混ぜものナシの次世代バイオディーゼル燃料の性能をテスト fullload web 22/11/13。ディーゼル車なら、100%バイオ燃料も改造なしで普通に使えるっぽい。
さらにですね、こちらのニュースを見かけたのです。
【経済】【クラウドファンディング】“ミドリムシ”由来バイオディーゼル燃料で環境問題を解決! Revo Energy、12月8日募集開始 Kabutan 22/12/5
こちらはミドリムシに光合成させるのではなく、餌になる稲を育ててそれを与える仕組み。そちらの方が油脂の生産量が多いのだそうです。しかも、稲も野外で育てるのではなく植物工場の形にして高効率化。それ用の品種も開発したとのこと。さらに注目したのはここ。
プラント導入による企業のメリットとしては、例えば、1日2000リットルの軽油を消費する企業には、4年で償却、10年間で約6億3300万円の燃料費削減を提案していく計画です。顧客企業は、自社でバイオディーゼル燃料を自給自足することになるため、軽油を使用している中小の運送会社などには大きなインパクトがあると考えています。
各事業所で自前で油を作って、それで採算がとれますよ、という試算が出ているようです。
微生物から油を生産する方法は、技術的には十分可能で、問題はコストだとされていました。この事業がうまくいくのかは、これ以上の詳しい話が見つからなかったのでわからないんですけど、ビジネスとして採算の部分でもいけるんじゃないかというレベルまで来ているのであれば、とてもいいことです。期待大。
車も供給網も今までのものでいけるというのが、バイオディーゼル燃料の強み。生産の部分さえ何とかすれば特に問題なく切り替えられるのです。うまくいくといいなあ。
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