昨日の話の続きです。新型コロナウイルスのデルタ株で感染力が上がってしまった結果、どうもワクチン接種だけで以前の日常を取り戻すのは難しい様子。
そうなると、影響が大きい業種があるよなと思ったわけです。
まず一つ目。最近話題になってたのが音楽フェス。
めっちゃ密になってるけど、いいのこれ、という画像が出回り、さらにおかしな感染対策を取っている所も発覚。
特にひどかったのが、愛知県で行われたNAMIMONOGATARIです。観客をがっちり入れて密になっている上にアルコールも販売。主催者は自治体側と相談して許可を取ったとすぐバレる嘘をつき、ばれたら夜逃げして連絡がつかなくなるというクズっぷりを発揮。その後、クラスターの発生が確認されました。
他のところはそこまでではないのですが、それでも例えば僕が参加するようなイベントで言うと、即売会でもサッカーでも人数制限はかなり気にしています。さらに席の間隔も空けてソーシャルディスタンスに配慮。あんなに叩かれた東京五輪に至ってはほとんど無観客で行われていました。なんで音楽フェスだけこんなにあまあまなのか。
イベント系のエンタメは昨年の緊急事態宣言の時から状況が厳しいと世間にアピールしていて、大変そうだなと思って見ていたのですが、この失態連発で、音楽イベントに対する同情心が吹っ飛びそうになりました。ですが。
当然ちゃんと対策している所もあり、同時期にライブ中止のニュースもいくつか見ました。そういうちゃんとやってる人たちは、憤懣やる方ないんでしょうねえ。
さて当初から厳しいと言われていた業種としては、飲食店、特にアルコールを提供しているお店があります。そんなドキュメンタリーも見ました。
『コロナ時代の人情酒場 横浜・野毛 2021年夏』NHKBS1
横浜の飲み屋街、野毛。ここのドキュメンタリー、以前も見ました。
まん延防止等重点措置が続いていた時期。もうそれを無視して夜に営業してアルコールを提供している店が映っていました。その手前には真面目に休業しているお店のおじさん、という構図で不満を吐露。
正直者がバカを見るのはなあと、これも同情心吹っ飛ぶ案件かと思って見ていたところ。
今度は営業していたお店の方を取材。店のローンに介護が必要な家族と、お金が必要な事情があって、協力金では回らないので開けているとのこと。協力金がだんだん値切られているというのもあるようです。開けている方にもやむにやまれぬ事情。厳しいですねえ。
さらに新しい対策が発表されて、それについても困惑の声が上がっていました。で、ここがちょっと考えたところなのです。
飲食店側から撮っているので、行政の後手後手っぷりに憤っている構成なのですが、そちらがやりたいこともわかるのです。ただ去年から対策をずっと見てきて、どうしてもグランドデザインが欠けている感じがあるのは否めない。
どうやったら終息するのか、どれぐらいかかるのかが不透明なまま来ているので、とりあえずとりあえずの積み重ねになってしまっています。
例えばこの手の飲食業のドキュメンタリーを見るたびに考えているのは、飲食店は食品衛生法でチェックされているので、そこでコロナ対応レベルの換気などを条件にしたら営業できたりしないのかな、ということ。焼肉屋さんみたいな各席換気で下から上昇気流を作ったら、エアカーテンとして飛沫感染を防げたりしないのか。
当然この考えには問題はあって、まずそもそもそれで防げるのか、研究がいる。そして、防げたとして、そんな法改正と設備投資は、これが常態化するという見通しがないと踏み切れない。
僕自身は、かなり長い間、下手するとこのまま戻れないのではと、ずっと疑念を持っているので、そういう考えになるのですが、世間一般としては、いつか戻れる、戻りたいという希望が多数派だと思います。その結果が、とりあえずの積み重ねになる。これは行政側だけではなくて、業者側も。
ただ昨日書いたように、どうも当分続きそうということが見えつつあります。新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長も、15日の衆院厚生労働委員会で、まだ2、3年はかかると答弁したようです。やはり行政だけでなく、イベント系、飲食店、さらには観光業など影響の大きな事業者の側も、それを踏まえた業態を探っていかないといけないんじゃないかなと思うのでした。
身近なところで言うと来週頭がコミティアなんですけれど、即売会はこの状態をどこまで踏ん張れるのでしょうか。ちょっと心配。
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