バッタ禍・コロナ禍・食糧危機
コロナパンデミックの裏で、あまり大きく取り上げられていないのですが、もう一つ、世界的な危機が進行しています。こちら、ずっと気にしているニュースです。
サバクトビバッタが大量発生、農業被害拡大中。
バッタの食害かあ、では済まないのが、そのスケールのすごさです。
その名の通りアフリカや中東の乾燥地のバッタで、雨が降り食草が生えるのに合わせて生まれるという生態。そしてその名の通りの生態がもう一つ。このバッタ、密度が上がると群生相という飛行形態に変化。長距離を移動するようになります。その結果、広範囲に食害が及ぶのです。
たまに大雨で大量発生して被害が出ていたのですが、近年の温暖化によりサイクロンも強化、さらに日本ではエルニーニョ現象という海水温の変化が異常気象と紐づけられて話題になるように、インド洋にもダイポールモード現象と呼ばれる海水温の変化があって、それも重なって乾燥地が大雨続きに。結果、まずアラビア半島で大量発生したのが2018年5月。
その後も普段はサイクロンが少ない地域なのに上陸が続き、大量発生がおさまりません。2019年夏にはアデン湾、紅海を越えて、東アフリカのソマリア、エチオピアに。そこでもタイミングよくサイクロン上陸、バッタはどんどん増え続け、周辺国へ拡大。さらにアフリカを脱出、東進を続けて、現在なんと、インドまで到達しています。
そしてとにかくすごい量。何千万とか、下手すると数十kmに及ぶ何百億匹という群れになるのです。写真とか動画見てるけど、無理。キモ過ぎる。視界がバッタで埋め尽くされているんですよ。
そんな大群なので、被害も半端ない。FAO(国連食糧農業機関)はアフリカで2500万人が食糧危機になると警告しています。
またまずいのが、コロナパンデミック進行中じゃないですか。ちょうどインドのドキュメンタリーを見たところだったのですが、ロックダウンで食料流通に問題が出てるんですよね。農家のおじさんが、市場に持ってけないからとトマトの出荷をあきらめて、トラクターで畑丸ごと潰していた。ここにバッタが来て、生産にも支障が出たらやばい。
さらに他の国では、パンデミックで季節労働者の移動が止められていて、生産に支障をきたしているというニュースがありました。そちらでも、食糧問題になると言われているのです。
そしてバッタは高い山を越えられないので、中国には入れないのではと言われているのですが、中国ではすでにアフリカ豚コレラで食糧の値段が上がっていて、そこにコロナで周辺国の輸出停止があって買い占めが発生しているという話。世界中に火種がある。
日本は主食の米は自給どころか余っているので、そう簡単に危機にはならないと思うのですが。輸入関連で値上がりとかあるかもなあ。やだなあ。
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