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2020/04/12

メンタルヘルスを守るニュース

緊急事態宣言後、初の週末。外出自粛により人の接触を8割減とすれば、感染流行は抑えられるという話なのですが、僕に関しては8割減は無理ですね。普段から、週末出かけないから。0に8掛けしても0なのです。

そんな僕なので、家にいるのはストレスじゃないのですが、ニュースを眺めているとストレスが溜まります。ダメな情報が流れてくるからです。特に政府たたきの目的が勝っちゃって、ろくに調べていないデマとか流れてくるとほんとにむかつく。

そういうものの一つに、「日本は検査が少ない。アベ政権がごまかすためにわざと減らしている」というのがありました。もし、そういうことを言い続けている番組を見聞きしているのなら、もうやめることを本気でお薦めします。この戦いは長丁場になります。誤情報で不安を高め、メンタルを削るのはよくない。

わざと減らして隠蔽しているのだ論のおかしいところは、その場合、不審死が増大するはずなのにそんなデータは見られないことです。確かに中国は怪しかったですよ。火葬場の稼働率が高すぎるとか、トラックで運び込まれる大量の骨壺とか、謎のスマホ解約数とか、いろんな噂がありました。でも政府に都合の悪い情報が消されるわけでもない日本だというのに、そういう話はさっぱりない。

むかつくのはこれが、自分の政治志向のために、最前線で感染リスクを負い、まさに命がけでがんばっている医療関係者の皆さんを貶めているというところです。だって、みんなを救おうとがんばっている人たちを、アベに忖度して国民を危機にさらしていると決めつけたんだぞ。糞野郎を極めてるだろ、そんなやつ。

検査については実際、絞られていました。その理由は陰謀論などではなく、一つは検査の感度があまりよくないから。なので、風邪だかどうだかわからないレベルではなく、明らかにやばい症状の人、もしくは感染が明らかに疑われる人に対して行っていた。こちらはあまり言われていないようですが、日本はCT大国で、肺の画像診断でも目星をつけている模様。

もう一つは、技師さんの数。PCR検査というのは、ウイルスの遺伝子があるかどうかを調べる検査です。ただ、それは簡単に見つけられるわけではなく、見つけやすいようにまず数を増やさなくてはいけません。他の人の検体とちょっとでも混じったらいけないので、厳密な作業も求められます。つまり、めっちゃめんどくさい科学実験を毎回やっている状態。なので、その辺の暇な人に機械のボタンの押し方教えればできるというわけではなく、訓練を受けた臨床検査技師さんが必要です。

そして、お医者さんや看護師さんもそうですが、そういう専門家の訓練には時間がかかり、今日明日に必要だからとホイホイと増やせない。ガンガン検査を増やせば解決と言っていた人たちは、そういうところが見えていないということで、そんなレベルの話を聞くだけ時間の無駄、心配が増えるだけむしろ害。

なので、そんなところの見聞きはやめて、ちょっといい感じで音楽でも流して、あなたのメンタルヘルスを守るべき、と思うわけですよ。

さらにですね、メンタルヘルスを守るということでは、このようなニュースが。これが今日の本命。

コロナ検査を1時間に大幅短縮 島津、20日にキット発売

 島津製作所は10日、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを約1時間で調べられる、医療機関向けの検査キットを20日に発売すると発表した。現在主流のPCR検査は、結果の判明まで時間がかかるが、従来の工程の一部を省略することで検査時間を大幅に短縮した。

 10万件を検査できる量を毎月生産する。1キットで100件の検査ができ、価格は税別で22万5千円。当面は国内のみの販売とするが、米国や欧州などへの輸出も視野に入れる。

 島津の新手法もPCR検査の一種だが、ノロウイルス検査などにも用いられる独自の試薬などの技術を用い、ウイルスの中の遺伝子を取り出す作業を省略した。産経ニュース20/4/10

よっしゃ、来たでええええ!

追うべきニュースはこういうやつ。検査を増やすなら、根性でどうこうじゃなくて、こういう手段が必要でしょう。ざっと調べてみたところ、検体にはいろいろ他のものも混じっていて、ウイルスの遺伝子を増やすのに邪魔なのでそいつをどうにかする工程が必要なところ、そこを省いてもOKという技術の模様。「独自の試薬」が邪魔する働きを抑えるようです。

島津製作所には、ノーベル賞を取った田中耕一さんがいます。現在、社内の田中最先端研究所所長で、血液からの病気の早期診断の研究を進めているとのこと。この技術について調べていたら、その研究所の人の名前が出てきました。やっぱり、基礎研究大切。

そして、検査能力が上がるのであれば、次は薬も欲しいところ。現在、世界の創薬環境にはちょっと手詰まり感が出ていました。新薬の当たりが減り、開発費が高騰して困っていた。そこで、ゼロから新薬ではなくて、もう売っていて副作用とか調べ終わっている薬が、他の病気に効いたりしないのかという研究の流れがありました。

その流れがあって今回も、もうできている薬から効くやつがないかと調べているところ。今話題になっているのは、インフルエンザ薬のアビガン。インフルエンザウイルスとコロナウイルスは、同じRNAウイルスというグループ。アビガンはそのウイルスの遺伝子、RNAのコピーを邪魔して増えないようにする薬です。なので、コロナウイルスにも効くのでは、というわけです。

ちなみに、エイズウイルスやエボラウイルスもRNAウイルスのグループなので、その薬の中に効くやつがあるのではと調べられています。アメリカの製薬会社が開発中のエボラ出血熱の薬が効くかもというニュースがありました。

他の薬では、大村智先生がノーベル賞を取った抗寄生虫薬イベルメクチンが話題になっています。なんでいきなりフィラリアの薬が? と思って調べてみたところ、実はデング熱のウイルスに効くのではという研究がすでに進んでいたのだそうです。やっぱり研究大切。

よく効く薬が見つかれば、患者さんの回復が早まり病床の回転率がよくなって、医療崩壊を防げます。それでこらえてワクチン登場まで待てば、ワクチンで予防、かかっても検査して薬で治るという、インフルエンザと同じ治る病気として対応できるようになります。こういう見通しが持てるニュースが、この事態の中でメンタルヘルスを守るには大切。

現在、お医者さん、看護師さんを筆頭とした医療関係の皆さんがふんばっていて、研究者の人たちががんばって対抗策を研究している。そうやってみんなのために戦っている人たちがいる。

そういう人たちを信じて、じっと辛抱。

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