ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 11
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 11 (大森藤ノ・著)を読みました!
フィーネを助けるために冒険者たちに手を出してしまったベル。しかしその事情を明かすことはできないため、金に目がくらんだと誤解され、その評判は地へ落ちる。近しい人たちに話すこともできず、急成長する大型新人として世間の期待が大きかった裏返しで、街の人々の厳しい視線に晒される。
ベルに助けられたモンスターたちもまた、苦境に陥っていた。ダンジョンに帰りたいけれども、そこへの道筋は冒険者たちに抑えられ、無傷で通ることは叶いそうにない。その状況を打破するために、またベルたちに協力を求めることになり……。
前回、9、10巻をに続いてのエピソード。章は通しになっていないけれど、3巻構成でした。
人間と同じように考え喋るモンスター『異端児(ゼノス)』たちと関わり、苦しい立場に立たされているベルとヘスティア・ファミリア。しかし一度彼らのことを知ってしまっている以上、見捨てることはできない。
そこに対立するのはロキ・ファミリア。今まで散々書いてきたので、彼らの強さは読者にがっちりしっかりと伝わっています。特にこのエピソードの前の短編集で書かれた、ロキ・ファミリアの団長、勇者フィンの思いが効いています。
彼が冒険者を続けている理由が書かれていたため、ここでの立場の違いが鮮明になり、対立するしかない。
どうやって囲みを突破するのか。自然、手に汗握る展開になるのです。
長く書かれた長編は、こうしてそこまでのエピソードを伏線として使える。積んできたものが効いてくる。
物語の醍醐味だと思います。面白かった!
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