オミクロンBA5
このあいだ行われました、2022J1第21節鳥栖戦。ウノゼロで逃げ切り勝利となりました。
先発、ベンチのメンバーを見てみると、鳥栖はそこまで大きくは変わっていませんでした。7名ほどコロナ感染で隔離期間だった選手がいたのですが、ウチも連戦の中、ちょっとメンバー入れ替えていたので、大差なし。
ただ、またサッカーでコロナ感染での活動中止が起きて、感染拡大を実感したのです、というのが本日の話題。第22節では名古屋に9名感染があって、活動中止。川崎戦が延期に。鳥栖で延期になったのも川崎戦で、川崎もスケジュール的に大変そう。先週末はJ2東京Vvs徳島、J3今治vsYS横浜もコロナ感染で中止となっています。広がっている。
さて現在感染拡大中なのはオミクロン株の中でBA5というタイプ。このあいだまで広まっていたのがBA2です。
今僕が心配しているのは、このBA2がストーリー的な視点で見た場合、非常に嫌な伏線になっていることです。
デルタ株からオミクロン株に主流が切り替わった時、「感染力は強くなったが、毒性は下がった」というような話の広まり方がありました。これがまず伏線。ミスリードで油断を誘っています。
オミクロン株はデルタ株から枝分かれしたのではなく、その前に流行していた株からの分岐です。つまり、強くなったのが弱ったというより、強くならず元々のまま、の方がイメージとしては合っている。
そして主な増殖場所が変わったのが、また油断を誘う伏線。肺で増えて肺炎をよく起こしていたのが、増える場所が上気道になりました。鼻とか喉なので症状が風邪っぽい。肺炎はあまり起こさないので、ECMOが使われず、重症としてはカウントされなくなります。感染が多いわりに病床が逼迫していない。
これで、もう弱って来てるんじゃね? ただの風邪じゃね? という声が増えています。
今日はサッカーに絡めて話題を始めたので、さらに伏線ぽいのをもう一つ。Jリーグでは声出し応援解禁に向けて、運営検証試合というお試しカードを用意しました。ところがそうではないカードで浦和サポーターが大騒ぎして大問題に。勝ち点剥奪という話まで出ました。
この時に、ツイッターの反応を眺めていると、擁護派の中に「ただの風邪なのに」という声はもちろん、「欧州サッカーはもう声出し応援している」というものがあったのです。浦和のショルツ選手も「日本の対策はやり過ぎ」というコメントをしていたみたいなのですが。
欧米のコロナ感染のニュースはずっと追っています。日本より先に感染拡大する傾向があるからです。確かに欧米は日本より先に警戒レベルを下げていますけれども。
データを見ると日本の防疫の方が結果を出しています。経済的な悪影響も欧州よりましです。僕的にはずっと、欧米のやらかしを見ているという感想なのです。
そもそも最初に日本が「ダイヤモンド・プリンセス」号で、先例のない中できる限りの対応をしようとがんばっていた時に、イタリアは船からお客さんを降ろしちゃって水際防疫大失敗、ロックダウンまで行きましたからね。日本下げが大好きなTVコメンテーターは日本の対応をあざけってましたけれども、実態は逆ですよ。
欧米君はなんか、上から目線で威張り散らして油断して敵にやられる脇役みたい。あっさりラスボスがやられて、みんなが緊張感を解いたところで、真打ち登場的なストーリー展開になっています。嫌だなあ。
では真打ちは何だろうかと考えると。
一つは将来の変異株です。感染をほっといてウイルスをはびこらすと、その分変異株も出やすくなります。
肺よりのどで増殖した方が撒き散らすのには有利と考えられるので、今後も肺炎が減ったままなのは期待できるかもしれないと思うのですが、感染力が上がり続けちゃうと、確率は減っても患者数は増えちゃう。
そしてもう一つが後遺症。こっちの方がやばそうだと感じています。僕がこんなに警戒しているのは、ここにも書いていますが、後遺症を恐れているからです。特に脳の機能に影響が出るのだけは避けたい。ただの風邪にはこんな後遺症はないのです。
コロナ禍も長く続いているので、後遺症に関するデータもたまってきました。このあいだイギリスでの研究が発表されていました。キングスカレッジロンドンの研究によると、デルタ株の流行期に後遺症になった人は感染者の中で10.8%。これが現在のオミクロン株流行期では4.5%に減っています。ですが倦怠感を訴える人はその後遺症の中で26%から34%に増えている。
倦怠感という言葉のイメージは「ちょっと疲れた」ぐらいの感じですが、寝たきりレベルでトイレにも立てない人もいるそうです。仕事を失ったという話もありますね。深刻。
こちらの研究の記事では僕が恐れているブレインフォグがどうなったのかの数字はなかったけれど、後遺症の治療に当たっているお医者さんの話で、そちらも増えていると言っているのを見かけました。後遺症を扱った番組で、この症状に苦しんでいる患者さんが出ていました。看板やポスターを見ても文字の意味がわからないのだそうです。やはり仕事ができなくなったとのこと。深刻。
あと、オミクロン株流行前の記事ですが、ブレインフォグなどの脳の後遺症が、長引くとなかなか治らなくなるという気になるデータを見ました。他の後遺症はだんだん治っていくのに、集中力低下の項目で下げ止まりが起きている。9ヶ月後と1年後がほぼ変わっていなくて1年後が5.3%。これが今回どれぐらいに増えたのか。そしてちゃんと治るのでしょうか。
増えたと言えば、BA5の感染力です。一人から何人にうつることになるかという数値を再生産数と言いますが、この新型コロナは流行当初3ぐらいでした。それがオミクロンBA5では18ぐらいになりました。全ウイルス中最強レベル。1人が18人に。ネズミ算どころではないですよ。しかも、変化箇所が多いので、ワクチン等で今まで得た免疫を潜り抜けて感染する可能性が言われています。
ここまでの数字をまとめて考えてみましょう。潜伏期間が短くなっていることも考えると、感染対策なしのノーガード戦法だと3週間あれば日本が全滅。そして30万人ぐらいが長く続くブレインフォグに悩まされる計算です。倦怠感の方は180万人ぐらいになりますね。
これは単純計算で考える最悪パターンなので、当然ここまではいかないはずですけれど、これの社会的影響が浮上してくるのではないか。そしてその一人には絶対になりたくない。
僕が警戒を緩めるのは、特効薬が開発されて治る病気になってからです。ほんとに怖い。
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