長雨・洪水・バッタ
今年の梅雨は始まった時から、妙に風が強くて変な感じだなあと思っていたのですが。
各地で豪雨被害がひどいことになっています。
梅雨の風情もなにもあったもんじゃない。
ちなみにこの梅雨前線、もとをずっとたどっていくと、中国につながっています。あちらの方も洪水被害がひどい様子。
ただ、洪水の様子をSNSに上げたら逮捕というお達しが出た、という話があり、どうも詳細がはっきりしません。多分、政府の対応への批判が広まらないようにということなんでしょうけれども、そういう隠蔽体質でコロナ禍初期対応失敗して世界に広まるはめになったのにねえ。まあ今回は自分のところだけだけど。
さて、前線に話を戻しますと。
今年のこの状態には、温暖化による地球規模の気候変動の影響がある模様。
地球上には自転の影響で、一定方向に風が吹く地域があります。日本上空の偏西風もそれ。赤道でも同じ現象が起きています。その結果、海面の海水が西へ西へと吹き寄せられ、東側では深海の水が湧き上がることに。太平洋赤道上でこれが年により強かったり弱かったりすることによって起きているのが、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象です。日本がこれで冷夏になったり猛暑になったりします。
インド洋でも同じようなことが起きていて、インド洋ダイポールモード現象と名付けられています。これらの現象が近年の温暖化で極端になっているのではないかと言われており。
今回のこの豪雨は、ダイポールモードで温かくなったインド洋から、大量の水蒸気が供給されて起きている模様。豪雨についてのNHKスペシャルで、アマゾン川3本分の水蒸気が日本上空に流れてきているってやってた。3本分……(+_+)
さて話はここで終わりません。
日本でも近海の海水温が高い状態だと台風被害がひどいことになるのですが、このダイポールモードの影響でインド洋ではサイクロンが発生。これがアラビア半島やアフリカに上陸して、普段の降水量が少ない地域が水浸しになり、その結果起きたのがサバクトビバッタの大発生です。洪水後の湿った土地で産卵して大発生するという生態なのだそうです。
こちらの大集団はアフリカ東部を席巻したのち海を越え中近東、アジアを東進、とうとうインドまで到達。食糧生産に大損害を与えています。中国まで届くのかなと思ったら、さすがにバッタにヒマラヤ越えは無理だった模様。
なのですが、バッタはサバクトビバッタとは限らず、中国北部と南部で、それぞれ別のバッタによる被害が確認されています。現在の洪水の後の湿地で大繁殖しかねず、危惧されています。
なんか南米でもバッタ発生しているみたいなんですよね。全世界食糧危機なのか……?
温暖化による気候変動は、科学のニュースをずっと追っているのでよく知っているつもりで、近未来SFを構想する時には当然それを踏まえた世界を考えるのですが。
実際起きてみると、思わぬ影響があって、世界の複雑さは人間一人の脳みそには手に負えないなあと思い知らされますね。
今日は晴れていたので梅雨明けなのかなと思ったら、天気予報は月曜からはまた雨予想だった。なかなか明けないなあ。
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