電子書籍の拡大
こちらの記事を読みました。
2021年コミック市場は紙+電子で6759億円、前年比10.3%増で過去最大を更新しシェア4割超に ~ 出版科学研究所調べ HON.jp News Blog 22/2/25
2021年紙+電子の書籍:雑誌:コミック市場の比率は41.9:17.7:40.4 ~ 出版科学研究所調査より HON.jp News Blog 22/2/28
昨年の出版の売上データをまとめた記事。ちょっと面白い数字が出ています。
今世紀に入り、ずっと前年度を下回る後退局面に入っていた出版。その中で数年前から漫画は上昇局面に入っています。昨年もそのまま上昇傾向。
それを牽引しているのは『鬼滅の刃』の超特大ヒットなどもありましたが、デジタル移行が成功しているのが大きい。漫画の売り上げの中で電子書籍が占める割合は、とうとう6割を超えました。
それに対して他の部門。完全に出遅れてしまっていたのですが。
漫画をのぞく書籍でも、一応細々と電子書籍出てるんだなあと思っていたら、2021年の全体の売り上げがちょこっと増えている?
紙の本が少し増えているので、何かのヒットのおかげなのかな。漫画の『鬼滅の刃』のような異次元の特異点ではなくて、このあいだ紹介したTikTok売れのように中ヒットがいくつか出ている影響であれば、とてもいいことです。売り方が改善されたということだから。
あと電子書籍もじわじわと増えている。「書籍」の括りは非常に範囲が広いので、ジャンルによって大分動きが違います。エンタメ系のラノベとかかなと思うのですが、この辺はデータなし。
小さな動きなので今後に注目なのですが、流れができ始めたのならいいですねえ。
両方書いている立場からすると、正直本当は文字物の方がデジタル移行に向いていると思うのです。
漫画の場合、昨今縦読みウェブトゥーンが取り沙汰されることが多いのですが、あれは縦か横かよりも、スマホ完全対応になっている読みやすさが大きいのではないかと思っています。横めくりの従来の漫画の場合、1コマ1コマが小さくなるので、その中のセリフを読むのがとても辛い場合があります。いちいち拡大するのはめんどくさい。
ウェブトゥーンはそこを割り切って、一番見やすい1画面ほぼ1コマの表示にしています。そうするとストレスなくなる。
ただ以前にも書きましたが、それだと書ける物語の内容がちょっと絞られてきてしまう。中身を取るか見やすさを取るか。そういう悩みがあるのですが。
文章の場合は、それを作家の側があまり考えなくてもいい。基本的に画面サイズに合わせて改行が自動で行われ、常に見やすい状態です。
もちろん、画面サイズの影響がまったくゼロということではなくて、スマホの小さい画面であれば、改行多めにちょっと短文気味にした方が読みやすいだろうなとか、そういう部分はあると思います。ただ漫画の、画面全体、コマ割りの構図の作り方から考え直さないといけない、というほどではない。
対応が遅れていた文字物が、ここから別局面に入っていくのかどうか。僕自身の活動にも影響が大きく、非常に気になる展開です。
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