デザインの目の付け所
月曜恒例HON.jp News Casting。4/26のゲストは、グラフィックデザイナーの美柑和俊さんでした。本の装丁から書店の売り場のグラフィックデザインまで、幅広く手掛けていらっしゃるそうです。前回放送のテーマだった角川武蔵野ミュージアムのエディットタウンのお仕事もなさっているそう。
今回一番印象に残ったのは、美柑さんご自身で用意されていた資料。本作りに関係するデザインについて一覧できる図表を作られていました。3分辺りの『ブックデザインの要素』。
商業出版で仕事をする場合、作家は中のコンテンツの部分を作りますが、そこから先は全部お任せ。まさに美柑さんのようなデザイナーの人にやってもらうわけですけれども。
個人出版をするとなると、この辺りも全部自分でやることになります。ふとそういうことを思いながらその図を眺めていると、確かにこの辺は決めてかなきゃいけないことだよなあと、うなずくものがありました。
そしてもう一つ、その図自体の完成度の高さ。当然のようにとてもきれいにデザインされています。
緊急事態宣言が出ているのでちゃんと開催されるかどうか危ぶまれるのですが、5/16の文学フリマに出る予定で、さらに6月のコミティアも当選した模様。そうすると、ちょうどこの休みの間にチラシとか作っといたほうがいいな、となっているわけです。そのようにやらなくちゃと考えている時に、プロの人がデザインしたものが目の前にドンと出てきた。そんなタイミング。
よく見ると、この一枚にも色んな考えなければいけないポイントが詰め込まれています。項目のグループ分けに応じて囲む図形が違うとか色使いとか。細部までの徹底した作り込みに感心して眺めていました。
こんなふうに見た途端に急に考え始めるというのは、逆に普段は意識して見ていないということでもあります。プロの手によるデザインは、身の回りにあふれている。本だけに限っても、僕の部屋は本当にあふれかえってますからね。どの本もプロが細部まで作り込んでいる。それを視界に収めつつ、さらりとスルーしながら生きているのです。
それをずっと見続け、意識に乗せて考え続けて、本当に細かいところまで目が届くのがプロフェショナル。しかし電子書籍による個人出版が出来るようになった現在、僕みたいなその時になってから行き当たりばったりで作っている人の物も同じ土俵で売られることがあるわけで。なんとかしてかないとダメなんですよね。
大変な時代だなあ。
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