クラスメイツ
クラスメイツ (森絵都・著)を読みました!
春。中学に入学した最初のクラスで、千鶴は緊張していた。友達作りには最初が肝心なのに、出席番号順の座席では相本という名字の千鶴はいつも一番前の角。隣は同じ小学校出身で怖いことで有名だった久保さん。後ろの席の子に賭けるしかない。
その席にやってきたのは、小柄で天然パーマで一重の細目の女の子。千鶴が勇気を振り絞って話しかけると……。
中学一年A組の24人、一人ひとりを順番に主人公にして書き綴る短編集です。前後編2冊組、各150pほどなので、一編もさらさらっとお手軽に読めます。もしかして、朝読対応なんだろうか。
さて、一編ごとに主人公が代わる短編集なのですが、一つのクラスの中なので、全編が緩やかに繋がっています。ある話で脇役だった子が、他の話では主人公。僕は伏線がうまく張ってあるお話が大好きなので、そういうエピソードに心惹かれました。
特に7話の虫好きの少年、陸と、不登校になってしまった幼馴染の女の子、田町。偶然夏休みに出会った時に陸がうまく立ち回れず、後悔の中終わるのですが、15話の田町さんが主人公のお話で、それが見事に伏線として回収され、素敵なラストシーンにつながります。
あとラストと言えば、僕はきれいに終わるお話も大好きなのですが、最終話のエピソードも素敵です。
クラス委員長ヒロ。気苦労の多い彼に、最後に訪れるシーン。ああ、そうだ、これも伏線で張られていたと思いだし、その後に紡がれるだろう言葉に顔がほころんでしまいました。いい話だった。
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