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2022/01/25

オミクロン株で気になっていること

オミクロン株の感染拡大が続いています。

ワクチン接種も多くの人が済ませているし、感染対策もしているのにもかかわらず、感染爆発が止まっていません。感染力がかなり上がっているためです。連日東京都で1000人規模で感染者が増えて、とうとう1万人を超えました。本当にシャレになってない感じ。仕事先も緊急事態宣言時並みの対応に変化してきています。

そんなものすごい感染力のオミクロン株ですが、毒性は低くなったと言われています。その結果、ちょっとややこしい事態が発生中だなあというのが、本日の記事。

弱毒化したならもう窮屈な感染対策はいいんじゃないかという声が強まっているのです。

ちなみにイギリスは行動制限撤廃。こちらのニュース。

ジョンソン英首相 行動規制ほぼ撤廃表明 「ウイルス共生」進める方針

【ロンドン=板東和正】ジョンソン英首相は19日、人口の大半を占める南部イングランドで公共交通機関や映画館などでのマスク着用義務を撤廃すると表明した。ワクチン接種証明の提示を免除し、在宅勤務の奨励も打ち切る。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染がピークに達し、重症者も増加していないとみて判断した。行動規制をほぼ撤廃し、「ウイルスとの共生」を進める方針だ。

英政府はオミクロン株に対応するため、昨年11~12月にかけ、イングランドで公共交通機関や店舗、映画館などでマスク着用を義務付けたほか、在宅勤務を奨励。ナイトクラブなどでワクチン接種証明の提示も義務化した。オミクロン株の感染拡大を受けて導入したこれらの行動規制は今月27日から撤廃される予定。

ジョンソン氏は19日、「英国の科学者は(英全土で)オミクロン株の感染がピークに達した可能性が高いと考えている」と指摘。英国で対象者の6割超が追加接種(ブースター)を受けたことを踏まえ、ワクチンの効果を強調した。新型コロナ感染で集中治療室に入る患者も減少しているとの見解を示した。

英国では、昨年12月からオミクロン株の影響で新型コロナの1日当たりの新規感染者数が急増。今月4日に21万8千人超となり過去最多を記録した。同月中旬以降も10万人近い日が続いているが、減少傾向にある。1日当たりの新規入院患者数も4万人近くだった昨年1月のピーク時に比べ、今月中旬以降は2万人弱にとどまっている。

ジャビド保健相は19日、「インフルエンザと共存するように新型コロナと共存することを学ばなければならない」と強調。規制をほぼ撤廃した上で「ウイルスとの共生」を進める考えを示した。

一方、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は18日、オミクロン株の感染が世界で拡大しているとし、「まだどの国も危機を脱したわけではない」と強調。「このパンデミック(世界的大流行)は終わりとは程遠い」と述べ、警戒を促した。産経新聞22/1/20

ピークを脱したからだということなのですが、「新型コロナとの共生」という文言が気になります。

日本の場合、みんながマスクうがい手洗いを徹底した結果、インフルエンザが絶滅寸前になっています。先週のインフル患者報告数は54人
一昨年同時期の1500分の1以下 ウェザーニュース 22/1/20

それに対して欧州も、昨年は日本同様対策を徹底したのでかなり減っていたのですが、ワクチンを打った後に緩んで今年は戻り気味とのこと。そもそもマスク着用義務化していたのは、裏を返せばみんながしないから。この状態で言う「共生」は、うまくコントロールして暮らしていくということではなくて、「もういやんなっちゃったから、気にしないことにする!」という路線なのではないか。まあ確かに、中国だけでなく自由主義諸国でも、報道しなかったらなかったことになる傾向はあるので、「気にしない!」にも効果あるんですけれども。

しかし、本当にそれで大丈夫なのか。そこで様々な意見を拾ってみました。

まずはまだまだ警戒しないといけないという専門家のお話。オミクロン感染拡大、「ただの風邪」ではないこれだけの現状。専門家たちが緊急配信 FRaU 22/1/18

座談会形式の記事。気になったところを引用しますと。

峰:また、有名な YouTuberの方などが「コロナのオミクロン対策はしないほうがいい」とか「すればするほど害の方が大きい」という情報を配信されたり、「アメリカとイギリスは何もしない対策に向かっているのだから、日本の方もそうすればいいんだ」みたいなことをおっしゃったりしてます。ですが、日本とアメリカやイギリスは、全然状況が違うんです。

アメリカ・イギリスは、はっきり言って今「大失敗」してるわけですよね。もうこれを成功だという人は、冷静に判断できてないと思います。アメリカでは、一般の市民にも N95に相当する、高性能マスク(通常は医療用)を推奨するというような方向性を CDC(アメリカ疾病予防管理センター) が示しているというような報道がありました。もう迷走ですよね。基本の三密対策が何もできてないのに、ワクチン接種率だってアメリカは7割にも届いていないのに、そんな対策ですよ。

もうみんながお手上げ状態であきらめて、しかも「ここからはもう多様性だ」とか「いろいろな考え方がある」とか、そんな人が多いのがアメリカなわけです。日本はコントロールができている国なので、コントロールができてない国のやり方に引っ張られる必要は全然ないと私は思っています。

安川:日本で「軽症」または「重症者数が少ない」と言われていますけれども、もともと日本で使われている重症度分類というのは、世界的な基準とは大きく異なるんですね。

日本の中等症2は、アメリカでは重症ということになります。日本では重症の基準をかなりきつめに見ているということは理解しておいたほうがいいと思います。さらに今の「重症度分類」はとても肺炎に特化している分類なんですよね。つまり肺炎で区切っている、肺炎があったら中等症1、酸素が必要だったら中等症2とかそのように区切っています。

ということは、先ほど挙げたような高齢者で結構状態が悪い方というのは、酸素が必要なかったり、肺炎がなかったりするので、すべて軽症に分類されてしまうといった問題があります。「ほとんど軽症」といっても実は医学的に見たら軽症ではない方がとても多かったりします。安易に、重症が少ないというだけでなく、入院率とか酸素投与が必要な率とか、そういうことを相対的に考えていく必要があると思います。

内田:ありがとうございます。「軽症」「重症化しない」という言葉が独り歩きしている印象もありますが、実際重症化しないでも、長期の発熱や呼吸困難、そして後遺症と、相当辛いということも皆で認識しなおさなければならないと感じます。

峯先生、安川先生、内田先生はアメリカで仕事されています。向こうの内情を知っている人の発言は重要。

それに対してこういう記事も。オミクロン株は“コロナ終息のサイン”か 弱毒化の兆候も デイリー新潮 22/1/14

感染爆発している欧米各国が微温的な対策にとどまっているのは、オミクロン株を恐れていないからだろうか。それはうがちすぎかもしれないが、松井准教授はこんな見方を披露する。

「100年前のスペイン風邪は第3波で収まりました。終息理由ははっきりとは解明されていませんが、諸説あり、一つは集団免疫ができたということ。ほかには、病原性が下がったということ。私はその両方ではないかと考えます。では、オミクロン株に関してはどうか。私の推測の域を出ませんが、オミクロン株の登場が、新型コロナウイルス感染症終息のサインの可能性は、あると思う。終息途中の段階の一つではないか、というのが私の考えです」

矢野医師も主張する。

「ウイルスが進化の過程で、感染力が強く弱毒化した変異株を作らざるをえないのは、自然の流れです。いま風邪のコロナウイルスが4種類ありますが、それらも新型コロナ同様、かつて大流行し、鼻水やのどの痛みなど、風邪の症状で終わるようになったと思われます。この新型コロナも、病原性が落ちて重症度が減り、近いうちに5番目の風邪のウイルスになると思います。私はオミクロン株、もしくは次の変異株でさらに病原性が低くなったとき、そうなると考えています」

この記事はちょっと注意しないといけないのが、読んでみると専門家の人たちが慎重さを捨てたわけではないのです。ただ、引用したところを記事のタイトルに持ってきていて、記事中にもちょこちょこ編集部の意向を感じます。

前の記事の峯先生の発言に「オミクロンが拡大してから、日本のメディアからの依頼が増えました。ただ、デルタまでとは論調が大きく変わっています。どこのメディアもまず「オミクロン弱毒化」という一点に目を取られ過ぎ、考えすぎ、考えが偏りすぎているように感じます。依頼の時点で「今までのような感染対策はもう必要ないのか」とか「コロナは風邪になったのか」というような質問から始まるものが非常に多いです。」という一文がありました。そういうやつかも。

コロナの将来については専門家の意見がちょっと分かれているように、予想の難しい局面だなと思います。

ウイルスは基本的に弱毒化していくはずだという見通しは、このパンデミックの開始当初から言われていました。なのでなんとか耐えていればいつか収まるという希望を見ているわけですけれど。

弱毒化する仕組みはこうです。あまりにも強いウイルスは感染した人がすぐに動けなくなり死んでしまうので、感染拡大するチャンスがなくなる。そうするとむしろ弱い方が勢力を拡大する。そちらが優勢になっていく。

ただ、この新型コロナウイルス、SARS-CoV-2の特徴が気になります。発症までの潜伏期間が長く、インフルエンザでは発症2日後といわれる一番感染力の高い時期が、むしろ発症前に来てしまっていました。またかかっても症状にかなり差があり、まったく無症状なのにウイルスをまき散らす患者が大勢います。

そうすると弱毒化するための前提条件が崩れてしまっています。強いウイルスも十分に他の人に感染を広めることができるわけです。

オミクロン株は潜伏期間が短くなっているようですが、この感染のピークとの関係はどうなっているのか。どちらにしろ無症状感染者が撒き散らすから、関係ないのかな。めっちゃ広まってるわけだし。インフルエンザ絶滅レベルの対策でも抑え込めないし。

弱毒化したというのも、デルタ株に比べてということで、インフルエンザに比べたら致死率高いですしね。「ただの風邪」は遠いのではないでしょうか、というのが僕の結論です。

もう一つ気になっているのは後遺症です。

この間、コロナ後遺症として血管がやられてしまう結果、男性器が短くなってしまうという、驚きの事態が報道されていましたが。

僕が一番恐れているのは脳へのダメージ。思考に霞がかかったようになるブレインフォグなど、いろいろ報道されています。後遺症の研究も進んでいて、ウイルスが増幅する時に細胞内器官を部品に利用してボロボロにしていくという記事を見かけました。それ神経細胞で起きたら、再生しづらいからもう駄目なやつでは。

頭の回転が悪くなった作家なんて死んだも同然。それだけは絶対に避けたい。

オミクロン株で後遺症はどうなってるのか。こっちはもうちょっと時間が経ってこないと見えてこないのでしょうが、すごい気になるのです。

これがある限り、僕にとってはただの風邪なんてとんでもない。やっぱり、感染対策は欠かせないなあと思うのでした。

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