100年後まで生き残る
日曜日のHON.jpブロードキャスティング。今回のゲストは書店『双子のライオン堂』店主、竹田信弥さんでした。竹田さんは「100年後まで生き残る」というテーマで、たんに本を売るだけではなくいろいろな仕掛けをしている模様。竹田さんの本『めんどくさい本屋-100年先まで続ける道』。
冒頭のお話の中でも、読書会をしていたり、ラジオ番組があったり、文芸誌を出していたりと、活動は多岐にわたっていました。すごい。
僕はよくある「本は文化だから書店を守れ」論に対しては冷めてるんですよね。環境が変わってるんだから、それに対応しないとダメだろと思っているから。
それに対して、竹田さんは環境変化に対してめっちゃ動いているわけで、こういう人は本当に尊敬できる。
環境変化の大きな要因の一つに、週刊誌やファッション誌のような雑誌の売り上げが落ちたことがあると思うんですよ。それと漫画の売り上げが書店を含めた出版流通を支えていた。漫画は電子に移行した分があって、全体としては拡大さえしている。雑誌の方は電子移行という形ではなく、例えば文春オンラインみたいにパッケージの形を捨てて変容していっている。
つまり、書店は情報拠点としての機能を担っていたけれど、それがネットに移ったという環境変化。そういうふうに変わった時、では書店の生き延びる道はと考えると、情報を右から左に流す仕事ではもう、ネットの優位性にはかなわないのだから、自ら情報源となるしかない。
その点、竹田さんの活動は理にかなっています。お店ではいろいろな人に選書してもらった棚を作っているそうですが、これは本の並びに付加情報をくわえた形。選書のサービスをなさっているそうですが、それもそうですね。読書会などのイベントは、本をもとにそこから新たな情報交流が生まれている。ラジオなんかまさに情報発信ですし、究極だなあと思うのは、自分から本や雑誌を出していることです。
岩波書店はもともと古書店だったそうで、それを考えると本屋が自ら本を出すのは、むしろ先祖返りなのかもしれない。
後半のzoom交流会のテーマが、「本屋と電子書籍」「本屋と出版」ということで、まさに上記に沿っためっちゃ気になる話題だったのですが、例のごとく、仕事中だったのでした。くそう。
この回でもう一つ、気になったトピックスはこちら。ブンゲイファイトクラブ。
鷹野さんが「すごい近くで行われているのに、ほとんど情報追っかることできなくて悔しい」と言ってましたが、僕もわりと身近なところで行われているイベントなので、ツイッターで情報流れてきてたりしていました。本当にタイトル通り、文芸で戦うイベント。トーナメント方式勝ち上がり。
上で書店の環境変化について書きましたけど、当然書き手の方にも環境変化の影響はあるわけで、そういう中でいろいろトライしている。こうして変化にチャレンジしている人は、本当にリスペクトなのです。
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