運用延長
NASA 国際宇宙ステーション運用期間を2030年まで延長の方針
アメリカやロシア、日本などが運用に関わる国際宇宙ステーションについて、NASA=アメリカ航空宇宙局は、再来年、2024年までとなっている運用期間を、2030年まで延長する方針を明らかにしました。
2011年に完成した国際宇宙ステーションの運用期間は、当初の予定から延長されて、再来年、2024年までとなっています。
これについて、NASAのネルソン長官は先月31日、2030年までさらに延長するバイデン政権の方針を発表しました。
ネルソン長官は声明で「より多くの国が宇宙で活動するようになる中、アメリカが宇宙を平和的かつ責任を持って利用するためのルール作りを主導することがこれまで以上に重要になっている」として、アメリカが引き続き運用に関わることが将来の月着陸など宇宙計画の進展につながるとしています。
また、NASAは将来、国際宇宙ステーションにかわり、民間企業が建設する宇宙ステーションを利用する意向を示していて、今回の運用期間の延長により、2020年代後半に建設が計画されている民間の宇宙ステーションへの移行が進むとしています。
運用期間の延長には今後、アメリカ議会による予算の承認のほか、ともに運用を行うロシアや日本など各国の合意が必要となります。NHK NEWS WEB 22/1/2
2016年までだった運用予定が2024年まで伸びていた国際宇宙ステーションを、さらにもうちょっと使い続けようというニュースなのですが。
ちょうど録り溜めてあって休みの間に見た科学番組で、国際宇宙ステーションに関する気になる話があったのです。
見たのはスペースデブリの除去についての番組。打ち上げに伴う破片、使い終わった衛星など、現在地球を取り巻く軌道上には大量のごみが飛びかっています。秒速8kmぐらいのすごい速さで飛んでいるので、小さな破片でも衝突すると大きな破壊力を持つことになり、問題となっています。
その中で、宇宙ステーションの被害について触れていて。実は小さい衝突で壊れているところがあるそうなのです。船外活動用の手すりに穴が開いていることが取り上げられていました。衝突痕は切り口が鋭利でめくれ上がってて危ない。気づかずつかむと宇宙服に穴が開きかねない。
そんな話を見ていて、それは大変だ、交換しないとと一瞬思ったのですが。
交換は簡単にはできない。
地上ならそんな危ないのは取り替えましょうですむけれど、宇宙ではおおごとです。そもそも部品をお取り寄せするにも、打ち上げコストがすごい。日本のH2Aで1kgあたり100万円ほどかかるそうです。これをコストダウンしようと、H3を作ったり、外国では民間宇宙会社が再利用型ロケットを開発したりしているのですが、まだまだお気軽にほいほい打ち上げられるお値段じゃない。
船外活動もおおごとです。真空の宇宙で動きの制限される宇宙服を着こんでの作業。気軽に「じゃ、ちゃちゃっと直してきまさあ」という感じにはならない。
ということは、けっこうぼろくなってても使い続けているということ。
そんな番組を見た後だったので、この運用期間延長は、思っているより重大な決断なんだろうなあと思ったのでした。無事に使い続けられるといいですねえ。
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