2020年出版界振り返り
12/27放送のHON.jpブロードキャスティング。ゲストはフリージャーナリストの西田宗千佳さんでした。年末特番で2020年を振り返る一時間スペシャル。お話に熱がこもってそれでも時間オーバーという、とても中身の濃い放送でした。
ただ僕はその日、大忙し期間真っただ中だったので、見れたのは年が明けてから。そちらを見て考えたこと。
いろいろあった中で、気になったトピックはやはりまず、一番目に取り上げられた「集英社、小学館、講談社、KADOKAWAなど、マンガに強い大手出版社が好決算」。
ヒット漫画が多かったというのもあるけれど、電子書籍がちゃんと立ち上がっているのが大きい。決算にそういう数字が出ているとのこと。
ちなみにこれに対応していた話題が「東野圭吾、森絵都、百田尚樹、村上春樹、星海社など、ついに電子版配信開始」です。電子版をかたくなに拒んできた人たちの配信が始まった。
ちょこちょこ言っていますけど、電子化に対する文芸側の対応の遅さ。それを象徴する構図となっています。
取り組まなかった理由として、フォントが選べない等のクオリティの問題が挙げられていましたが、漫画は思い切って見開き捨ててますからね。コマ割りを含めた構図の取り方は漫画演出の根幹に関わる問題で、ケータイ漫画が出てきた時から漫画家の間ではそこが崩れることを理由に嫌う人がとても多かった。僕も最初は嫌でした。
それでも電子書籍を作ることが重要という判断で、見開き表示にならなくてもしょうがないと進め、今回こうして結果に表れている。特に、コロナ禍で緊急事態宣言も出た中では、家にいながらさくっと買える電子書籍はとても便利でした。子供向けに無料公開をした話も取り上げられていましたが、あれも電子化していたからできたことです。フォントだの改行だの言ってる場合じゃなかったと思うんですよね。
かつ、この問題の皮肉なところは、そういう未来を見通せてない文芸側の方が、頭いい人、識者として扱われることが多いということですね。自分が一番詳しい身近な問題さえ読み違えてるのに、畑違いのところに口出すなんて。ほんと嫌なんだ、この状況。
さて、番組の中では好決算の話題の中で、電子化についてはさらりと触れただけで、それよりも映像作品の原作としての役割が高まってきていることが大きく取り上げられていました。日本は出版が物語を作る才能を吸い上げていく仕組みがしっかりしているからというお話。
確かになろうから初めて世界的大ヒットまで至った作品もありますよね。そういう夢があるのはとてもいいことだなあと思いました。
2021年はどういう年になるのかなあ。
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