« 仕事中徒然日記 | トップページ | 偵察広島vs札幌・FC東京と広島戦展望 »

2020/12/15

安易なコロナ不況と尖った雑誌

日曜日のHON.jpブロードキャスティング。今回のゲストはゲーム作家の米光一成さんでした。HON.jpで主催したNovelJamで審査員を務めておられました。ご縁のある方がゲストなの、久し振りですね。

さて話題に出たニュースの中で気になったのはこちらです。今年は100誌以上の雑誌が休刊 コロナ不況の追い討ちで歯止めがかからない雑誌不況 SEVENTIE TWO 20/12/11

放送でこの記事に関して米光さんがおっしゃっていたのは、コロナ不況というフレーズに対して、そもそもコロナ感染流行前からではないか、ということが一つ。

もう一つは雑誌不況というフレーズに対して、若い人や一人出版社の作っている尖った雑誌には元気で面白い雑誌がけっこうあるので、確かに大部数の雑誌ではないのだけれど、ひとくくりにして雑誌不況と言うのは少し違和感がある、ということでした。

僕はあまり雑誌を読む人ではないのですが、記事を見た感想としては、米光さんと同じようなところで引っかかっていたので、そうそうとうなずいていたのでした。

まず、コロナ不況というフレーズに関して。安易な言葉に頼りすぎじゃないかなと思ったのです。出版のニュースを追っていると、今年のトピックはなんといっても『鬼滅の刃』の大ヒットです。その結果、本屋さんの来客数は増えているというデータがありました。さらに、コロナ感染流行に対する外出自粛の影響で巣ごもり需要が発生。むしろ出版は、この事態で有利になった業種なのです。

この辺を書いてる記事をちょっと検索してみて、出てきたのは例えばこちら。書店市場4年ぶり拡大 「鬼滅」特需が追い風 時事ドットコム20/12/4

本屋さんに人が来ているというのはちゃんとデータに出ていて、それでも雑誌が潰れているという話なわけですね。

さてそれでもコロナ不況の影響が考えられるとしたら広告です。潰れた雑誌例の中にはファッション誌が多く挙げられているようです。ファッション誌は非常に広告ページの多い形態。広告出稿減はダメージ大きい。

こちらもどうなのだろうと検索かけてみたのですが、先ほどの記事のようにスパッとわかりやすいデータは見つかりませんでした。ただ、企業アンケートなどによると、緊急事態宣言が出ていた辺りは7割ぐらいの会社が減らしたそうですが、下半期に入って、逆に半分ぐらいのところが増やしていて回復傾向にあるとのこと。

とすると、もともとぎりぎりになっていたところに、緊急事態宣言の当たりで広告減ってとどめを刺された、という展開はありうる。特にファッション関連だと、巣ごもりしていたら需要が減っていて、広告出稿元の会社も苦しかったはずだから。

ただ、他のジャンルの雑誌はどうだろう。コロナ関係なく、買ってもらえなくなったからでは?

なんで僕がこの記事に厳しいかというと、雑誌不況とか、もっと大きく出版不況とか言った時の、思考停止っぷりを常々苦々しく思っているからです。

「不況」という言葉は「好況」とセットで、経済活動の波というイメージがあります。つまり「一時的」というニュアンスを持っている。でも、今起きていることは環境変化によるもの。情報やコンテンツの流通経路がネットにシフトしていった結果です。環境に対してきちんと対応しないと、抜け出せないのです。

漫画はこの変化にだんだん対応していって、電子書籍でもきっちり売れるようになりました。ですが小説はいまいち。児童書はもっといまいちです。非常に困りものです。

そういう時に、現状認識がおかしいのではという記事を見ると、自然と眉間にたてじわができちゃうのですよ。現状の根本を認識できてなかったり、認識してるつもりでおかしかったりしたら、対応できないの当たり前じゃん? というわけで、安易に雑誌不況と括り、コロナと絡めたこの記事がめっちゃ引っ掛かったのでした。

この視点からすると、逆に米光さんのおっしゃっていた「尖って元気な雑誌」は、とてもいい話ですね。雑誌の持つ商品カタログ的な部分が、一番ネットに食われやすいところだと思うんですよ。その部分はもう商売にならないとしたら、じゃあ雑誌はどうするのか。変わった切り口とか、まとめ方とか、情報に付加価値をつけていかなければいけないんじゃないか。

そういう創意工夫で乗り切ろうとしている人たちがいるという話は、自分もがんばろうと思わせてくれるのでした。

|

« 仕事中徒然日記 | トップページ | 偵察広島vs札幌・FC東京と広島戦展望 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 仕事中徒然日記 | トップページ | 偵察広島vs札幌・FC東京と広島戦展望 »