浸透工作と行動パターンの違い
日曜日のHON.jpブロードキャスティング。今回のゲストは作家、ゲームデザイナー、漫画原作者の架神恭介さんでした。
この回のピックアップ記事は6本あって、その中で一番気になったのはこちら。台湾で中国コロナ対策賛美の絵本 浸透工作か、発禁要求の声上がる 共同通信20/12/2
こちらの放送は出版関連ニュースの中から話題をピックアップしているので、この辺の国際政治絡みの話になるのは珍しい。なので取り上げてはいましたが、「本当は表現の自由側なんですけど……」と、ちょっと歯切れの悪い感じで語られていました。まあ、この辺の話はデリケートなところがありますからねえ。
僕自身はSF書きとして未来の行く末が気になるということで、昔からずっとこっち方面のニュースを追っています。中国のこういう工作は、三戦と呼ばれるやつですね。
中国と台湾の対立がこのニュースの土台にあるのですが、他の地域だとオーストラリアで政治工作が問題になって、現在激しく対立中。中国はそれに対して徹底抗戦、フェイク動画を政府報道官が拡散してオーストラリアを貶めるという前代未聞の強硬対応。これだけではなく他でも戦狼外交と呼ばれる強引な外交を各所で進め、中国の評判はどんどん悪くなっています。日本の対中感情も順調に悪化中の模様。
これ、根本にどうも文化的な違いがあって、中国的にはちょっとした争いがある時にはこれぐらいやって当たり前で、それが諸外国では極悪と思われることに実感がないのではないか、という気がしてるんですよね。
この絵本の場合もそうで、中国が展開しているプロパガンダのままなので浸透工作だと批判が出ているわけですが、そのプロパガンダ自体に、「謝ったら負け」「嘘ついてでもごまかすが吉」という考えが根っこにあるなと感じるのです。情報隠蔽の結果初動をミスったのは自明なのに、それをなかったことレベルでごまかそうとする。
戦狼外交も、どうも力に対する感覚が違うような気がする。力を持つ者がルールを作っていいのだから、力をつけた中国に小国共が従うのが当然、しかりつけたら黙るべき、と思ってるのでは。実際、そういう発言があった。
どちらも日本だと信用を失う最悪手ですが、多分中国では違うんだろうなと。単純な良い、悪いではなくて、地域の環境、歴史が、そこに住んできた民族の行動パターンを作っているんだと思うんですよ。
ただ、そうするとお互い理解できないから、このまま衝突は激しくなる一方です。ちなみに僕も、こういうことなんだろうなと考えてはいても、心情的にはどんどんマイナスが積もっています。
いったいどこまで行っちゃうんでしょうねえ。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 大忙し期間後半突入も波高し(2022.08.18)
- ワクチンと子供(2022.08.17)
コメント