干ばつは続く
さて10月半ば、気温もすっかり秋めいてきまして、台風シーズンも終わりかなというこのごろ。
そうすると今年の水害の時期も終わりな感じなのですが。
世界的には今年はまだまだ災害が続いています。大干ばつがニュースになっていました。あの後どうなってるのかなと調べてみると。
『過去500年で最悪の干ばつ』スペイン人の暮らしにも影響 松尾彩香 WorldVoice 22/10/12
こちらはスペイン在住の方のレポート。まだ続いてた。
乾燥した地中海の気候の影響をもろに受けているスペインで年中安定した水を供給するためには、貯水ダムの存在は不可欠です。スペインのダムの保有数は世界でも上位につけるほどですが、今年は貯水量が満水時と比較して40%を切ってしまっているダムが続出しているというのです。この異常事態にスペインの南部に位置する都市セビージャでは、今月から市民が使う水の使用に制限をかけることが発表されました。生活用水を花だんの水やりや打ち水に使用することを禁ずるほかに、プールに水を貯めたり車の洗車を行うこともこの制限の対象になるようで、一般市民の生活に大きな影響を与えることは避けられないでしょう。
農業生産にもダメージがあるようです。川もすっかり干上がっている模様。
フランスの原発は川沿いの立地なので、冷却水が水位低下で十分に取れず、出力を制限して運転しているというニュースがありました。その後、老朽化やらなんやらで、点検修理が発生、さらに止まっている原発が出たようです。この冬のエネルギー危機を乗り越えられるのでしょうか。
そしてアメリカ。東部でハリケーン被害が出ていて、西部は干ばつ。
米カリフォルニア州、4年連続干ばつ予測 電力不足懸念
【ニューヨーク=弓真名】米西部カリフォルニア州で深刻な干ばつが常態化している。熱波を招くとされる「ラニーニャ現象」によって11月まで高温で乾燥した気候が続き、2023年も4年連続で干ばつの被害が発生すると同州は予測する。
カリフォルニア州の9月の報告書によると、干ばつの被害は00年以降では07~09年と12~16年に観測するなど常態化しつつある。州は全58郡で干ばつ緊急事態宣言を出し、20年度比で15%の節水を呼びかけている。
米農務省などがつくる干ばつモニターによると、9月末時点で「極度の干ばつ」か「例外的に深刻な干ばつ」に直面しているカリフォルニア州の地域は40%以上にのぼる。農業用水や都市部の飲料水が不足するリスクがあるほか、牧草地がほとんど残らなかったり火災が起きたりする危険性も高まる。
カリフォルニア州は農業州として米国の乳製品や果物の消費を支えている。米農業局連盟(AFBF)が6~7月末にかけて実施した調査によると、干ばつに見舞われた15州にある650以上の農家のうち、74%が収穫量の減少を実感していると回答した。
干ばつは電力の安定供給にも影を落とす。コロラド川は西部ネバダ州やカリフォルニア州に水力で電力を供給している。干ばつで川の水位が低下し発電ができなくなる可能性がある。
日本経済新聞 22/10/6
カナダでも。
カナダの川でサケが大量死。気候変動で干ばつリスク「20倍」との指摘も サケの大量死は、干ばつによる川の水位低下が原因とみられている。
カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州の川で、サケが大量に死んでいるのが見つかった。
BBCによると、毎年秋に産卵のために戻ってくるサケを数えている調査隊が見つけた。
The Guardianは、「ブリティッシュ・コロンビア州を1カ月以上にわたって襲っている干ばつの最新の犠牲者だ」と伝えている。
川の様子を捉えた動画をTwitterに投稿した、ウィリアム・フースティ氏はこの地域の保護管理者で、「このような事態を目の当たりにして、愕然とするばかりです。川の水位はどこも低くなっています」とThe Guardianに語ったという。
フースティ氏によると、10日前に雨が短時間降ったことで水位が上昇し、サケが川を遡上したが、その後雨が降らず、川が干上がったため、魚が取り残されてしまったのだという。
生物学者の話として、「川の底には6万5000匹のサケの死骸があり、そのうちの70%以上は産卵に失敗したと推定している」と伝えている。
一方、気象科学者らの分析で、気候変動により、今年の夏は、北半球で記録的な干ばつが発生する可能性が少なくとも20倍高くなっていたことが明らかになったという。今年観測された干ばつは、人間の活動による地球温暖化がなければ400年に1度の規模だったものの、現在の気候では20年に1度起きる可能性があるとしている。
ハフポスト日本版編集部 22/10/8
さらにはアフリカ。
希少種のシマウマ、過酷な干ばつで2%が死ぬ ゾウやラクダも犠牲に ケニア CNN.co.jp 22/10/6
こちらの記事で気になったのはこのあたり。
干ばつの影響で、食料目当ての密猟も深刻化した。北部の農村部では干ばつのために農家の収入源が減って密猟が増え、牧草保護区のグレビーシマウマが密猟されている地域もある。
「干ばつで牧草保護区に大量の家畜が集まったため、グレビーシマウマの密猟が増えた」と保護団体のマッキー氏は話す。「それが民族間衝突や密猟に結び付いている(動物が対立に巻き込まれることもある)。畜産農家は野生生物で生計を立てるしかなくなっている」
人と野生生物の衝突は、ゾウの死にも拍車をかけた。少なくなった餌や水を求めてゾウが人に近付くことが増え、何十頭ものゾウが殺されているという。
国連によると、ケニアは過去40年で最悪の干ばつに見舞われており、400万人以上が「食料不安」に陥り、300万人あまりが十分な飲み水を確保できない状況にある。
もう2年ほど干ばつが続いたままなっているとのこと。動物がバタバタ死んでいるという記事なのですが、その中の人間について書かれている部分が気になったのでした。これ、政情不安や難民問題にもつながりますよね。
世界的にも食糧生産に問題が出ていて、そこにロシアのウクライナ侵攻が重なって、さらに穀物不足になっています。大荒れになりそう。やだなあ。
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