創作エンジン高回転
近年の僕の悩みは、創作用の脳内エンジンが止まり気味だということでした。漫画以外の仕事をするようになって気がついたのですが、本当はかなり切り替えが下手なタイプだったようなのです。
漫画の仕事をしている間は、手伝いに行っていた先が漫画の話が好きなタイプの先生だったということもあり、仕事をしながら創作論やら感想やらを語り合い、帰ってきてからは自分の漫画のことを考えて。要するに、切り替えをせず、ずっと同じことを考えていた。
ところが全く違う畑の仕事をすることになると、切り替えがうまくいきません。
漫画の仕事を全部やめてしまったわけではなく、アシスタントも入れていたので、あっちの仕事半分、漫画半分のつもりでいたのですが。
強制的に描かねばならないアシスタントの仕事はともかく、自分の原稿となると、さっぱり進まない。確かに一番時間のあった、半月泊まり込みで半月オフというときほどは時間は取れないけれど、それでもこのペースは遅すぎる。おかしい。こんなに減るはずはない。
原稿を書こうとして机には座っているのです。でもふと、あっちの仕事のことを思い出して、違うことを考えている。創作用の脳内エンジンがエンストを起こしてしまっている感じで、手が止まっているから別のことが気になり始め、ますますエンジンがかからないという悪循環。
しかもその切り替えがうまい人は世の中に普通にいて、ちゃんと働きながらでも原稿進んでいるんですよね。そういう人と比べて、自分の下手さ加減が際立つから、ますますへこむ。
そんな悩みを抱えながら過ごしてきました。
それがこの年末年始。あっちの仕事の方が恒例の大忙し期間だったのですが、何かコツをつかんだ模様。エンジンを全く切らない状態で乗り越えることができました。元旦更新もできました。
そして年始からもずっとエンジンは回り続けており。
このあいだは1日でコミティア用のSFショートショートを書き下ろし。『マルくんのおことわり』も、思いついたところを先に書いてしまう虫食い方式ですけれど、第11話に手をつけたところ。
そしてとうとう、昨日仕事帰りの電車の中。「今週の仕事が終わったあ」と、ぐんにゃりしていた時。
テクノロジーの進歩が素晴らしいのは、スマホから原稿いじれるところ。ちょこっとシーンを書き足そうかなと思って始めたら。
そこで創作エンジンが高回転域に突入した感覚があったのです。このエピソード、この調子なら最後まで書き切れるとなって、家に帰る途中のスーパーで書きながら食べられるおにぎりを購入。家に帰ってそのまま、エピソードの最後まで書き上げました。朝に寝た。
仕事で疲れているのに、頭の中は回転していて、帰った途端にネームを切る。そんなことをしたのは、ナベ先生のアシスタントにフルタイムで入っていたころの話です。あの状態が、今、僕のところに帰ってきたんだと感動しました。
ただしこの話にはオチがついており。
あの当時もそうだったのですが、これは、体力は使い切っているのにテンションだけが高くなっていて、予備燃料から何からすべて燃やし尽くすということなので、翌日のダメージがひどいのです。あの当時もそうだったから、無理に進めずにしっかり寝てから、翌日するようにしたんだった。久々だから忘れていた。
というわけで本日はヘロヘロなのでした。特に何にもしてないのに夜になったよ?
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 受験シーズン(2025.02.07)
- みちびき6号(2025.02.06)
- 時間捻出生存報告スタイルに(2025.02.05)
- 免疫負債(2025.02.03)
コメント