一区切り
6/27にありましたHON.jp News Casting。最近原稿作業に追われ、少ない休み時間は欧州選手権を中心としたサッカー観戦に追われて、なかなか見ることができてなかったのですけど、本日ようやく感想をば。
タイトルは『【特番】パンデミック後の米出版界事情』、ゲストは文芸エージェントでHON.jpファウンダーの大原ケイさんでした。大原さんのお名前を初めて知ったのは、どの記事だったかは忘れてしまいましたが、電子書籍が話題になってきたころだった記憶。アメリカでお仕事していて、アメリカでの先行事例を書いてくれる人としてお見かけしていました。まさかその後、日本独立作家同盟でご本人にお会いすることになるとは思ってなかったです。
さて特番ということで、今回は前編後編合わせて2時間にわたる大長編。話題も多岐にわたりました。
でもやはり僕が気になるのは、電子書籍とセルフパブリッシングの話題です。出てきた電子書籍関連の話で興味を惹かれたのはまずこちら。アメリカでは紙、電子書籍、オーディオブックの3点セットでの発売が普通になってきているとのこと。
買う方にとっては、自分の読む目的やスタイルに合ったものを買えるので便利だなと思う反面、その分作る手間が増えているわけで、コスト増による採算ラインの上昇はないのかなと、ちょっと気になりました。
採算ラインを越えられるかどうかという問題は、作品の質によるだけではなく、扱っている題材やテーマとの関連もあるので、コスト増加でその辺りがシビアになったりしないのかなと、心配になるのです。
そういった採算ラインに関連しているなと思ったセルパブ周りの話もありました。
セルフパブリッシングの作家を試す形で、その3点セットで発売するのではなく、電子書籍版のみの発売というパターンがあるとのこと。しかもその場合、普通アメリカの出版では当然だった、前払い金がなく、実売印税のみのケースもあるということです。採算が合うかどうかわからないのでリスクを減らした形。作家にとってはありがたくない方向に変化しているということで、気になりますね。
でも考えたら、日本はもともと前払い金なんてなかった。アメリカが日本に追いついたということか。(違う)
その他にもいくつかセルパブ周りの話題があったのですが。
全体を聞いた印象としては、そろそろ先行事例としてアメリカを見る時期は終わったのかなということ。
日本の方がスタートが遅れていたので、先に進んでいるアメリカはどうなんだろうと今まで見ていたのですが、まだ普及し切ったというほどではないにせよ日本でも当たり前の存在になったので、社会的な状況の違いの方が影響するようになってるのかなと感じたのです。
オーディオブックとか向こうが進んでいる部分はまだまだありますが、例えば日本の場合、漫画の影響力が大きくそこで引っ張っているとかそういうところ。
大原さんの記事で先行例を知り、大原さんの特番でそろそろかなと思う。僕の中での一区切りとして何か象徴的だなあ、と考えさせられた番組でした。
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