軽石漂着と地球のダイナミズム
本日は、地球の活動はすごいな、と思ったニュース。
沖縄方面に軽石が漂着しています。画像を見てびっくり。港を覆い尽くす規模です。
波間を漂う軽石を、船のエンジンが吸い込んでしまって故障、というニュースもありました。海水を取り込む方式の水冷エンジンだと、冷却系がダメになるのだそうです。
発生源は小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場。今年8月13日、大規模な噴火が報じられました。軽石は噴出したマグマが冷えて固まった物。マグマには気体も含まれているため、それで穴ぼこだらけの構造になります。その結果、軽くて水に浮く場合がある。中の空間に海水が入っていけば浮力が減って沈むのですが、今回は国内の噴火としては戦後最大級だったそうで、うまい具合に浮くものが大量発生。そこから海流に乗り、流れ流れて沖縄へ。噴火のニュースを聞いた時には、こんな影響があるとは思いつきませんでした。1000kmぐらい離れているんですよ。すごい。
小笠原諸島では、西之島の活動も続いています。元々あった小さな島のそばで噴火が起きたのがまず1973年。一年ほどで島は4倍の大きさになって噴火は止まりました。その後、2013年に再噴火が起きて、以来断続的に噴火が続いています。その結果、島はどんどん大きくなって、最初の50倍以上の大きさに。大きく育っていく様子は、何かうきうきします。
小笠原諸島には他にも火山島が並んでいるのですが、これは地球の作りと関係しています。地球の表面は十数枚のプレートに分かれていて、ゆっくり移動しています。海底プレートが他のプレートとぶつかり、マントルに潜り込んでいくところが海溝。小笠原諸島の脇には伊豆・小笠原海溝がありマリアナ海溝へとつながっています。沈み込んだプレートは水分が多いため融点が下がり、地下の高圧高温で溶けてマグマとなります。すると、それが上昇して噴火して、海溝に沿った形で火山が並ぶ。小笠原諸島だけではなく、日本列島自体にも、そうしてできた火山が連なっています。
地球はただ固い岩石の塊ではなくて、そうして長い年月のスケールで動き続けている。それだけでなく、その影響で新しい陸地も生まれていく。科学ロマンを感じる話ですねえ。
ただ、ロマンだけで済む話ではなく、当然現地の方にはいろいろ被害が出ていて。先ほどの船の被害がそうですし、そうすると離島では生活物資の輸送に影響が出ますし。漁業も、沖へ出る漁だけではなくて、養殖のいけすの魚も死んでしまったケースが。
さらに、海流に乗って軽石が北上し、本州に届くシミュレーション結果もあります。前述の通り、海水が浸み込んでいけば重くなって沈んでしまうはずなのですが、どれぐらい影響は広がるのでしょうか。
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