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2019/10/23

セルパブ40%増

さて本日は昨日の話題に続きまして、僕の出版への認識に関連したニュースについて。僕の認識は1・デジタルシフトは、便利なんだからして当然。2・セルフパブリッシングで個人が同じ土俵に上がれるようになったので、採算ラインを下げて、ニッチなものがもっと出回る多様性あふれる世界が来てほしい。3・デジタルシフトすると宣伝もそちらが重要。ニッチなものはさらに重要。どうやって広め、ほしい人に届けるかが一番の課題。というものです。昨日は1でした。今日は2について。こちらのニュースです。

アメリカでセルフ・パブリッシングが引き続き40%成長 HON.jp News Blog 19/10/16

というわけで、アメリカではというニュース。さらにAmazonのKindle Direct Publishingのデータが公表されてなくて抜けているのだそうですが、そこだけ他と大きく違うという要因も思いつかないので、全体としては拡大しているのだろうなと思います。いいなー。

日本の場合はどうなのでしょうか、あまり全体のデータをまとめた調査を聞かないのですが、気になるところ。

あとよくわからないのが、日本では無料の投稿サイトがかなり流行っているのですが、向こうではどうなのでしょうか。あれも入れて考えるなら、日本でもセルフパブリッシングはかなり拡大していると言えるのではないかと思います。

この辺が、セルフパブリッシングを考える時に、ややこしいところなんですよね。パブリッシングを「公にする」という意味でとらえれば、ネットができてホームページで自作を発表した人たちの時点で、セルフパブリッシングです。しかしセルフパブリッシングという言葉がよく使われるようになったのは、やはり従来の出版と同じに土俵に乗ったころ。同じ流通経路で個人が簡単に売ることができるようになってからだと思うのです。

というわけで、この「同じ土俵」ということにポイントを絞って考えると、上の要点1の「デジタルシフトは当然」という、昨日の記事と繋がってきます。

「出版社もデジタルシフトが進んでいるようだ」というのが昨日の記事だったのですが、そうすると同じ流通経路で制作コストの高いものと低いものが混じって売られることになるわけです。出版社を通した方が当然、印税率が低くなるわけで、著者にとってはそれを上回るメリットがあるのかどうかが重要ポイント。

今までは考えるまでもない話だったのです。紙の本の時代には、出版社を通さなければ全国流通が難しかった。しかし電子では違います。「作品の流通」ということに関しては、商業出版もセルパブも変わりません。リアル書店からネットへの流通経路の意向で、一つ焦点になるのがここだと思います。

リアル書店の本のプレゼンテーション能力はとても高い。本好きであれば誰もが経験してきている、大きな本屋さんをぐるっと回ってくると、なぜか手元に買う予定のなかった本がある現象。そういう形で新しい作家さんやシリーズと出会うことがよくありました。ネットではそのきっかけを作ることが難しい。気になったらさっと買えるという部分ではネットの方が有利なのですが、その「気になる」に持ち込むのが難しいのです。

パブリシティに予算をつけて、ということであればちゃんと効果を出せるのでしょうが、本の大半にはそんな予算はついていません。そういう素に近い部分で、売る力があるかどうか。ぶっちゃけ、ちゃんと売ってくれないならセルフパブリッシングで自分で出してしまった方がマシ、という状況も考えられるわけです。

逆にポジティブな視点としては、そもそも需要が小さいところ、ニッチな市場というものが考えられます。セルフパブリッシングという究極のコストダウンが考えなれるのであれば、かなりニッチなところでも採算が合う可能性が出てきます。

そういうものがたくさん世に出て、豊かな生態系を築いてほしいなというのが、僕の願い。そういう点で、アメリカでどんどんとセルフパブリッシングの市場が広がっているのは羨ましい限りで、さて日本はどうなのだろうかということが気になるわけです。

無料の投稿サイトの中では、カクヨムが広告収入を著者に還元しようという動きが今月から始まります。この辺りの動きにも注目です。

さて明日は3について。宣伝は大変だけど、うまくいけば、という例について。

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