フランス漫画事情
この夏の大忙し期間がいつも以上に大忙しだったり、他の作業も忙しかったりで、反応できていなかった記事。
2021年のフランス出版市場は4冊に1冊がコミックス、うち2冊に1冊が日本の漫画 クリステル・ウーランス HON.jp News Blog 22/8/4
一か月ほど前の記事になっちゃうんですけれども。
フランスの出版社Kana社の代表クリステル・ウーランス(Christel Hoolans)さんが、コロナ禍以降のフランス出版市場とコミックス市場の現況について書いた記事。日本と同じく、コロナ禍で外出を控えなくてはならなかった時に、読書需要があった模様。特に漫画の伸びがすごい。
さて、この記事はだいぶ前なので今更なんか書いてもなと思っていたのですが、ふと違う切り口を思いつきましたよ、というのが本日の記事。フランスでは日本の漫画が人気だとは聞いていて、この記事も日本の漫画が伸びてるという話なのですが、では日本と比べてどれぐらいなのだろうと思ったのです。単純比較じゃなくて、人口比を考えて、社会にどれぐらい浸透しているのか。
まず人口を比べますと、フランスが6540万人で、日本が1億2610万人(国連人口基金・世界人口白書2021)。日本が二倍弱。
ここからがややこしい。統計の項目がそろってないんですよね。フランスの書籍市場規模は3億9900万部、45億ユーロ(2021年の平均相場でおよそ5850億円)とありますが、前後が書店の話で、販売チャンネルの話の中にも電子がなさそう。紙だけなのかな? それに対して日本。漫画がでかいはずなのですが、漫画の単行本って、書籍扱いだったり雑誌の別冊扱いだったりしているのです。
フランスのデータは記事の書き方からして書籍のうちに入ってるみたいですが、日本は雑誌の方に入ってる分があるので、ここは比べられない?
コミックスの方は、はっきり紙+電子と書いてありますね。8500万部以上、9億ユーロ(約1170億円)、シェアが24%。日本も「コミックス」でデータ出てるから、これは比べられる。日本は6759億円、シェアが40.4%。部数の数字が見つからなかったのですが、紙が3億7085万冊という数字は見ました。電子がもう6割行ってて、かつ、お値段も若干安いことを考えると、10億部超えてる?
フランスの数字を人口比で考えて倍にしても、日本の方が圧倒的に多い。さすが、日本は漫画大国だなあという結果になりました。
ただ、記事の中には日本の漫画のすごい伸びが書かれています。前年比で2倍ぐらい行ってる模様。動画配信で日本のアニメがたくさん提供されていて、そこが入り口になっているとのこと。これはまだまだ開拓の余地がありそうです。
僕は現場で、漫画家が文字通り命を削って作品を作っている様子を見てきているので、漫画が評価されそのがんばりが報われるのがうれしい。もっともっと世界で売れるといいなあと思うのです。
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