SNSで売るということ
インディペンデントな文芸同人誌を作ってSNSで売るということ――『かわいいウルフ』製作日誌
ちょっと前にマガジン航に出た記事。ヴァージニア・ウルフをテーマにした同人誌を作って、SNSで宣伝、見事500部売り切り、さらに重版かかっているそうです。
僕の場合はオリジナルの創作だから、最初の食いつきのところの事情が違うわけですけれども、こうした先行事例を知ると励みになりますね。
現在商業チャレンジ向け企画として小説書いていて四苦八苦しているのですが、月末には、COMITIA129に参加です。最近、商業、同人の境はどんどん薄れていくんじゃないかと、ますますそう思うようになっています。世に流れる情報量が増えているので、人それぞれ興味のおもむくところをどんどん深掘りできるようになっている。ニッチな需要が全体では増えていて、でもそれ一つ一つは旧来のシステムでは採算が合わないからです。
例えば僕のサッカーで言うと、大昔、情報源がダイヤモンドサッカーとサッカーマガジンしかない時代というのがあったんですよ。その頃だと、サッカーファンなら、話題は共通だった。でも、サッカー番組がどんどん増えていくと、全員が同じものを見ている状態ではなくなっていく。特に僕は性格的に世の流れに乗るのがめんどくさいと思ってしまう口なので、本当に好きなものからしか見ない。そうすると、全部見る時間なんてないので、サッカーファンというくくりだけでは、話題が共通だかわからない。
今、ちょっと休憩してサッカーでも見るかとDAZNのサッカーページに行くと、久保選手が出ているレアルのプレシーズンマッチへのリンクがあります。久保君がレアルでレギュラー取ったら痛快だろうなあとは思っているのですが、その前に見なきゃいけないものがある。そこを素通りして下の方に行き、J2のカテゴリーに入って、今週はレノファ山口ですよ。横浜FCと水戸との対戦を偵察ですよ。
というような状況が、人それぞれでたくさんあるはずです。
記事の話に戻ると、実際、文中に「こんなニッチなテーマで」とご本人の言葉があるのですが、だからよかったんだろうと思うのです。ニッチだけど、確実に欲しい人がいる。文中にも「ヴァージニア・ウルフを好きな人は多くいるのに」とある意味、その前の文と矛盾した箇所があります。ビジネスの目線で言えばニッチ。でも読者の目線で言えば多くいる。
そういう矛盾をはらんだところは他にも多くあるでしょうし、そういうところが掘られていってこそ、出版の森に豊かな生態系を維持できる。
こういう事例がどんどん増えていってほしいですね。
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