作品との出会い
この間の2/20のコミティアでのこと。
ご近所だったサークルさんが、本を購入したお客さんと話しているのが聞こえてきました。
「中、確認しなくて大丈夫ですか?」「大丈夫です。ツイッターで読んで……」
どうやら、そのサークルさんは、先に中身をツイッター漫画として出していた模様。そしてそのお客さんはそこで読んでいたので、中を試し読みすることなく、すぐに買ったようです。そんなやり取りを聞いて、今の作品との出会い方について考えました。
漫画は中身をSNSに流してしまう手法が定着した感がありますね。ツイッターだと4ページ表示できて、そのままスレッドでつなげることができるので、ちょこちょこ見かけます。
商業出版でも、広告で何ページか表示される形式のものがあり、わりとそのシーンの先が気になって試し読みに飛ぶことがあります。漫画はパッと見た時に、けっこう多くの情報を伝えることができる。そこから興味を引けるのは、強みだなあと思います。
でも、そうやって中を見せるというのは、考えてみるとある意味従来でもやっていたんですよね。
紙の雑誌で、バラバラとめくっている状態がそれです。あの一瞬でも脳は情報を認識していて、気になる絵を見つけたりする。そういう出会い方をした漫画がたくさんあります。
それに対して電子版だと、明らかに出会うハードルが一段高い。電子版の雑誌を買ってても本当に読んでない漫画があるし。漫画サイトもトップページのサムネイル画像しか見てない作品がたくさんある。クリックするというのはすごく単純な一瞬の操作ですけれども、それでも能動的に行わなければいけないということで、これを読むぞという意思決定に導くエネルギーがいるのだなと感じます。
なので能動的ではない何かの方が、出会いとしては強い。そこで中身を流して、パッと目に飛び込む瞬間を作るというのが、重要な施策なのだと思いました。
ただ小説がねえ。ツイッターで流してみてるけど、140字で伝えられる情報量は人を引き付けるにはちょっと心もとない。漫画4ページ分に比べて、だいぶ少なく、シーンとしては1コマ2コマではないか。それでその先に導くエネルギーを与えるというのは、なかなか大変です。
場所だったりなんだったり、もっといろいろ考えないといけないなと感じたのでした。ここの一手を見つけたいですね。
| 固定リンク
コメント